風が強くて家にこもる。三MENです!
気温が低いし雨が降るしでもうやってられないです!
今回は光璃我慢の回です・・・大変です。
三人と共に、隊に戻ったアキラは考えをまとめた。
『あの兵が何故鬼から人に戻れたのか?やはり、考えられるのはこの刀・・・確か、あの三流は鬼血を浴びせろ。と言った。つまり、その血を浴び続けたせいで鬼しか切れない刀になったという事か?今までの鬼は身も心も鬼だったから斬ったら消えたが、あの兵は鬼になって数分も経たない上に心は人間だった。だからこそ切り口から呪いが出されるような感じになり、人間に戻れたという事でしょうか。鬼を斬って人間を斬れなくする刀・・・つまり』
そこで結論を出した。吉野の狙い・・・この刀をそれにした理由を。
『・・・まあ、泳がせておきますか。いい機会です』
アキラらしい嫌味な笑いをした。昔らしく、相手を苛立たせる挑発的な笑いだった。
その後、出陣し田中城、駿府に入る前の最後の三河の城へ向けて出発した。
「これからが執念場です。頑張りましょうね、葵」
「そ、そうですね」
隣にいる葵と話をしているが、何やら葵の様子がおかしい。アキラと傍にいることが嬉しいのか、アキラの話を半分くらいしか聞いてないみたいだ。
「話、聞いてました?」
「・・・っえ?ええ!き、聞いてました!」
その答え方は、聞いてない人の答え方だ。
「それにしても、珍しいですね。あなたの傍にいる金魚のフン・・・もとい、悠季君がいないのは」
「あ、あの!本当に、ちゃんと聞いてましたから!・・・悠季なら、詩乃殿と雫殿のところにいます」
「あの二人のところに?」
「はい、何でも軍略を勉強をしたいらしくて」
「勉強?悠季君が?」
「ああ見えて努力家です。本当にあの子には助けられてます」
皮肉をよく言う反面、必死に頑張る人間。まるでアキラのようだ。そして、その事はアキラ本人も思った。
「いい家臣ですね。ちょっといき過ぎの部分もありますが」
「うふふ、そうですね。私も思います」
笑顔で話しながら、進んでいると先を進んでいるアキラ隊の兵から報告があった。
「誰もいないですわね」
「うむ、いないのう」
「完全に立ち去った後ですな」
その報告は、田中城に鬼はもういないというものであり、その田中城に着いて確認したが本当にいなかった。つまり、撤退したという事だ。
「武将・武田信虎ともあろうものがこのような愚策を使うなんて」
「某も、同意見です」
「・・・目的を考えてみましょう。愚策をしてでもおびき出す理由を」
武将ではあり得ない指示に、詩乃・雫・幽が理由を話し合うと一つの結論に達しアキラを見た。
「アキラ様ですね」
「はい、私もそれだと思います」
「鬼をよく斬れる刀をお持ちですからな」
三人とも同意見だったが、アキラは違った。
『あの無能に従っているからでしょうね』
これが吉野・・・無能にランクダウンしたあいつの仕業だと見抜いた。
「なるほど、間違ってないでしょうね」
「その通りと言わないという事は、アキラ様は違うのですか?」
「そうです、詩乃。答えは、京にあるでしょう」
「・・・なるほど吉野ですか」
「鬼を操る存在。確かに、関わっていないとは言えないですな」
「でも、今はこっちです。ここから本番ですよ」
「「っは!」」
その返事とともに、田中城を後にした。
『なるほど、ありがとうございます』
『っは!続きに参ります!』
句伝無量で小波の報告を受けた。駿府屋形に向かう道中では、中級の鬼が出てきて館に進むにつれて多くなっていることと、北から連携をとる武田、長尾は比較的順調に進んでいるとのことだった。比較的と言う言葉に疑問だったが、鬼を北と東から同時に抑えているらしく、鬼も手間取っているらしい。当初は北を抑えてから東を抑える。という策だったが、変えたのは一二三と湖衣だった。
「なるほど、彼女達なら思いつけますね」
皆はよくできるものだと感心したが、アキラは出来て当然だろ。と思った。
『真田昌幸。私の世界では真田幸村の父親。真田の血を引く彼女と山本勘助。この二人ならできるでしょうね』
アキラの世界では、ひねくれ者の真田幸村の親だ。幸村ですらあれだったのなら、親はそれ以上のひねくれ者だろうと思っていた。
『それにしても、勢力が集合した時に薫から彼女の素性を聞いたときは本当に驚きました。真田が武田にいたとは知りませんでした』
内心、ニヤっと笑って二人を称賛した。
「あの二人に加えて龍と虎がいるのです。心配はないでしょう」
「そうですね。私達は私達のやるべきことを」
「ええ、お願いしますよ。皆さん」
「「「「はい!」」」」
話しも終わり、あの作戦を動かすために左右に軍師である詩乃と雫が行き、護衛にひよところ。自分達の護衛は梅になり、そのまま進んだ。だが、いつも一緒に動いている鞠は辛そうな顔をしていた。
「鞠、何もできないの。皆、頑張っているのに」
「そんなの気にしなくていいですよ。皆、あなたのために戦いたい。そう思っている者達ですから」
「でも、お礼できないの」
「ははは、何を言っているのです。いりませんよそんなの」
「え?」
お礼をいらない。その言葉にキョトンとする鞠。
「私達は助けたくて動いているのです。そうですよね、葵」
「はい。ですから、気に病まないでください」
「そうですぜ!鞠様!」
「鞠様の笑顔が俺達の太陽でさ!」
「うんうん!時々叱ってくれればいいのです!」
「お前は何を言っているんだ!でも、その通りですぜ!笑顔を見せていただければいいのです!!」
葵にだけ聞いたが、傍にいたアキラ隊の皆もついでに答えた。だが、これは鞠にはいい影響を与えた。
「この通りですよ。あなたは大将なので戻ってくる皆を笑顔で出迎える。それが一番のお礼なのです」
「「「「その通りです!鞠様!」」」」
兵のさらなる一言。この言葉で笑顔が戻った。
「うん!皆、頑張ってなの!」
「「「「は~~~~~い!なの!」」」」
「・・・あなた達は返事しなくてもいいです」
兵達の乱れのない返事に呆れたアキラだった。でも、彼ら鞠ファンクラブ・・・もといアキラ隊の兵達が自分達のアイドルを復活させた。
作戦は詩乃と雫の指揮のもと順調に進んでいったが、ついに来た。
『ご主人様!朱の武田菱の旗が見えます!おそらく出てきたかと』
「・・・信虎おばさんなの」
「でしょうね。それ以外考えられません」
因縁の大将が、ついに姿を現した。猿のような鬼と一緒とも言ったので、白川も一緒に行動している。
『鞠はけじめをつけたので大丈夫ですが・・・あの三人は』
『『アキラ様!大変です!』』
その因縁の娘三人は大丈夫かと思っていると、詩乃と雫から一大事の報が入った。
『武田衆の一隊がものすごい速さで信虎に向かっております!』
『黒地に白餅の旗・・・夕霧様の旗です!』
夕霧が信虎に突進しようとしている報だった。
「バカな!光璃がそんな無茶させるわけなかろう!」
「我慢が・・・できなかったのでしょうな」
一葉と幽の言葉に頷くアキラ。
「・・・急ぎましょう。夕霧がしたとなると、薫もやる可能性があります!」
一人ではやれないが、姉がやったら自分も一緒にやろうとするのが薫だ。だから、その可能性もすぐに気づけた。
「うん、アキラ!行ってきて!」
「鞠様!申し訳ありませんわ!」
「ご安心を、私達松平衆がお守りします!綾那と歌夜はアキラ様と一緒に行きなさい!夕霧様をお助けするのです!」
「「わかりました(わかったです)!」」
大将の鞠の兵が少なくなるが、二人の事も放っておけない。葵に任せるとして、信虎の場所に急いだ。
その頃の武田・長尾本陣。
「光璃」
「分かっている・・・春日と心に任せる」
だが、光璃の軍配を握っている手は震えていた。
『・・・本当は一緒に出たいのでしょうに、必死になって我慢しているのね。その気持ち、空を人質に捕らわれていたころと同じでなんとなくわかるわ』
だからこそ、美空はそれ以上何も言わなかった。
「お屋形様」
「今は何も聞かないで上げて・・・頼んだわよ」
光璃を横目で見ながら、一二三に頼んだ。
「ええ、美空様もお屋形様をお願いします」
「分かったわ」
本陣を出た一二三。すぐに湖衣が訊ねた。
「一二三ちゃん」
「堪えているよ。姉として、妹と一緒に行きたい。娘として、母親と話したい。それらを全て堪えて、その母親を討つ隊の将としての顔をして・・・見ていても辛さを感じるくらいだ」
「じゃあ、辛さを悲しみに変えないように」
「そうだ「申し上げます!か、薫様が!」・・・どうやら、夫殿に頼るしかなさそうだな」
「・・・そうだね。報告しないと」
苦渋な顔をしながら、二人は兵からの報告を聞いた。
『アキラ様、夕霧様の黒備えの隊の後ろに白地に黒の武田の旗も見つけました』
「・・・どうやら、主様の予感あたってしもうたな」
「そうですな」
詩乃の報告が届いた。白地に黒の武田の旗は薫の旗。自分の予感が当たってしまったということだ。
『武田・長尾本陣では今だ混乱。春日様と心様に連れ戻すよう出させましたが』
「ですが、夕霧様も薫様も馬の扱いは上手です。追いつけていないのでは」
『歌夜様の言う通り。薫様は徐々に近づけているのですが、お二人の方はむしろ離されています』
「薫は夕霧と行くでしょうから、助けるべき人間が二人になりましたか・・・時人を連れてくれば良かったです」
馬より早く動ける時人であれば、出会う前に二人を止められる。躑躅ヶ崎館の護衛に残してきたことを悔いたアキラ。
「今は二人を止めることを優先します。鬼もいるので、いつでも迎撃準備も」
「大丈夫ですわ、発砲準備はしております!」
「頼もしい言葉ですよ、梅(チュ)」
「ははは、ハニー!こんなときですが、とっても嬉しいですわ!」
「主様!余はしないのか!」
梅の頬に接吻したのを見ていきり立つ一葉だが、
「こうした準備をちゃんとしたのなら、してあげますよ?」
「ほっほっほ!確かに、公方様には絶対にできませんな~」
この言葉で悔しい顔をした。幽任せの一葉には確かにできない。自分が突撃して、狂喜乱舞して鬼を倒す。できることはそれだけだ。
「さて、雑談もここまで。急ぎますよ!」
「「「は!」」」
「余をオチに使うな!」
一葉の怒鳴り声は、全員聞き流した。
鬼を率いる信虎は、目の前にやってきた隊にいる二人を見て笑った。
「さて、親不孝な奴にはしっかりお仕置きしないとな」
笑っている隣にいる白川が何やら言った。猿の鳴き声にしか聞こえないが、信虎は何を言っているのか理解した。
「あの刀の小僧もこっちに来ているのか。ちょうどいい、行ってこい。くくく、戦局は一つの駒の動きで大きく変わる。さあ、来い!」
「逆賊!武田信虎!覚悟でやがる!」
そのすぐ後だった。夕霧と薫が信虎のところに着いたのは。
ついに対峙した二人と信虎だが、止めるべきアキラ達は少しずつしか進めていない。
「異常じゃな、この鬼の数」
「ですな・・・しかも、信虎が使っているとは思えないほど無謀すぎます」
「簡単に倒せてつまらないです!」
「まるで殺される・・・アキラ様に殺されることを望んでいるみたいな」
「ですわね。私達も傍にいますのに、目もくれずにハニーに向かっていますわ」
その理由が、鬼達が壁となって進めなくしているからだ。だが、奴らの襲うターゲットがアキラのみに絞って襲っているため、アキラは正面から倒しているがほかの皆は横から倒している。鬼の討伐数はアキラが一番多いくらいだ。
「主様」
「これが吉野・・・あの無能の狙い。何、大丈夫です。こっちもそれは分かっています。今は、十分に使わせてもらいましょう」
「・・・アキラ殿がよろしいのであれば」
一葉と幽は切れ者のアキラがわかっていたことには驚かなかったが、それをそのままでいいという事に驚いた。
「さあ、急ぎますよ!」
霧氷雹天で周りの鬼達を散らせて、どんどん前に進んだ。
もう一つの急ぐ隊・・・春日と心は信虎と対峙する二人と兵達の姿を見た。
「夕霧様に薫様!行くぞ!我らが甲斐の希望を救うのだ!」
「皆!準備はいい!」
「「「「「おう!」」」」」
二人を囲もうとする鬼に向かって突撃した。
その頃のアキラ達。だいぶ鬼も倒せたが、まだ進むには多かった。
「あの旗は春日殿と心殿ですな」
「やっと追いつけましたか。しかし・・・」
「うむ。間に合うには、まだ遠い」
「・・・綾那。二人で行きますよ。皆さんは後から来てください」
「「「「え?」」」」
アキラの綾那と二人で行く。この言葉に皆?を出したが
「主様。まさかあれを!」
「だ、大丈夫なのですか!」
血を吐いて倒れた姿を思い浮かんだ一葉と詩乃。
「大丈夫ですよ。あの時はまだ血をうまく使えていなかった。でも、今は完全に使えます!」
「また!あのでっかい氷柱。出すですか!」
「ええ、いきますよ!」
紫微垣を抜いて、壬生の血を発動させた。時間制限や不治の病といったものはもうない。完全な壬生一族の力を使える体で、川中島の時と同じ氷柱を出した。
「さあ、一直線です!」
「うっわ~~!早いです~~!」
今度の氷柱は上に上がるものではなく、真っ直ぐ前に進むものだ。その氷柱に乗っている二人はまるでバイクに乗っているかのように、あっという間に進んでいった。
「よし!余らも主様に追いつくぞ!」
「そうですわ!急いで鬼達を全滅させましょう!」
「「「「「おう!鞠様のためにも!」」」」」
アキラのためより鞠のために戦っている兵達に汗を流す歌夜。
「・・・何か、兵達に変な気合が入ってませんか?」
「この隊の将は変人ぞろいですからな。兵も変人ぞろいということですかな?」
『・・・それって、自分も変人と認めているんじゃ』
訊ねた幽にこっそりツッコミを入れた歌夜だった。
薫・夕霧と合流した春日と心だが、鬼の多さと信虎の強さに苦戦していた。いや、押されていた。
「薫!逃げるでやがる!」
「ダメだよ!お姉ちゃんを置いて逃げれないよ!」
「先代の強さは知っていましたが・・・鬼の力が入るとここまで強くなるとは!」
「っく!鬼も多くなっていくにつれて、兵が減っていく!」
四人とも強がっているが、兵がどんどん減っていき、しかも信虎を傷つけても元通りに体が戻る。その現実に顔に辛さが出てきた。
「不忠義者に謀反者、そして親不孝の娘二人。そろそろ、とどめを刺すとするか!」
「お姉ちゃんを死なせない!」
すると、夕霧を二人の方に突き飛ばし薫が前に出た。
「か、薫!」
「「薫様!」」
「ふ、孫六・・・母に逆らったことを後悔して死ぬがいい!」
「う、お、お姉ちゃんは、間違ってない!民の為に、甲斐の為に、お母さんを追放したことは間違いではない!」
必死に恐怖にかられながらも、母にそう言ったが聞く耳持たなかった。
「薫~~~!!!!」
夕霧の叫び声とともに信虎が刀を振り下ろした。薫は目を閉じた。夕霧も目を閉じた。心も目を閉じた。だから、それを見たのは春日だけだった。
「これが、あなたの刀ですか?」
「薫様!大丈夫ですか!」
その刀を紫微垣で簡単に止めているアキラの姿を見たのは。
「あ、あ、あ、アキ、ラ、どの」
さっきまでいなかった二人が目の前に現れて、自分達が手も足も出なかった信虎の刀を抑えている。いくら強いと言っても、かつての信虎に鬼の力が加わってはどうすることもできないと思っていた。
「さて、綾那。こいつの相手を頼みます。少々役不足ですし」
「え!綾那がやっていいです?」
「ええ、頼みますよ。一先ず、彼女らを安全にしないと」
「やったです!さあ、信虎!綾那の友達に危険な思いをした仕返しです!」
なのに、役不足と言って綾那に戦わせる。無謀なことにしか思えないのに、
『あまりにも頼もしすぎる・・・本当に、すごい方だ。アキラ殿は』
既に安心している自分がいることに気づいた春日だった。
アキラは無能の企みに気づきました。
鞠を励ますのは原作では主人公だが、ここでは鞠を慕う葵と兵達にしました。信虎との対決は次回でやります!
やっと、大会も終わりホッとしております。さあ、書くぞ~~!