腹痛で苦しんだ三MENです。ちょっと、熱出した際にそっちも苦しみだして、しばらくこれも書けませんでした・・・すいません。
ついに、紅虎VS太白も決着です!ちょっと、これ書いて辛かったです・・・。
『斬・阿修羅掌!』
『ぐああ!』
戦いが再開され、攻撃があっさりと返された。紅虎の技・八寸すらも防がれた。
『どうした。終わりか』
『く、くく!』
北落師門を立てて立ち上がる。
『全く、期待外れだな。その程度でくたばるとは』
『何でや・・・何で勝てないんや』
『勝てない?当然だ』
殺気ある顔を向けられた紅虎。
『口だけの正義を言うやつが、私には勝てん!私の信念を打ち砕くこともできん!』
何とか立ち上がった紅虎。一度目を閉じて、開いた。
『そうやな。ワイは軽い気持ちを持っていたかもしれん。あんさんによく似ている奴がいてな。そいつから逃げていただけかもしれん』
槍を持ち上げ再び構えた。
『だけど、逃げてばかりのワイを認めてくれた仲間もいるんや。どうしても、その仲間に迷惑かけたくないんや』
その顔は決断をした顔だ。
『ワイはもう逃げん!逃げない!そして、ワイは・・・己に克つ!』
『ふ、いい顔だ。その顔がはったりか本気か。見せてもらうぞ!』
太白も真剣に刀を紅虎に構えた。
「すごいな」
思わずつぶやいた小夜叉。
「そうです!確実にさっきと違うです!」
頷いた綾那。
「・・・四つしか刀の筋が見えなかったが、斬られた数からすると七つか八つは出しているな。どう攻略するのか、こやつの勝利への道じゃな」
笑顔で観戦する桐琴。同じ槍使いの三人は、どうやって勝機を生むのか楽しそうに見ていた。
『いくで!神影流奥義、八寸!』
『斬・阿修羅掌!』
そこに、二人の技が衝突した。
「さっき破られた技をまた?」
「どういう事でしょう」
「技は向こうが上だ!負けるに決まっている!」
壬月達三人の言葉通り、技が打ち破られ太白の刀でその身に刺された紅虎。
「思った通りだね。彼の負けだ」
「・・・いえ!」
一二三の言葉に湖衣が待ったをかけた。
『どや!これなら、ワイの八寸が食らえるやろう!』
刺されたまま刀を掴むニヤリとした紅虎。
「わ、ワザとやったっていうのか!」
「ま、真似できないよ~」
「うん。できないワン!」
「・・・柘榴もこれしか思いつかないっす!」
「残念だけど、松葉も」
自殺行為とも言える賭けに、三若もこの二人もびっくりした。
『おらああ!これが八寸の味や!』
紅虎の八寸がついに出された。慌てて後ろに飛んだ太白の左腰に命中させて、その部分が吹き飛んだ。それを見た心は、思わずビクッとした。
『随分と自滅的な手段ですね。彼らしいですよ』
『でもあの鋼の精神を持つ太白が刀を手放したぜ。これは、どうなるかわからんぞ』
アキラの言葉に梵天丸はフッと笑った。ようやく、勝機が見えたからだ。
『ど、どや・・・わ、ワイの八寸は』
『ふ、よくぞ・・・己に克ったな!』
二人もニヤリと笑った時だった。
『おじさんをいじめるな~~!』
『やめろ~~!』
『きずつけるな~』
太白に七、八人の子供が駆け寄った。
「あの子達は、何だ?」
「あの子達の顔・・・さっきの三人と同じ」
「造られた命の子供達?」
「守ろうとしている・・・本当に優しい人だったのですね」
「あの人、あの子達の為に戦っているのですね」
久遠達は太白の本当の姿を見て驚いた。あれほどの恐怖を生む顔が、今は子供達が出てきたことにより困った顔になっている。さっきまでの相手とは思えないくらい穏やかに見えた。
「(ぐす)太白さん・・・やはり、子供達の為に。その子達の為に、ううう」
心はもう涙を隠せなくなり、膝をついてボロボロに流した。
「ここ・・・」
心の涙に粉雪も声が出せなかった。こんな苦しい戦いをして、子供達の為に必死になっている姿を見て、子供達が太白を守るために石を紅虎にぶつけるシーンを見て、双葉やひよ達も涙を出していた。
「あ~~ん!格好いいよ~!」
「そう、だね・・・(う、ぐす)ひよ」
「優しいんだね~~うう、う、梅ちゃ~ん!」
「そうですわね、鞠さん。ああいう人だったんですわね」
「あの人は、本当にすごい人です・・・(ぐす、ひっく)」
「そうですね、双葉様。子供の為に必死に頑張っているものね・・・市達も胸が打たれたよ」
「太白さんって、本当に子供を大切に思っているんだね」
「そうでやがるな。もう、武将に誘うのはもうやめるでやがる」
「残念ですが、これを見てはそうするしかないですな」
アキラ隊と側室はもう泣くことをやめなかった。そんな中、まだ太白を武田家に入れようと思っていた夕霧と春日だが、これをみてもうやめることにした。
夢の方は子供達を三人に預け、太白は戦いの続きをしようとしたが、紅虎は何と刺さっている刀を抜いて彼に返した。
『バカな、やっと勝機を手に入れたのに』
『へ、あいつは馬鹿だからな・・・だが、そんなバカもいいもんだぜ』
アキラの言葉にサスケがニヤリと返答した。サスケの言葉に武将の皆も頷いた。
「です!全力で戦って勝つ!それが武人です!」
「かかか!バカじゃのう!本当にバカじゃ!」
「ああ!でも、面白いぜ!」
綾那・小夜叉・桐琴は特に紅虎をほめていた。
『いくで!』
『うむ・・・お主の漢。見せてもらおうぞ!』
再び二人の思いがぶつかり合った。泣いていた皆も、見届けようと涙を拭いた。
『おおおおお!ワイは、勝つ!』
『ぬうう!こい!』
武器をぶつけ合い、思いをぶつけ合い、そして己をぶつけ合って戦っている。見ている彼女達も、夢の皆も集中していた。
『なあ、ゆやちゃん。あの二人、あれだけ傷ついているのにまだあれだけ闘えるか。不思議に思わねえか?』
この注目している闘いの中で出た梵天丸の言葉に、
「そう言えば・・・あの人は刺されたっていうのに」
「太白さんも、あの攻撃を受けてただじゃすまなかったはず」
「そうですね。暑苦しい戦いですが、結構血を出しているのに」
「うんうん!どうしてあれだけ動けるんだろうね?お姉ちゃん!」
「・・・」「おじさんが教えてくれる?うん!わかった!」
詩乃に雫、悠季と雀が反応した。そして、烏の言った通り説明した。
『あの二人はな、自分達の持っている想いの重さが分かっているんだ。だから戦うんだ。刀を交じり合わせてこそ、伝わり伝えられる、その魂を』
この説明に、全員が言葉を出さないでただただその結果を見届けようとじっとした。
『へ、へへへへ。太白はん・・・』
『ふ、まだ、何か隠しているな』
刀のぶつけ合いが終わり間合いの外に出た時、紅虎が八人になった。
『・・・ワイ、あんたと闘えてよかったと思うとる!』
『それは私もだ!行くぞ!』
ついに決着がつく時が来た。
「どうやら、決着がつくときだな」
「とても血潮が沸いた戦いも終わりね。」
「うん。どうなる?」
彼女達の常識が通用しない戦いもあったので、皆は紅虎が八人になってもさほど驚かない。久遠・美空・光璃のセリフが出た後だった。
『神影流秘奥義、裏・八寸!』
『斬・阿修羅掌!』
両者の最後の攻撃がぶつかり合い、全身から出血して二人とも倒れた。
「太白さん!」
「親父!」
思わず叫んだ心と粉雪。夢の中でも子供達が叫んだ。その言葉に反応するかのように太白が必死に起き上がろうとしたが、紅虎の方は反応がない。
『・・・く!さっさと起きやがれ!バカ野郎!』
思わず叫んだサスケ。すると、北落師門が光り輝やき紅虎が起き上がった。
『わいが守る・・・子供達も樹海の人達も、みんなわいが守ったる!絶対にみんな幸せになれるように!穏やかに暮らせるように!・・・だから、だからわいを信じて力を貸してくれ!』
紅虎に太白は聞いた。
『・・・根拠は』
『ない!』
『確証は』
『ない!・・・でも、力は気持ち、思いから生まれるんや。だから、信じてくれ!』
その言葉に笑みをこぼした太白。
『全く、殺す気の相手にそんなことを言うとは』
思わず笑った太白が、敗北宣言を出した。
『紅虎、お前の勝ちだ』
その言葉を聞き、葵はアキラから聞いたことを思い出した。
『こ、これがアキラ様が見たサムライと親友の思いをぶつけ合った戦い。助けたいと願う思いと助けると決めた思いの戦い。本当に、凄かった・・・私も持てるかしら。あれほど強い想いを持てるかしら』
彼女がそう思う中、夢の方では二人の治療に入った。治療中にアキラが紅虎に切れて説教したが紅虎の戦いの考え方を少し認めたことらしく、当時は力が全ての考えのアキラからすれば珍しいことだった。
その後、子供達と三人を無事に樹海の外に逃がし、身の安全の保障のために紅虎の本名入りの書簡を渡した。その際に
『あれ?紅虎ってどうしてそんなの出せるの?真尋さんも従っていたみたいだし、もしかして偉い人なの?』
『なああ!い、いいや!あ、あれはやな!』
『ああ、ゆやさん。それはですね、この男がひ』
『ああ、アキラはん!アキラはんも重症だから黙ろうやね!』
『(バキ)『いった~』全く、いきなり掴まないでください』
『???』
ゆやにアキラが紅虎の本名を言おうとしたが、止められたために言えなかった。
「将軍の名前か・・・興味はあるな」
「そうね。名前を聞ければ、役に立つかもしれないし」
「聞きたかった」
「でも、まだ先はあるみたいですから。焦らなくても大丈夫かと」
「そうですね。今は、先を見ましょう」
当主達は今後の日の本の事を考えてそう思った・・・実は、約一名がその名前に深く関わっていることも知らずに。
「そうでしたな。まだ先がありましたな」
「もうここで終わりと思えるくらいの戦いでした」
「ほんとっすよ!そう思っていたっす!」
「親父が負けたのはちょっと不満だけど・・・だぜ!」
真琴の「先はある」で、まだ終わっていないことに気が付いた。そして、太白がゆやの兄には実の妹がいる話を終えた時だ。
『ぐ・・・』
太白がいきなり倒れたのは・・・その背中には刀が刺されていた。
『な・・・た、太白はん!』
その刀を見て、アキラ達は太白に駆け寄った紅虎を守るように戦闘態勢に入る。
「は?え、えええ!ど、どうしてです!」
「・・・な、何じゃと!」
「お、おい、何で、何で刺さっているんだ?」
実力者トップスリーの綾那・桐琴・小夜叉の言葉がこれだった。他の武将達も全然気づけなかったことに信じられなかった。太白を揺すりながら、紅虎が大きな声を出す。
『太白はん!言うたやないか!力を貸してくれるって!い、一緒に、倖せな世の中をつくるって!』
『紅虎・・・子供達を、頼む。お、お前なら、おま、え、なら・・・つく、れ、る。皆を、倖せに、できる・・・世界を』
『太白はん!あんさんが一緒やないとだめなんや!見ていかないといかんのや!』
『た、頼ん、だぞ』
最後、吹雪には気を付けるよう言って・・・
『・・・た、太白は~~~ん!!!』
夢の中の太白は、生の道を閉じた。
「・・・う、嘘。ううううう、うわあああああん!」
「お、親父~~~!」
紅虎の叫びでようやく太白が死んだことに気づいた。夢でも、過去でも、その姿を見るのはとても辛い。特に太白を親父と慕う粉雪や、夢を応援してくれた心にはトラウマとも言えることだ。
『いくで・・・ゆやはんが危ないんや』
その死を乗り越え、紅虎は先に進むことを言った。辰怜の術で彼女の命が、あと少ししか時間がなかった。
「な、なにいうのれすか!弔いくらい!」
「兎々、あいつの背中を見ろ」
兎々が文句を言おうとしたが、春日がそう言って紅虎を見るよう言った。
「・・・震えているのら」
「あいつだって時間があればそうしたかった。でも、今はやるべきことを優先させたのだ・・・悔しさと悲しさを我慢してな」
その言葉に兎々と同じ考えを持った三若や柘榴もなるほど。と思った。今だ涙のとまらない心と粉雪はアキラの言葉を思い出した。
心は太白とアキラの話をこっそり聞いたとき
『ああ、吹雪様もひしぎ様も今思えば辛い立場だっただろうに』
『ええ、吹雪自身もいろいろと覚悟を持ってあなたを殺したと思います』
粉雪は心がアキラに聞いたときのことを思い出した。
『あの・・・太白さんの事なんですか。一回死んだって本当なんですか?』
あれが本当だったことを、悲しみを抱えながら知った。
「これは夢だよ。現実では生きているんだろ?」
「落ち着いてください。大丈夫です」
「・・・分かっているよ。でも、辛いよ。あんなに必死に自分よりも子供の事を大切にしていた太白さんを、どうして」
「こんなのが、こんなのが親父の死に方なんて・・・知りたくなかったんだぜ!」
今だ涙が止まらない心と粉雪を慰める一二三と湖衣。だが、残酷な現実(ゆめ)にその涙は泣き止むまで止まることはなかった。
最後の五の門に向かって走り出す夢のアキラ達。それを見ながら
「壬月、麦穂、気づいたか?」
「いいえ。全く」
「私もです。恐ろしい手練れとしか言えません」
「二人はどう?」
「柘榴は気づけなかったっす」
「松葉も」
「春日は?」
「拙もです。皆が見ている中あんなことができるなんて」
「公方様は、どうでした?」
「悔しいが余もじゃ。幽はどうじゃ?」
「某もです。情けない限りです」
「歌夜と小波はどうだったかしら?」
「・・・ダメでした」
「申し訳ありません」
それぞれの当主が家臣の中で指折りの実力者にさっきのを確認したが、答えは全員分からないだった。
「恐ろしい手練れがまだ先にいるという事ですね」
「アキラ・・・そいつらと戦う」
「じゃな。ふふ、武人の血が騒ぐ・・・ワクワクするな」
貞子と各務、白百合の言葉に太白の死をまだ悲しんでいる二人には不謹慎だと思ったが、ワクワクすることは否定できない武将達だった。
そして、これはアキラ達が先に行った後の話。夢を見ている彼女らも知らない話。
『・・・ふう、着いた。何かあちこち行っていたような気が』
第四の門の前に一人やってきたものがいた。
『・・・ここって、確か辰怜だったよね。えっと』
その者が、門の前にいる死んでいる太白の存在に気づいた。
『あれ?どうして太白がいるの?ああ、じゃんけんで負けたんだね。だからいるんだね。うん、でも太白も偉いね。辰怜に譲るなんて、そうだよね・・・あいつって結構頑固なところあるし・・・・・・ねえ』
話しかけている男・・・ほたるは、ついにこの言葉を言った。
『どうして、死んでいるの?』
傍にある太白を刺した刀を見て誰が刺したか分かった・・・太白の袖をつかみ、
『ねえ、太白。俺ね、壬生一族って、すっごく嫌いだけど・・・あんたは嫌いじゃなかったよ・・・本当に、嫌いじゃなかった。そう、思っていた』
太白と門を燃やし始めた。だが、それはほたるの涙の代わりのように思える。
『ばいばい・・・太白。安らかに眠ってね』
その刀を持って、ほたるも五の門に向かっていった。
紅虎にとっても、心・粉雪にとっても辛い決着でした。ついに次で五曜星も終わりです!と言っても五の門の戦いはあまり書きませんが・・・アキラが戦わないし。
原作では、太白の最後にほたるは自分の炎で太白を燃やしましたが、自分にはあれがほたるの涙に見えたので今回そう書きました。
でも、その後は・・・う~ん、どうやって面白く書こうかな?だいぶ体調も回復したので、またいつも通りにかけそうです!では!