やはり、二度寝最高!三MENです。二度寝は本当に頭をすっきりさせてくれます。本当は以前書いたように三度寝もしたいですが、段々できなくなってきました。
今回はギャグ少なめ、シリアス多めです。アキラの辛いことが続く話です。後、時人にとっても・・・あの人にとっても辛い話です。
では、どうぞ!なお、夢の方の時人は夢時人と書きます!
久遠は、美空は、光璃は・・・いや全員が呆然としていた。今、彼女達の前ではとんでもないことが起こっていた。そうなる前の夢では、夢時人と顔を合わせたアキラと紅虎の前に現れた梵天丸をアキラが無言で斬りつけた。その姿にえ!と皆は思ったが、幻で本人は別のところに隠されていた。そして、梵天丸が夢時人に戦いを挑んだ。ここまでが呆然となる前の出来事だった。
夢時人と梵天丸の戦いが始まり、わずか数分で全員がああなった。その理由は、
「・・・速すぎるわよ」
「見えない」
美空と光璃の言う通り、二人・・・梵天丸の動きも夢時人の動きも目で追う事が出来ない部分が多いからだ。
「分からないぞ」
「ええ。どうなっているの?」
「梵天丸は何とか時々見えるが、もう一人の方の動きが・・・」
壬月、麦穂、春日の三人ですら全くなのだ。他の一葉や幽に鞠も似たようなものであり、若者連中に至っては梵天丸すら余り見えない状態だ。見えていそうな桐琴と小夜叉に綾那の三人はと言うと、
「あの漢、まずいな」
「・・・あまり見えてないが、確かに」
「やばいです!」
この三人も他の皆よりは見えているが、やはり半分も見えていないようだ。
「三人とも教えてくれ。どうなっているんだ?」
久遠の申し出に真剣な顔で答えた。
「まず、夢の中で時人がいるのかは、後で聞くとして」
最初に言ったのはこれだ。一緒に見ている時人は夢時人とは感じも顔つきも体つきも違うが、気づいた者はかなりいた。
「夢の時人が圧倒的におしているぞ」
「です!あの巨大な人もとても速いですが」
「夢の時人の方が全然余裕だ。むしろ、遊んでいる」
小夜叉の言葉に、皆だけでなく白百合や一二三もえ?と驚いた。彼女達もまたすでに見れてないので、三人の言葉だけが頼りなのだ。
「理性をふっ飛ばして本能で戦っているあの梵天丸をどんどん痛めつけている。しかも、痛めつける度に更に速さを増している」
「・・・『れべるふぉお』と言ったあたりからは夢の時人、綾那達でも見えなくなったです」
「綾那の言う通りだ。しかも、梵天丸の速さは全力らしいが・・・夢の時人はまだ半分じゃないのか?一瞬止まって見える顔にはまだまだいけるように見えた」
それを聞いて、全員絶句した。三人がかろうじて見えた部分から推測して話してくれたが、完全に自分達では手の届かない戦いだ。梵天丸の速さすらあまり見えていないのに、その上を遊びでいっている夢時人。
『はあ、はあ、はあ』
そんな中、梵天丸の意識が戻った。動きも止まり、ようやく彼の状態を見ることができた。
「・・・ひ、ひどい、あ、あんなに、傷だらけに」
「嘘、まだそんなに経ってないのに。も、もう」
「あ、あれだけの傷を受けたでやがるか!」
「薫達は、どうなっているのすらわからなかったのに」
「姿は大人と子供なのに強さは全く逆だね・・・勝てっこない」
「まこっちゃんの言う通りだよ。意識が戻ったのも痛みが重なったからで、もし市達だったら激痛で動けなくなっているよ」
側室達と夕霧の言葉は的確だ。特に市の言葉には、ほぼ全員の顔を青ざめさせた。特に武将達は、あっという間に倒される図が簡単に思い浮かんだくらいだ。そして、彼女らの視線は
「・・・ああ、やったよ」
「皆さん、気持ちはわかりますが」
「とりあえずこの戦いが終わってからで。終わったらある程度は説明するから」
時人に向かった。辛そうに言う彼女を、朱雀と庵樹はフォローしていた。
『おや~。これで終わりかな~』
血まみれになっている梵天丸と全く余裕の夢時人。結果がひよやころですらわかるくらいにひどい状態だ。その二人の間に入り込むアキラと紅虎。
『梵はん、わいらはなどんなに相手が強くても、あんさんを見捨てるようなことは出来へんがな』
『私は単に見てられなくなっただけです。それに、トラの言葉にも一理あります。死んで化けてでそうですからね』
二人も自分達が入っても勝てないのは分かっているが、見捨てることはできないため三人で戦うと決めた。彼女達も勝てそうな戦いであれば応援するが、
「む、無理だよ・・・」
「で、でも、でも!」
「勝てる策が、ない」
「逃げる策も、ないです」
「ど、どうするのですの、ハニー」
「アキラ。無理しないでなの!」
「ご主人様を、助けにいけない。それが悔しい!」
「夢とわかっていても、アキラ様を助けたい!」
「歌夜の言う通りじゃ!」
「理解していても・・・苦しいですぞ!」
「雀達は無理だね。でも、でも」
「・・・」「悔しいのがわかる?うん、鉄砲もきかないよね」
絶対に勝てない、それが分かってしまった。アキラ隊の嫁達はひよところが涙目になっており、詩乃と雫はどうしても策が思い浮かばない。ほかの皆も過去とわかっても絶望の状況に助けに入りたい気持ちでいっぱいだった。
『おめえらは、全く・・・』
フラフラの梵天丸が二人のところに歩いた。そして、紅虎の右肩をアキラの左肩を掴んだ。眼帯のあった右目も既に血まみれだ。
『どうしようもねえ、馬鹿共が・・・』
そして、笑顔を見せて
『おめえら、あとは・・・頼ん、だぜ』
二人を戦いで空いた壁穴に投げた。アキラも紅虎も驚きながら梵天丸を見た。
『ぼ、梵!』
『ちょ!ぼ、梵はん!』
「な!まさかあの人!」
「自分を犠牲に、逃がすつもり・・・だね」
「そんな・・・ど、どうなるの!あの人!」
「わ、分かりま、せんわ・・・どうなるのですの!」
「ぶ、無事を願いたいですぞ。ど、どや」
「あれだけの負傷を受けていては無事でいられるとは・・・しかし底知れない生命力もあるので・・・多分」
一二三と湖衣の言葉に空達は涙目になって震えていた。貞子もこう言っているが、やはりそこから先は言えなかった。その時アキラはあることを思い出し、それは彼女らには聞こえていた。
『(左肩の、この温もり・・・そうだ、俺がまだガキの時に狂の背中を必死に追いかけ続けていた時だ。遠ざかっていく狂の背中、追いつけない悔しい時に・・・無理と思いそうになった時にこの肩にぬくもりを感じた)』
刀を抜いて壁に突き刺したが、どんどん落ちていく。だが、落ちる速度は減速していた。紅虎の方も槍を刺して、落ちる速度を落としていた。
『(いつも、俺を・・・俺を、狂の背中に向けてくれた。ずっと、俺を後ろから見守ってくれた、一つ目の漢・・・そうだ!)』
上を向いて叫んだ。子供のころからずっと支えてくれ、育ててくれ、見守ってくれた漢の名を。
『梵天丸~~~!!!!』
アキラと紅虎はたまたまあった水溜りに落ちて無事だった。だが・・・
『・・・・・・』
アキラは震えていた。悔しかった・・・梵天丸を助けられなかったことが。その男がわが身を犠牲にして自分を助けたことが。
『あの野郎、あの野郎!くそ、くそ!余計な、事を・・・くっそ~~!!(バキ!)余計なことをしやがって!何が・・・何が後は頼むだ!』
感情が高まって水溜りを凍らせていき、その氷の一部を殴って壊した。
「すごい悔しがっているよ・・・アキラ」
「きっと、お父さんみたいな存在だったんだね」
「アキラ様もいたんだ。家族が」
「気づけたのが遅かったっすけど」
「だから、余計に悔しい」
「旦那も、親父みたいな人がいたんだ」
「そうだね、こなちゃん」
若者勢が同情する目で見ていると、紅虎がもっと強くなって梵はんを助けに行くんや!と言うと、氷を全部壊した。少しだけ落ち着いたが、
『くそ・・・くそ!・・・ちくしょう~~~!!!』
やはり悔しい思いでいっぱいだった。
「アキラ様。抱きしめて慰めたい」
「ああ、妻としてな・・・」
「でも、聞きたいことがあったわね」
「うん。時人の事、聞かせて」
葵の言葉に同意した三人だが、戦いは梵天丸の敗北と結果で終わった。アキラ達も移動を始めたばかりなので、話せる時間もある。
「この先の展開の事もあるから、あまり多くは話さないよ」
「構わん。進んでいけば分かることは見た方が理解できる」
「ありがとうね。では」
久遠の時人に気を使った言葉に感謝しながら、庵樹が説明した。この頃の時人の立場の事と父親となっていた村正の事を。
話が終わると、時人への視線も若干和らいだ。壬生で聖人・村正の子として産まれたが、彼は壬生の里を出た裏切り者扱いされていた。村正への罵声や文句は全部時人に向けられていた為、時人は村正を憎んでいて吹雪は彼女を受け入れて太四老にさせたから、吹雪の存在は安心できる存在でもあった。吹雪の名前が出た時、心の表情が暗くなり粉雪は気付いたけどそのままにした。
話しも終わると、夢の方で展開があった。
『あ!ほたるはん・・・と、あれ。辰怜はん!』
『あ、アキラと紅虎』
時人の領域でうろついていると、ほたると辰怜に会った。
「あやつは確か」
「太白さんを狂さんが殺したと思い込んだ人ですね」
「何でここにいるんだ?」
「しかも、ほたるさんといるということは敵対する様子もないですし」
年上組が疑問を言いながら見ると、お互いの状況を話し合っているアキラ達。辰怜の話では鎮明が太白を殺したのは吹雪だと話し本人が肯定したため、親友を殺された怒りで戦ったが負けて牢に入れられた。でも、抜け出すことができ、ほたると合流し太白の仇を取るため、こちら側に着いたという事だ。
その際、アキラは梵天丸の事で、辰怜は太白の事でお互い言い争いになったがほたるが止めて先に進むことになったが、三人の時人の部下に襲われた。うまいこと回避して返り討ちにしたが
「アキラ様の攻撃が効いてないです!」
「ほたるってやつの火も効いてないぜ!」
「時人の部下というくらいだから相当強いという事かのう」
「・・・ダイヤにクローバーにハートか」
「それがあやつらの名前か・・・にしても、四人いるのに傷一つつけられてないぞ」
白百合の言う通り、四人で必死に戦っているが三人は余裕だった。人数は一人アキラ達の方が多いのに、強さは三人の方が上だ。三人が更に追いつめようとしたら、一つの白線を超えたことに危機感を持っていた。そのすぐ後だった・・・三人が針だらけになって意識を失ったのは。
「な!ど、どうしたっていうんだい!」
「い、いきなり針を体中に刺されて気を失いましたね」
「ハリネズミ、みたいですね・・・ちょっと、気持ち悪いです」
ひねくれ組が驚いていると、後ろから一人の男が現れた。
「・・・また見ることができるなんてね」
「そうですね。過去なら、この方もいますよね」
庵樹と朱雀は懐かしい人を見る目で見た。特に、庵樹は少し涙目になっていた。その男はヤンキーような姿をしていて、紅虎がお礼を言おうとしたらアキラ達もまた針を体中に刺されて意識を失った。
「な!あ、アキラ!」
「ちょっと!だ、大丈夫なの!」
「あんなに針が・・・」
「で、でも、死んでいるようには見えないですが」
当主達と嫁達が不安になる中
「久しぶり、と言うべきなのかな。庵曽新(アンソニー)」
ただ一人、彼の姉である庵樹は呟いた。アキラの意識が失ったので真っ暗になった。
不安な嫁達だが、ちゃんと意識を取り戻して周りの風景も出たことでホッとした。
「・・・何かおっ母を思い出すな~」
「私は川並衆の棟梁をしていたころを思い出すよ」
ひよところがその場所を見てそうつぶやいた。
「この家をまた見れるとは思わなかったよ・・・ただいま、とは言えないけどさ」
涙を流した庵樹。アキラが起きたところは、
『あ。ここ、遊庵の家だ』
ほたるが呟いた通り、太四老の一人遊庵の家だった。夢時人の城を見ただけあって、こんなに平和や安堵できそうな家があったことに驚きを隠せない皆。しかも太四老の一人が住んでいるのに、家族達が友好的であることにも驚いていた。だが、最も皆が驚いたのが、
『私は次女の庵樹理華、よろしく』
夢の方で庵樹が現れたことだ。当然、何度も見比べていた。
「変わっていませんね」
「まあね。そのせいでちょっと不満だけど」
「私はアキラ様への想いで、これを大きくしました(ゆさ)」
「うん、私もアキラへの想いと欲情で・・・(ドン)」
「(ドゴ)言わないでくれるかい」
不満の理由は朱雀が語り、各務がそれにのった。青筋を出した庵樹の一撃で二人ともその場で苦しんだ。それを見て、冷や汗を流す皆。
「と、とりあえず、ここで庵樹さんはお頭と出会ったんだね」
ひよが汗をかきながら言っている間に、庵曽新が部屋に入ってきて食事を始めた。ほたるは一時期世話になっていたため、全く遠慮しないで食べ始めアキラ達も続いた。
食事後、庵曽新から潜在能力を解放でき、刀と対話をして数倍強くなれるツボがあり針で刺すと手に入れることができると聞き、ほたるはそれをしてもらうために彼と戦った。引き分けみたいな感じだったが、庵曽新はほたるを認めてツボを刺した。
「なるほど!アキラさんはそのツボを刺したから強くなったんすね!」
「むう、余も刺してもらいたいのう」
「綾那もです!」
「アキラ殿に勝つためなら・・・拙もやるべきか?」
「だけど・・・ちょっと悩むね。あれを見ると」
『ふにゃ~~(*´▽`*)』
皆も刺してもらいたいと言うが、そのツボは何と尻にあり刺された紅虎は脱力しきった姿になっている。でも、今より強くなれるならと武将達はやりたいと言い出したが、待ったをかける者がいた。
『それは無理だ』
『お主達は既にやっている』
そう、いつも唐突に出る二人の光だ。
「やっている?どうしてそう言える?」
壬月の質問に静かに答えた。
『まず、そう言える理由はお家流を使えることだ』
『あれを使うには、まず耐えられる体でないといけない』
『使えなくても鬼を一人で倒せることも理由だ。おそらく、産まれてきてすぐにされただろう。その後で鍛錬すればお家流に耐えられる体が出来上がるという事だ』
『武士の血筋とはいえ、人の何倍の力を持つ鬼を一人で倒すのは本来不可能だ。だが、そのツボを刺すことでそれも可能になる・・・あの者のようにな』
その理由はお家流が使える体を手に入れていることと、使えなくても鬼を一人で倒せる力を持っていることだ。実際、そのツボを刺された辰怜が
『死にぞこないは・・・貴様らだ!』
死んでなかったハート・クローバー・ダイヤが強襲してきたが、攻撃を全てかわし、なおかつ一人で三人を葬った。
「むう、残念じゃ。アキラに追いつけると思ったのに」
「だよな~。まあ、いいか。追いかえがいのある背中だしな!」
森親子が楽しそうに言っていると数倍強くなった辰怜を見て、アキラも刺してもらうよう頼んだ。今の強さはここで手に入れた。と皆が思った瞬間だった。
『ダメだ、あんたはもう強くなれない。限界だ』
その言葉にアキラも、皆も驚いた。その理由は、ツボを刺して能力を手に入れられるのは、戦うの体と血を持っている武士の血筋の者と、老いることのない不老長寿の壬生一族の血を持つ者だけだった。それらを持っていない商人の子供として生まれたアキラには刺しても効果がないらしく、ここまで強くなれたことが奇跡だと庵曽新は言った。それらを聞き全員が絶句した。
「そ、そんな・・・アキラが、限界?」
「いや、じゃあ、あいつ。どうやって・・・」
「今の強さを、持ったの?」
久遠・美空・光璃の疑問は全員そうだった。時人・庵樹・朱雀以外の皆は。
「あ!アキラ様!」
アキラは、その場を去っていった。詩乃が思わず叫んだが、その背中はとても悔しそうで、とても苛立っているように見えた。誰もいないところで壁を殴りつけた。
『狂・・・まただよ。どうして、どうして、あんたの背中が見えないんだ!』
苦しそうに、辛そうに、悲しそうに言うその言葉に心が痛くなった皆。
「アキラ様。皆が強くなれたのに、自分は強くなれないと言われた」
「ハニー、とても苦しい一言だったでしょうに・・・」
「アキラ、諦めちゃいやなの!」
「ご主人様が、限界?そんな・・・」
「そうよ!アキラ様が、限界なんて」
「ですが、あの者は体が限界とも言っておりました。そう言われると・・・確かに痛々しく見えます」
「その事は本人が一番理解しているのじゃろうな・・・主様」
幽と一葉の言葉を聞いた後に、アキラを見た皆はその通りに見えた。あれだけの傷を何十も受けてここまで来た姿を見ると、どうしてもそのように見えてしまう。
皆がアキラを見続けていると、俯いていたアキラが急に顔を上げた。
『この殺気はほたる。これだけの爆発的に上げているという事は』
ほたるの殺気を感じ、大きな敵と戦おうとしていることが分かった。援護に行こうにも、自分では力になれない。しかも、先を行く狂どころかほかの皆から置いてけぼりになる、と思った。
『・・・今より、もっと強くなりたい。でも、どうしたら』
悔しそうにつぶやいた時だった。
『強くなりたいか?』
この言葉がいきなり聞こえてきた。同時に夢の光景が再び真っ暗になった。
アキラ、限界にぶつかる。時人自分を振り返る。そして、庵樹久しぶりに家族を見るでした!。
時人はかつての自分の行いがどれほどだったかふりかえり、なおかつその目で見ることになるので心が苦しくなり、庵樹は二度と会えない家族を見ることができた。お互い、耐えないといけない過去です。アキラ、いったいどうなったのか?ついにアキラにとって大きな戦いが始まります!お楽しみに!
後、ちょっとだけオリジナル設定として武将の嫁達は既にあのツボを刺したという事にしました。実際、そう考えられるな~とも思いましたので。え?じゃあ森一家のあのヤンチャ達はどうかと?あれは・・・キチ〇イだからです!