ZZZ・・・書いている途中で眠りについた三MENです。
今回はこの二人にしました・・・いや、メインはこっちになるかな?では、どうぞ!
美濃に到着して、その日は岐阜城に泊まった。次の日、早速城下に降りた。
「懐かしい」
やはり、内容の濃い越前・越後・甲斐・駿府だったため一年も経ってないのに、思わずその言葉が出た。
「・・・久しぶりです。ここは」
四聖天が揃った時と同じ満足感があった。やっと、来れた。その気持ちが強かった。
「さて、久しぶりに一発屋で焼き魚定食でも・・・きよちゃんや親父さんにも会うのも何か月ぶりでしょうか」
「そうですね。あの焼き魚。あれは神が与えた至高の「大げさだろ。それは」いいえ!時人さん!食べればわかります!」
「いつの間にいたのですか?」
きよと親父さんの顔を思い出していると、いつの間にか右に詩乃と時人。反対側には庵樹と朱雀がいた。
「ははは、詩乃がその一発屋に食べに行きたい!と駄々をこねてな」
「でも、偏屈なこの人がそこまで言うなら行ってみよう。ということにしたのです」
「駄々などこねていません!私は本当のことを言ったまでです」
「それで、アキラも行くんだろ?一緒にどうだ?」
「いえ、もう少し後にしましょう。しばらく、この久しぶりの城下を見て回ろうかと思います」
そう言うと、不思議と詩乃は納得した。いや、
「・・・そうですね。私も後で見て回ります」
彼女が一番感慨深い美濃の城下だ。やっと戻ってこれたこの城下を一人で見たいと思う気持ちもあるから納得したのだろう。その顔は一体どれだけの感情を込めていたのか?それは本人しか知らない。
「ほら!その至高の焼き魚。食べに行こうぜ!」
「場所はあんたしか分からないんだから、案内は頼むよ」
「どれ、私が本当か鑑定してあげましょう」
「・・・ふふ、驚かないでくださいね!」
でも、この三人がいれば気分も晴れるだろう。四人は詩乃を先頭に歩いていった。
彼女らとは反対に歩くと、
「だから、いいって言ってんだろ!」
「で、でも・・・ダメだって」
ビシッとした声とオロオロした声が聞こえた。小夜叉とひよだ。
「おや、どうしました?」
「お、アキラじゃないか!アキラも言ってやってくれ!」
「お、おがじら~~」
涙目のひよと彼女を指す小夜叉。何か小夜叉が泣かしているように見えるが、さっきの言葉からすると何かをしてあげようとしているがひよが断っているみたいだ。
「それで、どうしたのです?」
二人の話からすると、ひよが目の前の刀屋で短刀を見つけて買おうとしたがお金が足りなかった。そこに小夜叉が通りかかって、事情を聞いたら京での戦いに少しでも頑張ろうと思って買おうとしたため、その心意気が気に入って彼女が足りない分を貸してやると言ったらしい。でも、金の貸し借りはしてはいけないと母親から言われていて、それを律儀に守っているため断っているとの事。
小夜叉はその母親が死んでいるみたいな言い方をして、まだ生きています!とひよが必死で否定していた。
「ふむ、私なら遠慮なく借りて買いますがね」
「ほら!アキラも言ったじゃないか!遠慮するなって!」
「びええええん!誰か助けて~~」
小夜叉側に着いたアキラにどうすればいいか分からなくなったひよ。更にそこに
「ん?主様、どうしたのじゃ?」
「妻を泣かすのは感心できませんな」
日の本一の漫才コンビ・・・もとい主従コンビがやってきた。
「しかし、本当に良かったのですか?」
「ひよ殿なら文句はありませんよ。死ぬまで大切にしてくれそうですし、何より彼女は自分が思った以上の才能を持っていることに気づいておりません。それほどのものを貰えるくらいの人物だと気付かせるにはちょうどいいです」
「そうじゃ!ふふ、さすがは余じゃ!」
一葉・幽と話をしながら城下を歩く。その話がさっきのひよと小夜叉の事だが、何と一葉が自分の短刀をあげてしまったのだ。幽の話では、その短刀はそこの刀屋の刀全部買えるくらいの価値があるものらしく、小夜叉から金を借りて短刀を買うか、一葉の短刀を貰うかどっちか選べ!という困った選択を迫られた結果、貰う事になった。
ひよも将軍の一葉の短刀だから結構な値のものだと分かっているだろうが、そこまでのものとはさすがに気づいてないだろう。
「そうですね。ひよは私も有能だと思っています。それに彼女にはそういった褒美もできなかったので、それをしてくれてありがとうございます」
何しろ、後の豊臣秀吉だ。隊の仕事ぶりを見ると、アキラもそういう目で見ることはたまにあるのでそう答えられる。
「ほほほ、そう言われると少し照れますな」
「どうじゃ!ふふ、さすがは余じゃ!」
さっきからドヤ顔をしている一葉だが、二人は見て見ぬふりをしている。
「ところで、二人はどうしてここに?」
「ええ、先の川で茶を楽しめる場所を見つけまして。たまには、気楽に飲もうかと思いまして」
「ほう、それはいいですね。肩の力を抜くことも大切ですし」
「・・・のう、主様。幽。そろそろ本当に気づいてくれぬか?」
「では、アキラ殿もどうです?」
「うん!それがいい!行くぞ主様!」
無視されて、しょんぼりしてきた一葉だが幽の一言ですぐに元気を取り戻してアキラの腕を抱きしめた。
「構いませんがいいのですか?私は無頓着ですよ」
「ほっほっほ、さっきアキラ殿も申していたではありませんか。肩の力を抜くと。そのような作法なしで飲んでくれても構いません」
「そういう事じゃ!行こうぞ、主様!」
何気に幽も一葉の反対側からアキラの腕を抱きしめていた。どうやら、一緒に行くことは決定みたいだ。
「ふふ、では、お供させていただきます」
川に着くと、てっきり麓で飲むのかと思ったら
「船の上ですか」
「はい、川の麓では邪魔が入ります」
「そうじゃ。愛する旦那様と幽の三人きりでいるのに邪魔はいらん」
舟の上で茶を飲むことにしていた二人。既に川の真ん中あたりで船を止めて、幽が茶の用意をしていた。
「主様。周りを見てみろ」
「周り?どういうことですか?」
「アキラ殿、あちらの木をご覧ください」
退屈そうにしていたアキラに、一葉と幽が言ってきたので言われた通り見た。
「ただの木ですが?」
「ええ。ですが、葉の色に違いがあることに気づきませんか?」
「葉の色・・・そう言えば」
緑色だったり、少し黄緑だったり、もっと薄い黄緑だったりとその違いは確かにあった。
「そう、小さな違いや変化を探したり、四季折々こうした変化を見つけるのも遊びの醍醐味ですぞ」
「そうなのですか?」
「先ほど、退屈そうにしておりましたが。そういう時間にこそそれらを見つけて、日々を生きている幸せを感じ取る。それこそが生きていると言うものではありませんか?」
幽から言われて強く納得した。そういったことをまったく意識しないでずっと生きてきたからこそ、小さいものでも見つけることが楽しみという彼女の言葉は理解できた。小さな発見でもそれが大きな意味を持つ時があるのだから。
「では・・・お茶を入れます」
その茶を入れる幽の姿が、一瞬で空気が変わった気がしたアキラだった。舟の上で地面とは違い少し揺れるのに、全く気にせず茶を入れる彼女の姿は
『美しい』
純粋にそう思えた。これもまた小さな発見だ。
『なるほど、確かにこれは楽しみだ』
もし、この考えが彼女に知られたらどれだけ嬉しい気持ちになっただろう。
「アキラ殿、どうぞ」
出された茶碗の茶を飲んだアキラ。ただ、苦かったので口に出して苦い顔をした。半分ほど飲んで一葉に渡して、残った半分を彼女が飲んだ。
「苦い」
やはり、彼女もそう思ったのか幽にそう言った。すると、秘蔵の茶があるのでそれを用意するとの事。その間に茶菓子を食するよう言われた。
「主様。あ~んじゃ」
「・・・あ~ん」
「次は余にしてくれたもう!」
「ええ、いいですよ。では、あ~ん」
茶の席とは思えないほどリラックスして茶菓子を食べていた。だが、同時に気づいた。あの茶の苦さが、この茶菓子の甘さを強くしていることに。
『この茶菓子、以前食べた時はこんなに甘くなかったのに・・・』
「ほれほれ!もう一回あ~んじゃ!」
「・・・」
アキラの腕を掴んで駄々をこねる一葉に答えてあ~んをしながら、茶をまた入れている幽を見る。少しだけ笑みを浮かべていたことに気づいた。
『もしかして、これをするため?』
「では、こちらをどうぞ」
そう考えていると、幽が二杯目を出した。
『そして、もしあの苦みがあの茶菓子だけじゃなく・・・この茶の為に先に出したとしたら』
「ええ、頂きます」
その茶を飲んだ。
「・・・うまい」
本心からその言葉が出た。
「ありがとうございます。どうです?茶葉の違いでここまで味が違うのです」
「ええ。これは純粋に驚きました。茶はどんな葉でも同じ味だと思っていましたから」
「ふふ、主様の驚く顔などめったに見れないからな。よかったのう、幽」
驚いた顔を見て一葉も幽も笑顔になった。
「そういえば主様。知っておったか?茶碗には正面があるのじゃ。そして、そこに口をつけるのは不作法と見られておるのじゃ」
「ほう。と言われても私には意味が分からないのですが」
「ふふふ、私達の唇と思ってください。我々は妻ですが、いきなり口づけをするのは失礼だと思いませぬか?」
それを聞いて納得した。ただ、そう例えたという事は・・・だが、その考えは置いておくことにした。
「後、何故私より主の一葉を後にしたのです?」
いくら今は主従関係なしでやっているとはいえ、幽らしくない。と考えていた時に一葉が上機嫌でその理由を言ってきた。
「それはの~~、主様の唇、ご馳走様なのじゃ!」
「御馳走様?・・・あ、もしかして茶碗を敢えて回して飲んでいたのって」
「はい、間接接吻でしたか?それをさせる為です」
「幽は本当に主想いじゃ!」
確かにそれならこれ以上ない主へのもてなしだ。愛するアキラとの間接キスは一葉にとっては最大級の喜びだ。
『・・・本当に、隙がないですね。この従者は。おそらく、これを二杯目にしたのも茶の味わいを私にわからせるためと一葉に満足してもらうため。飛び入り参加だったのに、そこまでの考えを持って茶を入れて出した』
一葉の為の気遣いを絶対に忘れない幽に内心汗を流したアキラだった。だが、同時に感心もした。
『茶を飲むだけでこれほど周りが変わって見えるとは思わなかったです』
茶を楽しみで飲むという理解が全くないアキラには大きな発見だ。
『・・・?もしかして、この茶菓子。一葉と幽が食べるのではなく初めから』
思わず幽を見たアキラ。もしそうなら・・・
「主様。ふふふ」
一葉に呼ばれて顔を向けると、唇を人差し指で抑えていた。わかっていても言うなという事だ。
「・・・・・・」
幽の姿を見て、これ以上ない熱い気持ちが沸いたアキラ。だが、今はそれを抑えて
「一つ聞きたいのですがいいですか?」
確認しておきたいことがあったのでそれを聞いた。
「何ですか?アキラ殿」
「結構な不作法で飲んでいたのですが、本当に良かったのですか?」
ここまで、自分のペースで飲んだのでそれに不快に思ってないのかの確認だ。
「ふむ・・・気にせんでよいぞ主様」
「はい、私は満足しております」
顔を見る限り、確かに二人とも満足そうにしている。
「ですが、こういう場の茶というのは上品に飲むのでは?」
「そんなことはありません。茶を飲むというのは本来集まって楽しむためです」
「じゃが、京の貴族共は茶の席やその時やる歌を詠むことの方を主(おも)としておるのじゃ」
「そういう事ですか。幽の作法が綺麗だったものでつい」
「褒められると照れますな。ですが、それは茶をうまく入れる為の手段だけにすぎませぬ。アキラ殿も刀を扱うのならわかるでしょう?あなたの長年連れ添った刀、それを扱うために修練を絶やさなかったのではありませんか?」
それを聞いたアキラは、これ以上ないほどの衝撃だった。
『そうでした。人生の半分以上を共にしたこの刀達。ずっとずっと、狂に勝つためだけに振るってきたが・・・その為にこの刀達は私と共に』
常に使っている努力と友情。自分と共に生きる刀として当たり前に振るってきたが、その為の修練。まさに幽が言った通り、死に物狂いでやった。彼女の言葉でそれを思い出した。
「幽、感謝したいのですが。この場では礼をするときはどうすれば?」
「頭を下げるだけでよい」
一葉の言われた通り、頭を下げた。
「それでいいのですアキラ殿。最初の一歩が、奥義にして根底。それをお忘れなきよう」
そして、幽の更なる一言が
『最初の一歩が奥義にして根底・・・狂を背中を追いかけようとした気持ち。それが私が強くなる根底でもあった。幽、本当にありがとうございます。その時の気持ちを忘れていないつもりで、忘れかけていたようです』
初心を思い出したことで、アキラの熱い気持ちを更に熱くさせた。
「主様。茶の面白さを理解したのなら・・・京での戦いが終わったら、桂川でまたやろうぞ」
「それはいいですな。その時はひよ殿や小夜叉殿も誘いたいですな」
「そうですね。その時は・・・」
周りを見回してから一言。
「また違う景色を楽しめる。という事ですね」
「そうじゃ!」
「ええ、ではもう一杯いかがです?」
嬉しそうな幽の笑顔を見て、三杯目を注文した。
ゆったりとした茶の時間を楽しみながら屋敷に戻った。途中で会ったひよは何度も一葉に頭を下げてお礼をした。それを見たころは、
『そりゃ、私達の給料を軽く一年分、いや五年分は吹っ飛ぶ短刀をただでもらえたのだから、ねえ』
他人事のように言いながらも、ひよの手の中にある高級短刀に汗をだらだら流していた。屋敷に戻りひよの慌て続ける動きにアキラ隊の皆が不思議に思い、アキラが理由を話した。
『公方様らしいですね』
『えええ!そ、それって来国光じゃありませんか!う、うう、羨ましいですわ!ひよさん!』
『ま、まあ、ひよさんならいいんじゃないでしょうか?』
『ひよ!言ってくれたら、鞠も駿府で見つけてきてあげるの!』
『綾那も、三河で見つけてくるです!』
『鞠様も綾那もそんなことしなくていいの!』
『す、凄いですね。私と似た立場なのに将軍様から直々に短刀を貰えるなんて!』
詩乃と雫は呆れ、梅は羨ましがり、鞠と綾那は自分達も何か上げようと思っているところに歌夜がツッコミをして、小波は似た立場でそのようなものを貰えたことに驚いた。梅が食い入るように目力入れて見ていた姿に、若干引いた。
「あ、アキラ殿!ちょ、ちょっと!」
「幽。今夜は、あなたを抱きたい」
「あ、ああ!だ、ダメ!」
「我慢できません。茶を入れたあなたの綺麗な姿と、あなたの言葉。これ以上ないほど心が燃え上がりました」
皆が寝静まった頃、幽の部屋に行き熱く燃え上がった気持ちをぶつけるために彼女を押し倒した。そう・・・アキラ隊の皆がアキラによくやる夜這いを、何と幽に仕掛けたのだ。茶の席の言葉とその時の姿が、幽への気持ちを燃やしたのだろう。
「で、ですが!」
「幽、あなたは茶碗の正面の例えを自分の唇に例えた。つまり」
「い、いや!本当にあれは」
「あなたの言葉、使わせてもらいますよ・・・最初の一歩が奥義にして根底」
何とか言い訳する彼女に、それ以上話を無視してキスをした。最初の一歩が愛を見せる事で、奥義にして根底がその愛を彼女に与える・・・そう、自分の想いを全力で幽に与えるという事だ。
『そ、そういう意味で、(ずん)あ、あああああ!』
押し倒された時点で期待してしまったのか、濡れていた割れ目にアキラの刀が入った。キスされて喘ぎ声を出せないまま、快楽電流が全身に回りアキラの快感を責める抱き方にあっという間に愛欲に溺れて行った。
その後も、幽の体をたくさん揉み、触り、舐めり、愛撫した。彼女の方からアキラを求めるようになり、その想いにアキラも全力で想いで答え・・・熱い愛を何度も彼女に浴びせた。
次の日、アキラと共に寝ている愛まみれになった幽を見て、まだ寝ているアキラに隊の皆がル〇ンダイブしたのはいつもの事・・・ちゃんちゃん♪
アキラ、茶の面白さに目覚める、でした。刀と強さの道を進んでいたが、違う道を見て自分の根底を思い出して、そのきっかけの言葉をくれた幽に愛をぶつけました!というわけで、最終的に幽がメインになった気がする話でした!
でも、山の木々たちを見ると、本当に自然を見る楽しさというのは分かります。今は赤や黄色や緑などの色とりどりの葉が鮮やかに見せてくれます!
次回は・・・白百合にしようか、三若にしようか、春日にしようか。う~ん、どうしよう!