こんばんは!寒さに暖房の前で丸くなる三MENです。この一週間、ここで小説書き始めて少しだけ充実した日を送った気になっています。何かをやるというのは、やはりどんなことでも気持ちいいですからね。
今回は美濃侵入です!
十一振り目 忍び込む?朝飯前ですね。
長屋で眠りについているアキラだが、
「ふぁあああ~・・・よし!よく寝ましたし、朝食に行きますか」
起きて襖を開けて井戸のところに行くと、ひよところが既に起きていた。
「「お頭!おはようございます!」」
「ええ。二人ともおはようです(この光景も慣れましたね)。さて、早速朝食と行きましょうか」
「「はい!」」
元気な声を聞き、顔を洗い、二人ともアキラの両隣に立って歩き始めた。
だが、長屋を出ると早馬が城に向かって走っていったのを目撃した。急ぎの報告があると推測できたので、二人は「「ええ~~」」と言っていたが朝食は後回しにした。だが、そんな不満もすぐに消して、三人で評定の間に行くと久遠や壬月達もすでに来ていたのでそのまま軍議を始めた・・・犬子がいなかったが、どうでもよかった。
軍議の議題はやはりさっきの早馬からの報告の内容だが、久遠は今一つわからない顔で皆に言った。
「稲葉山城が何者かに占拠された」
「たったの十六人で落としたらしい」
これが早馬で届いた情報だった。久遠のみならず、皆も訳が分からない顔になった。そんな中でアキラは頭を働かせた。
『ふむ、稲葉山城は壬月さんも攻め落とせなかった城と聞く。あそこを落とすには、軽く千単位の兵は必要になる。将も壬月さんと麦穂さんの二人がいないとダメなくらい堅城だと久遠も言っていた。つまり、外からではなくて』
「アキラ、すまないが」
久遠の言葉で、情報を考えていたアキラが我に返った。
「あ、はい。何でしょうか?」
「おい、話を聞いていたのか?」
「いえ、さっきの早馬の情報を私なりに推測をしていたので聞いてなかったです」
「ほう、ならば聞かせてもらいたいものだな」
「そうですね。アキラ殿は頭の回転が速いお方。ぜひ、聞かせてください」
壬月と麦穂も興味津々な顔で言ってきた。和奏と雛も同じような顔をしていた。
「話せ、アキラ」
「分かりました・・・今回の稲葉山城乗っ取りの報告。これはおそらく城の中で内乱が起こった、といったところでしょう」
「内乱?内部分裂でも起こったのか?」
壬月の言葉に頷いて、話を続けた。
「私はそう考えます。何しろ、あなたでも落とせなかった城です。外側から攻めても現段階では不可能でしょう。私が本気を出せば城ごと吹き飛ばせますけど、それは聞き流していただいて結構です。それくらい外からでは崩せない城ですが、内部からやればどうです?」
何気に自分の事を自慢した言葉も出たが、全員言われた通り聞き流した。
「現斎藤家の当主龍興は人望が全くと言っていいほどない。正直言って三バカを更に三倍にしたバカ・・・なるほど、考えられるな」
「「壬月様、どうしてその例えにボク・雛達をだしたんです!」」
二人のツッコミは壬月のみならず、その場にいた全員がスルーした。
「今回の乗っ取りの首謀者まではまだ分かりませんが、この推測で間違いはないと思います。当主が留守の時を狙えば、少数でも簡単に乗っ取れますからね。十六人でそれを成功させたのも、それをしたからでしょう」
この中で、久遠以外に頭の回転がいい麦穂も頷いた。
「・・・そうですね。私もアキラ殿の言う通りだと思います。ただ、いったい誰が」
「そこは私達アキラ隊の出番ですね。首謀者の割り出しと現状の稲葉山城、そして攻める時はどこがいいのか・・・久遠、あなたが言いたかったのはそれですね?」
驚きながらも頷く久遠。
「ああ、頼めるか?」
「ええ、引き受けました。ひよ、ころ、行きますよ」
「「はい!」」
「十日ほどでちゃんと戻ってきます。その時は帰蝶さんと三人で食事をしましょう」
「うむ。頑張って・・・じゃなかった。待っているからな!」
久遠の初々しい反応に家老二人は苦笑いをした。
城を出て遅い朝食を食べ、すぐに準備をして美濃に出発。美濃の宿に着いた時は夜だったので、その日はしっかり休むのだが、
「今日はしっかり休んで、明日から仕事開始ですよ」
「「おお~~!」」
「・・・どうして、犬子がいるのです?」
今の「「おお~~!」」はひよと犬子の言葉だった。彼女の姿に呆れた視線を送る。
「何か雛ちゃんがアキラ様を手伝えば手柄をとれるよ~。と言っていたから!」
「あの~、それ雛様の冗談じゃ」
『その冗談を信じて私達についてきたと言うことですか。隠密行動なのに明らかにできなさそうなのが来てしまいましたね』
内心呆れながら、明日の割り振りを決めて食事を食べて就寝した。
次の日、早速アキラところ・ひよと犬子に別れて情報集めを始めた。
「ころ、どう思います。この空気」
「そうですね・・・とても妙ですね。まるで息をひそめているというか」
「私も同意見です」
二人は稲葉山城の城下町・井ノ口というところにいた。だが、空気が明らかにおかしかった。その違和感を感じながら、城の方に視線をずらした。
「これの疑問は後回しにしましょう。稲葉山城、直接見て確認しますよ」
「はい。わかりました」
その確認の為に山に登り始めた。少し経ったときにある一人の女性がいることに気づいた。慌てて隠れたが、ただの女性ではなくすぐに見つかってしまった。アキラは完全に気配を消していたが、ころにはそれが出来ないので彼女の気配で気づいたようだ。
「二人いたの?」
「ふふ、気づかなかったですか?」
軽い紹介でこの女性は他勢力の忍び、つまり草であることが判明。多少の情報交換をして別れた。お互い、深く関わる気はなかったのでアキラの素性も聞かれずに済んだ。
「お頭、すごいですね。草にも気配を気づかせないなんて」
「これくらいは出来て当然です。ころも頑張りなさい」
「む、無理ですよ~~!」
その後、その草から聞いた情報で稲葉山城に続く獣道を歩いて城に到着。そこで見えた旗にころは面白そうな顔をして説明してくれた。旗の持ち主は西美濃三人衆と呼ばれる者達の旗。そして、本丸周辺にある九枚笹の旗が美濃の出来人竹中半兵衛重治の旗であり、尾張ではすごい!と評判だが美濃ではただの変人扱いされている人の旗だった。
「本丸周辺にあの旗があるということは、その竹中半兵衛重治が乗っ取りの首謀者とみて間違いないですね」
「そうですね。竹中殿の戦果は美濃じゃ全く評価されてないらしいです」
「・・・壬月さんを何回も追い返したほどの手腕の持ち主が評価されてない?」
これはアキラも純粋に不思議に思った。
「そうなんですよ。ここじゃ美濃八千騎がすごいんだ。竹中殿はすごくない。美濃の評価はそういう風になっているみたいです」
「なるほど・・・ここまでにしましょう。宿に戻りますよ」
「はい!」
二人は城に背を向けて山道を降り始めた。
『評価がされない天才。その天才の力を自分達の力と勘違いするバカ連中。しかも、天才は変人との噂もあり・・・できれば本人を直接見れればいいのですが』
宿に戻ったが、ひよと犬子は街で騒ぎを起こしたらしく逃げることで精いっぱいだったので、二人の方は情報を何一つ手に入れられなかった。
次の日、ころを先に戻し犬子をその護衛にして美濃を出発させた。騒ぎをまた起こしそうな誰かさんがいなくなり内心ほっとしたアキラ。
「できることなら今日中に納得のいく情報を手に入れますよ」
「はい!頑張ります!」
行商人に変装して、調べていくうちにいろいろわかった。向こうの世界の織田信長も、ここの尾張で久遠がやっていた楽市楽座をここでもやっていたこと。井ノ口も二代目の斎藤家当主までは栄えていたが、三代目は全くのダメ当主だということ。その中で街の皆が口を揃えて言ったことが、竹中半兵衛重治の稲葉山城の次期城主希望だった。
「竹中半兵衛重治が当主になってほしい。昔の街を取り戻してほしい。これが街の皆の願望みたいですね・・・でも、公に口に出せば処刑は免れない。皆が息をひそめていた理由もこれでわかりましたね」
「はい、昔はよかったと皆言ってましたからね。それだけ期待もしているんですね」
「果たして、彼の人はそれをするかどうか」
その事を考えようとした時だった。
「その気はないでしょうね。きっと・・・」
「ええ、そう私も思います。ってあれ?」
推測に集中していたため、周囲への警戒を怠っていた。二人の後ろに目元を隠した年若い女性の姿があった。
「こんにちは・・・詩乃と申します」
謎の女性、詩乃。一体何者だろうか・・・。
さあ、ついに始まりました。第二章!アキラ、ついに出会いました。あの女性に!この女性とアキラ。いったいどんな話になるのか。
次回はこの女性との話になります!