※この作品はR-18です。

戦国恋姫 盲目のサムライ   作:一日三食MEN

21 / 217
 
 さあ、ついに来ました。原作最有力ヒロインと言ってもいい彼女が登場しました!二人はどんな話をするのでしょうか?

 今回は二人の話だけですので短いです。


十二振り目 信念を持つ女性は好きですよ

 突如現れた謎の女性にアキラ達は警戒心を高めた。

 「あなたは・・・どちら様ですか?」

 「詩乃と申します。先ほど、申し上げたはずですが?」

 「すいませんでした。いきなり後ろにいたもので、聞き逃していました。私はアキラ、そしてこちらはひよです。よろしく」

 「よ、よろしくお願いします!!」

 汗をかきながら、焦って自己紹介するひよ。だが、女性はそんなひよの様子をまったく気にしなかった。

 「それで、先ほど「竹中さんにその気はない」と言ってましたが、それはどうしてそう思うのですか?」

 アキラも気にしてなかったが、この話題をした途端に入ってきたこの女性をアキラは別の意味でも警戒していた。

 「簡単なことです。私はあの人を・・・竹中さんをよく知っています。彼女は常に馬鹿にされてきました。自分の言葉を聞いてもらえず、自分の力を認めてもらえず・・・そして、誰も彼女を信じない。あの人はそれに耐えられなくなった。だからこの騒ぎを起こした・・・それだけです」

 「ほう、気持ちはよくわかります。私も弱いと馬鹿にされたことがよくあります。つまり、そいつらに見返してやろうと思ったのですね」

 アキラの言葉に女性は頷いた。この時点で、既にひよは話の中身が全くと言っていいほどわからなかった。

 「はい、もともと内側はボロボロですからね。ちょっと手を加えれば簡単に」

 「崩壊できる。ということですね。そうですね、私もそういう現場を見たことがあるので理解できます」

 かつて自分の世界で闘った壬生一族との戦いを、多くの強敵を相手に仲間と戦ってきた。だが、その相手は共に手を取り合ってやっていたか?と言えば、大体半分くらいであり残り半分はほとんど暴走して自分勝手にやっていた。つまり、そこからぼろぼろと崩れていくものだ。

 「完璧な組織は存在しない。もろいところを見つければ、そこを攻めれば簡単に落とせるという事ですね。その基本をやってこの現状を作り上げた・・・すごいですね、竹中さんは。そしてあなたもよくその人のことを知っていますね」

 「はい、お二人のこともよくご存じですよ」

 『・・・間違いないですね・・・この者こそ稲葉山城の占拠の中心人物』

 この言葉を聞いてアキラは確信した。目の前にいるこの女性が渦中の人だと、だが同時にアキラは警戒を解いた。ここまで知られていてはもう無駄だと判断したからだ。

 「そうですか?ふふ、まあ光が強かったら目立ちますからね」

 「はい、音も大きいと聞こえやすいですし」

 「「ふふふふふ」」

  笑いながら会話をしているが、さっきからずっとひよは置いてけぼり。話の意味が分からないままポカーンとしていた。

 「でも、本当にすごい人ですよ。これは誰でもできるようなことではありません」

 今の言葉は心から本当に思ったことだ。

 

 『武力を使わないで成功させる。私には出来ませんね』

 

 そう、アキラは自分は武力を使わないと解決できないと自覚しているからこそ、いくら内側から簡単に崩しやすかったとはいえ十六人という少人数で実現させた。その手際に心から感心したのだ。

 「いえ、彼女は美濃を愛するが上で行動しただけだと思います。かつての美濃を取り戻して、ここにいる人達の笑顔を取り戻す。その信念で動いただけです」

 信念という言葉が出た時、アキラは彼女に好感を持った。

 「ほう、信念ですか・・・私はそういう人は好きですよ。自分の志をしっかり持っている人は好意を持てます」

 そして、アキラは同時に思いだした。自分と戦った二人のサムライのことを・・・死人という立場でありながら一人の男を想い、身を散らせてもなお彼のために戦ったサムライのことを。娘を助けるために自分自身を犠牲にしてまで戦い、最後は彼女の幸せを願いながら散っていった烈火のサムライのことを。

 

 『二人とも、強く大きな信念を持った人でした・・・・・彼女もまたそれと同じくらい大きな信念を持っている』

 

 そして、アキラはある決意を込めて詩乃に言った。

 「詩乃さん。竹中さんに伝えてください。あなたをさらいに行きます。と」

 「!!!」

 「では、失礼します。また会いましょう」

 話が終わり、アキラとひよが美濃を去った。

 

 

 二人が去る背中を詩乃は一人残ってずっと見続けた。

 

 『あれが、田楽狭間に舞い降りたと言われている天人アキラで織田久遠信長の夫と言われている男・・・何という人なのでしょう。ほぼ、確実に私の正体に気づいていたのに・・・それなのに敵である私をあんなに求め、私の力をしっかり認めてくれたのは生まれて初めてです。とても胸が熱い。胸が苦しい。そして、それが心地いい。あの人に、そうあの人になら、私の全てを捧げたい。私の何もかもを差し上げたい・・・あ、アキラ様』

 

 心を抑えるように、でも気持ちが顔を表れ、頬を赤く染めながら歩きだした。

 




 さあ、ついに次回は原作序盤の大きな見せ場のあのシーンです!

 頑張ってください。とコメントをいただきました。すごくうれしかったです。

 これからも頑張っていきます!!!
 
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。