何気にこれがプロフィールも含めると第三十話目です。よもやここまで書いていたとは・・・。
今アキラは逃げている。
「おいこら、待ちやがれ~~!」
「安心しろ!殺さないで全殺しにしてやる!」
「・・・どういう意味ですか?殺さないで全殺しって」
「「決まっている!言葉の通りだ!」」
この意味不明なことをいう森一家と書いて鬼殺し親子と読む二人から。
「・・・さすがキチガイ。思考がほたるレベルです」
多分、アキラと壬月以外の人が見たらこういうだろう。
『人の姿をした鬼二匹がアキラを追っている』
稲葉山城制圧時に、以前尾張の村で会い、ここで再会した森親子にこれ以上ない殺気を出しながら追いかけられているアキラ。曲輪を抜けていくと兵を集めておく庭にたどり着いた。そこにはあまり人はいないので、ここでなら問題ないと思い足を止めた。
「ふふふ、やっと追いついたぜ」
「二度も儂らをコケにしおって。さああ、死ぬ準備はいいな」
「はあ、全くあなた方は・・・いいでしょう」
すでに槍を持って歓喜の笑顔の二人を見て、腰の二本の刀を抜くアキラ。それが開始の合図だ。
「「いくぜ!!」」
最初に襲い掛かってきたのは小夜叉だった。だが、ひらりとかわす。するとそこに桐琴の追撃が待っていた。
「伊達に親子していませんね。二人での戦いを心得ている」
「ははは!伊達に何百人も切っとらんわ!!」
「何百人?少ないですね」
「はあ?少ないだあ~」
右の刀でその追撃をさばいてけり上げた。もう片方の左の刀で、後ろからやってきた小夜叉に対応する。
「おらおらおらおらおら!」
「二人の同時突きはきついじゃろう!」
二人はこれで痛めつけられると思ったが
「いいえ、そうでもありませんよ」
心の眼・直感を持つアキラ。突いてくる槍の隙間を瞬時に見つけそこに体を移動。更に、どんどん来るがそれすらよける。
「ほら、この通り」
その姿に二人は焦り始めた。
「くそ!どうして目が見えてないはずなのに!そんなにあっさりよけられる!」
「これだけやっても、まだ傷一つもつけられないじゃと!」
手加減何それ美味しいの?力を抜け?馬鹿かお前は。そんな言葉を名言にしていそうな二人だが、全力で戦っているのに軽快によけるアキラを見て驚く。
『しかし、さすがに鬼を軽々と倒せる実力を持っているだけあって、二人同時は少し厳しいですね』
でも、アキラは二人の戦いを高く買っていた。さっきの攻撃はアキラだからよけられたのであって、それ以外だったらよけられない。それだけの攻撃をできる二人を称賛していた。
「どうした。反撃もしないで」
「いい加減切られろ!」
「やれやれ。まさかあれを使うことになろうとは」
だからこそ、その称賛に値する技を出すことにした。襲い掛かってくる二人にアキラ得意の技を放った。
「夢氷月天!」
アキラがよく使う技だ。刀をしまうと、徐々に二人の体を氷が覆っていく。この技は氷に閉じ込めたり、ぶつけたりして痛めつけたりと、使い方が分かれるが今回は閉じ込めるほうだ。
「な、なんじゃ!氷が勝手に!」
「俺らの体を閉じ込めていく!」
「大丈夫です。あなた方なら、抜け出せます」
完全に二人とも氷に覆われた。だが、そこは武人でも相当の実力を持つ二人、力を込めて抵抗しているとひびが入った。
「「ぐぐぐ、おお、おおおおらああああ!」」
そして、気迫と共に抜け出した。
「ふふ、氷の厚さを薄めにしておきました」
アキラは加減して、二人ともぶち壊せるよう服二枚分の氷の厚さにしていたのだ。しっかり、戻ってきてホッととするアキラ。
氷の温度もそれなりに高くしていたが、それでも-50度にしていたのでほぼ肌を出している服の二人は直に氷の冷たさが体についた。
「寒い寒い寒い!!!」
「こいつ、こんな技を持っていたとは!」
「いや、まさか、私も・・・」
これを使うとは思わなかった。と続けて攻撃に入ろうと思っていた。だが、二人の今の姿を見てできなかった。
「お二人とも・・・服が」
「「ん?服?」」
氷というのはほんの数秒くらいならまだ問題ないが、それ以上になると服が氷についてしまう。氷から脱出するのに十秒以上かかった。そのため抜け出す際に壊した氷に服がそのままついていきそのままくっついているのもあれば、
「おお!なんじゃ破れているぞ?」
「あれ?本当だ。何でだ?」
今の二人のように一部の服を破れてしまう。しかも、その敗れた場所がまずかった。
「まあ、よかろう。支障はない」
「ああ、おい!再開だ!」
「ちょ、本当にいいのですか?」
桐琴はほぼ隠せていない細い布の胸当てを小夜叉は胸のさらしが破れていた。つまり、今の二人は胸をさらけ出している状態・・・おっぱい丸出しということだ。しかも、二人とも気にしないまま戦いを続けようとした。
『はああ、この二人は朱雀ですか・・・旅で混浴する時に時人と庵樹は恥ずかしがっていたけど、あの子はむしろ見て。と積極的に見せていましたね』
そんな二人の女性らしくない姿に頭を抱えた。
「「まだまだだあああ!」」
明のそんな様子を気にしないで桐琴と小夜叉が襲い掛かったが、後ろの人物に背後をとられてしまった。
「・・・見つけた」
ゴン!と二発二人の頭に命中。
「誰じゃ!わしらを」
「いいところだ」
血ののぼった二人が殴った相手に文句を言おうとしたが、その口が止まった。なぜなら、頭の上がらない二人がそこにいたからだ。
「ほう、アキラ。二人の胸見たさにそこを破くか(じろ)」
「久遠、あれは事故です。誤解しないでください」
「・・・いつまでさぼる」
「ま、まて!わしらは重要な!」
「そ、そうだぜ!あいつは敵」
「久遠様の夫・・・味方」
久遠と森一家の陰の棟梁・各務がそこにいた。久遠は呆れながらアキラを見ていたが、各務の方は二人に怒っていた。
「全く、城攻めをしているのにお前らとアキラの姿がないから来てみれば」
「酒抜き」
「ちょ、ちょっと、待つのじゃ!」
「没収」
「あああ!か、返せよ!」
「ダメ(じ~~)」
全く顔に変化はないが各務が怒りに燃えているのが十分にわかる。得物を没収され、桐琴に至ってはしばらく禁酒。青くなっている二人を無視して、アキラをじ~っと見る。
「何か?」
「・・・何でもない」
「仕事に戻るなら、得物は返してもいい」
「ほ、本当か!」
「得物だけ?あの・・・さ、酒は?」
「ダメ・・・行く」
各務に引きずられていく森親子。因みに胸の部分は桐琴のマントで代用した。
「じゃ、今回は逃げ切った私の勝ちということで!また会いましょう!」
「「お、覚えていろよ~~!」」
どんどん遠ざかっていく二人に手をふるアキラ。
「ふむ、どこかで誰かが叫んでいたような台詞ですね」
「アキラ・・・なぜ我を見る!」
「ははは、すいませんでした」
「お前、絶対我を馬鹿にした考えをしただろう!」
「そんなことしてませんよ(なでなで)」
自分の考えをごまかすために久遠の頭を撫でた。
「こ、こら!ず、ずるいぞ・・・そんなの」
真っ赤になる久遠を見て和んだアキラ。
『さて、仕事に戻りますか。久々にしっかり戦えて楽しめましたし』
あの二人の喧嘩ならこれからも受けて立ちたい。とこっそり思ったアキラだった。
ということで100件記念小説。二人の戦いと各務のアキラへの興味を出しました。
因みに自分の中の各務像は魔法科高校の劣等生の北山雫さんです。ただ、胸は光井ほのかさんのサイズです。そして性格が・・・結構やばめです。