一日経過して、今だ100件突破が信じられません。記念小説ですが、書くことは決まりましたが内容はまだ整理中です。
では、スタートです!
堺を出て、数日が経過した。
『それにしても、エーリカという女性はすごいですね。久遠の魅力的な案をすぐに頷かずに、ちゃんと対価を支払う姿勢をもっていた』
エーリカに一緒に京に行って将軍と会う提案をした際、彼女は誠実なのか久遠が「南蛮商人を紹介してもらえれば問題ない」と言ったのに商人だけでなく、通訳や商談、更には顔が広かったのか、輸送の船の手配も進んでやってくれた。
『彼女の性格なのか、それともそれくらいやらないと将軍と会う対価にあわないと考えたのか』
その彼女は今アキラの隣を一緒に歩いている。
「あの、どうかしましたか?」
「いえ、今回の堺の件ですが、本当にありがとうございます。久遠があそこまで嬉しいのは久しぶりに見ました」
「そんな、私だって無茶なお願いを聞いてもらえたようなものですし」
「全く、そんな困った顔をしてはダメですよ。美人は笑顔でないと」
「もう///」
俯いて真っ赤になった。そんな彼女を見て思わず笑みをこぼしたアキラ。
そして、第二の目的地でこの時代の日の本で中心地ともいえる京に着いた・・・が、これが京なのか?と思わず言ってしまったアキラ達。
『荒れた街。それがふさわしい有様ですね』
それなりに人はいるみたいだが、外に出ようとしない。それと同時に物騒な気配も感じる。中心地というより、荒くれが溜まる廃墟に近い状態だ。
『大津で会ったあの女性の言葉。まさにその通りと言っていい現状ですね。久遠やころも言ってましたが、将軍家の力が衰えていて三好の暴走を抑えられていない。だから街がすさんでいく。そして、野蛮人が住み着く』
これは早く用を済ませて出るべきだと結論を出した。
「皆さん、気を付けていきましょう。野盗じみた連中に絡まれると厄介ですから」
「だな、皆。固まっていくぞ」
久遠も賛成し、できる限り目立たないように歩いた。
だが、結局絡まれてしまった・・・いや正確に言うならアキラ達は無理矢理絡まれたと言うべきだ。溜息を吐いて鞘に入れたまま刀を抜いて、全員一撃で叩きのめした。だが、それをやったのはアキラだけじゃなかった。
「それで、あなたは誰です?」
「ふふふ、困っていたから助けて「暴れたかっただけでしょう?」そう!よくわかったのう!」
その絡ませた張本人がいきなり紫微垣を奪って連中を切っていった。髪が長く、麦穂と互角の胸、だが、同時に物騒な気質。武人・・・いや、それ以上の人物と見えた。刀を返してもらうと、倒れた連中の服を探っていた。
「それで、あなたは何をしているのですか?」
「ん?見てわかるだろう?」
「ええ、倒れた賊から金を巻き上げてますね」
「そうじゃ!」
否定しなかったことに、呆れてものが言えなかった。
「それであなたは誰ですか?」
「ふふふ、そなた面白いの~。それよりそろそろ退散した方がいいぞ。こやつらの仲間はまだいるからのう」
その言葉通り、何やら向こうから声が聞こえた。
「また会おう!」
その声が聞こえると、すぐに女性は逃げていった。
先に逃げ出した女性と別れて、うまい事逃げ切った皆はある建物の前で一息ついた。するとびっくり、そこが目的地だった。
「これが・・・アシカガショーグンの住む二条館」
「えええ!これがですか!」
「手を付けていないからこそ、こうなってしまったのでしょう」
「家っていうのは人が住まなくなるとあっという間にボロボロになるらしいですし」
彼女達が驚くのも無理はない。権力が低下していてもまだ将軍の地位は健在。なのに、今目の前にある建物・二条館は半分ほどボロボロになっている。むしろ、半分廃墟と言っても違和感がない。
「私は自分の世界で親友の将軍の住む家に行ったことありますが、ここの百倍すごかったですよ」
その言葉に四人ともアキラに視線がいった。
「・・・お前が自分の世界では将軍と仲良さそうな発言に驚いているが、まあ安心しろ。ここで間違いない」
「それで、ここには人が間違いなく住んでいるのですよね。後ろにいる誰かさん」
「「「「「え!」」」」」
アキラの言葉に全員が後ろを向くと確かに女性が一人いた。アキラはしっかり気づいていたが、敵意がなかったのでそのままにしていた。
「なんと・・・お気づきだったのですか」
「もちろんですよ。それで、あなたは誰です?この場にいるということは将軍の部下、ではないですね。もっと近しい方でしょうか」
「何をおっしゃいます!私が足利将軍様と親密だなんて!・・・もしかして、将軍様に謁見希望ですか。でしたらお土産はありますか?」
大げさに驚いていながらすぐに話を変えるあたり、間違いないと確信を持つアキラ。しかも、お土産の言葉を出した時すごい目がぎらっとした。
「ちゃんと教えてくれれば出しますよ。証明してくれないと、ただの通りすがりの人と見ますから」
「むう、それなら仕方ありませんな。我が名は細川与一郎藤孝、通称は幽と申します。足利将軍様のお側衆をしております。さ!これで大丈夫でございましょう!お土産を!さあ、さあ!さああ!」
早くくれ。さっさとくれ。おいこらよこせ。そんな文字が顔に書いてある幽という女性が手を出してきた。
『なるほど、銭を出せばたいがいは教えてくれそうですね。腹の中は灯より弱いけど相当黒いみたいですね』
つまり、幕府はそれほど金に困っていることが分かる行動でもあった。同時に、彼女の扱いも少しわかったアキラだった。
無事お土産を渡すと、謁見が許され部屋に案内され待機することになった。
「ふう、とりあえず一段落しましたね」
「・・・あやつ、食えないな」
「そうですね。さりげなく久遠様の正体に気づいている発言もありましたし」
「でしょうね。礼儀作法は無知な私でも見事。と言えるものですが明らかに脅しも含めて話をしてきましたからね」
そう、この部屋に案内されるまでの間、久遠の正体を仄めかす発言をしていた幽。
「え!そうなのですか!」
「ひよ、武士になるならこれから先、人を見る目も持たないとやっていけないよ」
ころに注意され、何も知らなかったひよは小さくなった。
「でも、大丈夫でしょう。それなりのお土産も持ってきましたし、向こうもまだ現物が届いていない時点で非礼なことはしませんよ・・・でしょう」
「むう、また気づかれていましたか。あなた、相当すごいですね」
「「「「「え!ま、また!」」」」」
幽がまたいたことに驚くが、彼女もまたアキラに気付かれたことに二度驚いた。
「私は気配には敏感でしてね。それより聞きたいことが一つあります。この客間はしばらく掃除していないと見えますが、将軍はお金がないのですか?」
「ええ、そうなのですよ。最近は街に出て悪漢から巻き上げて・・・って何でもありませんよ~~あはは」
「何を言っているのだ?」
後半はぼそぼそと言ったから皆気づかなかったが、アキラはしっかり聞いていた。それをした人間が約一名さっき会ったので、冷や汗を流しながら思った。
『悪漢から巻き上げ?まさか・・・』
さすがにないだろう。と首を振って話題を変えた。
「そういえば、エーリカはどうして足利将軍と会いたかったのですか?どうしても話したいことがある。と言ってましたが」
「それは・・・」
だが、それを話す前に小姓がやってきて、将軍の謁見許可が出たと伝えられた。結局その話は本人と話すときに聞こうと決めた。ただ、謁見は久遠だけであり自分達は出来ないこととエーリカの謁見は無理矢理な設定を幽が作って許された。
「ひええええ!すっごいとんでもない人だよ~~」
「絶対に敵に回したくない人だよ。こんなに腹黒だなんて~」
「失礼な!ただ人より根性と人格がねじ曲がっているだけでございます」
「幽さん・・・それ逆効果だと思いますが」
ひよところが幽から距離を取る。弁解をする幽だが、詩乃からツッコミが来る。
「ええっと、この人は恐ろしいほどに危険。ということですか」
「何をおっしゃいます異人さん。こんなに愛くるしくて無害そのものと言っても過言ではないこの私が危険など」
「過言ですし、自分で愛くるしい無害という時点で超危険ですね」
エーリカの言葉に反応した幽だが、即座にアキラがブーメランを倍にして返した。
「では、某が案内仕りましょう」
漫才も終わり、ようやく謁見の時を迎えた。本当は田楽狭間の天人と呼ばれているアキラも謁見できる立場だと言われたが、見世物になる気はないと断った。やはり、自分の正体も見抜かれていたことに気づいていた。
『さて、この世界での将軍様は一体どんな人か。あのバカと同じ・・・なわけありませんよね・・・不安です』
内心少しだけの不安を持ちながら、幽に案内された。
ついに幽が出てくれました!いや~~、原作見てから早く漫才を書きたい。と思っておりました。それにしても、紫微垣の初出番がまさかアキラじゃなく違う人になろうとは。
次回は将軍様との謁見です!それが終われば、記念小説をやろうと思います!