更新速度が遅くなる。と書きましたが、今はまだ仕事が落ち着いている方なので何とかいつも通りに更新しますが、年末は厳しくなると思うのでお許しください。
後、感想であの女性が紫微垣を持って大丈夫?というのが届きました。紫微垣は今眠っています。何故なら、アキラが使おうとしないからです。ふて寝しているため使われたことすら気づいていません。
アキラが使う決意をして手にしたときにやっと目を覚まし力を発揮します。まだ先ですが、その話も書きますので楽しみにしてください。・・・え?信用できない?本当に考えてますよ!!!
最初からアキラは現実逃避をしています。
『皆さん、こんにちは。アキラ先生教えて!のコーナーです。今回はある一つの単語について説明しましょう。それは『フラグ』というものです。例えば、目の前に落とし穴があります。それをよけようとしたらいきなり草むらから動物が出てきて驚き、結局どっし~んとその穴に落ちてしまう。つまり、フラグというのはある一つのきっかけで幸にも不幸にもなる未来ができてしまうもののことを言います。あくまで私の体験からの説明ですので、しっかりとした意味を知っていたらそっちが正しいものですので』
「アキラ。いい加減、現実に戻れ!」
「はい・・・」
久遠の叫びで現実逃避が終了した。今アキラ達は客間にいる。だが、ほかに幽ともう一人が・・・。
「お主が田楽狭間の天人か」
「やはり、あの時のあなたが将軍だったんですね」
「ふふふ、その通り。余は足利義輝。足利第十三代将軍じゃ。通称は一葉という」
そこにいるのは紛れもない野盗の群れをボコボコにして追いはぎをした女性だった。ひよにころ、エーリカの三人は絶句していたがアキラはそれを気にする余裕がなかった。
『これが、フラグというものなのですね』
頭痛がしたのを感じたアキラだ。
時は謁見の間までさかのぼる。
久遠とエーリカの二人が評定の間の中央で正座をしていた。幽が将軍が来たと報告をしたが久遠は一蹴した。耳に届いた将軍は剣豪と言われるくらいの武人という噂を聞いていたが、聞こえた足音はとても弱弱しいとのことだ。
『確かに武人ならもっとどっしりした足音のはず、つまり上段にいる人は明らかに別人・・・ということは今あそこにいるのは影武者ですか』
地面で座っている三人は慌てているが、アキラは別段気にせず周りを気にしていたら久遠の斜め後ろに一人の小姓がいたことに気づいた。
『あっちが本命。ということでしょうか・・・あれ?この気配は、いや、まさかそんなはずは』
久遠が小姓に近寄ろうとしたら銃声が聞こえた。一応久遠を守るための警戒はしていたが、その警戒の外からの射撃だった。小姓が顔を上げるとやはりその女性は自分から紫微垣をとって賊を斬った女だった。
再び客間に戻る。
『その後、逃げようとした幽に頼んで事情を確認するために献上品を送らないと言って脅し・・・じゃない頼み込んだんですよね。教えてくれるなら銭を更に足してくれるよう久遠に頼むと言ったら、あっさりと手のひら返したのには爽快でしたね』
そんな幽の手のひら返しを楽しそうに思い出したが、将軍が自己紹介したのでアキラも自己紹介をした。
「紹介してもらったのなら、こちらもしないと失礼ですね。私の名前はアキラ。織田久遠の夫をしており、先ほどそちらの幽さんから言われた田楽狭間の天人です。よろしくお願いします・・・えっと公方さんでしたっけ」
礼儀皆無な紹介をしたが、彼女は気にしなかった。むしろ、探るような目つきでアキラを見ていた。
「そなた・・・相当の修羅場をくぐってきたようじゃのう」
「わかるのですか?」
「我は剣豪将軍と呼ばれておる。そういう目は養っているつもりじゃ。悔しいが、我が殺す気で戦ってもお主には勝てんじゃろうな」
「なんと!公方様、この者はそこまで強いのですか!」
「ああ、幽よ。お主も気づいているのじゃろう。おそらく、二人でかかっても勝てん」
「・・・はい。正直に申すとその通りです」
驚く幽に一葉が逆に問うと頷いて肯定した。剣豪将軍とその家臣でも勝てないアキラの強さに周りの皆が驚いた。すると、久遠がいらない後付けをした。
「手合わせで掛かれ柴田に勝っているからのう」
「ほう、あの鬼柴田殿に!それはすごいですね!」
「ほう~~、そこまでの強さか。くくく!これは武人として一度」
「公方様。手合わせしたいとおっしゃるのはやめてください」
「安心せい幽。手合わせではなく、ガチで戦いたいだけじゃ(にやり)」
「ああ、それならいいでしょう・・・なわけないでしょうが!余計にダメです!」
二人の漫才を見ていると襖が開かれた。そこには最初の謁見の間の上段にいた気配の女性が入ってきた。一葉とは正反対にとてもおしとやかに見えた。
「さっき我の代わりをしたのは余の妹じゃ。双葉よ、自己紹介せい。大丈夫、こやつらは信用できる」
「はい、分かりましたお姉様。私の名前は足利義秋。通称は双葉と申します。姉のご友人の皆様に謹んでお礼申し上げまつる」
三つ指立てて礼をした。その姿に心を奪われたアキラ。
『・・・っは!何と、エーリカを清楚な女性と見ましたが、その上がまさかいるなんて思いませんでした。どうやら、この二人にとても大切に守られているみたいですね』
その後、双葉から幕府内では既に敵対している三好と通じている者すらいるため中々心を許せるものがいない。だから、姉の一葉が心を許せるというのは妹の双葉にとっても嬉しいことなので、お礼がしたいと言われた。
「頭を上げてください。こんな無頓着な男に下げる頭はむしろこっちが申し訳ないくらいです。まあ、上げないなら私が無理に上げますが」
「アキラ殿、それは某が許しませんよ」
「もちろん冗談ですよ。でも、一葉が相手なら無理矢理でもやりますが」
「ほほう~、その時はぜひ協力させてください。日頃の恨み・・・もとい日頃のお礼をしたいので」
「お主ら・・・本人の前で面白そうな相談をしておるのう」
「「ははははは!」」
一葉のジト目にアキラと幽は笑いながら流した。
『『『・・・お頭(アキラ様)が二人いるみたい』』』
「ふふふ、姉さまの楽しそうな姿、久しぶりに見ました」
「これで楽しそうと見えるあたり双葉も相当器が広いな」
その姿に久遠達は汗を流していたのに、双葉は楽しそうな一葉を見てのんきに微笑んでいた。
その後、最初にエーリカの話せなかった鬼にかかわる話から始まり、次に幕府に圧力をかけている三好の話、その三好を裏で操る松永弾正小弼の話が出た。最後に幕府の一部の内部の話をして終わった。
『今、この三人は流されて生きている。そんな感じですね。そうしなければ生きていけない・・・辛いですね。でも、まだ生きている。だから、可能性はある』
そして、話が終わると同時に久遠の方針が決まった。まずは鬼の事より鬼を打倒できるよう勢力を吸収。そして、広まりつつある鬼の脅威に打倒できるようにする。そのために公方である一葉を使い勢力を集める。そして、エーリカを織田家に連れ帰り家中に説明させて鬼打倒を目指す。というものだった。
「私は私の出来る範囲、そして自分の全力をもって久遠を支えます。そして、一葉・双葉に幽、あなた達も守って見せます。久遠の友であり私達の友でもあるあなた達はすでに大切な存在です」
それほどの決意を見せて久遠に敬意を表して、アキラもまた決意を皆に見せた。
「ふむ、田楽狭間の天人は目が見えないサムライと聞いていたが。不思議だな、何かお主の眼が見えた気がする」
「ありがとうございます。今日はここまでですね。久遠、宿に戻りましょうか」
「ああ、一葉。またな!」
立ち上がって、小姓に出口まで案内された。ともに歩く久遠が嬉しそうに見えたアキラ。
『・・・嬉しそうですね。お互いに苦しい環境で生き抜いてきた者同士。だから、言葉で語らずとも分かり合える何かがあり、それが友情となって友になることができたのでしょう』
思わずアキラは笑顔になり
『わいにとってあんさんは最高の親友や!』
この言葉を思い出した・・・かつては友と思わなかった男からの一言が。
『わかる気がします。あのバカが・・・あのトラがいたからこそ今の私がある。今の強さがある。この二人もそういう強さが身に着くといいですね』
あの親友を思い浮かべながら屋敷を出て行った。
屋敷を出た後、一葉達は話し合っていた。
「楽しい奴らだった。久しぶりに心からほっとした気分だ」
「そうですね。双葉様も嬉しそうですね」
「当然よ幽。お姉様も私も友達ができたんですから」
「うむ、特にあのアキラという男。あやつはいったいどんな茨の道を歩けばあそこまで強くなれるのか・・・いや、正直に言うと惚れてしまいそうだ」
一葉の顔が赤くなった。そんな姉の姿に
「え!お、お姉様もですか!」
妹もまた赤くなった。
「ほう、双葉。お主もか」
「はい、あのお方は誤解されがちですが、誰よりも努力をしている人に見えます。傷つきながらでもそれでも天に上ろうとする龍。帰り際に見えた背中が・・・とても大きく、そしてたくましく見えました」
双葉の眼は一葉同様、輝いていた。
「お二人とも本気ですか?」
「本気じゃ!」
「はい!」
二人の即答に幽は溜息を吐くしかなかった。
「は~~、だから会わせたくなかったのに(ですが、少し女性として意識してしまうのは事実ですな)」
二人に見られないように、アキラの言葉を思い出して幽も赤くなったのであった。
やっと、謁見まで終わりました!この後どうしよう。間章にするか。それとも北近江まで一気に行ってから間章にするか。ちょっと、整理しないと・・・。
でも、その前に100件突破記念小説だ!内容は稲葉山城でやった森一家との鬼ごっこにしようかなと思っています。