本日は三章終了です!これが終わったら間章を二つほどそして特別編を一つやろうと思います!
今回ほとんどがシリアスで尚且つ真面目です・・・。というか、鬼との戦いは森一家が絡んだ時でないと面白く書けない・・・文章力がなくてすいません。
アキラ達は、小谷城に戻る道を歩いていた。
「あの暴走親子と会って協力を得られたのは大きな手柄でしたね」
「あの~上洛の時に観音寺城を攻める情報が今回の目的だったんじゃ」
「お頭、目的変わってません?」
ひよところのジト目にアキラが笑う。
「ははは、冗談ですよ。でも、自由奔放ですが一騎当千な二人の力を得られたのは本当に大きいですよ」
「そうですね・・・ただ、扱いが困難でしょうが」
「ですが、私は桐琴さんがとても大きな人に見えました」
「ほう、エーリカもそう思いましたか。あの人は自分の信念を絶対変えることも曲げることをしない・・・心から尊敬できますよ」
アキラの言葉にアキラ隊の三人はえ~~という顔をしたが、エーリカは頷いた。
『ああいう人はとても好感が持てます。自分は嫌いじゃないですね』
もうすぐ小谷城というところで、少し先に浅井家の旗があることに気付いた。すぐに確認の意味も込めてひよに先触れを頼み自分達も急ごうとしたが、ある視線を感じアキラは足を止めた。
『誰でしょうか。観察するような感じで見てますが、今は向こうが優先です。敵意がないところからすると、どこかの草・・・浅井家を調べに来たのでしょうか?』
「アキラ様?どうしたのですか?」
「いえ、何でもないです」
今は優先すべきことがある。その視線を無視して、先を急いだ。
その後、小谷城に到着すると城門で浅井夫婦が戦の準備をしていた。話によると、横山城という城の近くの村の近辺で鬼の集団がいるという情報が入ったので、撃滅しに行くとのことだった。自分達も鬼を倒すには賛成なので協力することにしたが、久遠までついてくることになった。
『我々の敵となるものを一度見ておく必要がある』
アキラ達は調査をする久遠の護衛兼サポートをすることになった。目的地に着くまでの間、久遠と話していたらアキラ隊に鉄砲を取り入れる話になった。アキラ自身は別に必要ないが隊の皆はまだ弱い。それを考えると久遠の考えは間違っていない。
「でも、今は現状ですね」
「ああ、その通りだ」
話が終わったと同じくらいに、襲われた村・三田村に到着した。
「包囲殲滅戦となると、こちらもそれなりの犠牲が出ることを覚悟でこの戦いをやろうと考えていますね」
「ちょっと酷ですが、考えは間違えてはいません。人より何倍も強い鬼が二百。私でも倍の兵がいたとしても、犠牲無しで勝つ策は思いつきません」
「しかも、今回は浅井衆の三田村の半分の民がなくなった弔い合戦でもある。決して負けることも許されない」
アキラ・詩乃・久遠で話をしていた。一度軍議を開いたのだが、隊を二つに分け本隊と別動隊とわけ、鬼を囲むように前と後ろで攻撃して全滅させる。これが真琴の考えた作戦だった。アキラ達は真琴のいる本隊の後方支援をすることにした。
『真琴の本心は別動隊にいるお市ちゃんには安全でいてもらいたい。と言ったこところでしょうね。それをできる力も人数も人間の敵兵ならともかく鬼相手なら難しいですが、彼女はそれを理解している・・・浅井家当主としてやるべき義務。これが上に立つ者の業でしょうか』
真琴の心中を察したからこそ、アキラは彼女の援護にしたのだ。
「さて、私達がやることは真琴・・・浅井がしっかり活躍できる場を用意することと援護をする。この二つです」
「そうですね。でも、私達がお市様からもらえた兵は三十。それでどうやって」
「簡単なことです。詩乃、あなた小谷城に鬼が侵入したとき浅井の兵に三対一で掛かるよう指示を出したそうですね」
アキラの一言に詩乃は小さな笑みを浮かべた。
「・・・なるほど、そういうことですか」
「そうです。ただ、使う武器はそれぞれ刀・槍・弓と分けます」
アキラが考えた策は刀を持つ兵は攻撃ではなく防御に力を入れ、槍を持つ兵が主に鬼と戦いとどめもこの兵が刺す。最後に弓を持つ兵は後方から二人の兵の支援と別方向からの挟撃を防ぐための周囲の索敵。それが兵にできる鬼の対抗手段だった。
詩乃とエーリカもいい提案ということで、ぶっつけ本番ではあるがやる価値はあるとのことだった。久遠もこれからの鬼との戦いに大いに役立つ可能性がある提案だったので今回の戦いでそれを証明してみろ。ということになった。
話をしている間に戦いは開始した。だが、出てきた鬼達は明らかに今までの鬼の戦いと違っていた。獣のごとく襲い掛かるのではなく、隊列を作り刀を持ち襲い掛かってくるといったものだった。その戦いに全員が一瞬え?と思ったがすぐに持ち直し、兵達は詩乃の指令に従い浅井衆の援護に回る。少し時間が経ち一気に攻める気なのか真琴が前に出た。そして、彼女の持つお家流が姿を現した。
「出でよ!夕波千鳥!」
それを見てアキラは驚いた。何しろ、その技は氷の鳥なのだ。自分も氷の技を持っているが、まさか他に使える者がいるとは思わなかった。だが、これはチャンスとも考えた。何しろ、氷の技を使えるのはここにいる久遠とアキラ隊の三人しか知らない。彼女らが気づいても口に出さないと分かっているから、密かに技を出した。
「夢氷雹天」
その言葉の少し後に夕波千鳥が鬼に向かって飛び出て、鬼の集団を切り裂いていった。その際、気づいたものはおそらくごくわずかだろう。その夕波千鳥に小さな雹がついていたことに。その雹が切り裂いた際鬼達に着いた。そして、そこからがアキラのその技の威力だった。
「お、鬼達が」
「こ、凍り付いていく!」
「す、すごい!さすが真琴様!」
これを夕波千鳥の効果と思う兵達。もちろん、真琴は自分のお家流にそんな効果はないと分かっているが、兵達の士気が上がっているため、そのままにした。
『お姉さまからお兄様は私のような氷を使える技を持っていると聞きました。まさか、あの凍り付いている効果はお兄様の!』
完全に凍り付いた鬼はその後体中にヒビが入り、そして粉々になった。これで鬼達は三分の一いなくなった。残りの三分の二もそれなりにダメージを食らったがここでとんでもない行動に出た。
「お、お、鬼達が!」
「ななあああ!おおおお、お頭お、おおお鬼達が~~!!」
「う・・・気持ち悪い」
傷ついた一匹の鬼に鬼たちが群がり・・・何とその鬼を食べ始めた。その光景にひよところの二人は思わず吐きそうになり、詩乃も目を背けた。だが、驚いたのはその後であり食った鬼は体が元通りになっていた。
「く!何だと!」
「と、とんでもない奴らだ」
真琴と久遠も驚いたが、せっかく上がった士気が下がりそうになった時にやっと来てくれた。
「まこっちゃ~~ん!おっまたせ~~!さああ!江北の皆!私達の大切な民を苦しめた鬼共の根切りにするよ~~!!!」
この北近江で一番のアイドル・・・もとい元気娘が。
「「「「おおおおおおお!!!!」」」」
「さああ!皆~~!私に続け~~!!」
「「「「いえっさ~~~!!市様~~!!」」」」
市の激に兵の士気は最高潮になり、市の攻撃が兵の総攻撃の引き金となった。
「能滅無量罪、能生無量福!砕け!愛染挽歌!!」
彼女の持つお家流が鬼達に命中し、兵達も負けじと突撃。鬼の復元に唖然とした真琴も息を吹き返し、鬼達に襲い掛かる。さっきのように共食いする余裕もなく浅井衆の攻撃に耐えきれなくなり、鬼達をどんどん数を減らしていき、最後の一匹を倒してついに全滅に成功した。市は戦いが終わると一目散に真琴に抱き着き、勝利の雄たけびを皆が上げた。
時間も経ち、少し落ち着いて村の村長と真琴が話し合っている。今後の村の方針と復興の事の相談をしている中、アキラは久遠・詩乃と話していた。
「どうでした?今回の成果は?」
「うむ、いい考えだった。あの作戦をやった兵はだれ一人死ななかった。あの攻撃方法は今後とも使える」
「そうですね。それに三方向から見ていれば鬼の攻撃の対応も判断しやすくなります。これからの隊の戦い方として取り入れてもいいかと」
鬼に対して有効で犠牲も最小限にできることで今後も使えるとわかったが、それ以外でも分かったことがあり、それがアキラ達の顔を暗くした。
「しかし・・・まずいことになりましたね」
「ああ、鬼が知恵をつけ始めた」
「これからは、一勢力として見るべきですね」
詩乃の言葉はまさにアキラも思っていたことだった。
『私が全力で戦う日も近いですね。鬼の集団は数を増やしていく・・・何より、一番気になるのはこの鬼達が自分達で考えて今回のあの戦い方を実践したのか?ということです。大抵こういうのには黒幕がいるはず・・・でも、今回は出ずじまいということは試し、ということでしょうね』
肩に背負っている紫微垣を握った。
『あなたを使わせてもらう日も近いかもしれません。私がこれを使いこなせるかどうかは分かりません。でも、もしもの時は』
一瞬、そう本当に一瞬だったためアキラも皆も紫微垣が小さくではあるが光っていたことに気付かなかった。手を離して、皆と共に小谷城に戻った。
三田村防衛線無事成功。だが、村人の半数が死亡。
第三章本章終了しました!そして、ついにアキラオリジナル技を出しました!
夢氷雹天・・・空気中の水蒸気をアキラの持つヘルバーストを使い凍らせ雹を作り
それを敵に着けてそこから全身を凍らせて最終的に粉々にする技。
アキラは何十人相手を倒せる技を持ってなかったので今回この技を作りました。あくまで私の主観ですが、ただの氷漬けでは十から二十が限度だと思ったからです。
夕波千鳥に雹がついても大丈夫だったのは、同じ氷であり大きさも今回は彼女の技をメインとして見せるために雨の雫くらいに小さく作ったからです。実際は足の親指くらいの雹で攻撃します。
では、次の間章をお楽しみに!