※この作品はR-18です。

戦国恋姫 盲目のサムライ   作:一日三食MEN

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 こんにちは、昨日三分の二書いたところでPCが動作不良起こしそれが全部消された三MENです。
 では、始めます!あの元気いっぱいの子がついに登場です!



二十八振り目 運命?それとも奇縁?

 

 「それにしても、あの二人でも苦戦した鬼がいるなんて」

 「う~ん、もぐもぐ、戦ってみたいです」

 「ですが、二人で一刻掛かった相手です。私でしたら時間をかけないで倒せますが、それでも戦いたいと思いませんね」

 「アキラ様、出ても戦わないでくださいね。そんな無茶をしたら・・・私、泣いちゃいます」

 「・・・否定したいですけど」

 『分かってます。言っても聞かない無茶をする人だと・・・』

 長久手の宿で食事をとりながら、鬼の説明をしていた。今は鬼子の事を話し合っている。当初は食事が終わってからしようとしていたが、アキラが時間をとるのが面倒ということと・・・綾那の腹の虫が盛大になったのでこういう形にした。

 「そういえばアキラ様。今回の上洛は詩乃さんからかなりの無茶な行軍だと聞きましたが」

 「ええ、歌夜さんの言う通りです」

 そう、久遠の決めた上洛はかなり厳しいと言ってもいい。まず、六角が治める南近江の観音寺城を制圧して京で松永・三好を撃破して一葉達を救い出す。その後は北近江で味方の浅井を仲間に入れて、最終目的地である越前にいる鬼を全滅すると言うのが久遠の決めた鬼殲滅へのルートだ。

 そのルートを伝えると歌夜は驚いた。

 「それは・・・本当に無茶と言ってもいいですね」

 「でも、私は久遠の考えとやり方は間違ってないと思います」

 「私もそう思います。鬼は目立たないところで着実に勢力を伸ばしてきています。勢いのある状態で鬼達を一掃するというのは妥当だと思います」

 「大丈夫です!三河武士は、もぐもぐもぐ、強いです!負けないです!」

 しゃべりながら食べ、しかもご飯粒を飛ばしてえっへん!と胸を張る綾那を見て苦笑いする詩乃。やれやれと思いながらそのご飯粒を拾う歌夜。

 「綾那。せめて食べるか、しゃべるかのどっちかにして」

 「ははは、歌夜さんはまるで綾那のお姉さんですね」

 「付き合いが長いですからね・・・後、私の事は歌夜でいいです」

 「そうですか。では歌夜、これからもよろしくお願いします」

 「え?あの、この手は?」

 「握手です。仲良くしましょう、という儀式みたいなものです」

 「あ、そうですか」

 アキラの出して手を握り、じっと見る歌夜。その時に傷があることに気づいた。

 

 『傷だらけ・・・手首にも細かいのがたくさんある。この方とても頑張って』

 

 それを見た時少しときめいた歌夜。

 「あの?どうしました?」

 「い、いえ!な、何でもないです」

 アキラの言葉で意識が戻り、真っ赤になり手を離す。

 「アキラ様。どうして、誑す挨拶しかできないのですか」

 「握手が誑す挨拶になるのですか?」

 「ち、ち、違うのです!とても、力強くて素敵だなあって」

 「そうです!アキラ様はすごいお方なのです!」

 歌夜の慌てて出た言葉と綾那の自信たっぷりの言葉は、詩乃の言葉を証明するものでしかなかった。

 「・・・何か弁明は?」

 「厠に行ってきます」

 ジロリと見られた詩乃から逃げるように、アキラは部屋を出て行った。

 「歌夜さん。アキラ様には気を付けてくださいね。織田家中は、もうアキラ様の事を好きな人しかいない。と言ってもいいくらい好きな人が多いです」

 「えええ。い、いや!私は」

 「あれ?詩乃はアキラ様の事、好きじゃないです?」

 「私は・・・好きですよ。既にこの身も魂も全てあの方に捧げています。唯一の不満は、まだ抱いてくれない事です」

 「だ、抱いてくれないって!・・・で、でも、あの人なら」

 更に真っ赤になりわたわたする歌夜を不思議そうに見る綾那の姿。最後にぼそっと呟いたのをしっかり聞いて、更にライバルが出たことに溜息を出す詩乃だった。

 

 

 三分の一ほどかけた月を見上げるアキラ。

 『ふ~~、誑しと呼ばれるようになってからどんどん誤解が出てきますね。それにしても・・・三河と言えば、この時期は松平家が治めていた土地。そして、松平と言えば徳川家康の前の名前・・・つまり、久遠やさっきの二人が言っていた葵という人はこの世界の紅虎の親ということになりますね。いつか会うと思ってましたし・・・あの漢のイメージが強いせいで、どうしても警戒してしまいますね』

 近い内会うであろうあの人物の事を考えたアキラ。そして、少し経過して向こうも落ち着いた頃と思い、部屋に戻ろうとした時だった。

 

 『誰かいますね・・・にしてはとても無防備。草というわけではないですね。いや、無防備というより弱り切っている?』

 

 気配を感じ警戒していたら、向こうから姿を現した。小さな女の子だったが、とてもフラフラの状態だった。

 『この子ですか・・・いったいどうした』

 目の前に現れ、前すら見えてない感じだった。

 

 「おなか・・・すいたの」

 

 そう言ってその場で倒れこんだ。いきなりの展開に少し呆然としたが、

 「連れて戻りますか。弱ってますし、他国の草もここまでの事はしないでしょう・・・ただ、詩乃がどんな反応するか」

 倒れた少女を抱き上げて、部屋に戻っていった。

 

 

 案の定少女を見た詩乃は、白い目をアキラに向けていた。

 「アキラ様・・・言葉が出ませんよ」

 「詩乃さん。アキラ様って、本当に女の人を誑すのが趣味なんですね」

 「何と!アキラ様は妖怪女誑かしだったのですか!」

 三人の反応は予想通りだったアキラ。弁明しようとした時に、少女から大きなお腹の音が鳴ったので食事をさせようということになった。ちょうど食事の支度が出来た時に目を覚めて、食べていいと言ったら大急ぎで食べ始めた・・・厠に行く前に一緒に食べた綾那も食べているのは、この際気にしなかった。

 「アキラ様・・・この方」

 「食事が終わって、落ち着いてからです。詩乃の言いたいことは分かります」

 警戒が解けない詩乃の頭を優しく撫でて言葉を止めた。撫でられたことに真っ赤になった詩乃はもじもじしながら小さく頷いた。

 「あれ?この方・・・どこかで」

 そんな中で歌夜はどこかで見たことがあるような感じだったが、それらも全て食事後にすることにした。因みに綾那にも聞いたが全然分からなかった。

 

 

 食後、少女もやっと話ができる状態になったが、あまり口を開けようとしなかった。名前を聞いても、「鞠」としか答えなかった。

 「そう言えば、名乗ってませんでしたね。私はアキラ、織田久遠信長の夫です」

 埒が明かないので話を進めるために自分の名を名乗ると、鞠はビックリしながら顔を上げた。

 「え!アキラ・・・ここって尾張?」

 「長久手というところで美濃の一部ですが、久遠の治めている土地です」

 「そうなの・・・よかった~~」

 ほっとした感じになり、歌夜が差し出したお茶を飲んだ。その時にやっと少女は笑顔になった。

 「では、今度こそ自己紹介をお願いします・・・ああ、食事中みたいに砕けた感じでいいですよ。ここは城でもなければ偉い人がいないただの宿なので」

 「「アキラ様が一番偉いはずでは?」」

 詩乃と歌夜の心からのツッコミを無視した。その言葉で安心したのか、元気な顔で元気いっぱいな声で名前を言った。

 

 「鞠の名前は今川彦五郎氏真!駿府から尾張の織田三郎殿に会いに来たの!」

 

 だが、その自己紹介は場の空気を一変させるには十分なものだった。

 「い、今川ですか!」

 「そうだ、彦五郎様だ・・・やっと思い出した」

 「・・・やっぱり分からないです」

 綾那のボケはスルーして、歌夜と詩乃は目を大きく開けて驚き、アキラも顔は変えてないが内心はとても驚いていた。

 「何と・・・でも、どうしてここに?氏真と言えば義元なき今川家の現当主では?それが空腹になるくらいへとへとになって」

 詩乃の質問に答えた鞠。

 

 「駿府屋形が武田に落とされたの・・・」

 

 彼女の口から出た言葉はさらに驚くべき出来事だった。

 

 武田と言っても現当主の武田晴信ではなく、その母親の武田信虎が駿府屋形を落としたこと。その母親は武田三姉妹によって甲斐を追い出され、今川義元が拾ってやったが亡くなった後勢力を強めて乗っ取ったとのこと。何とか逃げる際に協力してくれた人がいたからここまでやってこれた、とのことだった。

 「これ・・・久遠様かその夫のアキラに渡してほしいと言われて」

 協力した人が書いた手紙らしく、アキラは鞠からそれを渡された。だが、その手紙を開けないで

 「歌夜と綾那はお風呂に入ってきてください。その間に、この子のわだかまりを解こうと思いますので」

 「・・・歌夜さん、お願いします」

 「分かりました。綾那、行くわよ」

 「は~~い!」

 二人をこの場からいなくさせた。その理由は

 『駿府の隣は三河。しかし、そこの現当主松平元康に頼まずにわざわざ久遠に頼ったのが気になります。詩乃と歌夜はそれを察して分からない綾那を遠ざけてくれた。空気が読める二人で助かったです』

 この懸念があったからこそ、いてはいけない二人を風呂に行かせたのだ。

 

 

 その後アキラと詩乃が呼んだ手紙の内容は予想通りと言ってもいい内容であり、三河の二人には見せられそうにない内容だった。最後に鞠をどうするか。ということになった。

 「鞠、私の客人になりませんか?客人なら久遠に顔合わせすることもできますし、その手紙を渡すこともできます。あなた一人では、身分を証明するものもないので追い返されるのが目に見えます。例え顔を知る者がいても、護衛もお供もいないですから疑われます」

 「アキラ様・・・全くあなたという人は」

 ジト目する詩乃を見て見ぬふりをした。しかし、彼女もその考えには賛成のようで咎めるつもりはない様だ。

 「どうです?その間でしたら、食事も宿も保証しましょう。ただ、出発は四、五日後になりますが、それでもいいですか?」

 「大丈夫なの!鞠、待てるの!」

 「・・・最後に一つだけ確認します。これは今川の当主とかではなく、ただの鞠として答えてください」

 「鞠として?」

 「はい・・・あなたはこの手紙を見る限り駿府屋形を取り戻したいという意思があることが分かります。久遠に頼めば確かに協力してくれるでしょう。でも、それはまだかなり先になります。いつになるかもわかりません。それでも、待てますか?」

 この質問は、ただの勢いでやっていないことと彼女の本気を確かめるための確認だ。

 

 「・・・待てるの!駿府を取り戻すのが鞠の願い!だから、協力してくれるなら取り戻してくれるならいつだって待てるの!」

 

 『うん、これなら大丈夫ですね。よし、この子を客人として認めましょう』

 鞠のしっかりとした信念を聞き大丈夫と判断した。

 「合格です。では、これからよろしくお願いします。鞠」

 「うん!よろしくなの!」

 「は~~。またライバルが・・・」

 溜息と同時に襖が開けられ歌夜と綾那が戻ってきた。改めて紹介しあってしばらく一緒にいる旨を伝えた。その後、アキラが風呂に入ろうとした際鞠も一緒に入ろうとしてそこでまた一悶着あったのは割愛。

 

 『まさか今川氏真と出会うとは思いませんでした。しかも、武田信虎が駿府屋形を乗っ取ったというのも本気で驚きました。私の知る歴史が狂ってきている・・・いったいどうなっていくのか』

 

 最後に風呂に入り、一段落して眠りについた。

 




 はい!鞠登場です!原作やっていって本当に頑張って・・・と思いましたので、少しでも鞠は幸せに書きたいと思います!
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