※この作品はR-18です。

戦国恋姫 盲目のサムライ   作:一日三食MEN

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 どうしよう、150件突破したのは嬉しいけど全く記念小説考えていない。う~む、いっそうの事感想にあった出会ったらシリーズでもやるか?

 でも今はとりあえずスタートです


三十振り目 頼もしい仲間ほど心強い

 美濃の井ノ口に戻るとお姉さんズが待っていた。どうやら、一緒にここまで来た葵を出迎えるためのようだ。

 

 『ふふふ、麦穂さんは慣れているけど壬月さんは作り笑顔が慣れていませんね・・・ひきつっているのが分かります。いや~、見ものですね~』

 

 一通り接待が終わり、麦穂が葵を連れて行ったと同時にほっとした壬月。肩も若干気が楽になったのかおちた。

 「ふ~~、やはり、作り笑顔は慣れんな」

 「こんばんは壬月さん。中々、面白いものを見させていただきました。因みに私はあれは得意分野ですよ」

 「ふん。ひねくれているからだろう。だが、こういう時はそれが羨ましい」

 その言葉はアキラにとっては誉め言葉なのでスルーした。

 「まあまあ、久遠の宿老なのですから、そこは我慢してください」

 「面倒だがな・・・それで、鬼退治はどうだった?」

 「あれ?その事は言いましたっけ?」

 「森の二人と一緒に行動。と言えば簡単にわかるさ」

 「・・・・・・あ」

 そう言われて簡単なことに気付いたアキラ。そのあっけにとられた顔を見て仕返しができたのかニヤリと笑う壬月。

 「ちゃんと殿には謝っておけよ。相当心配していたからな」

 「そうですね。妻を心配させてしまいましたからね」

 「それでいい。では、本題を聞かせてくれ」

 その返答に満足して壬月は、本命の話を真剣に聞いた。特に、森親子でも女性を犯して生まれさせた鬼子を倒すのに、一刻(二時間)掛かったことを聞くと顔をしかめた。

 「万が一、あの鬼子が数人いたらそれだけで街一つ簡単に滅ぼせるでしょうね」

 「それほどの力を持っている鬼もいるというのか・・・しかも、そんなひどい作り方で」

 「はい。私でも一人倒すには、本気で戦っても多少時間がかかるでしょう」

 「お前でも時間がかかるのか?」

 「あくまで少しですが、確実にすぐには倒せません」

 素直に驚く壬月。自分達がまだ手加減されても勝てないそのアキラが、本気で戦ってそれだけかかるのは驚くべきことだ。

 「ですので、そうなる前に黒幕を倒さないといけません」

 「そうだな。そのための一歩として、まずは上洛だな」

 頷くアキラ。だが、顔は険しかった。

 「それが正しい道だと私も思いますが、足利幕府は既に衰退している。その衰退した将軍が声をかけたところで果たして答える大名はいるのか、そこが問題ですね」

 「うむ、その通りだな。火事の恐怖と同じで、自分がその立場にならないとわからないからな。火の粉が身に降りかからない限りはしょせんは他人事だ」

 「畿内でしたら出没しているでしょうから、それなりに返答する大名もいるでしょうが、問題はそれ以外の大名です。北近江の浅井のように既に同盟を結び、なおかつ鬼の出現もかなりある所ならともかく」

 「鬼という存在自体信じないだろうから構う気はない・・・だな」

 「ええ、自国に鬼が出てその強さを理解するか。力づくで理解させるか・・・もしくは話し合いで分からせるか」

 「国持の大名が相手じゃ、そう簡単にはいかないだろう」

 壬月との話にある人物を思い出すアキラ。

 

 『紅虎の苦労が少しわかった気がします。将軍だからと言って全ての大名が素直に従うかと言えば答えは「いいえ」ですからね。太白さんに語ったあの夢を現実にするために必死に頑張っているでしょう。話し合いで決めたり、力づくで分からせたり・・・一つの小さな間違いで大きく壊れていくので、注意しながらやっているでしょうし』

 

 あの漢は向こうで会っていた時は常にそういう顔を見せなかったために、似たような立場に立ったからこそやっとわかった。

 「ふむ、決めるというのは難しいですね」

 「ああ。私やお前は隊の隊長という立場だ。物事一つ決めるだけでもその部下の命運も握っている。そう、決めるということは何かを捨てるということでもある」

 「捨てる・・・ですか」

 彼女の言葉に耳を傾けた。

 

 「そうだ。だが、覚えておけ。お前一人で苦しむ必要はない。そういった苦しみも痛みも苦悩も全部私達織田家中が一緒に背負ってやる。そういう時が来たら声を出せ。辛ければ背中を支えてやる。肩を抱いてやる・・・それが仲間というものだ」

 

 笑顔で伝えた壬月の気持ちに、アキラはある事を思い出した。

 

 『・・・なら俺、四聖天やめる』

 

 どうしても助けたい漢がいたが、肩書が邪魔になり捨てる決意をしたあの言葉を。この決断により四聖天をやめて命がけになり、身体をボロボロにしてもなお立ち上がって勝った後に仲間が自分を支えてくれた。

 「・・・分かります。その経験、ありますから」

 自然な笑顔を出して答えたアキラに、壬月も自然な笑顔を出した。

 「そうか、聞きたいものだな。お前がどれほどの経験をしたのか」

 「とても、長くなりますよ。では、私は二人を連れて久遠のところに行きます」

 「分かった。私も仕事が残っているからな」

 「壬月さん。本当にありがとうございます。おかげで、いい気分で行けそうです」

 「それはよかった・・・じゃあな」

 立ち去った壬月を見送った後、詩乃と鞠を連れて久遠の屋敷に向かった。その足取りは少しだけ軽かった。

 

 

 屋敷に着き、早速結菜と久遠に森一家との遊びについて謝罪したアキラ。

 「アキラ・・・その者が今川彦五郎氏真か」

 「はい、通称は鞠と言います」

 だが、すぐに鞠の紹介に入った。何しろ、嫌でも思い出す久遠が討った義元の娘だ。要件はすぐに終わらせるべきだ。

 「えへへ、こんばんは!鞠って呼んでね!」

 「はい、こんばんは。私は久遠の妻の帰蝶。通称は結菜だから結菜って呼んでね」

 「うん!結菜、よろしくなの!」

 「我は紹介する必要はないな・・・それより鞠、どうして織田を頼った?」

 甲相駿の同盟があるから小田原に頼ればいいのでは?と聞いたが、義元が死んだことにより縁が切れてしまい、声をかけても力は借りれない。更に隣の三河・・・つまり葵のところも何か企んでいるだろうから、そこも頼れない。その事は自分を逃がしてくれた家臣から言われていて、鞠から預かった手紙にも同じようなことが書かれていた。

 織田を頼った理由は、戦いはしたが久遠が勝利しているため禍根もなく変な意趣返しがないこと。後は久遠が私利私欲で動かないいい国主だがら。というのが理由だった。ただ、完全に上から目線の手紙だったことが唯一呆れた点だった。

 「鞠、確かに日の本を統一するうえで駿府もいずれ行くから力を貸してもいい。でもそれにはまず上洛して越前討ち入りをした後になるが、それでもいいか?」

 「うん!アキラにも言われているの!鞠、待てるの!」

 まっすぐな瞳の鞠の顔を見て、久遠も彼女の覚悟を受け止めた。

 「そうか・・・それならいい。だが、お前を受け入れるにはちゃんとここで働くことが条件になる。お前は、何ができる?」

 しっかり自分達の為に働けば、その分のお礼として鞠の駿府奪還に力を貸すということだ。これもまた一つの条件だ。すると、

 

 「鞠、アキラの護衛になる!」

 

 鞠がとんでもないことを言った。一瞬キョトンとしたが、

 「なるほど・・・こやつ自身はとても強いが、立場を考えれば確かに護衛は必要だな。だが、上洛準備の中で織田家中から兵を出すわけにはいかないのが現状だ」

 「それに立場も今は素浪人ですが、義元公の娘という事は幕府にも顔を出していたでしょうし礼節なども習っているはず。アキラ様は全くと言っていいほどそれができないので適材適所と言えるでしょう」

 久遠と詩乃は、鞠の意見に賛成した。

 「うん!一葉ちゃんと幕府の礼節とか習ったことがあるの!」

 「一葉とも知り合いでしたか・・・彼女が礼節をする。絶対的に似合わないですね」

 礼儀正しい一葉を想像したが・・・すぐに「くだらん!」と言って投げ出す姿を妄想したアキラであった。

 「あれ?一葉ちゃん知っているの?」

 「この間、会いましたよ」

 頷くアキラ。その隣で詩乃が久遠に結論を出した。

 「久遠様、これ以上ない適任かと私は思います」

 「デアルカ。よし、アキラ。鞠の面倒はお前が見ろ」

 「ええ、元々そうしようと思ってましたし。いい加減一人でいろいろ行動するのはまずいと思ってましたから」

 「・・・ねえ、アキラ一ついいかしら?」

 鞠の処遇が決まったところで、今まで口を開かなかった結菜が聞いてきた。

 「もしかして、鞠ちゃんも誑すの?」

 「結菜様ご安心を、既に誑されております」

 「予想していたが・・・アキラ」

 「三人とも・・・お願いですからそういう目で見ないでください」

 「久遠も詩乃も結菜もどうしたの?」

 三人の白い目に顔を背けるアキラ。鞠は疑問そうに皆を見る。

 「上洛と越前討ち入り、これが終わったらどうするつもりですか?」

 「逃げたか・・・とりあえず長尾と武田に共闘できないか持ちかけてみるつもりだ」

 「長尾とは誰です?武田は、嫌でも分かりますが」

 「長尾景虎、越後の国主だ。戦がとてもうまい武将だ」

 

 『越後?そこは上杉謙信の治める国・・・つまり長尾景虎とは上杉謙信ということでしょうか。ここでもまた違うところが出ましたね』

 

 「なるほど。ですが、今は保留にしましょう。すべては成功に納めてからです」

 「ああ、そうだな・・・あのな、アキラ」

 少しおどおどした様子でアキラに気持ちを伝えた。

 「・・・頼む、力を貸してくれ。京を越前を取り戻すためにも、そしてこの日の本を平和にするためにも」

 「もちろんです。あなたの刀となりて力になりましょう」

 久遠の申し出にアキラはすぐに答えた。既に、彼女の刀となることは決めていた。

 「ありがとう。そ、それと、できるなら次から。何かするときは必ず教えてほしい。余は我の夫なのだ。妻の我が、ちゃ、ちゃんと知って・・・おきたい///」

 「(か、かわいい・・・これは、きますね)はい、分かりました。本当に心配かけてすいませんでした」

 「お、おい!何を!」

 「ちょっと!久遠だけずるいわよ!」

 気づけば、アキラは久遠を力いっぱい抱きしめていた。その事に、結菜が文句を言い詩乃と鞠は羨ましそうに見ている。

 「っは!いつの間に私の腕の中に久遠が!もしやあまりの可愛さに、本能が体を動かしたのでしょうか!」

 無意識に抱き着いていたことに気づき慌てて離れた。

 「な、ななんあ、なんらぼうおか!」

 「久遠、嬉しすぎてちゃんと喋れてないわよ」

 「アキラ様、いくら妻だからといって」

 「久遠~羨ましいの~!」

 「と、とりあえず私達は長屋に戻ります。鞠の紹介と上洛準備もありますので」

 久遠と同じくらい真っ赤になって屋敷を出たアキラ。

 

 『あのままいたら・・・間違いなく押し倒していたでしょうね』

 

 帰り道は、さっきの事を忘れることに必死だった。

 

 

 その後、長屋に戻り久しぶりにひよところに会い、着実に準備をしていることに感心した。そして、鞠の紹介で一波乱があった。

 「ひよ!ころ!鞠は今川治部太輔氏真なの!鞠って呼んでね!」

 「じ、じじじ、じぶの!」

 「だ、だだだ、だゆうさま!」

 「二人とも、焦り過ぎです」

 「おおお、おがじら!なんばいっちょんにゃねん!」

 「せやで!ちょもちょもどないしてであえたちゃんや!」

 大混乱しながら頭を地面につけ口調もおかしくなったが、その後の鞠の身の上話に二人とも涙を出しながら感動して快く迎えてくれた。出陣の準備もそれなりに終わって、二人が鞠と一緒に寝ようと部屋に案内し、詩乃も目蓋が重かったので自室に戻した。

 一人残ったアキラは空を見上げた。

 

 『いよいよですね・・・自分のやれることを精いっぱいやりましょう』

 

 織田勢、上洛への準備、順調に進行中。

 




 鞠、アキラ隊の一員になりました!ついに上洛の第一段階スタートです!

 でも、その前に間章です!
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