こんにちは!泥のように寝ていた三MENです。ついに上洛手前までです!
観音寺城でアキラと久遠の愛を確かめ合って数日が経過した。城を攻略する前に別れていた壬月・和奏・犬子とも無事に再会して、目的地である京へ順調に進んでいた。
「もう少しですね」
「ああ、そうだな」
二人はより添うように馬を歩かせていた。観音寺城を出てからは、あの時の事はお互い語らなかった。恥ずかしいというのもあるけど、これ以上ない大事な一戦がもうすぐという段階まできているからだ。
アキラが馬を反対に向けて、
「私は隊に戻ります。何かあったら教えてください」
アキラ隊に戻ろうとしたが、
「そうだ、ちょっと相談が」
「??どうした」
ふと思い出して、久遠に話しかけた。
「この上洛が終わったらでいいのですが、私の隊の旗の事です」
「確かにお前の隊もそれなりに多い隊になったな。どれ?どんな旗にするんだ?」
アキラの考えている旗の模様を伝えると、久遠は笑顔になった。
「はは、お前らしいな。分かった考えておく」
「では、お願いします」
「ああ・・・後、あ、ありが、とう」
「ええ、では、失礼します」
会話も終わり、アキラが去っていく背中を少し寂しそうに見た久遠だった。
久遠と別れて、アキラ隊に戻るとちょっとした火花が散っていた。
「がるるる~~~このちょろぎが!」
「おほほほ、ちんくしゃは言葉遣いがなってないですわね~」
「あうあうころちゃん、怖いよ~」
「ひよ~、私も一緒だって!」
小夜叉と梅のバチバチに二人は怖がっていた。理由が分からないので、関わらないように離れて見ている詩乃に聞いた。
「どうしたのですか?」
「ああ、アキラ様。売り言葉に買い言葉・・・ってやつです」
「なるほど。ほら、二人とも落ち着いてください」
堂々と火花を散らす二人の間に入って、頭を撫でた。
「あ、ハニー♡」
「う・・・あ、頭、撫でるんじゃねえ!」
二人とも顔を赤らめて、怒りを収めた。
「小夜叉、その怒りを鬼達にぶつけてください。梅もあまり挑発はやめなさい。同じことをしたら頭を撫でてあげませんよ」
「「う・・・」」
アキラに言われてしょぼんとする二人。そんな中で、
「かかか、クソガキ!本当に色気づいたな~」
「桐琴さんもやりましょうか?」
「くくく!やめとくよ。クソガキに睨まれるからな」
二やついて小夜叉を見る楽しそうな桐琴。
「う、うううう~。も、も、もう戻る!じゃあな、アキラ!」
「かかか!アキラ、いつか各務の頭も撫でてやれな」
真っ赤になりながら戻る小夜叉と笑いながら戻る桐琴。その二人が隊を出ると、さっきまで怖がった二人はほっとした。
「梅ちゃんが小夜叉さんに絡んだ時は生きた心地がしませんでした」
「いつこっちも巻き添えがくるのかと気が気でなかったですよ~」
「ふん!」
「ふふふ、いい喧嘩仲間ができましたね」
「「よくありません!」」
「アキラ様はどんな考えをしているのですか?」
アキラが笑いながら二人が行ったほうを見ると、怖がって涙目のひよところと喧嘩に内心不安だった詩乃がつっこんだ。
「そうですか?私は親友とは半殺しをして仲良くなりましたが?」
「・・・一番のキチ〇イって実はお頭なんじゃ」
『『『その通りかも』』』
ひよの言葉にその場にいたアキラ以外の一同は心で頷いた。
そのようなことが終わって、しばらくするといきなり犬子が隊にやってきてアキラを呼んでいることを伝えた。変事ができたので、久遠がアキラの意見を聞きたいから来てほしいとの事。詩乃と鞠も一緒に連れて行こうとしたが、一刻を争うので先に行っていいと言われたので、二人より先に久遠の元に行くと本当に信じられない変事だった。
「あの松永弾正小弼が降伏を申し出たらしい」
京への道の確保のため、先に進んでいた麦穂の兵が本人と彼女の兵に会ってそれを申し出たのだ。いきなりの出来事に麦穂がその情報を早馬で久遠に伝えたとの事。それを聞いたアキラも、少し唖然とした。
『三好衆を陰で率いていた梟雄と呼ばれるくらいの将が降伏とは・・・そういえば、織田信長の仲間になったが簡単に裏切った男として私の世界では名前が知れ渡っていましたね。この時が仲間になった時・・・いや、同じと考えない方がいいですね。何しろ、この世界はもう異質そのものなのだから』
気を取り戻したアキラは確認した。
「その情報を持ってきた兵は本当に麦穂さんの兵ですか?希代の策謀家とも言える松永弾正小弼なら、偽の兵を使って混乱させることも考えられますが」
「我もそう思ったが・・・間違いなく麦穂の兵だった。壬月も確認した」
『ふむ、となると考えられる可能性は一つ・・・』
確報と分かり、自分の中で一つの考えが出た。
「アキラ、護衛を頼めるか?状況がどんどん混沌として来ている」
「もちろんいいですよ。でも、一つ先に・・・(ぎゅ)」
「!!な、何を!今どんな時だと!」
笑顔になったアキラがそっと久遠を抱きしめた。抱きしめられた久遠は真っ赤になって文句を言うが・・・抵抗しない当たり嬉しそうだ。
「ちょっとしたご褒美の前払いです・・・さて、元気をもらいました」
「ごほん・・・家臣の前でいちゃつくとは、目のやり場に困りますぞ」
「なああ!み、壬月(あせあせ)!」
「では、失礼します。壬月さんは、しばらく久遠を頼みます」
彼女の文句を聞こえないふりしてをその場を去った。途中でこちらに向かっていた詩乃と鞠を拾って隊に戻った。事情を説明した際、梅が「松永弾正小弼は謀略・策略を使うが武士の志はしっかり持っている」という言葉を聞き、自分の推測が間違いないことに気づいた。
『間違いなさそうですが、確信を持つのはまだ早い。本人と話してからです』
後は、本人からの話を聞くだけだ。
隊をひよ、ころ、梅に任せ、詩乃と鞠は一緒に久遠の護衛兼松永との対談で、小波は周辺の草刈りを任せながら麦穂がいる瀬田に向かい・・・着いたのは夜だった。すぐに本陣を引いて将も全員集まったので松永との対談となった。
「松永弾正小弼様をお連れしました」
麦穂が連れてきた妙齢の女性にアキラは一瞬戦慄が走った。
『あ、灯!いや、違う!なぜ?何故、彼女がそう見えた・・・あ、腹黒さだ。灯とそれなりにやりあえる腹黒さを持っている空気を持っているからだ。くそ、今はそんなことを考えないようにしないと!』
彼女の持つ雰囲気にトラウマが蘇りそうになるのを忘れることに専念して、何とか気持ちを持ち直した。改めて彼女を見たら、探るような話し方と挑発を交えながら話す松永にイライラする壬月や麦穂。どうやら話はあまり進んでいなかった。
「何があった」
だけど、久遠のこの言葉に顔色が変わったのを彼女は見逃さなかった。アキラも彼女が反応したことに気づいたので質問をした。
「ふむ、松永さん・・・あなたに一つ聞きます。織田に頼った理由はたまたま近くにいたことと三好の三人が気に入らないことをした。それが理由ではないのですか?」
「アキラ、お前もその考えか。我もそう思う」
「ええ、謀略・策略を得意とするあなたが少数の兵を率いてここに来る。いくらなんでも無謀すぎます。罠を仕掛けているならともかく、兵の少なさからしてそれすらないことが分かる・・・おそらく織田に身を置く選択をしたのは、それをしないといけないくらい松永さんの気に入らないことを三好の三人がした・・・それが私の考えです」
これが、アキラがこの対談前に梅の言葉を聞いて出した結論だった。彼女は共に将軍の一葉を倒そうと手を組んでいた三好との縁を切るくらい腹立たしいことをしたから、こっちに来たという事だ。つまり、こっちの方が安全だと。
「ああ。我も同意見だ・・・松永、どうだ?」
その言葉に松永は観念したのか語った。
「三好三人衆、外道に堕ち申した」
松永が語ったことは久遠が観音寺城を制圧した後に勝竜寺で上洛してくる織田・松平勢との戦いをどうするか話し合っていると、三人の一人が若い占い師を連れてきて、簡単に人を強くすることができる丸薬らしきものを売ろうとしていた。その条件として、吉野の村が欲しいことと三千もの薬を三好が買って兵に使おうとしたことだった。
「そんな怪しげな薬に頼るような外道と轡を並べることなど到底できん。少数の兵と共にここまで来た次第」
「そ、そんな・・・そんな薬、人を鬼に変える薬以外考えられない。そんなもの、薬ではありません。悪魔の薬・・・いえ猛毒です!」
顔を青ざめながら、怒りを隠さないエーリカ。
『つまり、三好三千は既に鬼になっているとみていいですね・・・にしても、そのような薬があるとは思いもしませんでした』
「エーリカ。その苦しみ、怒りは鬼となったそやつらにぶつけろ」
「・・・はい」
久遠の言葉に、苦渋の顔をもって決断したエーリカを見るアキラ。彼女の拳が力強く握られていた。
『本当に彼女は優しい・・・ゆやさんみたいに』
彼女の横顔が一瞬そのゆやに見えたアキラだった。
対談も終わり、松永弾正小弼・通称白百合は久遠の配下となった。その際、怪しすぎるとのことでひと悶着があったが、アキラは大笑いした。
「ははははは!いや~、面白い人ですね、松永・・・いや、白百合さん」
「な!あ、アキラ!何笑っている!」
「そうですよ!殿の考えを改めさせてください!」
「いえ、むしろ私は賛成ですよ・・・私自身、彼女と似たようなことをした経験があります。何より白百合さんは、自分の信念を理解してくれる主ならば力は貸してくれるでしょう。裏切るかどうかは後回しにしてもいいと思いますよ」
「やれやれ・・・アキラ様。あなたという人は」
隣の詩乃のあきれ顔は無視した。そんなアキラの言葉に白百合も大笑いをした。
「はっはっは。織田殿。お主の夫は相当食わせ物じゃのう。我をそのような人物と見るのはお主の夫が初めてじゃ」
「ふふ、我も手を焼いている」
「・・・目の見えない男と聞いておったが、本当に心を見抜く眼を持っているようで我以上に手ごわいのう」
「誉め言葉ですよ。とりあえず、話はここまででいいですよね」
「ああ!あ、アキラ・・・その」
さっきまでの笑顔から一変辛そうな顔をした久遠だが、
「言いたいことは分かります。私達アキラ隊が二条館に先に行って、一葉達を守る・・・ですね」
「ああ、頼む。その、す、すま「久遠、言う言葉が違いますよ。私が聞きたい言葉は一つです」・・・うん、ありがとう」
最後の小さな一言が、アキラを心から笑顔にした。
『その言葉が、最高の後押しですよ』
アキラは詩乃と鞠と一緒に陣から出た。
その後、部隊を編成し京に突入することになった。そして、先行部隊としてアキラ隊とエーリカで二条館に行くということになり、それを隊の皆に伝えるために戻ろうとしたら白百合に呼び止められた。すると、鬼にする薬をこっそりくすねていたらしくそれをエーリカに渡した。
「必ず、成分を調べて見せます!そして・・・」
しっかりしまい、自分の部隊のところに戻っていったエーリカ。二人だけになったアキラと白百合。
「では、先ほどはどうもな」
「はて?何がですか?」
「お主の言葉があったから、我はここにいれるからのう」
礼を言ったが、それよりアキラに興味を持って話しかけたようだ。
「その事ですか。いえ、薬と毒は同じようなものですからね」
「ほう、我をそれに例えるか。妻の薬にも毒にもなる我ということか」
「ええ。あなたは歪んでいるけど、それもまた自分の目標に達成させるための仮面だと思えます」
「おやおや、そんな仮面をかぶった我を妻のそばに置いて本当に良かったのか?」
二やついた顔で挑発したが、あっさりと流した。
「大丈夫ですよ。あなたよりもっと腹黒い仲間がいましたからね・・・そいつに比べたらあなたはまだかわいいですよ」
『そう、灯のあのとんでもない腹の黒さは、おそらくどんな悪人も敵わないでしょうね。逆に手玉にされることでしょう』
そう思いながらも、白百合に流されないで話ができるのは灯のそれを何年も見続けたからこそだ、とこっそり思った。
「かかか!我以上の歪んだ心を持つものを仲間にしていたのか!会ってみたいのう」
「会えないことが救いです・・・では、隊に戻ります。これから大仕事が待っていますからね」
「おうよ、楽しかったぞ。今度は酒を入れて語りたいのう」
「考えておきましょう」
そう言い、二人は背を向けて歩き出した。
『なかなか面白い男じゃ。あの若さで織田殿の宿老二人を出し抜く強さを持っておるし、わし相手にあそこまで皮肉を言える奴もそういない。これは・・・面白き勢力に入れたものじゃ。それなりにいたら裏切るつもりもあったが、あやつを見続けるのもまた面白い。少なくとも織田殿が天下を取るまではいさせてもらおうかのう・・・あの男を誑かして織田殿から奪うのも面白そうじゃのう、くくく!』
『さて、白百合はおそらく本心で久遠を気に入ったようですね。ただ、私に対しては確実に弄り相手を見つけた灯のような目をしていました。でも、それの対策は上洛が終わってからですね・・・では、戻りましょうか』
松永弾正小弼・織田に降る。そして、アキラ京に先入り。
原作では主人公は白百合に振り回されてましたが、アキラにはそれはありません。まあ、腹黒さは明らかにあっちの人の方が「いい度胸じゃないか。私をそういうなんて」え?な、何で、あなたがここに!あ、あ、あ、や、やめて~~(しゅうううう)!
作者謎の襲撃により、骸骨と化す。
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