※この作品はR-18です。

戦国恋姫 盲目のサムライ   作:一日三食MEN

66 / 217
 
 今回はおはようございます!

 本日はあの姉妹とあの当主様の登場です。

 今回は、エロを期待しないでください・・・すいません。



間章10‐2 明るさは周りも明るくする

 久遠の夫宣言が出て、数日が経過した。

 「一人でいるのは、何か久しぶりですね」

 今までずっと隣に誰かが傍にいたので、昔であればうっとうしいと思うが今は逆にちょっと寂しいと思っている。

 

 『それだけ、周りに人がいることに慣れたということでしょうか・・・昔の私からは考えられないですね。でも、私は守りたいと思う気持ちをあの時から強くすることができ、そしてこの刀が私を強くしてくれた』

 

 背中の紫微垣に意識をやった。

 

 『梵・・・情の力。本当の意味でやっと理解できましたよ。そして、これが狂が手に入れた力でもあったのですね。そして、紅虎が力の源と信じた力』

 

 確かにゆやと夫婦になり、戦った時に若干だけど弱くなったのでは?と感じることもあったが、それでも勝てなかった。この力があったからと今なら思えるアキラ。

 

 考えるのをやめ、ある木の根元で座った。

 「リンゴですか。子供の時は食べ物がなく、よく森にあるのをちぎって食べましたね・・・時々傷んでて腹痛になったこともありましたが」

 「大丈夫だよ。ここにあるのはおいしいのだよ」

 「そうですか。ふふ、食べたことあるのですね、雀・烏」

 「・・・」「そうだよ。ってお姉ちゃんが言ってます」

 上に顔を向けると、そこにはリンゴをとっている二人の姿があった。この二人の気配に気づいたからここに座ったのだ。

 「でも、いいのですか?ここにあるのは一葉のでしょう。彼女から怒られたりしないのですか?」

 「・・・」「公方様がとってこい。とお姉ちゃんが言ってます」

 「本人が言ったのですか・・・やれやれ」

 「・・・」「でも幽さんに見つかると怒られるから、内緒でお願いします。とお姉ちゃんが言ってます」

 「あの人も内緒で頼んだのですか・・・全く一葉らしい」

 呆れていると二人が下りてきた。手には結構の数のリンゴがあった。そして、後ろには一葉の気配。

 「おお、二人ともよくやった」

 「・・・全く、天下の将軍が盗み食いとはね~」

 「失礼な!余の庭にあるのだから、余のものじゃ!だから勝手に食べてもいいのじゃ!」

 「幽には内緒らしいですね」

 「供え物を捥いで食べるな、らしい。全く「結局食べるのだからいいだろう。ですか?」・・・そうじゃ!」

 一葉の後ろに更に幽がいた。微妙に怒りの顔になっている。

 「全く・・・烏、雀。公方様を甘やかさないようにと言ったはずですぞ」

 「・・・」「ごめんなさい!と雀とお姉ちゃんは言ってます」

 「さて、逃げるか!」

 「こら!二人を巻き込んで・・・しっかり説教しますよ!二人とも、供え用に何個か残しておくなら後は食べても構いません」

 烏が持っていたリンゴ全部取って逃げていく一葉に追いかけていく幽。

 

 『何故でしょう。あの二人の追いかけっこはほたると辰怜の追いかけっこにみえるのは・・・あ、よく考えれば一葉はほたると同じで人を小バカにして逃げて、幽は辰怜と一緒でむっとなって追いかける展開に似てますね・・・ふふふ』

 

 その二人の追いかけっこを見て、仲のいい(本人達は悪いと言い張る)あの異母兄弟を思い出し笑いをした。

 「お兄ちゃん、幽さんから許してもらえたから食べようよ!」

 「・・・」「一緒に食べたいとお姉ちゃんが言ってます!」

 「そうですね。説教は一葉が引き受けてくれましたし」

 許しを貰えたなら問題ない。三人は雀の持っているリンゴを食べ始めた。

 

 食べながら話を聞くと、一葉との謁見の時に久遠に射撃をしたのはやはり烏だったことや持っている銃が自分で設計して組み立てて、メンテナンスなども烏一人でやっているとのことだった。

 『なるほど、だから火縄銃とは全く違う形をしていたのですね。それにしても、銃に無知な私でもこれほどすごいと思える銃は初めてです。久遠がアキラ隊に取り入れた火縄銃のはるか先をいく銃と言っても過言ではありません』

 烏の銃を思わずじっと見ていたら、その銃を差し出した。

 「・・・」「触ってみる?とお姉ちゃんが言ってます!」

 「遠慮しておきましょう。無知な私が変なところを触ってはまずいですし・・・それはそうと、二人ともこの後は予定はありますか?」

 「・・・」「大丈夫、空いてます!と言ってます」

 「では、付き合ってください。館を出ますよ」

 残った数個のリンゴを説教中の幽に渡して、三人は館を出た。一葉が「置いていくな~」と言っていたが気のせいにした。

 

 ちょうど入れ違いで、アキラに会いに来た一人の女性がいた。

 「アキラ様は留守ですか」

 「すいません。いつ戻ってくるかわからなくて(ペコリ)」

 「いいのですよ。久遠姉様との祝言のお祝いを渡しておきます。失礼しました」

 「あ、葵様」

 その女性は松平家当主葵だった。祝言の品をひよに渡して、松平がとっている宿に戻ろうとした時にアキラを見かけた。

 「あ、アキラ様」

 「お兄ちゃん、すっげ~~!」

 「ただの木なのにクマができた!」

 「うわ~~、ほらほらお姉ちゃん、犬さんだよ!木の犬さんがいるよ~!」

 「・・・」「とてもかわいいってお姉ちゃんが言ってます」

 「ねえねえ!今度は何を作るの!」

 そこにいたアキラは何人もの子供と烏と雀に囲まれていた。子供達の手には、木で作った手のひらサイズの動物がいた。

 「ふふ、じゃあ、今度はこれで遊びますか?」

 「「「??なにそれ」」」

 取り出したのは人数分の竹とんぼだった。皆に手渡し、雀の分でそれを回して空に飛ばすとさらに驚いて嬉しそうだった。

 「すっげ~~!飛んだ!」

 「よ、よ~し!ボクも!」

 「・・・」「負けないぞ!とお姉ちゃんも雀も言ってます!」

 「あれ?どうしてお兄ちゃんくらいに飛ばないの?」

 頑張っている子供達の微笑ましい光景に思わず笑みを浮かべそうになるところにアキラが顔を向けた。

 「・・・葵さんもやってみます?」

 「!!気づかれていたのですか?」

 「ええ、私に話があるのでしょう。皆さん、ごめんなさいね。ちょっと失礼します」

 皆の頭をなでながら、葵のところに行った。

 

 竹とんぼであ~だこ~だと頑張ったり、それをしまってコマで遊ぶ子供達が見える位置に二人は座った。

 「それで、話とは?」

 「先ほど久遠姉様との祝言のお祝いを渡してきました。そのお祝いを言いたくて」

 「なるほど。それは、ありがとうございます」

 「いえ、私も幼なじみの姉様の幸せは大切にしたいですから」

 「いい考えですね」

 「それより、あの子達はいったい誰なのですか?」

 「・・・前回の鬼の襲撃で親を失った子達ですよ。先日たまたま外を歩いていると見つけまして、それで今回初めて来たのです」

 葵の言葉が詰まった。

 「その前までは、あの子達も親がいて仲良くしていたそうですが。因みに銃を持っている子と隣で通訳している子は別ですけど」

 「そうですか・・・鬼の被害者ですか」

 自然と葵はアキラの横顔をじっと見た。

 「命を懸けて子供を守って散ってしまった親。理不尽な理由で殺されて残されてしまった子供。この時代では当たり前と言っていい時代ですからね」

 「アキラ様のいた世界では、このようなことってあったのですか」

 「ありましたよ。私も鬼ではありませんが被害者でした。あの子達とは違いますが、親に捨てられましたから」

 「親に、捨てられた?」

 「私は商人の子供だったのですけど、育てるより儲けるを選んだのでしょう。邪魔な私を捨てて姿を消しました。まだ3~4歳くらいでしたね」

 まさか、幼なじみの夫がそんな辛辣な生き方をしているとは思わなかったため、心からビックリした。

 「・・・そこからどうやって生きたのですか」

 「盗み食いに拾い食いがほとんどでした。金や物を盗んでは捕まってボロボロにされて牢屋に入れられて・・・そんな日々が繰り返しでした」

 それを語るアキラの横顔を見る葵。気づいていないが少しだけその顔を見る目に熱が帯びていた。

 「そんなある日、出会ったのですよ・・・私の目標が」

 「・・・目標」

 「最強の漢が拾ってくれ、その漢の背中に追いつくために頑張っていき、そして私が出来上がりました」

 「そうなのですか・・・とても辛い生き方をされたのですね」

 「全くです。でも、あの漢に出会えた。それが私にとって良かったことです」

 見せた笑顔に思わず見とれた葵。

 「あの、アキラ様はこれから先どうしたいと思っているのですか?」

 「私ですか・・・久遠を支えたいと思っていますが」

 子供達に顔を向けた。

 「あの子達みたいな子を作りたくないですね。ある意味、私よりもつらい立場なのですから・・・その為にも鬼達を殲滅したいと思っています」

 「そうですね」

 今度はアキラが葵の横顔に意識を向けて、語りだした。

 「葵さん・・・私はあるサムライと戦う親友の戦いを見たことがあって、その時にサムライが言ってました。苦しい人全てを助けるのは不可能だと。でも、親友は保障もなければ確証もないけど必ず助ける、信じてくれ。と言ってその戦いに親友は勝つことができました。当時の私は理解できなかったですけど・・・あの子達を見たら理解できました。親友の気持ちもサムライの気持ちも両方ね」

 いきなり語りだしたことに少しキョトンとしながらもアキラに訊ねた。

 「・・・その後、その二人は?」

 「サムライの方は上司の人間に殺されてしまいました。でも、遺言で必ず成し遂げてくれ。と親友は言われ、今でも頑張っているはずです。親友が頑張っているなら私も頑張らないとね」

 立ち上がって、彼女を正面から見た。

 「葵さん。あなたがどんな世の中にしたいのかはあなた次第であり、あなたが決めることです。あなたもかつては私みたいに理不尽にあい、今まで苦労してきたことは知っています。そして、三河の国の主になり久遠と共に頑張っている。できることなら、共に手を握り合って頑張っていきたいです。それを切に願います」

 「もちろんです。私もこの日の本をよくしたいと心から思っています」

 「進みたいと思っている道は違うかもしれませんが、いつかその道が交わることを願っていますよ」

 そう言って、アキラは子供達のところ戻った。

 

 『あの人はいったい何者なの?全く心が読めない。いえ・・・あえてある程度見せて、でも肝心な部分をそれで隠しているように思える。しかも私の事を知っているような口ぶりだった。まるで将軍様の側近の細川殿と話しているかのように掴みどころがない。それにしても・・・』

 

 葵の視線の先は再び竹とんぼを飛ばして、その飛ばし方を見せて子供達にレクチャーしているアキラの姿だった。

 

 『かわいい笑顔。あんなに楽しそうに・・・あの話にあった全てを救えない。救ってみせる。そんな思いを持った二人の戦い。私も見てみたかった・・・もし、見ていたら私ももっと頑張れるかもしれなかったのに』

 

 その親友がまさか向こうの世界の自分の息子だったなんて、夢にも思わなかった葵であった。

 




 はい!姉妹と見て足利と思った方残念でした!こっちの姉妹でした!

 後、やはり葵との話には紅虎の事を入れないといけませんよね~。

 間章はまだ続きます!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。