今日は!年末近し、仕事も多忙な三MENです。
今回の原作の間章。全部書きます!
今回は雫と小波です!
幽と詩乃の三人で、このぼろぼろに近い状態の二条館を修復・強化するかを相談していた時だった。
「門の周りが騒がしいですね?」
「そうですな・・・この声は雫殿ですね」
「何をしているのでしょう?」
声のする方向に向かうと、数人の大男に指示を出している雫の姿があった。
「雫殿、何をしておられるのですか?」
「あ、あの、この二条館の門と壁がとってもボロボロなので」
「フムフム、それで?」
「・・・こういうのを見るとどうしても我慢できなくて、修復を」
「何と!今幕府の財布「あの、修復費は全部播州小寺家もちで」どうぞどうぞ、さあ、好きに直してください!我が許可しましょう!時間はかかっても構いませんぞ!いや~、素晴らしいお心がけでございます!この細川与一郎、思わず頭を下げてしまいます!」
「・・・・・・変わり身早いですね。勝手にやっていたのに、一切費用がかからないと分かるとああなるなんて」
「ははは!それこそ幽ですよ」
感心したくなる変わり身に、詩乃は思わず言葉を失った。
「おぜぜを出してくれるなら文句ありません。では、お願いします」
「はい!ありがとうございます」
「いや~、他人のおぜぜで二条館が修復できるなんて、さっきの話はもうどうでもよくなりましたな~」
とても嬉しそうに館の中に戻っていく幽。その軽やかな動きは心から喜んでいるのだろう。
「本当にいいのですか?」
「はい、播州小寺家の財布係は私ですので、そこに入れれば問題ありません」
「まあ、あなたがいいと言うならこちらは何も言いません。変わり身早いあの方も許可したことですし・・・ところで、一つ聞きたいのですが」
詩乃の目が光った。
「は、はひ!な、何でしょう!」
「前回の鬼との戦いの采配は見事でした。その事は褒められますが、八咫烏隊のような将軍家に雇われている部隊ではなく、あなたは播州小寺家に属する者。その小寺家の人間は、今回参戦するように言われたのですか?」
「あ、あの、えっと・・・」
言葉を詰まらせる雫。
「・・・まさか、黙ってきたのですか?」
「はい・・・小寺家の人間は基本的に関心がないので、私が出ても何も言わないと思います」
その言葉に、アキラも唖然とした。
その後、修復の指揮に戻った雫。しばらく様子を見ていたが、詩乃も見事と言える采配だった。
『鬼との戦いで、詩乃も彼女の采配が良かったと言ってました。伊達に詩乃・・・竹中半兵衛と並んで、両兵衛と天下に広まるほどの指揮能力を持っていないということですか。小寺家に属しているから小寺と名乗っているのでしょうけど、ずっと軍略を詩乃一人に任せていたので、雫が入ればそれなりに楽させることができますね。それにしても・・・まさか両兵衛が揃うところを見るなんて思いもしませんでした』
彼女の才能を見たアキラは、純粋に仲間に欲しいと思った。
「詩乃。彼女、ほしいですね」
「・・・誑すのはやめてほしいのですが」
「そういう意味で言っているのではないと分かっているでしょう」
「でも、アキラ様は女性を誑して惚れさせないと死んでしまう病を持っているじゃないですか」
ジローと見る詩乃。
「初耳ですよ、そんな病気。誰も誑していませんよ」
「自覚無しですか・・・はあ~~、雫の件なら簡単にできますよ」
「本当ですか?」
「ええ。そちらの方にお願いすれば簡単に」
詩乃の視線の先には一葉がいた。
それから数日後、大まかの修復内容も決まり、大工もそれぞれ工事を開始した。その指揮もまた雫がやっていた。
「雫。ちょっといいですか?」
「あ、アキラ様とく、公方様!」
「ああ、何、時間は取らせない」
「は、はい!」
雫を呼んだアキラ。そのアキラの右腕が一葉の立派な二つのおっぱいの間に挟めている。更に右腕を服の中に入れ、アキラの手を彼女の女性のあの場所に触れてさせているのは気のせいではない。
「幽から話は聞いている。二条館の修復、感謝する。将軍として礼を言う」
「は、あ、ありがたき幸せ!」
「あと、今回の二条館の防衛に来てくれた件だが余が出向を依頼したことにした」
「え?あの、それはどういう」
「余がこうできるのは、お主のおかげということじゃ。アキラよ、手を動かしてもいいのじゃぞ」
「私が頼んだのですよ。無断でじゃなくてこちらが依頼が来てもらった。ということです」
まさか、自分の為に一葉に頼むとは思いもよらなかった雫。一葉はこっそり言った言葉を無視されてムッとしたが、すぐに立て直した。
「それと、小寺の連中はお主も我々と共に鬼の戦いに参加してもよいと報告を受けた・・・だが、見返りがくると思っておったが」
「ええ。今回の事も鬼の事も「いいよ」で終わりとは、私も思いませんでした」
「・・・小寺家は自分の領土が第一ですから。そこを無事に納めていられれば、周りの事は気にしないのです」
渋い顔の雫。多分、その体質に何度か苦い思いをしたのだろう。
「戦うにもお主も隊に配属することになるが、どの隊に入る?」
「それなら、公方様の「官兵衛」あ、はい!」
しっかり雫の目を見て話す一葉。
「余はな、仮面をかぶって嘘ばっかり話す馬鹿どもより、まっすぐ正直に話す無法者の方が好きじゃ。正直に言え。お主はどこに着きたい」
ごくりと唾を飲み、そして意を決した顔で言った。
「私は、できることなら、アキラ様の下で死にとうございます」
こうして雫はアキラ隊の一人となった。その意思をしっかり二人は見た。雫は指揮に戻り、二人でいちゃつきながら歩いている。
「・・・いい加減話してくれませんか」
「だめじゃ、今日はずっと・・・ん!あ、いい」
「せめて、人気のないところで「何を言う。燃えるじゃろうが!お主の匂いを嗅ぐだけで・・・ああ、いい香りじゃ」・・・はあ」
諦めて、くねくねしながら顔を少しずつ赤くしていく一葉と歩き続けた。
夜になるまで、一葉の胸にずっと腕を挟まれていた。今は何とか一葉から解放されて二条館の中庭の岩に座っていた。
『危ないところでした・・・部屋の前で幽に会わなかったら、確実に今夜は一葉と布団の中で・・・していたでしょうね。実際、幽に引きずられながら「双葉と共に淫らにしてくれ~!」と言ってましたし。思わず「明日の夜ならいいですよ」と言ってしまったのはまずかったでしょうか』
冷や汗を流しながら思い返した。一息ついていると覚えのある気配を感じた。
『いつも、私の傍にいる小波が別のところにいるのは珍しいですね。一葉と歩いている時も、気配を感じてなかったからおかしいと思っていたのですが』
「・・・だ、・・・あ、ありがとう、ご、ございます」
「何をしているのでしょうか?」
「!・・・ご、ご主人様!」
アキラの気配に気づいて後ろを向いてびっくりの小波。
「何をしていたのですか?」
「な、なななな、何でもありません!」
「・・・まあ、いいでしょう。隣、座っていいですか?」
「え!わ、私の隣をですか!」
答えを聞く前に座った。背筋をピンとする小波。大きな石の上に何やら置かれていたが、気にしないことにした。
「そうだ。小波には礼を言わないといけませんね」
「え!な、ど、どうして!」
「句伝無量で南門の状況を報告してくれたじゃないですか。あの報告がなければ北門に集中できませんでしたし、後、疲労しきった私を支えてくれました。本当に助かりました、ありがとう」
頭を下げるアキラにびっくりする。
「そ、そんな!あ、頭を上げてください!私ごときに」
「今回の二条館の防衛は、小波無しではできなかった。鬼がいつ来るのか、その数、更に各所の状況報告。そう言ったことを全てやってくれたからこそ、ここを守ることができた。言ってしまえば、一番の手柄はあなたなのですよ」
「わ、私が、一番の、て、手柄!」
「ですから、礼をしたいのです。私の事も守っていますから、その分もね」
「い、いいえ!そ、それに、ご主人様だって三好の三人を倒したじゃないですか!あの雷だって出して・・・ご主人様が「はい、そこまで」・・あう」
口を押さえてかわいい声を出す。
「あなたがいた三河では当たり前だと思ってますけど、私達にとってはとても大きなことです・・・礼は絶対に受け取ってもらいますよ。私だってそうしないと気が済みませんからね」
そう言うと掌で持てるくらいの木片を取り、小波から苦無を借り削っていった。数分後、その木片に小波の顔が彫られた。
「はい。これをあげます」
「わ、わ、私そっくり!す、すごいです!」
「・・・ついでです。もう一つ作りましょうか」
「え?・・・えええ!」
同じくらいの大きさの氷を出して、削っていった。今度は氷の小波を作った。
「どうです?二つともそっくりでしょう」
「は、はい!ご、ご主人様、本当にすごいです!」
「これが、肩を貸してくれた分と今回の手柄の分です。受け取ってください」
「あ、ああ、ああああ!」
「小波?どうしました」
「ぜ、ぜ、ぜぜぜぜ、絶対に大切にします!家宝にして未来永劫「そ、そこまでしなくてもい」そんなことありません!」
二つとも、絶対に離さないと言わんばかりに抱きしめた。
「ははは、そこまで言ってくれると嬉しいですね・・・小波、できることなら笑顔を見せてくれませんか」
「笑顔・・・ですか?」
突然出た言葉にキョトンとする小波。
「笑顔のあなたを考えて彫ったのですよ。あくまで、できればでいいので笑顔を見せてください。押し込めている感情をほどいて・・・ね」
『・・・で、できない。そんなことをしたら・・・私がご主人様の事を、でも、したいと思っている自分が、い、る』
アキラにそう言われて少しだけ心が揺らいだが、ここでは我慢した小波。木の自分をふところにしまい、氷の自分は溶けてしまうので残念だけど木の根元に立たせるように置いた。
「で、ででで、では。し、失礼します!(シュタ)」
「いなくなってしまいました・・・中々手ごわいですが、一歩前進しましたね。さて、私もそろそろ寝ましょうか」
氷の小波に「おやすみ」と言い、館に戻った。
館の屋根の上にいる小波は、ただたださっきもらった木の自分を見ていた。
『ご主人様は笑顔を見たいと言った。草の自分に、感情など不要のはずの草の私に笑ってほしいと言った。以前ご主人様は自分の本心を見つけてほしいと言った。私の本心は・・・いや!駄目だ!私は草。それに松平の人間!それを意識しないと!葵様の為にも任務を遂行しないと!・・・でも、でも、私は気付いてしまった。この気持ち、抑えられない・・・月よ、未熟な私を嗤え』
自分の本心に気づいた事に葛藤を持ちながらも、それをしたいという願望も持つ波にん。彼女の気持ちはどう動くのか。
やっと小波ちゃんの話だ!
この時はまだ身分を強く意識してましたからね。こうなるでしょう・・・。
さあ、ついに次が間章最後!濡れ場必死の足利姉妹・・・いったいどう書こうか。