※この作品はR-18です。

戦国恋姫 盲目のサムライ   作:一日三食MEN

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 こんにちは!あと半日で一年が終わりですね!

 早いものです・・・一年もこの小説も・・・

 遂に越前に侵攻です!



三十九振り目 心と未来は分からない

 夜。エーリカは満月になる前の月を見ていた。

 「私はずっと思っていた。この世界に生まれて・・・使命を果たさなければならないって」

 その月を覆うような雲が流れていた。

 「でも、あの人に・・・アキラ様に会って分かった。使命なんて初めからなかった。頑張って一歩ずつ前を歩く。それが藪の中に進む道でも、茨の道だったとしても・・・あの人はずっとそれを繰り返してきた。あの人のように、私は私の進む道を行く」

 決意を決めた顔をしたが、すぐ後に疑問の顔になった。

 「じゃあ、何故使命があると思い込んでいたの?どうして、自分はあれを使命と思い込んでいたの?何かが私の記憶の中で消えている?そう思わせるようにさせられていたの?いったい誰が、何のために・・・」

 でも、この時点ではそれもわからなかった。

 

 久遠の号令でついに小谷城を出て越前に向かう道を進み始めた。

 「さて・・・ここからですね。どう転ぶかはもうわからない」

 真剣な顔で考え始めた。

 

 『おそらく、最終目的地は一乗谷。朝倉義景がいるであろう場所・・・私には誘い込まれているようにしか思えない。感じているのは私だけではないはず・・・でももう後戻りはできない。二条館でもそれなりに犠牲者は出たが、多分それ以上は確実に出る。やるべきことは二つ、隊の皆を守りつつ必ず生き残ることともし本当にそういう状況になったら真っ先に久遠を逃がす。この二つだ。一つ悔しいこと、それは紫微垣がいまだ全力で使えないことだ・・・いざとなったら、もう倒れること覚悟で全ての力を』

 

 「アキラ様~~!」

 「もう~、綾那ったら」

 さらに考えこもうとした時に、聞き覚えのある二人の声が聞こえた。

 「おや?どうしたのです?」

 「アキラ様とお話がしたかったです!」

 「そう言って、本当は先頭を行きたかったのでしょう」

 「そ、そそそ、そ、そんなことないです!」

 焦る綾那を面白そうに笑う歌夜。

 『・・・肩に力が入りすぎていたようですね。なまじ、先の敗北の未来を知っているばかりに』

 それを見て少し体が軽くなった。

 「まあちょうどよかったです。話し相手になってもらいませんか。隊への指揮は終わっていたので暇だったのですよ」

 「え。いいのですか?」

 「やった!あのですね!綾那一つ聞きたかったですよ!」

 目を輝かせて、綾那が訊ねた。

 「ええ、何ですか?」

 「アキラ様はいったいどうやってそんなに強くなれたですか!綾那、一回も勝てなかったです!」

 「・・・それは気になりますね。私も二条館で何度か手合わせしてもらいましたが、一度も勝てませんでしたし」

 「・・・ずっと、努力する。ただ、それだけです」

 アキラはただ一言、それだけ言った。

 「そうですか・・・なるほど、綾那はまだまだ努力がアキラ様より足りなかったのですね!」

 「うふふ。でも、アキラ様は今でも努力しているから果たして綾那は追いつけるかしら。余計に離されるかもしれないわ」

 「そんなことないです!絶対に追いついてみせるです!」

 やる気を見せる綾那に一言いう歌夜。

 

 『見てろ!必ずその背中に追いついてやるからな!』

 

 思わず思い出した自分の後ろを追いかけるあの女。すでに少女とは言えない背格好に体つきになっていて、それでもやはり心はまだ子供なのか時々寂しい顔で抱き着くあの女が必ず言った言葉。

 「ええ。追いつけるものなら追いついてみなさい」

 「よ~~し!頑張るです!エイエイオー!」

 自分に気合を入れた綾那。

 「・・・そうだ、私も聞きたいことがあるのですか?」

 「歌夜もですか。何でしょうか?」

 「はい。アキラ様は勢力拡大の為に夫になるという宣言が出ましたよね」

 「ええ。幕府も禁裏もいいよという許可付きでね」

 「・・・まるで道具のような扱いにされたみたいだったので、本当にアキラ様はそれでいいのかな?と思いまして」

 

 『優しいですね。本当に大和撫子と言ってもいい女性です』

 

 他人を気遣う歌夜の言葉に少し嬉しさを持った。

 「問題ないですよ。私は久遠と話し合い、彼女の信念を聞きました。だからこそ、私も信念をもってこの立場に立つことを決めたのです」

 「そうですか・・・すごいですね」

 「そうです!アキラ様は如来様の使いなのですから!」

 「・・・いい加減、その見方をやめてほしいのですが」

 「それは無理ですよ。三河者は頑固ですので」

 「そんなことないです!」

 なるほど、これは無理そうだと諦めたアキラ。

 「アキラ殿。私も一緒にいいですか?」

 「・・・葵もここまで来ていたのですか?」

 「あ!殿さん!」

 「葵様!ここまでいらっしゃったのですか!」

 今全軍の先頭にいて索敵をやっているアキラ隊のところに、まさか松平の大将が来るとは思ってなかったため、アキラは驚いた。

 「はい・・・あの、アキラ殿。小波はしっかりやれていますか」

 「ええ、既に小波はもう隊にとっても私にとっても大切です・・・小波」

 「っは!お側に」

 一瞬で姿を現した。そして、すぐに彼女の頭を撫でた。

 「ご、ご主人様!な、何を!」

 「いえ、いつもありがとうと思いましてね」

 「ああ、そ、その!」

 「珍しい・・・小波がそんなに顔を赤くするなんて」

 女の子らしい小波にビックリした葵。

 「ううう~~!!あの、も、もう「もっと続けてほしいのですね」え!い、いや!」

 「全く遠慮はいりませんよ。ほらほら」

 「・・・ずるいです。ご主人様」

 どんどん頭を撫でていくと抵抗の声もなくなった。

 「小波・・・変わったわね」

 「・・・っは(゚д゚)!しゅしゅしゅ、周囲のちょうちゃを再開しまちゅ!」

 恥ずかしさでテンパったままいなくなった。

 「三河にいた時はああではなかったのに」

 「あれが本来の彼女だと思います。葵も少し心の鎧を脱いではいかがです?三河の当主である前に一人の女性なのですし、これから先も仲良くしたいですからね」

 「・・・くすくす。私を誑すおつもりですか?」

 「同じ同盟の仲間として仲良くしたいだけでそういうつもりは無いのですが・・・皆からは何かそう見られているのですよ」

 「なるほど・・・小波があそこまで変わった理由が分かった気がします」

 さっきまでの仮面の顔が少しだけはがれたように見えた。

 「あの子はとても頑張ってくれますよ。もう、隊には欠かせない存在なので抜けられると困るくらいにね」

 「それは、よかったです」

 

 『そのよかった。は果たしてどちらでしょうね。純粋に力になれてよかったのか。それとも・・・これから先の自分達の為を思ってか』

 

 やはり、向こうの家康のイメージが強いせいで用心深くなるアキラ。

 「それでは失礼いたします」 

 「お互い頑張りましょう・・・そうだ、この越前の侵攻が終わったら食事しませんか?二人っきりで」

 「・・・考えておきます」

 一瞬、間があったがすぐに返答して綾那と歌夜を連れて隊に戻っていった。

 

 『心の鎧を脱いで・・・か。小波はそれを脱いだからこそあんなに女性らしい姿になったというの?いったい何が狙いなの?・・ダメ、油断しては。感情が不要な草の小波がああなってしまうくらいあの人の誑しは底知れない。そう・・・流されてはダメ。でも、あの人は私と仲良くしたいのは本心のはず・・・まさか、私をそう見てくれるのが嬉しいと思っている?当主としてでなく、一人の女性として見られたことに』

 

 アキラとの話で、いろんな感情が出そうになるのを葵は必死に抑えていた。

 

 その後、賤ヶ岳で本陣を作るよう指令を受け、そこで最後の軍議が開かれた。その内容はこの先にある織田と浅井は敦賀城攻め、松平は手筒山城攻めをして合流ということになった。その中で桐琴が先陣に出れないことに文句を言ったが、久遠は森一家は力を温存して決戦の一乗谷にぶつける予定なので、今はアキラ隊と数の少ない足利と一緒に行動ということになった。

 「かかか!アキラと一緒か!なら一度手合わせしようかのう!」

 「ああ!母ずるい!俺だってやるぞ!」

 「・・・壬月さん、押し付けですか?」

 「・・・その意図はないとだけ言っておこう」

 壬月は苦い顔でそう言った。その隣では、何やら久遠と白百合が裏切る裏切らないの会話で笑っていたが、そこで出てきた内容にアキラは興味を持った。

 「白百合、一つ聞いていいですか?」

 「ふむ?今夜我を抱きたいのか?構わんぞ。何なら、そちらの当主様も交えるというのも面白そうじゃのう。ふふふ」

 「鬼がはびこるこの世界で、生き残れて尚且つ危機を乗り越えられる勢力を言ってましたよね。久遠と葵に武田は出てましたが、越後の長尾は?あそこも相当大きな勢力のはずですが?」

 白百合の戯れを無視して質問したが、その答えをしたのは一葉だった。

 「白百合の言いたいことも分かる。余は越後の当主長尾景虎に会ったことがある。あれは人というより修羅じゃな」

 「そう、そのようなものがこの日の本を守れるとは思えん。強い勢力であることは確かじゃが、共に轡を並べて歩けん。そちらの公方殿がおっしゃった通り、修羅にふさわしい烈しい人柄も持っている」

 「なるほど、信奉者はいるでしょうけど友になれずついていけるのもごくわずかと言ったところですか」

 その言葉に一葉も白百合も頷いた。

 『まるでかつての狂ですね・・・あの狂を尊敬し、そしてあの狂を倒したいと思っていたかつての自分が懐かしいです』

 最後にかつてのあの漢を思い出して、思い出し笑いをした。

 

 その後、軍議が終了した・・・自分の隊に戻ろうとしたら、エーリカに会った。

 「エーリカ」

 「アキラ様・・・あの、どう、したのですか」

 顔を赤らめながら話しかけてきた。

 「いよいよ・・・ですね。あなたの願いがかなう時が」

 「あ・・・そうでしたね」

 二人は並んで月を見上げた。満月に見えるがまだなっていない。

 「確か、満月は鬼達が活発に動くのでしたね」

 「はい・・・ですから、すぐにでも動くべきなのですが」

 「ええ、焦ってやってもいい結果は出ません」

 「そうですね」

 エーリカはそう言いながら、アキラの手を握った。その行動に少し驚いたアキラ。

 「あの、いいでしょうか・・・こうしたいのです」

 「構いませんよ、あなたの望むままに」

 「私の望むまま・・・なら、もう一つだけ」

 アキラの前に立ち、ちょっと緊張しながら一言言った。

 「あ、あの、その、き、き、キスして、くれませんか(テレテレ)」

 「は?い、今なんて」

 「わ、私・・・アキラ様の事・・・で、できれば、こ、これから、の」

 なかなか言えてなかったが、自分への想いがあることは分かった。なら、彼女のその気持ちにこたえるべきと決めた。

 「・・・では」

 「はい・・・」

 そして、二人の唇が重なった。

 

 『ありがとうございます。ずっとあったあの明智十兵衛光秀としての使命・・・決別する決心がつきました。これからはアキラ様。ずっとあなたの傍に・・・そのためにも頑張ります。そして、あなたと幸せに』

 

 その想いを持ってエーリカは自分の気持ちにけじめをつけた。

 




 はい!ここまでです。エーリカの気持ちを完全にアキラ一択にしました!

 やはり、幸せになってほしいですからね。

 う~ん、この後はアキラ隊のメンバーといろいろだけど・・・飛ばすか。それとも書くか・・・どっちにしよう。
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