一月一日はいきなり疲れたので、気づけば熟睡だったので・・・寝正月になっていた
本日は間章も一つ入れての本章です!
山の中をどんどん進む同盟軍。その軍の後ろの方を歩くアキラ隊。
「主様。暇じゃ、手合わせしてくれ」
「う~ん。いや、やめておきましょう」
「何故じゃ!余より、強いのだろう!」
「ええ・・・でもここで戦うと、一乗谷で全力が出せなくなると思うので」
一葉の暇の相手もこれから戦う相手が人相手なら付き合ってもよかったが、さすがに鬼が軍と同じ動きと指揮をするとなると万が一ということもあるので断った。
その後、一葉は鞠と手合わせをして時間をつぶしてくれた。その間にアキラはある人物を探していた。
「お、やっと見つけましたぞ」
「幽、ちょうどよかった」
探していたのは幽だった。でも、向こうもこちらを探していたようだ。
「某もでございます。公方様はどちらに?」
「一葉なら、鞠と手合わせをしていますよ。暇だから戦ってくれって最初は私に言っていましたが」
「なるほど・・・ずいぶんと、昔に戻られましたな。三好の連中に抑えられて窮屈な思いをしなくてもよくなった途端「待ちなさい」何でございますか?」
「窮屈な思い・・・城を抜け出したり、喧嘩売ったり、財布を強奪したりしていたあれが窮屈なのですか!」
「ええ。残念なことに・・・「はあ」」
最後のため息は一緒にした。
「前がいったいどんな一葉だったのか、知りたいのですが」
「勘弁してください・・・某もどれだけ手を焼いた事か」
「まあ、いずれ聞くとして・・・幽は私を探していたようですが、いったいどういう用件でしょうか?」
「ええ、ちょっと気になりましてな」
幽の目がギロリとした。
「あなたの隊の事です。何やら、ほかの隊とは空気が違いますので」
「・・・さすがですね。まあ、私の頼みというのもそれですが」
「では、先に答えてもらいましょう。一乗谷に意識を向けていないアキラ隊の意識はどちらですか?」
幽の質問に、無言で後ろを指さした。
「後ろ?落とした二つの城ですか」
「幽、ちょっと考えてみてください。あれは落としましたか?」
「・・・いえ、どちらかと言うと拾ったが正しいですな」
「そうです。鬼達は搦手門から逃げ・・・いえ、撤退した。じゃあ、どこに行く?皆の推測は一乗谷で鬼を集めての決戦。他の隊の皆もその考え」
「そういう事ですか・・・その推測が外れた時の保険というわけですな」
「小波も頑張ってくれましたが、結局鬼達は船を使って逃げたことしかわからなかった。その鬼達は、本当に一乗谷に行ったか」
「こっそり戻ってきて後ろを狙っている・・・ですか」
見事な回答に頷いた。
「そういうことです。そして頼みと言うのが足利衆もアキラ隊と一緒にしたいという事です。その方が「構いませんよ」・・・ありがとうございます」
「公方様もその方がアキラ殿と一緒で嬉しいでしょうし。手綱は持つつもりですが、某だけでは抑えきれないですからな」
「・・・いいでしょう。お互い分かったみたいですし」
「ええ。正直アキラ殿がその話を聞いた途端」
「「狂ったみたいに笑いながら、鬼の集団に嬉しそうに入って刀を振るって鬼達を惨殺する一葉(公方様)の姿が見えました」」
一字一句全く同じことを言って再びお互い溜息を吐いた。
「では、某は足利衆を連れてまいります」
「頼みます」
二人とも呆れ汗を流して別れた。
その後、久遠がアキラの下にやってきた。後ろに葵に浅井夫婦、桐琴がいたが全員二人っきりにさせようとわざといなくなった。
「アキラ!」
二人っきりになった途端、いきなり抱き着いてきた。
「・・・寂しかったですか?」
「ああ・・・いい匂いだ。頑張り続ける男の匂い」
「ふふ、いい匂いなら久遠も持ってますよ。恥ずかしいので、今までずっと言うのを我慢していましたが」
「そうか・・・アキラ、人の気配が」
彼女の体が震えていた。
「久遠、誰もいなかったのですか?」
「・・・うん」
辛そうな顔で頷いた。そんな彼女の頭に手を置いた。
「あなたはそれを気にすることはないですよ」
「そ、そんな!」
「いいですか、あなたは最善を考え努力した。真琴も葵もあなたのために頑張ってくれていますが、二人の協力は言葉だけでは無理だったでしょう。あなたは必死に行動を皆に見せたからこそ、二人はあなたに協力したいと申し出てここまで来た。その事に悔やむことも責めることもありません。隣でずっと見てきた私が言うのです。あなたの事を一番好きな夫の言葉、信用できませんか?」
アキラの言葉に涙を流す久遠。
「アキラ・・・我は弱くなったな」
「弱くなった?今更ですか?私は初めから泣き虫で弱い強がりの女性にしか見えてませんでしたが」
「な!だ、誰が泣き虫で弱い強がりだ!ふん!だとしたら、それはお前の心の眼が節穴だったということだな」
「・・・ふふふ、そうですね。夫ならもっと妻の事を見ないといけませんね」
「ああ、全くだ!」
いつも通りの久遠の顔になったことにほっとしたアキラ。ただし、離れた時少しだけ名残惜しそうな顔をした。
「おや?もっと抱きしめてほしかったですか?もう、それならそうと言ってください。今夜は寝かせませんよ~」
「/////な、何を言うか!こ、こここ、このうつけものが!わ、我はそんなことをしてほしいなど思っておらん!」
「そうですか、残念です・・・・・・久遠、大丈夫ですか?」
「何がだ?まさか落ち込んでいたように見えていたと言うんじゃないだろうな?」
「いいえ、あなたはいつも通りおっちょこちょいな当主様であり私の妻です」
「いい加減に我をおちょくるのをやめんか~!」
最後にそう締めて、本陣に戻っていった。二人はこうした話をしても本心は理解しあっている。だからこそ、こんな会話でもお互い大丈夫だと理解した。
『久遠の理想。思い、そして信念。絶対に叶えてあげたい。そして、誰もが笑って暮らせる世界・・・必ず、この私の全ての力をこの戦いにかける!』
アキラもまた久遠を守るという自分の信念を再認識した。
久遠としたこの話をもう一人の妻である結菜にしておこうと思い、彼女のところに行った。
「結ちゃん、いますか」
「し~」
入ろうとした途端いきなり静かにするよう言われた。その理由は結菜の膝枕で寝ている鞠の存在だった。
「なるほど、そういう事ですか・・・ふふ、こうして見ると私達って既に子を持っている父親と母親みたいですね」
「そう見える?あなたとの子供として見えるのなら嬉しいわね」
「久遠との間に子供も欲しいですが、あなたとの子供も欲しいですね」
「も、もう、そんなこと言わないでよ!そりゃ、私だって・・・」
真っ赤になって鞠の頭をなでる。
「でも、こんな小さな子を戦わせるなんて・・・いくら強いと分かっていてもちょっと残酷ね」
「・・・そうですね(私はそのくらいなら既に戦ってましたが、それは口にしない方がいいですね)」
コッソリ内心思ったことは言わないようにして、一つだけ思い出したことを言った。
「そう言えば、一人いましたね。鞠と同じくらいの子が」
「それってどんな子なの?」
「アンテラという子ですね。力が強い子でした・・・ただ記憶を失っていて、自分が誰なのかすらわかっていませんでしたが」
「そんな子に戦わせた人ってひどいわね!」
『言えない。向こうの世界の織田信長。つまり久遠だなんて』
怒りを見せた結菜に苦笑いをするアキラ。しかも、その後の話は長くなるのですぐに切り上げるのが一番と判断した。
「まあ、その子も今では幸せになっているでしょう。記憶を失っても今の鞠のように友達もたくさんできたようですし」
「そうね。なら、鞠ちゃんも幸せのしないとね」
「ええ、全てが終わったら、次は駿府ですし」
寝顔を見てお互い笑顔になる。ただし、すぐに結菜の顔が真剣になる。
「・・・ねえ、久遠。どんな感じだった」
「自分を責めている感じでしたよ。越前の村や町はもう人がいませんでしたから。自分達が遅かったからではないのか?と」
「そう・・・」
「だから、言わせる前に抱きしめて好きと言って真っ赤にさせました。最後は寝かせませんよ。と言った時の久遠の顔は見物でした」
「ちょっと、どうして私も呼ばないのよ!そんな面白そうなことに」
「一緒にいたら言ってもらってましたよ。大好きって」
「そうね。それならよかったわ・・・後はあなたね」
「私ですか?」
「あのね、私もあなたの妻よ。あなたが何か隠しているのもお見通しよ」
その言葉に絶句した。
『・・・驚きました。隊の皆や森一家のように空気を感じるのではなく、ぱっと見ただけで気づくなんて・・・これが愛の力というものでしょうか。しかし、確かに言ってもいいかは迷っていますね。この後の戦い、どうなるかわからない・・・しかし必ず何かあるという確信はある。それを結ちゃんに話していいものか』
「アキラ。どうしても言えないの?」
結菜の問いに返答が遅れた。
「・・・迷っている。が正しいですね・・・確実に言えることは一つです。この後の戦いは必ず何かがある。おそらく、想像もつかないとんでもないことが」
「そう・・・でも、言えないのね」
「私も確証がないため言えないのです。そこで、結菜に頼みが一つあります」
「頼み?何かしら」
「そのとんでもないこと。もし起こったら久遠を支えてください。私もできる限り最小限にしようと考えていますが、もし」
その続きを結菜は首を振って止めた。
「それ以上は言わなくていいわ。もちろんよ、あの子の妻なんだから」
「ありがとうございます・・・」
溜息に近い息を吐いて少しほっとしたようだ。
「ねえ、アキラ・・・本当に大丈夫なの」
「大丈夫ですよ。久遠にいろいろ言って真っ赤にさせましたから」
「もう・・・まあ、それがあなたらしいわね」
でも結菜の顔は少し暗かった。しかし、アキラは大丈夫と言った。だから、信じたいが中々踏ん切りがつかない時だった。
「アキラは、鞠が、守る、の」
寝ている鞠の寝言だった。それが結菜の気持ちの踏ん切りをつけた。
「そうね、鞠ちゃんが旦那様を守ってくれるんだったわね」
「はい、だから大丈夫ですよ」
「うん。わかった」
「鞠、アキラが、好きなの」
「・・・結菜、言ってくれませんか?」
「え!も、もしかして。好きを!」
「はい。できることなら」
アキラらしくない頼みだった。でも、鞠が守ってくれる。その思いが結菜の不安を消し、一押しさせた。
「分かったわ。好きよ・・・アキラ。大好き」
この一言でアキラの笑顔が戻った。
「私も好きです。久遠と同じくらい・・・愛しています」
「嬉しい・・・本当に大好きよ」
アキラが自分から結菜に近寄り口づけをした。一分ほどして離れた。
「ん。好きな人からしてもらうのはやはりいいわね。とても心が躍るわ」
「なら、続きは終わってからにしましょう」
「そうね、楽しみにしてましょう。さて、鞠ちゃんを戻しに行かなくちゃね」
「ええ。久遠の件、お願いします」
「もちろんよ。何もなければいいわね」
「その時は笑いあいましょう。では、おやすみなさい」
「おやすみ・・・私の大好きなアキラ」
隊に戻りに行ったアキラの背中を見る結菜。その顔はアキラに見せた笑顔ではなく、
『あなたなら必ず戻ってくる。私と久遠のところに・・・そう、信じていいわよね』
不安そうな感じがする顔だった。少しだけの不安を胸に彼女は鞠を届けに行った。
お待たせしました!やっと、できました。
二人の妻の想いと気持ちと不安を書きました。
次回から間章に入ります。
エロ展開をお待ちの方お待たせしました!少し、大胆に書こうかと思っています。やはり、加減が難しかったけどやり過ぎ感と抑え感のエロを書くうちに少し慣れましたので次回はやっていこうと思います!