こんばんは!どうしてもすぐに書きたいと思い書きました!
越前逃亡途中です。
因みに原作では小波はケガを負いましたが、ここではアキラが鬼を倒したためケガをしていません。
「アキラ様。森の魑魅魍魎を口説いてはくれませぬか?」
「口説く気はないですが、愛をささやくことは出来ますね」
「ふふ、神様すら口説けそうですね。アキラ様なら」
「主様。さあ、将軍であり神でもある余を口説け!」
「・・・好きですよ」
「いやっほ~~!やったやった!」
「何故でしょう。アキラ様から好きと言われたのに、今だけは羨ましいと思えないのは」
「夜叉を口説いたからでしょう」
「あ、なるほど」
「聞こえておるぞ!幽、貴様余をそんな目で見てたのか!」
という雑談は屋敷や城でやっていれば楽しいものだが。
「ここ、どこなんでしょうね」
ひよの言葉で現実に戻る。アキラ達がいるのは初めて来た越前の森の中。しかも、鬼から無我夢中で逃げたので方角すらも分かっていない。
「小波さん。お願いがあります」
「は!今の居場所と鬼の集団の確認ですね!」
「詩乃、それは「やらせてください!」・・・小波」
「私は奇襲を予測できなかった。地中から攻めるなんて忍びでは当たり前の技。しかし、鬼だからとその考えを忘れてしまっていた!これは私の責任でもあるのです!」
小波の目を見て、止められないと悟った。
「・・・分かりました。でも、一つだけ」
「必ず生きて戻ってきます!・・・私はこの隊とご主人様が好きです。だから、必ず戻ってきます!私の居場所を作ってくれたこの隊に!そして、皆さんと無事に脱出したときに笑いあいたいです!」
そう言って小波は笑顔を見せて、姿を消した。
「小波が頑張ってくれる間に、自分達は鬼の様子を確認しないと」
夜でも目がきく烏によると、鬼達はゆっくり追いかけているとの事。理由は鬼も休んでいるのではないか?ということ。これなら鬼達は自分達に意識を向けているから久遠達も無事に戻れる可能性も高いということだった。
「とりあえず、今は休むことと体力を戻すこと。これに限ります。波にんが戻るまではそれをしましょう・・・」
一通り話を終えると、アキラは自分の今までのケガの治し方や疲れを取る方法を兵達に施し、水を与えたり、小腹がすいたなら食べ物を上げたりした。これ以上信念を持つ兵達を死なせるわけにはいかないので、アキラは最大限の手当てをした。
彼らの手当てを終わらせると小波が戻ってきた。
「報告させていただきます」
報告によると、越前の東の方に移動していたつもりが北の方に移動していたこと。鬼達がいくつか集団でいたこと。その集団が少し集まりつつあり、自分達に迫っている。主にこの三つだった。
次に自分達の今後の進路だが、越前の隣の加賀に向かってその後は越中・信濃を通って美濃に戻るということになった。ただ、信濃は今は武田の勢力下。無事に通れるかは分からずじまいだが、今はそれよりも生き延びることを第一に考えるべきだ。
「では、加賀に向けて(パパパン!)、な!銃声!」
「・・・これは北の方からですね」
「もしや、余らのように逃げた集団が同じように北に逃げてきたのか!」
「鬼が複数動いている(パパパ。ダダダ!)、ええ!こ、今度は別の方向から聞こえましたよ!」
銃声に方角の方を見た一葉と幽。更に聞こえた銃声にひよが驚いた。
「南と西からです。おそらく同じように」
「なるほど、鬼達の集団がいくつもいるというのはそういう意味もあったからですか・・・ならば好都合!」
小波の言葉に、好機と見てアキラは全員に言った。
「鏑矢を上げなさい!その者達をここに呼び寄せるのです!」
「な!そ、それだと鬼も呼び寄せることに!」
詩乃の言葉に頷きながら、言葉を続けた。
「構いません!このままではいずれ全滅になります。しかし、集まって戦えば万に一つの望みがあります!今はそれに賭けます!私も・・・もう躊躇いません。全力で戦います!」
「はい!ころちゃんや雫ちゃんに梅ちゃんに会うためにも!皆で生き残るためにも!呼びましょう!」
ひよの言葉に皆笑顔になった。
「そうですね。可能性は低い・・・でも、ゼロじゃない」
「夫がそう決めたのなら、それに従うのが妻じゃ」
「それがしも妻ではないですが、アキラ殿に従います」
「ご主人様のために戦う。それが私の喜び!」
「やりましょう!絶対に生き延びましょう!」
みんなやる気が入った。兵達も目に光が戻った。
「むにゃむにゃ。おはようなの~(ふぁあああ)」
「皆さん、山を背に隊列を組み戦います。逃げ道はなくなりますが、背後からの奇襲はなくなります」
鞠も目を覚まし、皆戦う準備ができた。
「鏑矢あげろ!」
「アキラ隊の旗と源氏の白旒旗をあげるのだ!」
アキラの言葉に答えるように鏑矢を上げて、一葉の号令で二つの旗を立てた。そして、少ししたら三つの鏑矢の返答が来た。すぐに隊列を組み皆準備に入った。
「足音、百程度です!」
小波の言葉に緊張が走る。仲間か、鬼か。二分の一の確率。しかし、アキラはすぐにわかった。覚えのある気配が三つとその後ろを百ほどの気配を感じ取ったからだ。
「仲間です!迎え入れる準備を!」
そのアキラの言葉を証明するかのように見えてきたのは
「蒲生の鶴紋に万字の藤巴の旗・・・ということは」
「ご、ご、ごろぢゃ~~~~ん!」
幽の旗の説明と涙目で叫んだひよの言葉に答えるようにやってきたのは
「ハニーーー!」
「アキラ様!」
「アキラ様~!ひよ~!」
雫と梅、そしてころとアキラ隊の兵達だった。
「ごろぢゃ~~ん!よがっだ、よがっだよお!」
「もう、私まで泣きそうになるじゃない・・うう、ひ、ひよ~!」
「雫・・・私は」
「いいのですよ。詩乃は正しい判断をしました。だから、気にしないでください」
幼なじみ・友そして兵達。数刻しか経ってないのにもう何年振りみたいな喜びを分かち合った。
「ハニー、やっと、やっと、戻ってこれました・・・あの言葉、あれがあったからこそ戻ってこれました」
「梅・・・ありがとう。皆を守ってくれて・・・そして、私の前に戻ってくれて」
梅の体を抱きしめた。
「あ、ハニー」
「本当にこんなに冷えて、髪もぼさぼさになって、皆を兵達を支えるために前に出て・・・本当に頑張りましたね」
頭を撫でて、梅の体を少しでも温めようと抱きしめる強さを増した。
「今、とても幸せですわ・・・ハニーの匂いでこの体の疲れが取れましたから」
「そうですか、それはよかった」
「ハニー・・・ずっとこうしていたいのですが・・・お二方も」
「ええ、「「アキラ様!」」二人とも、よかった!」
梅が体を離し、次に雫ところが抱き着いてきた。
「何とか、無事に合流しました!」
「よかったです!も、もう、会えないんじゃないかと思って」
二人の体も抱きしめた。
『神仏など信じる気もなかった・・・でも、この時だけは信じられます。ありがとう、仲間と再会してくれて』
心で思ったことを口に出さないで。
「さて、再会の喜びはここまでです」
だが、すぐに気合を入れ直して真剣な顔になった。
無事、合流したアキラ隊の皆と共にこの場所を死守することになった。鏑矢は詩乃の言う通り、仲間への合図であると同時に鬼を呼ぶ合図でもあるのだ。
「うて~~~!」
「長柄隊!槍をつけ!」
「幽!いくぞ!」
「っは!」
やってきた鬼達に負けないよう八咫烏隊は鉄砲をうち、長柄隊は槍をつき、足利衆は一葉と幽の二人が来る鬼を斬りまくる。弾を装填し直した鉄砲を撃てば、次は弓を射て攻撃し、再び槍で突き倒す。
「疾風、烈風、砕雷矢!」
鞠りんのお家流も炸裂。そして、
「私が出ます!」
アキラも前に出て、夢氷雹天を放ち鬼達を粉々にする。鬼達も少しずつ少なくなってきているが・・・こちらの方が体力の消耗が激しい。アキラや一葉、幽と鞠に小波。この五人ならまだ持つが、残りの皆がそこまで持つかわからない状態だ。
『さすがに・・・やばいですね。向こうの頃とは勝手が全く違うから、これほど難しい戦いは初めてです』
アキラ自身も将や兵の疲労に少しやばさを持った時だった。鬼の声が自分達の後ろから聞こえたのは。
「な!あ、あんなところにもいるだと!」
「お姉ちゃん!」
「・・・(こく)」
自分達の後ろは山。その山の上に鬼がいたのだ。烏が眉間を撃ったが、鬼は一瞬よろめいただけですぐ立ち直った。
『く!こうなったら』
紫微垣に手を回そうとした時だった。
「ひゃぁぁぁぁぁっは~~~~~!」
何とも聞き覚えのあるそして力強い掛け声が聞こえたのは。
「ちょ、ちょっと、あれってちんくしゃ!何で崖を水平に走れるのよ!」
梅の言葉にはアキラもこっそり賛同した。
「真っ二つにしてやるぜ!いっけ~~!刎頸二十七宿!」
小夜叉の持つ愛槍人間無骨が光を放ち、その槍を振るうとそのまま鬼共々山の崖ごと真っ二つにした。その崖が斬られたところからひびが入りどんどん瓦礫となって落ちてきた。
「な!あれじゃあ、崖が落ちてきて私達ぺしゃんこになってしまいますわ!」
「全軍、つぶされたくなければ前に出なさい!」
詩乃の指揮で必死の特攻で、目の前にいる鬼を押し返して前に出た。鬼達も崖が落ちてくる現実に唖然としてしまい、兵達の突撃に何匹かは倒された。
「ふう、崖の破片という言葉をこの世界でも使うとは思いませんでした」
「あの~、お頭。それって向こうの世界ではよく言っていたのですか?」
「もちろんですが」
「も、もちろんって!」
「ひよ、お頭もキチ〇イに入っていること忘れてるね」
アキラの言葉に絶句するひよに突っ込むころ。
「その話は今度にしましょう。皆さん!無事ですね」
「はあ、はあ、はあ。な、何とか、無事、ですわ」
「よ!アキラ、無事だったな!さすがだぜ!」
目の前にその崖を切り崩した張本人が笑顔で現れた。その張本人に一番焦った梅が怒りの言葉をかけるが、売り言葉に買い言葉で火花が散りそうだったので頭を撫でて怒りを鎮めた。
「さて、あなたがここにいるということは」
「ああ、母もそろそろ」
「ひゃ~~~~はっはっはっは!」
「タイミングがいいですね・・・」
崖崩落で気配を感じるのを忘れていたが、あの声でやっと落ち着いた。
「森一家!好き放題しまくった鬼共を全殺しじゃ!一匹残らずぶちのめせ!」
「「「「おおおおお!よっしゃ~~~!」」」」
藪の中から桐琴と各務に森一家が現れて、自分達の前にいた鬼達の横に突進して、そのまま全殺し惨殺虐殺撲殺etcを楽しそうにやっていた。
「・・・・・・え、え?こ、これって」
「おや、雫は初めてですか?なら、向後の為にも慣れるべきでしょう」
「ちょ、ちょっと詩乃!目を閉じられないようにするのはずるいです!」
「私は慣れました。友も道ずれ・・・もとい慣れるようにしているだけです」
どう見ても道ずれが本音にしか見えない行動だった。
「し、詩乃ちゃん、初めて詩乃ちゃんが鬼に見えるよ!」
「楽しそうにしているところすいませんが・・・詩乃に雫、指示を!」
「「っは!あ、はい!」」
「お頭、あれが楽しそうに見えたのですか!」
ひよのツッコミを無視して、反撃の合図とともに残っている鬼を森一家と一緒に全滅した。
「いや~、やっぱりアキラは死ぬわけないよな!」
「そちらは殺しても死ななそうですが・・・あの奇襲はすこし心配しましたよ」
「まあ、あれは確かに驚いたな!まさか地面から来るとは思わなかったぜ!」
小夜叉が笑っていると、服を鬼の血で真っ赤に染めた桐琴が前に来た。
「アキラ、お前の予想通りだったな・・・それで、これからどうするんだ?」
「加賀に逃げます。その後は越中・信濃を回って美濃に戻る予定です」
「ふむ・・・信濃の武田がどうなるかは分からないが、とりあえずそれが妥当か。すぐに美濃に戻っては、まだ追いかけてくる鬼共も連れてくることになるからのう」
「ですので、力を貸してください。二人とも」
「もちろんじゃ!」
「おう!アキラは俺が守るぜ!」
森一家も数は減ったが合流できた。集まった数も多くなり、皆の気持ちも少しずつ余裕と勇気が出てきたのか、兵達も笑顔が戻った。
『後は、皆と無事に逃げるだけ・・・それより気になるのは鏑矢ですね。返された三つのうち二つはアキラ隊の片割れと森一家と見ていい。だけど、後の一つはいったいどこでしょうか・・・』
アキラ隊と森一家と合流しました。
そして、ついに次の話でアキラ再びあれを使います!