※この作品はR-18です。

戦国恋姫 盲目のサムライ   作:一日三食MEN

80 / 217
 
 こんにちは三MENです!

 では、ついにアキラの力を見せます!


四十四振り目 断固たる決意・・・そして邂逅

 

 アキラ達は今松平の陣にいる。何故かと言うと、森一家がアキラ隊に合流したすぐ後に別の場所から鏑矢があげられたのだ。最初のはこっちへの返事の意味がこもっていると見れるが、二本目となると話が別だ。

 『救援を要請している可能性が高い』

 雫の言葉に、すぐに助ける決断をした。ただし、その場所までうまく行けるものではなかった。

 

 『くらえ!鬼共!妙見菩薩掌!』

 『三千世界!』

 

 小波が葵の為に、最後の最後まで取っておきたかった奥義に一葉のお家流。後、鞠のお家流に八咫烏の射撃で追ってくる鬼達を何とか撃退し、やっと鏑矢を打ち上げられた場所に行くと松平勢が苦戦していた。そこに森一家の援軍のおかげで落ち着けたのだ。

 「ありがとうございます。アキラ殿」

 「お互いにやばい状況でしたからね。葵は大丈夫でしたか?」

 「はい、何とか・・・ですがこちらも犠牲が出てしまいました」 

 辛そうな顔で葵と話を始めた。アキラ達の逃亡進路に松平も同行することにしたこと、松平の持つ鉄砲も全部アキラ隊で所持していいこと、最後にその際の殿をたった二人でやることにした。その二人が桐琴と・・・アキラだった。

 「私が殿をします・・・桐琴さん、すいませんが一緒にお願いします?」

 「アキラ・・・わかった」

 怒りの感情を込めた返答だった。そして、陣を出た後桐琴から言われた。

 「お前。自分の言ったこと、分かっているのか?そもそもお前は!」

 アキラの立場を理解しているからこそ、彼女は怒りを抑えずに声を荒げようとした。でも、アキラはそれを止めた。

 「・・・分かっていますよ。本来の立場を考えれば私はそんなことをしてはいけないことを。人の上に立つ私は見捨てる覚悟も必要だということも。桐琴さん・・・殿は本来なら、あなた一人に任せるべきだということも」

 

 「そこまでわかっているなら、何故おまえが殿に立つ!こういう決断をするときも大前の立っている立場ならするときがある!今がその時じゃろうが!」

 

 ついに襟首まで掴んで、アキラを持ち上げた。

 「私自身がまだ全部出し切っていない。全てを出し切ってからその決断をしても遅くない、そう思っただけです」

 「それだけの為に「そのそれだけに・・・苦しんだことがあります」ふむ、経験済み・・・だから全部出し切ってからか。その決意、断固として変える気はないのだな」

 「ええ、絶対にね」

 悔しそうに桐琴はアキラを下ろして、手を離した。 

 「・・・お前のその提案を受けよう。本当なら、今この場で無理矢理気絶させるつもりでいたがな」

 「なんとまあ、恐ろしいことを」

 そう苦笑いしながら思い出した。一度は思い出した親友のあの言葉を。

 

 『わい、あんさんに出会って本当に良かったと思うておる。あんさんの背中を見て勇気づけられたんや!わいにとってあんさんは最高の親友や!頑張りや!』

 

 ええ、頑張りますとも・・・あなたのようにね。そう思い出しながら隊に戻った。もちろん、殿を二人のみでやることは皆は大反対だった。ひよやころは泣きながら止めに入ったが、桐琴と一緒ということで何とか納得した。

 

 そして、ついにその時が来た。桐琴は森一家と小夜叉に先陣を任せ、他の皆も隊列を組み先を進んだ。道中もやはり鬼達が現れたが皆の決死の戦いと幽のお家流・十木の御詠で何とか進んでいった。ただ、桐琴は小夜叉に殿を自分とアキラのたったの二人だけでやっていることは言わなかった。

 「来ましたね・・・」

 「ああ。いいか、わしの役目はお前を逃がすことだ。もし、危険と分かったらその時点で背中を蹴っ飛ばしてでも行かせるからな」

 「ええ、その時は遠慮なくお願いします」

 アキラは二本の刀を抜き、桐琴は愛槍蜻蛉止まらずを構えた。二人の前には、たくさんの鬼がいる。

 「鬼殺し、どっちが多くやれるか勝負です!」

 「こんな時ですら貴様はこうなのか!・・・でも、悪くない!」

 二人は突撃した。どんどん斬っていき、突いていき、時には背中を合わせて戦った。だが、どんどん増えていく。

 「く!よもや、愛槍が折れるとは!」

 四半刻ほど経過して、鬼を斬っているうちに桐琴は自分の得物が壊れてしまった。それを見て、もはや使うしかないとアキラは決意した。

 「・・・今から全力を使います。おそらく、動けなくりますので桐琴さんは私の足をお願いします」

 「・・・お前、まさかそのためにわしを?」

 「そうですよ・・・まあ、あの時に話したことも全部本心ですけど」

 「くくく、不思議じゃな。何かお前のやり方が少しずつ正しいと思えてきた」

 ずっと険しい顔だった桐琴も、笑顔が戻った。何しろ、アキラを自分も逃がせる状況を作り出そうとしているのだ。笑っている間にアキラは刀を戻し、紫微垣を抜いた。

 「いきますよ・・・あなたの全力を出しなさい!」

 光り輝く紫微垣に桐琴は驚く。そして、アキラの目が開かれたことに驚いた。

 「アキラ・・・貴様、いったい何者じゃ」

 「さあ、ただの人間ですよ。と言っても自分も最近疑問ですけどね」

 「ふん、後で聞かせてもらうぞ」

 「ええ、では行きましょう!」

 光の強さがさらに増していった。桐琴と鬼達は思わず動きを止めた。

 

 九頭竜川の少し奥のところに人がいた。

 「御大将~そろそろ来ると報告がありました」

 「さあ、あの男はいったいどんな人間かしら?」

 「目が見えないって、いったいどうやって生きているんでしょうね?」

 「普通じゃ考えられない」

 「それは会ってからにしま・・・」

 「あれ?御大将、どうし・・・」

 「柘榴も・・・」

 「「「な、な、な、何!あれ!」」」

 御大将と呼ばれる女性が動きを止め、視線の先を二人が見ると二人も止まった。

 

 九頭竜川までたどり着き、渡ろうとする松平勢。

 「アキラ様はどこですか!」

 「アキラ様・・・」

 「やれやれ・・・葵様、この二人はもうあの男に誑されたみたいですね」

 「悠季、その言葉は失礼ですよ。アキラ様がいるからこそ、私達はこうして逃げられるのです」

 「おや、これは失礼なことを」

 『アキラ様。どうか、ご無事で・・・え?な、何、あれ!』

 心配していた歌夜が後ろを振り向くと動きが止まった。

 

 森の中を必死に走り、九頭竜川に着いてないアキラ隊の面々は気づいてなかった。自分達の後ろで、一葉や小波のあのすごいお家流すら軽く見えるくらいのとんでもないものが出ていたことを。

 「あ、あ、アキラ・・・お前」

 「正直、自分も驚いています。まさか、これが使えるとは」

 桐琴は呆気に取られ、絶句している。アキラもまた心から驚いている理由・・・それはこの周辺の森の木を全部焼き払ったこの存在にあった。

 「無明神風流殺人剣・奥義の一つ朱雀・・・何故、私が使えるのか?それは今は関係ありません。今は、使えるなら使うのみ!」

 アキラが刀をダイヤモンド・ボルトと同じように上に掲げた。すると一本の光が空高く伸びていったら、朱雀が下りてきたのだ。

 そして、アキラが紫微垣を振り上げた。

 「この言葉、まさか言うことになるとは」

 超視野化で鬼達の居場所を確認。

 「鬼の皆さん。あなた方も、感じたでしょう?」

 鬼に話しかけた後、そいつらに朱雀がぶつかるように、刀を振り下ろし始めた。

 

 「不死鳥の息吹を」

 

 その言葉と共に刀を振り下ろした。すると、刀から扇状に斬られた衝撃がどんどん増えながら広がっていく。鬼達はどうしようもできないままその衝撃に押しつぶされていった。 

 「こ、これは・・・」

 唯一の目撃者である桐琴も言葉が出なかった。ここまでの破壊力とその効果の範囲は誰よりも戦場に出ていた彼女でも初めてだからだ。

 「後は・・・頼みます」

 紫微垣をしまうと、アキラはその場で倒れた。慌てて起こすと目は閉じており、意識も失っていた。

 『わしはこやつの手の中で動かされていた・・・たまには、好きになった男に手玉を取られるというのも・・・悪くない』

 桐琴はアキラをおんぶして皆の後を追いかけた。

 

 だが、これで鬼の進行が終わったわけではなかった。

 「く!まだいたのか!」

 てっきり小夜叉の先陣で全滅したと思っていた鬼がまだ残っており、そいつらが二人の前に現れたのだ。得物を失った桐琴と気を失っているアキラを見てこれなら大丈夫と出てきたのだろう。しかも、アキラを背負っているため桐琴は両手が使えない。

 「くそ!」

 走って抜けようとしたが既に進路を失った。絶体絶命の言葉が頭の中に出た。

 

 

 その頃アキラ隊は九頭竜川を渡り終えて、川の向こうに渡っていた。アキラの出した朱雀を見なかったからこそ動きを止めないで進んだから、動揺することなく川を渡れたのだ。

 「おい!本当に母とアキラは戻ってくるんだよな!」

 「・・・余とてそう信じたい!」

 今はただ、戻ってくると信じる二人を待つのみだ。九頭竜川に着いてから、やっと小夜叉は桐琴とアキラがたったの二人で殿をしていることを知らされた。当然それは怒りに体を支配されてもおかしくない話だった。だが

 

 『余だって、皆だって・・・止めたかった!』

 

 心から辛い顔を見せない一葉が、初めて見せたそれを見て拳が力強く握られ続けているのを見て、小夜叉も怒りを抑えた。誰もが必死に最悪の結果を考えないように二人が来ると待っていた時だった。

 

 「へ~、一葉様。そんなにその男が気に入ったんだ」

 

 後ろから声が聞こえたのは・・・全員が後ろを振り返ると三人の女性がいた。三人とも一葉には見覚えがあった。そのうちの一人に絞って話しかけた。

 「何故お主がここにいる?・・・長尾美空景虎」

 「ちょっとね・・・」

 「ふん。どうせ久遠の越前討ち入りの話を聞きつけて、見学していたのだろう」

 「か、一葉様。今長尾って・・・」

 詩乃の質問に頷いて答えた一葉。

 「間違いない。こやつは越後国主で関東管領の長尾美空景虎だ。後ろにいる二人も美空の部下だ」

 「確か、お二人は柿崎殿と甘粕殿でしたな」

 「それで、いつまで待つの?ずっと待つわけにはいかないわよね(うふふ)」

 「・・・頭でもなんでも下げる。主様を助けてほしい」

 にやついた顔で一葉に問いかけた長尾。断腸の思いで一葉は頼んだ。

 「・・・本気なのね。そのアキラという田楽狭間の天人に惚れたというのは」

 「アキラがもし死んだら、余はこの場で首を斬る」

 一葉のその決意に、珍しいものを見た顔になった長尾。

 「ふ~ん・・・せっかくここまで来たのに、本人を見ないというのも来た甲斐がないから・・・柘榴、お願い」

 「はいっす。ってあれ?誰か川の向こうにいるっすよ?」

 柘榴と呼ばれた女性がそう言うと、一斉に向こうを見た。

 

 「アキラ着いたぞ!皆、川の向こうだ!」

 「全く・・・来て早々あんなことになっているなんて。予想はしていたけど相変わらず戦いの場にしかいない男ね」

 「それがアキラさ。でも・・・無事でよかった」

 「本当に・・・あの鬼?という奴に囲まれているのを見た時はもう・・・」

 「・・・・・・とりあえず、ありがとう。三人とも」

 

 そこにいたのは見慣れない槍を持つ桐琴と、三人の女性、時人・朱雀・庵樹。そして意識が戻ったけど庵樹に背負ってもらっているアキラの姿だった。

 




 ここまでです!次の四十五振り目でついに第五章終わりです!

 遂に長尾美空景虎と会うアキラ!やっとアキラと会えた三人!

 三人がここまでこれた経緯を次の話の前の特別編でやります。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。