こんばんは!ついに三人がアキラと再会しました!
今回は会うまでの経緯です。ただし、ある人物にとっては辛いことが起こります。
場所はゆやの団子屋。そこにはアキラの関係者がいた。
「今日で間違いないんだな・・・この鏡が光るのは」
「間違いないわ。おそらく、その時が最初で最後の」
「チャンスってことだね・・・」
時人の質問にゆやが答えた。最初で最後のチャンスに、庵樹の手に力が入った。
「アキラ、元気だよね?」
「灯はん、決まってるがな!アキラはんはずっと頑張ってるんや!」
「ふん・・・ま、元気ならいい」
「おい狂、少しくらいは心配してやれ」
梵天丸に壬生京四郎、灯にほたる、紅虎に狂。他にも辰怜に遊庵などほぼ勢ぞろいだった。
「京四郎さん、朔夜さんは大丈夫かい?」
「大丈夫ですよ幸村さん。今は赤ん坊とぐっすりです」
「にしても、未来を見る巫女の力は健在だったのか」
「サスケ君、隠していたわけじゃないよ。使う必要がなかっただけだ」
「でも、今回だけはそれがありがたいね。いきなりさよならはないから」
四方堂の言う通りだった。アキラはいきなりさよならだったから、あの時の三人はもう気が気でなかった。
アキラのいなくなった部屋に三人は集まった。村正の四つの武器とその前には鏡も設置している。
「持っていくものは全部持ったね」
「はい、自分達の武器にアキラ様の壬生一族特有の死の病に万が一感染していた時のための薬」
「そして、決意だね・・・もう二度と皆と会えないから」
アキラと同じ世界に行くという事はそういう事でもある。朔夜からの連絡があるまでは全員への挨拶をすませた。そして、今日という日を迎えた。
「皆さん、向こうに行っても頑張ってください」
「もちろんさ。絶対にあいつを見つける!」
「私の存在はアキラ様以外考えられない・・・あの人が助けてくれたから、私を作ってくれたから」
「兄貴・・・庵奈姉さん、ごめん。でも、でも・・・追いかけたい」
ゆやの言葉にそれぞれの心中が口に出た。
「では、おそらくそろそろだと思いますから・・・」
ゆやがいなくなり部屋には三人だけになった。
「紫微垣を最大限まで力を出さないといけないから、戦いの最中だろう」
「だから、すぐに戦える準備はしておけということですね」
「むしろ、戦わないあいつの姿が想像できないよ」
「「全くだ(ですね)」」
庵樹の言葉に呆れるように賛同した二人。そして、時人が本当の自分の刀・北斗七星を持った時だった。
「・・・見えた。アキラが紫微垣を握った姿が」
「ということは!」
「くるね!」
アキラの姿が見え、鏡が光り輝いた。その光の強さに、皆も気づいてその部屋の前にやってきた。
「三人とも!強く想うんだ・・・会いたい人の事を」
京四郎の言葉に三人の頭の中にアキラの姿を現れた。
『『『アキラ(様)、会いたい!』』』
時人の村正の妖刀の力を最大限まで出す力を使って、その場にある北斗七星と残り三つの村正の武器も光り輝いた。
「く!眩しい」
その光はとても強くなり、誰もが目を閉じるしかなかった。数分後にやっと光が弱くなり、みんな目を開けると三人の姿がいなかった。
「・・・行ったか」
狂の言葉で、皆思った。本当にいなくなったんだな、と。
「三人とも、幸せになってね」
ゆやの言葉に全員が頷いた。
だが、三人がすぐには行けなかった。むしろ、行けなくなりそうになっていた。
「急がないと!」
「やはり負担が大きかったのでしょうか!」
「今は走るんだ!あの出口に向かって!」
三人は必死に走っていた。今いる場所はただずっと前に出口らしきものがあるそんな空間だった。だが、その出口が少しずつ小さくなっている。朱雀の言った通りアキラの時は一人だが、今回の三人はもともと無理があった。
「まずい!閉じる!」
「待って!お願い!」
「会いたいんだ!あいつに!」
出口が徐々に小さくなっていく。三人の目から絶望の涙が出た・・・その時だった。その出口が逆に大きくなっていった。
「え!どうして」
一人がやっと通れる狭さになっていた出口が余裕で通れる大きさになった。三人のその疑問は・・・とても懐かしい声が答えてくれた。
『本当に、世話を焼かせますよね・・・あなたは』
その出口に一人の男がいた。その男は時人には覚えがあった。
『大きくなったな、時人』
『姫時に似てきましたね。さすが親子です』
『美人さんになったわね~』
更に、三人の後ろから男二人女一人の声がした。
「そ、そ、そ、そんな・・・ひしぎ、おじ様・・・母様・・・と、父様」
「む、む、村正様!」
「え?え!こ、この人達が!」
時人と朱雀は震えていた。何しろ決して会うことのできない人達が目の前に現れたのだから。唯一村正・姫時・吹雪・ひしぎの四人と会ったことがない庵樹だけが、純粋に驚いていた。
「ど、ど、どうして父様と母様がここに!」
『あなたの事が心配だったのよ・・・母親としてね』
『ああ、ちゃんと元気に生きているのか不安だった。魂だけになった時にあの鏡に入り込んだんだ・・・姫時もいた事には驚いたが』
『朱雀・・・あなたとそちらの方が面倒見てくれたのですね。ありがとう』
「村正様・・・こちらもお世話をさせていただきありがとうございました」
『それより、急いだほうがいいですよ。私があれを広げている時間も短いですので、早く入らないと永遠に会えなくなりますよ』
ひしぎの言う通り、今は出口に急がないといけなかった。村正・姫時・吹雪の三人が時人達の後ろに行き、三人の肩にそれぞれの手が乗った。ひしぎは再び出口が小さくならないように抑えていた。
『ねえ、あなたいいお姉ちゃんになってくれているみたいね。あの子の母親としてありがとう。これからもよろしくね』
「・・・私もいい妹ができたみたいで嬉しかったです」
庵樹の肩に姫時の手が乗った。
『朱雀、あなたも心から慕いたい男性ができたのですね。あなたも幸せのなってほしいと思っておりました』
「村正様・・・はい、必ず幸せになります」
朱雀の肩に村正の手が乗った。
『ずっと、したかった。父親らしいことが・・・やっと出来た』
「そんなことない!ずっと見続けてくれた・・・守ってくれた・・・最後に娘として、見てくれた・・・それで満足だよ!」
『本当に、すまなかった・・・でも、ありがとう』
最後の時人の肩に、吹雪の手が乗った。
『さあ、行きなさい!あなた達の行く世界へ!』
「分かっている!でも・・・一つだけ」
ひしぎの言葉に頷き、時人は四人の顔を見て大きな声で言った。
「ひしぎ!おじ様!母様!父様!ありがとう!行ってきます!」
出口に向かって走り出した。朱雀と庵樹もすぐに後を追った。
「最後に顔が見れて、本当に嬉しかった!お・・・いや私頑張るから!」
そう叫びながら、ついに出口を通って向こうの世界に行った。その出口も完全にしまってその空間には四人が残った。
『行ったか。本当に大きくなっていたな』
『心も強くなってましたね・・・吹雪良かったですね』
『同じ女として嬉しいわ。世界を超えてまで、好きな人ができたことに』
『おじとしても嬉しいですよ・・・それより、吹雪一つ聞きたいのですが』
『何だ?』
『あなたの様子を見ると、あの子の為だけじゃないように見えるのですが』
『そうね。あの子達の好きになった人にも何かしたかった感じね』
『それは初耳ですね・・・いったい何があったのです?』
三人の言葉に吹雪は少し黙ったが、すぐに答えた。
『あの盲目のサムライには、借りがあったからだ』
『『『借り?』』』
『ああ、鬼目の狂に倒されてもう死ぬ前だった。時人が私の前にやってきたのは・・・ずっとだましていたことに怒りの言葉をぶつけてきたが』
『時人、いい加減にしなさい。この人、もうじき死ぬのですよ・・・だから自分が思っていることを正直に伝えなさい!今、伝えなければ二度とできないのですよ。話すことも、見ることも・・・触れることも』
『あのサムライがそう言ってあの子の肩を握り、あの子の背中を支え、あの子の心を一押ししてくれた。そのおかげで、時人は私を父と呼んでくれた。あれだけ酷いことをした私をそう呼んでくれた・・・おかげで私は、あの子の父親として死ねた・・・それができたのは、あのサムライがいたからだ』
『だから、その借りを返したかったと』
村正の言葉に頷いた吹雪。
『そして、時人は今もあのサムライを追っている・・・ふふ、本当にあの平和な頃の笑顔を見せていた時人に戻っていましたね』
『それもその盲目のサムライって子のおかげなのね。会ってみたかったな』
『そういうことだ。やっと借りが返せた』
『そうですね。じゃあ、逝きますか・・・吹雪、姫時、ひしぎ』
『ええ、心残りはなくなりましたしね』
時人の笑顔と元気な姿。これが四人にとって最高のプレゼントだった。本当に成仏しようとした時
『待って!あと一つあるわ!』
姫時の言葉に三人は振り返った。
ゆやの団子屋に戻り、三人がいなくなった部屋ではちょっとした事件が起こっていた。
「ない、ない、ない、ない!」
紅虎が慌てていた。
「北落師門がない!」
そう、彼の愛槍がなくなっていたのだ。
「もしかしたら、朱雀か庵樹があの光の時に握っちまったんじゃないのか?」
「ああ、何しろあれだけの光だ。手探りで握ってしまったことも考えられる」
「ぷぷぷ、残念だったね」
「幸村はん!いい加減にしいや!」
サスケと辰怜の言葉に幸村は笑いながらからかった。
「それにしても驚いたぜ、京四郎の考えは本当だったとは」
「全くだよ。あちきもこんなこと初めてだからびっくりだよん」
「全然見えない」
梵天丸と四方堂の言葉に突っ込むほたる。
「庵樹・・・絶対に幸せになれよ」
「遊庵、やっぱり寂しかったんじゃないのか?」
「言うな・・・親父」
こっちの家族は二人ともこっそり目を潤ませていた。
「狂、あいつ、大丈夫だよね。元気だよね?」
「灯、大丈夫だ。前を歩み続けるアキラに心配何て不要だ」
「そうだね・・・ありがとう」
それぞれ気持ちを吐露している時だった。鏡がまた光り、その鏡が割れた。
「「「「「え?」」」」」
その時に四つの光が現れたが、輝きが強く目をつぶったため誰も気づかなかった。その光がある一人の人物に入ったことも・・・。
『??ここって、何だい?』
『久しぶりね。四方姐さん』
『お久しぶりです、姐さん』
『ふん、まあ、確かに久しぶりと言えばそうだな』
『吹雪、ここではそういうことは言いっこなしですよ』
『な!あ、あ、ああ、あんたたち!ど、どうして!』
『あの鏡に四人して入っていたのよ』
『時人が心配なお父さんのためにちょっとね』
『・・・ふん、余計なことを』
『嬉しいのでしょう?丸わかりですよ』
『そうかい・・・壬生は今平和だよ。あの頃みたいにね』
『そうか、辰怜が頑張っているみたいだな』
『彼ならきっと更に大きなことをしてくれるよ』
『そうですね・・・四方堂さん、これからも壬生を見守り続けてください』
『ひしぎ、抜け駆けはダメよ・・・まあこれを言いたかったのよ。あの頃に、ううんあの頃以上にいい里になってほしいから』
『お願いします姐さん』
『頼んだぞ』
『・・・全く厄介事を押し付けて、分かったよ。ただし覚悟しなよ。向こうで再会したら長い時間話すからな!』
『ふふ、待っているわよ』
『ええ、待ってます』
『では、向こうで』
『すまなかったな』
『絶対だからな!』
そして、四方堂は意識を取り戻してすぐに家を出た。その行動にみんな驚いたが今の彼女にはそれを気にする余裕はなかった。雲を作り出し、急いである場所に向かった。その場所に着くと、一人地面に寝転がった。
『あいつら・・・何が頼むだ。何がお願いしますだ。何が見守り続けてだ。いろいろ押し付けすぎなんだよ!こっちの言い分はいつも聞かない。文句ばっかり!どんだけ迷惑かけたと思っているんだ!全く・・・まったく・・・まった、う、う、うううう、うわああああああ~~~~!!!!」
あの北斗七星が見つかった吹雪の離れの瓦礫があり、平和な時の壬生の里ではよくあの四人と小さい頃の時人と自分の六人で集まっていた場所だった。その時の記憶がどんどん思い出されるのか、途中から声を出していることに気づかないまま泣き続けた。何百年も前のあの平和を思い出しながら。
出口を出た三人は、アキラが奥義朱雀を使った現場に立った。
「ここがアキラが飛ばされた世界だね」
「やっと、追いつきました」
「ああ、早速行こう・・・村正の力は向こうからだ」
村正の血を濃く受け継いでいる時人だからこそ分かる感知だ。
「ねえ朱雀。どうして北落師門を持っているの?」
「・・・・・・え!どうして!」
庵樹の指摘にやっと自分の手に北落師門があることに気づいた。
「気付いてなかったのか?大方、あの光の中で握っちまったんじゃないのか?」
「そうかもしれませんね」
「紅虎は絶叫しているだろうけど、戻れないから持っていようか」
三人は見事に彼の事はどうでもいいものとして片づけて、その力に向かって近づくとやっと見つけた・・・彼女らの大切な人が。
「アキラ!・・・って何だよあいつら!」
「気持ち悪い・・・アキラを背負っている人も危ないわ!」
「急いで助けましょう!」
だがその大切な人が意識を失っており、おんぶっている人も危険な状況に立たされている。慌てて武器を抜いて三人は取り囲んでいる鬼達を斬っていき、桐琴のところにたどり着いた。
「何者じゃ!」
「ご安心を、私達はアキラ様の奴隷です「違う!」「そうよ!恋人よ!」、まあそういうことです」
いきなり出た三人に警戒したが、朱雀のとんでも発言に一瞬で警戒を解いた。
「何が何だかわからんが、アキラの知り合いということでいいのか?」
「はい、今はこの変な化け物を「おい!そこの女その槍貸せ!」え?これですか?」 「ああ!そこの女、こいつを頼んだ!」
「え、え?」
桐琴は北落師門を奪い、アキラを庵樹に押し付け鬼に襲い掛かった。
「ひゃ~~~はっはっはっは!おらおららおら!何じゃ!体の調子がいいぞ!こんなこと初めてじゃ!」
さっきまで必死だったのに、北落師門を手に取った途端この上機嫌。いきなりの変貌に三人は戦場なのに呆然としてしまった。
「・・・何かでたらめだな」
「簡単にあの化け物を倒すあたり、相当の腕利きね」
「北落師門も力を貸しているみたいだし・・・どのあたりが気に入ったのか?」
三人は桐琴のとんでもなさにただただ唖然として見ていた。桐琴が鬼達を倒して戻ってきたときはすっきりした顔になっていた。
「よう!こいつだが、気に入ったし得物も壊れたからワシがもらう!いいな!」
「・・・いいですよ、私達は刀が得物ですから」
「ははは!そうじゃ、今は合流しないといけなかったな。お前らも来るか!」
「・・・合流ですか。一体誰と」
「くればわかる!さあ来い!」
笑いながら、先を歩き始めた桐琴。
「・・・分かることは一つ。こいつに話は通じないということだけだな」
彼女ののゴーイングマイウェイな生き方に呆れながらも後を追った。
庵樹が背負っていたアキラの意識が戻ったのは、九頭竜川についてすぐだった。
これが三人のアキラと再会するまでの経緯でした。
あっちの原作を見る限り、これは出したい!と思っていたのでこういう形で出しました。
四方堂さん・・・辛いですよね。誰よりも思い出を持つからこそその量も多い。だからこそ、涙が出る。
さあ、ついにあと一つで第五章終了です!