今回は美空の間章をあえて本章に入れたいと思います。残りの間章は春日山城を攻略の後でも遅くないと思うのでそれが終わってから入れようと思います!
というわけで、すいませんがこの話はまだ春日山城ではありません。
アキラ隊のいる神社にて。アキラは一人、月を見上げていた。
「二人を無事救出した・・・後は春日山城を取り戻しさえすれば、美空も鬼退治に協力をするはず。この越後にも鬼の勢力が侵攻するのも遠くない・・・駿府に畿内、越前・・・越後は少し遠いからまだ存在を実際に見た彼女ら三人以外信じていない」
神社の中に入り、布団に入った。
「今回の一件で、美空の娘誘拐の噂が久遠に届けばいいのですが・・・でも、彼女には支えてくれる人がたくさんいるので大丈夫でしょう・・・会いたいですね、寂しがり屋で一人で何でも抱えて・・・甘えることを素直にしない大切な妻。離れていると、こんなに愛おしい気持ちになるのですね・・・届いてください。愛してますよ、久遠、結菜、双葉」
意識が少しずつ遠のき、眠りについた。
その想い人達がいる二条館にて。
「それにしても、高野は双葉のおかげで共に戦えると思っていたが・・・延暦寺まで手を貸すとは思ってもいなかった・・・あの坊主どもは無視の一点張りかと思っておったぞ」
「朝倉と浅井は延暦寺では熱心に檀家だったという話だからね。真琴が朝倉義景の弔いとして鬼達を倒そう!と伝えれば協力してくれると思ったらしいわ。本当にそうなったわね」
「はい。お姉さまの残してくれた書も役に立ちました・・・畿内では大きな力を持っていた松永弾正小弼も全面的に協力してくれますし、これで畿内は何とかなります」
「後は・・・甲斐か。しかし、いったいどんな用だ。あの虎は」
難しい顔をしたときに突然空を見た。
「久遠?どうしたの」
「・・・アキラの声がした」
「え?アキラ様はまだ」
『愛してますよ。久遠、結菜、双葉』
実際に聞こえたわけではない。だが、三人にはそう感じた。
「!!き、聞こえた・・・」
「わ、私もです!」
「・・・二人とも、あやつは必ず戻ってくる。そうだったよな」
「はい!」
「そうよ!」
笑顔で久遠の質問に頷いた。
「戻ってくる家は必ず守る・・・そうだったよな」
「その通りです!」
「ええ!」
「だからこそ、我はもっと頑張らないといかん・・・あやつのようにな」
久遠がその時思い出したのは、アキラの背中だった。大きく輝いて見えるあの背中だった。
「そうよ。帰ってきたら思う存分甘えて・・・たくさん 離れた分の想いをぶつけて愛してもらいましょう。子供も作らないといけないね」
「うむ・・・っておい!結菜、今何を言った!」
子供と言う言葉にさっきの真剣な顔が崩れた久遠。
「(くすくす)久遠様、いいではありませんか。私達は妻なんですから」
「う・・・まあ、そうだったな」
「だから、妻同士でそういうことは隠しっこなしよ。今夜は久しぶりにあいつのことを語り合いましょう!」
「そうですね。旦那様の話はしばらくできなかったですし」
「・・・まあ、たまにはいいか」
その後、灯は消えても話し声はしばらく止まらなかった。
『そうだ。アキラはどんな時も頑張る男だ。だから我は・・・いや我達はお主が好きになったのだ。だから、お主はお主のやるべきことをやっているのだろう?それを成し遂げるために・・・もしやってなかったら全力で叱り飛ばしてくれる!』
久遠も久しぶりにアキラを想うことで、笑顔を出した。
越後のある場所では
「朧お姉さま!こんな夜分に」
「名月、元気そうで何よりです」
「サイさんもお元気そうで!」
「ええ。この人から、あなたの心配事をいつも聞かされるくらい元気でしたよ」
「な!サイ!それは言わない約束では!」
「守るとは言ってなかったですよ?」
「でも、今日はどうしてここに?」
「ええ・・・あなたの今後についてです。数日はまだ兵もそろえる必要があるため、ここにいます」
「そうですか!・・・あれ?サイさんは確かお母様の護衛ではありませんこと?どうしてこの越後まで来たのですか?」
「何でもない」
「サイはね、会いたい殿方がいるそうですよ」
「まあ!サイさんに好きな人が!」
「いや、違う・・・って聞いてない」
「さっきの仕返しですよ。それはそうと中に入りたいのですが」
「まあ、私としたことが失礼いたしました!どうぞどうぞ!」
『・・・でも、その殿方がもしかしたら名月の障害になるかもしれない。は言わない方がいいですね。果たしてアキラという男、姉さまはとても興味を持っていたみたいだけど、いったいどんな男なのでしょうか?』
次の日、美空のいる屋敷に彼女からお呼ばれされた。アキラ以外で来たのは一葉に小夜叉、ひよと雫の四人だ。ただ、門の前には頭痛の種がいた。
「さて、中に入りたいのですが」
「どや~~!美空様と空様は、今親子の愛の抱擁を交わしている最中ですぞ。その邪魔をさせないためにも、この樋口愛菜兼続が阻止いたします!どや!(」
これでもか!というくらい話を聞かない愛菜だ。
「・・・相変わらずですね」
「愛菜は空様の愛を守っているのですぞ・・・ああ何と素晴らしきかな」
「主様・・・よく攫ってこれたのう」
「公方と同じくらい面倒なやつだな」
「小夜叉!それはどういう事じゃ!」
小夜叉はともかく一葉ですら呆れていた。そこに秋子と空がやってきた。
「愛菜!アキラさん達が来たら通しなさいって言ったでしょう!」
「空様の家族愛を守っていたのですぞ!どや!」
「全く!気持ちは分かりますが、ちゃんと連れてきなさい!」
「ど、どや・・・」
涙目になる愛菜。
「本当にあなたは・・・無事で、よ、よかった」
でも、秋子の方も涙目になっていた。
「ど、どや~~!母上~~!」
「愛菜・・・愛菜、本当によかった~~」
「「う、うう、うわ~~~~~ん!」」
お互い泣きながら抱き合う。
「さて、野暮な俺らは美空のところに行くか」
「はい、ご案内いたします」
どうぞ。とアキラ達を屋敷の中に入れた。
「空様、あの~、あのお二人は」
「大丈夫ですよ。叱ることもありますが、最後にはああして抱き合うのです」
「普段当たり前にいる人が、本当は一番の宝物・・・ということですね」
「お頭~~、それって私達が宝物ってことですか?」
「ふふ、当然じゃないですか。妻のあなた達ほど大切な宝物はいないですよ」
ひよの質問に即答した。それを聞いてひよと一葉と雫は真っ赤になった。
「・・・アキラ様、嬉しいです」
「嬉しいのう~。今すぐにでも閨に入りたいと気分じゃ」
「・・・さっさと行こうぜ(俺も入りたい。と思ったのは内緒だ)」
小夜叉も内心嬉しかったのか、閨に入りたい一葉の言葉に心でのっていた。
その後、空に案内された大広間で美空達と食事をすることになった。その前に一緒にいた柘榴が小夜叉を見て、槍使いの三番目と勝負がしたいと言い出したことに彼女が激昂した。柘榴的順位だと一番目は桐琴で二番目は綾那らしい。
『母ならまだしも、あの鹿頭よりも下に見ているだと!』
怒った小夜叉に受けてたった柘榴が、庭に出て戦いを始めた。そんな二人の闘いを見ながら食事は進み、話は自分達が二人を救出する話になった。
「母上、愛菜は本当にこの目を開けない胡散臭そうな男にさらわれたのですか?」
「愛菜!そんなことを言うんじゃありません!」
「というか、何で本人が知らないのよ」
「仕方ないですよ、うるさくならないよう気絶させましたから」
「え?ええ!そうなのですか!!」
アキラの言葉に驚く秋子。
「私じゃなくて綾那がやったのですけど、あなた自身が言ったではありませんか。無視していいって」
「ま、まさか、本当にするなんて・・・」
「ちょっと待ちなさい・・・まさか」
「美空、安心してください。空さんはちゃんと話を聞く方と分かったので説明をしたら理解してくれましたので、そんなことはしていませんよ」
それを聞いてほっとした美空。実際は彼女と会う少し前まで気絶していたが、言っていることは間違ってない。言葉を減らして言ったことに、当の空は苦笑いをした。
「よかった・・・手刀を入れて気絶なんてことはしてないのね」
「もちろんです。そもそも、空さんみたいな子にそんなことできないですよ」
「・・・愛菜みたいな子だったら出来ると言っているようなものですよね。それって」
秋子のツッコミに?を出すアキラ。
「??変ですか?」
「お頭・・・女の子にそれをすること自体、やっちゃいけないことですよ」
ひよのツッコミにアキラはふ~んと返した。反省していないことに雫とひよは呆れていた。
空を守れなかった怒りなのか、いきなりアキラに襲い掛かってきた愛菜。でも手を伸ばして頭を押さえると、手をぶんぶんさせて攻撃しているが届かない。そんな彼女を秋子がゲンコツして止めた。
「・・・何か三若を思い出します」
「・・・三人には申し訳ないですが、私もです」
「さて・・・それでは「アキラ、あなたは私と来なさい」は?」
食事も終えてそろそろ引き下がろうしたが、美空に手首を掴まれてそのまま連れていかれた。たどり着いたのは離れになっているところだった。すると、引き出しから包帯を取り出した。
「ケガしているのでしょう?手当てをするわ」
「いえ、そんなことはないのですが・・・よくこれに気づきましたね」
服の隙間から少しだけ見えて包帯が、今回の侵入で出来たケガと思ったのだろう。そろそろこの包帯も代えようと思っていたので上を脱いだ。
「な!あ、あなた!何その体!傷だらけじゃない!!」
「いえ、別に大したことじゃありませんよ」
「思いっきりあるじゃないの!というか、どうしてそんなに傷があるのよ(や、やばい・・・とてもドキドキする)」
筋肉質で傷だらけのアキラの体に胸を熱くする美空。
「私は才能のない人間です。私の周りの人間は簡単に強くなれますが、私だけはその何倍も必死にならないとその者達に追いつけませんでした」
「つ、つまり、その人達に追いつくために(収まれ!収まれのよ!私の胸!)」
鼓動が早くなるのを抑えるのに必死な美空。
「はい・・・その中で必ず追いつきたい漢がいまして、。その者に追いつくためならどんな苦しみも必死になって努力して乗り越えました」
「ふ、ふ~~ん。そ、そうなのね(やばい、何かこいつの横顔がすごく格好良く見える。どうしたのよ、私!)」
思い出を語るアキラの顔を見て、ついに顔まで熱くなった。
「??大丈夫ですか?顔が赤いですよ?」
「な、何でもないわよ!(今、近寄られるとやばいわ!)」
もはや右往左往な美空。何とか、距離をとって平静を保とうとした。
「とりあえず・・・包帯の代えをお願いします」
「う、あ、そ、そうだったわね(と、とりあえず、集中しましょう。そうすれば、多分大丈夫・・・大丈夫)」
自己暗示みたいに大丈夫を繰り返しながら、包帯を取り換えてあげた。
服を着ると、美空もやっと平静を保てた。
「そう言えば、私を同盟に入れたがっていたわね・・・私に何か利でもあるの?」
「そうですね・・・私の妻になれ『すちゃ』」
「真面目に答えなさい」
鋭い視線の美空が刀を抜いて、アキラの首元にやった。
「・・・これは久遠が考えた事ですが座の撤廃。これを同盟国でやろうと考えているみたいです」
「・・・本気なの?」
「ええ、彼女は本気ですよ・・・これをすれば同盟国同士で物流ができるので、更にこの国が発展すること間違いなしですよ。何より同盟国はあなたが取り戻す越後を敵としてみません。こういう点でも敵も減りますからいいかと思います」
「なるほどね・・・確かにそれは」
この話を聞き考え込む美空に、更に付け足した。
「それに、私個人の利点もあります」
「あなた個人の利点?何よそれ」
「あなたという妻を手に入れることができて、嫁が増えます」
「・・・はあ?」
アキラの言葉に、美空は呆れた顔になった。
「私は信念の持った女性が好きです。あなたも信念を持っています。だから、妻になってくれればうれしいと思ったのです」
「それだけなの?もっと酒池肉林になって楽しいとか、女を手籠めにできて嬉しいとか考えたことないの!」
「それだけですよ?私を好きになってくれたのです。久遠も、真琴も、一葉も、隊の皆も・・・全力でその愛に答えたいと思っています」
「なるほどね・・・同盟の件、考えておきましょう」
言葉に偽りがないと判断して、彼女は刀を引いて鞘に入れた。
「ありがとうございます。一つだけ美空個人の利も伝えておきましょう」
「私個人の利?」
立ち上がり背を向けた状態で、顔だけを美空に向けて言った。
「私は愛すると決めた女性をずっと愛します」
そのまま襖をあけて部屋を出ていった。
『ずっと愛するって、もし妻になったら私をずっと・・・って何考えているのよ!私は!・・・あの体で私を抱きしめて「愛しています」って言って私を・・・っは!『ぶんぶんぶんぶん』違うのよ!違う!これじゃあ、まるで、まるで、私が』
その後、美空は空が迎えに来るまで一人で葛藤していた。
では、別のところも少し加えて終了です。
ついに次は春日山城侵入です!原作では美空は首を絞めてましたが、ここでは刀を突きつけるようにしました。