こんばんは、三MENです。
本章再開です!さて、どうなるかな?
アキラ達は春日山城の評定の間にいた。最初は違う一室で、今後の同盟の話し合いをしていたのだが、その途中に入った兵の一報によりそうもいかなくなった。
「・・・遠い親戚と言ってましたね」
「いったい誰なのでしょうか?」
「それにしても、ただ会うだけなのにここまでする必要があると言うことはおそらくよほど名のある実家なのでしょうね」
アキラ隊からこの場に来たのはアキラと雫に詩乃と鞠、屋根裏にいる小波の五人だ。
「確実に言えるのは、美空が会いたくない相手ですね」
「はい。その通りかと」
「苦い顔をしてましたからね」
「ですので私達が「ほう、お主がアキラという男か」??」
詩乃と雫との話の途中で割り込んできた人がいた。そちらを向くと少女がいた。でも、アキラはその少女からは食えない大人の空気を持っていることを感じ取った。
「あなたは?」
「わしは宇佐美定満じゃ・・・目が見えない男と聞いておったが」
「その通りです。でも、よく言われますよ。本当に目が見えないのか?と」
「その通りじゃ!それより、あの美空を助けてくれてありがとうな。宿老として礼を言う」
「こっちもそれなりに考えがありましたから」
「話は聞いておる。鬼を倒すための勢力集めじゃったか?」
その話になると、お互い真剣な顔をした。
「ふむ、内乱をまず治める・・・か。まだ晴景派はおるからのう。でも最大の問題が残っておるぞ?」
「因縁の武田をどうするか?ですよね。ふふ、実は美空には言ってませんが一つ思いついた案があります」
「案じゃと?いったいどうやると言うのじゃ」
話してみろ。と楽しみしている子供みたいな顔で訊ねてきた。
「仲間に引き入れます」
アキラの案に、宇佐美は目を見開いた。明らかに心からびっくりしている顔だ。
「同じ同盟に入れてしまえば、問題ないでしょう?」
「ぷ、ぷぷぷ、かかかかか!そんな手を考えていたのか!お主、面白いのう!わしとて、その考えなんぞ思いもしなかった!」
「昔の私ならあなたと同じでしたよ。でも、やる価値はあると思いますよ(紅虎が宿敵の豊臣と同盟を結ばせたのです。実例はあるのでやろうと思えばやれるはず)」
内心は紅虎にできたなら、自分にもできるはず。という小さなライバル心もあった。
「気に入ったぞ!よし、うささんと呼べ!」
「却下します。私はちゃんとした名で呼びたいです」
「何と!いきなり却下か。一応通称は沙綾じゃ」
「なら、私だけが沙綾さんと呼びましょう」
「分かった、お主は今日からそれで呼べ!」
そう言って立ち去って行った。その後、沙綾は越後の怪人と呼ばれる有名人で、実は一番の年上であることに壬生一族という不老長寿の存在を見たアキラもびっくりした。
親戚と会う時間になり、やってきたのは結構身なりのいい少女だった。挨拶して話をしていると、美空の機嫌もよかった。しかし、その少女から実家から使者がやってきたと言う話になると一気に機嫌が悪くなった。その使者が北条からだった。
「なるほど、北条でしたから」
「現当主北条氏康殿の使者ともなれば、確かに美空様の機嫌も悪くなります」
「今は争ってないみたいですが、いつ寝返ってもおかしくない勢力ですものね・・・まさか空様以外にも娘を持っていてその子が北条家から引き取った子だったとは」
「これは、明らかに一波乱ありますね」
その使者は北条綱成だった。彼女は氏康の名代としてやってきて春日山での内乱の話になり、そこで案の定一波乱が起こりそうになった。後継者を作っておかないから城を制圧された。だから、その後継者を北条名月景虎にするべきだと推薦してきた。でも、話の中心人物である当の本人は隣で驚いていた。更に綱成は、美空のその判断が遅いから今回のような事件は起こったと挑発もした。
「なるほどね~~、喧嘩を売っているのね。ならその喧嘩、買ってあげる!」
『こうなるとは思いましたよ・・・全く!』
ブチ切れた美空と受けて立とうとした綱成が刀に手を伸ばした時に、アキラは二人だけに殺気を飛ばした。それを受けた二人は動くのをやめすぐにアキラの方を向いた。
「そこまでじゃ!」
だが、アキラに何をしたか聞く暇もないまま沙綾の喝で二人は手を離した。その後、再び喧嘩になりそうだったが
「私、長尾空景勝。美空お姉さまの娘であり後継者候補として名乗り上げます!」
あのびくびくしていた空が自分から名乗り上げ、その後の話で後継者を決めるための戦をすることになった。話も終わりとなり、二人は引きさがるだけだったが綱成は引き下がろうとせず、アキラのところにやってきた。
「・・・あなたがアキラですか?」
「それが何か?」
「ふむ・・・なるほど、確かにサイの言う通りだ」
「??」
自分の事を知っているにしては、観察するような行動に疑問を持ったアキラ。その行動も終わり、改めて顔を見た綱成。
「失礼した・・・後、私に何をした?」
「何を?何の事ですか?」
この質問は、殺気を飛ばしたことと分かったが敢えてとぼけた。
「・・・ならいい」
そう言い残し、今度こそ去っていった。
「アキラ様?誑しですか?」
「詩乃、そういうとぼけはやめ・・・!」
頑張って必死な思いを込めて立ち上がり、あれだけの言葉を言った空の緊張が解けてのか、倒れかかったので慌てて助けた。
「ふう・・・よく頑張りました」
「空・・・本当に言ってくれたわ。でも、本当にいいのね?」
「は、はい!こうなるだろうと分かっていた事です!それが、今だったのです」
そう言ってしっかり立ち上がって、感動した愛奈の涙だらけのどや・どーんを受けていた。だが、美空は浮かない顔をしていた。
「あなたはどうです?ああ言った以上、もう鞘には納められません」
「よくないに決まっているじゃない!私だっていつかこうなると思っていたけど、せめて・・・五分五分じゃないと」
「なるほど」
浮かない理由、それはごぶごぶじゃないと言う事らしい。詳しくは分からないが明らかにこれは氏康の策だということだった。
城を出て、北条の二人が名月の屋敷に戻る途中。
「それにしても・・・大手門がないというのは違和感があったな」
「何でも、さっきお姉さまが話した男の人が大手門を壊したらしいです」
「なるほど。あの男がやったのなら納得できる」
「お、お姉さま?」
顔つきが真剣になったことに問いかける名月。
「あの男、私・・・サイを入れた二人で戦っても勝てないだろう。それほどの実力者だ。下手すると姉様よりも強いかもしれない」
「え!姉さまやサイさん、母様が!勝てない相手!」
「ああ、さっき美空様と私が刀を抜こうとしただろう?」
「はい。怖かったです」
名月の泣きそうな顔に思わず謝罪をした綱成。
「すまない・・・それでだ。あの男は私と美空様だけに殺気を飛ばした。私達の動きが止まったのはそのためだ」
「そうでしたの。それはそうと、美空お姉さまの後継者になれるよう頑張ります!」
「ああ。私も全力で応援する」
名月の頑張ろうとする顔に綱成は笑顔を出したが、
『そう・・・確実に厄介になる。あの時、私は右腕を斬られる自分が見えた。もし、あの男が今回あの空という少女の味方をすることになるとしたら・・・これは相当厄介なことになる』
内心は今後どうするか悩んでいた。
その後、春日山城の城下街の宿では
「典厩様。お待たせいたしました」
「一二三、湖衣。ご苦労様でやがる!」
「姉妹同士の対決となった越後の内乱。確実にあの男が関わっているのは間違いないみたいです」
「なるほど・・・といっても、二人とも見てやがっていたでしょう?」
「はい、本気でびっくりしました。大手門が壊されるとは思いませんでした」
「千貫門も壊されましたからね。よほどの強者があの男の隊にいるのでしょう」
「ふむ・・・姉上はあの男によほど興味を持っているみたいでやがる」
「ということは・・・お館様の方針は」
「変更はなし、でやがる」
「ですが、動くなら少し後にした方がよろしいかと」
「・・・何かあったでやがるか?」
「先ほど、春日山城を北条綱成が北条景虎と一緒に出たという報告が入りました」
「ほう~、小田原の女狐の名代でやがるか」
「おそらくは後継者の事でしょう。氏康はこの時を狙って綱成をいかせて景虎を後継者にするべきと提案したと思います。敵ながら、面倒な人の娘を養女に取りましたね」
「なるほど・・・確かに一二三の言う通り、その一件が片付いてからの方がいいでやがるな。長尾と武田は溝が深い・・・一致団結される恐れもありやがるから、その問題が片付いた後に行くでやがる」
「かしこまりました。引き続き、調査をいたします」
「頼むでやがる」
「「っは!」」
『ふふ、本当に騒動に愛されている男だね・・・さて、この騒動ではどんな動きを見せるか観察させてもらうよ』
その後、自分達の部屋に戻ったアキラ達。名月が美空の娘になった経緯を聞いて、アキラは一人部屋を出た。すぐに覚えのある気配を見つけたが、明らかに隠れている感じだったので周囲に気配がないのを確認してからそこに入った。
「何の用です?」
「・・・あんた、本当にとんでもないわね。隠れている私を見つけるなんて」
そう、気づかれないように隠れるように小さな部屋にいたのは美空だった。
「誰にも見られないようにしたので大丈夫ですよ。今は本当に二人っきりです。用件を言ってください」
「あの殺気の飛ばしといい、私の掌を軽く飛び越えることはしないでほしいわ・・・用件と言っても、大方検討はついているでしょう」
それ以上は、美空の立場上言うわけにはいかなかった。誰も見ていない二人っきりの状況でも言ってはいけなかった。
「勝負がちゃんと五分五分の戦いなら、私だって喜んで二人を戦わせるわ」
「でも、越後内定に力を割いている中、どっちにつくかと言えば後ろ盾が大きいものに着きたい」
「あの子はわかってないでしょうね・・・どれだけ大きい後ろ盾なのかが」
「でも、あっちにはそれがない・・・いや、作れない。と言った方が正解ですね」
「・・・実はあのバカ姉に着いた政景って、あの子の母親なのよ」
「なるほど・・・後ろ盾になれってことですね」
「そうよ。アキラ、あの子の「それ以上はいいです」・・・分かったわ」
「美空・・・あなたの親としての思い、必ず果たして見せましょう」
はっきりとそう言った。その事で安心したのかホッとした美空。そんな彼女にアキラは更に言った。
「あなたのような当主として、親として、そして一人の女性として強く生きようとする女性は私は好きですよ」
「なあ!」
顔を赤くして、慌てふためいた。その顔を一瞬見てから出ていった。
「あいつ何よ!一人の女性として好きなんていきなり言ってきて・・・でも、それってまるで告白じゃない。もし、私の持っている肩書を全部抜きでそう言ったのなら、嬉しいわ。ただの美空として見てくれるなら・・・」
悶々としていたが、最後は頬を赤らめたまま真剣な顔になった。
「やっぱり私、あいつに頼りたいと思っている。ううん、あいつだったら大丈夫って思う自分がいる。それにあいつの今までを見て、身体を見て、そして好きって言ってくれた。やっぱり・・・あいつの事、私」
そして、美空は自分の中のアキラに対する想い・・・それに気づいた。
では、越後後継者編始まりです!
しかし、リアルの昔はどんな話し合いだったんでしょうね・・・一触即発はまず間違いなかったと思います。現実でも、実際にありそうですし。
次回をお楽しみに!