こんにちは、もう97話になるのですね・・・早い。
ちょっと更新速度が遅くなっています。でも、たくさんの方が見てくれて頑張っていきます!
では、始まります!
美空との密談の後、部屋に戻ったアキラ。
「出陣の準備をしてください」
言った言葉はこれだけだったが、詩乃と雫はすぐに理解した。ひよは疑問そうにしていたが、ころに言われてとりあえず返事した。
「・・・失礼します」
「失礼するですぞ!」
「早いですね・・・いいですよ。入っても」
「「はい」」
その時、アキラ達の部屋に訊ねてきたのは、皆の予想通りの空と愛菜だった。
まず二人は自分達を救ってくれたお礼を持ってきたが
「ここに来た本当の目的を言いなさい」
アキラがすぐに本題を訪ねた。その言葉に空はビクッと震えた。だけど、
「あの、今回の名月ちゃんとの勝負に・・・ある人から助言を受けたのです」
弱弱しい、しかししっかりとした意思を持って言葉を続けた。自分の後ろ盾となる人が必要となるので、自分を支えてくれる人を探しなさい。とのことだった。あの晴景の一件で空にはあまりいない、でも名月には北条と言う後ろ盾があるため彼女につく人が多い。そんな中で空が選んだのが、
「アキラ様・・・私に協力してくれませんか」
アキラだった。既に答えは決まっていたが、アキラはただ一つだけ訊ねた。
「長尾空景勝・・・あなたに聞きます。この質問は美空の後継者候補としてでなく、ただの空として答えてください」
「ただの、私?」
この言葉に?を出す空。
「・・・あなたは美空の後継者として名乗り上げた。だが、その後継者には心からなりたいと思っていますか?それとも、美空の娘だからなるという立場を考えての名乗り上げですか?」
「どや!アキラ殿!そんな「黙ってなさい」ど、どや」
愛菜の割り込みを一睨みして黙らせる。にらみつける顔を空に向けて訊ねた。でも彼女はしっかりとその顔を見た。
「私は協力しようと思っていますが、返答次第では断ろうとも思っています。さあ、あなたの心を聞かせてください」
「・・・わ、私は、私は!」
空は力強い意志を持って答えた。
「心からなりたいと思っています!娘だからなるなんて思っていません!美空お姉さまの名に恥じぬ跡継ぎになりたいと心から思っています!」
彼女の言葉には嘘偽りがないと感じ取れた。
「・・・合格です。あなたの協力をします」
「あ、ありがとうございます!」
やっと空が笑顔になった。愛菜も後ろでホッとしていた。
「・・・鞠の時と一緒なの」
「あの場の宣言は、勢いで後継者になると言ったような感じでしたからね」
「なるほど・・・空様。ご安心ください、アキラ様がこう言ったのです。私達は全力で後ろから応援します」
「はい、では今夜早速話し合いましょう」
詩乃の言葉で本当に落ち着いたのか、その場で肩の力が抜けた二人。
「はい!」
「どや!」
二人とも笑顔で頷いた。
「頑張りましょうね」
「「あ・・・」」
アキラの笑顔に見とれ、二人とも真っ赤になった。
「その笑顔、決してがっかりにはさせませんよ」
「「は、はい!」」
『『『『『ああ、またライバルが』』』』』
その様子を見て二人とも惚れたことがわかり、妻達は溜息を吐いた。
二人が出たすぐ後に、アキラも外を出た。家臣達の様子を見ようと思ったが、皆口を閉ざして話を聞けなかった。下手言えばどっちに着きたいかわかるし、不公平が生じる可能性もある。だから、確実に決まるかまで話に出すことは禁ずる。と美空が命じたとアキラは感じた。
「あ、アキラさん!」
「元気か、アキラ」
そこに柘榴・松葉の二人と会った。
「突撃美少女と寡黙美少女ですか」
「突撃って柘榴の事っすか!でも、美少女と言ってくれたのは嬉しいっす!」
「口車に乗せられている・・・まあ、今回はいい」
「ははは、二人とも可愛いしきれいですからね」
「・・・アキラさんの事で照れている秋子さんをバカにできないっす」
「同感・・・それで何してた?誰かを閨に誘う事でも考えていた?」
「閨に誘うのは妻ならともかく、なってない人を誘う気はありませんよ・・・今回の事でちょっと」
「あ~、なるほど」
「そう」
かわいいと綺麗と言われて照れていた顔から真剣な顔になった。
「無理を承知で聞きます。どう思います?」
「そうっすね・・・どちらがなっても構わないと思っているっす」
「松葉も同じ。なった人に尽くすだけ」
つまり、どっちでも自分の主として認めるという事だ。
「あの、一ついいっすか?どうして、越後の人間じゃないのにそんなに関わろうとするんですか?」
礼を言って去ろうとしたアキラに、柘榴が聞いてきた。松葉も彼女の言葉に同意だった。
「その事ですか?まず予想を聞きますが、二人は私がどうすると思います?」
「・・・空様に着くんですか?」
「うん、だと思う」
「(こくり)ええ、彼女に頼まれたからです」
その返答にますます分からない顔をした二人。
「いや、余計にわからないっす。いくら同盟を結んでもここまで関わる必要はまずないっすよ」
「うん、その通り」
「そう・・・前の私なら、お二人の言葉通りくだらないと言って断っていました。でも、彼女は弱いながらも信念を持って美空の跡継ぎになると言った。嘘偽りなく、これから先の戦いがどれだけの意味を持つかも知って・・・だから、力を貸すことにしたのです。他者の私にそれを見せたお礼としてね」
「ふ~~ん、そういう考えは嫌いじゃないっすよ!」
「好感持てる」
アキラの言葉に柘榴と松葉も笑顔になった。
「それに・・・私の旗のようになればいいと思っています」
「あの努力・友情の旗っすか?」
「空と名月の二人は、後継者になれるよう努力しています。できることなら、この戦いの後に友情が芽生えてほしいと思っています。それもまた力を貸す一つの理由です。何しろ、評定の間で見た限り名月君も巻き込まれたみたいな感じですからね」
「あ~~、確かに」
「後継者の話にびっくりしてた」
その時の彼女の驚きの顔を思い出してうんうん言った。
「まだ分かり合っていないがこの戦いで分かり合い。友となってほしい。それが私の考えです」
しっかりと今の気持ちを話した。その後、準備があると伝えて去っていった。
「・・・松葉。アキラさんってとてもすごいっすね」
「うん」
「かわいいって言われたとき、どう思ったっすか?」
「嬉しかった」
「・・・やばいっすね。気になるようになっちゃったっす」
「松葉も」
二人の心を少しだけ奪って・・・。
二人と別れた後も、いろいろ見て回ったからそろそろ戻ろうと思ったら、
「おお、アキラではないか」
沙綾に呼び止められた。隣には護衛なのか一人女性がいた。
「おや、沙綾ではないですか・・・で、そちらは?」
「ああ、こやつは小島貞興。通称は貞子じゃ。鬼小島と呼ばれておるぞ」
「ちょ!うさ様!そんなことを」
慌てて沙綾に文句を言う貞子。
「気に入った相手を、ずっと後をつけて回る趣味を持っておる。お主も結構気に入っているみたいじゃから気をつけろよ」
「そ、そんなことまで言わないでください!それに興味を持つのは、春日山城を二度も侵入して無事だと聞けば当然かと・・・」
そう言っている間に刀を鞘の出し入れをしていた。その出し入れだけで、腕が立つことが分かった。
『そう言えば、庵樹が相当腕の立つものと出会った。と言ってましたが、この人でしたか・・・胸も大きいと言ってましたし』
彼女の胸に意識を向けたが、二人には気づかれなかった。だが、気づかれる前に話を変えた。
「別に問題ないですよ。私は常に女性が傍にいるので、気になったら話しかけてきてください。つけ回すのもどうってことないですよ」
「ほ、本当ですか?」
「ええ、あなたのような美人ならね」
「び、び、美人!ちょ、あああ!」
沙綾に文句を言った時も顔を赤らめたが、それ以上に真っ赤になった。
「かかか!アキラ、どうなっても知らないぞ」
「どんとこいです。後、少し話が」
「「断る(わります)」」
貞子との話もここまでにして本題を聞こうとしたが、頭の回転がさっきの柘榴と松葉と違って結構はやいので、聞きたいことがすでに分かっていたので、すぐ断った。だけど、予想通りの返事なので別に気にしなかった。
「やれやれ。結局無駄足、でもなかったですね・・・貞子さんという美人に出会えたのなら」
「!!!ちょ!」
「かかか!なら閨にでも誘えばいい」
「ちょ!うさ様!」
「すいませんが、閨に誘うのは妻のみと決めております。では、準備もあるので」
「おお、ではの」
そう言って去っていった。だけど、貞子はじっとアキラの背中を見続けた。その姿が見えなくなってもだ。
「さて、わしらも評定にいこうか・・・貞子?」
「閨・・・妻なら・・・」
そう呟くのを聞いた。
「・・・アキラ・・・本当にどうなっても知らんぞ」
沙綾はやれやれと言いながら、貞子の襟首を掴んで引きずっていった。
ついに夜の作戦会議の時間となった。内容は、やはり北条の後ろ盾がある名月に味方が集まっていること、でも空にもそれなりに味方がいること。最後にこの段階で逆にこういう状況になったのは好機であり、北条がこの戦いの場を用意したようなものだから、ここで空が勝てば今後北条は口出しができなくなるということだった。最後に今回は越後内部の戦いなので、他国のアキラ隊は表立って戦うことができず、あくまで空を下で支える補佐に回ることになった。
次の日から早速両者ともに動き出した。それを感じ取った間者がいた。そう、アキラが二回会ったあの女だ。
「敵地だけど、民の笑顔というのはいいものだね」
「ええ、当主が美空様に戻ってから皆笑顔になりましたからね」
「人が変われば皆も変わる。それは国もしかり・・・それより湖衣」
「ええ、相模の草がそれなりにいますね・・・あ」
「盲目の忠犬もいるみたいだし、いったん引き下がった方がいいね」
「そうですね。全く厄介な」
「でも、面白くなりそうだね・・・さあ、盲目さんはどうでるかな」
そんな話の中心人物のアキラが何をするのかというと・・・何もしていなかった。何故なら、アキラは織田・長尾の同盟を結ばせた立役者としての立場。しかも、田楽狭間の天人という肩書も持っている有名人だ。空の後ろ盾になることは名月側にも知られていると思い、自分が動くと注目を浴びてしまう。それは避けないといけないので、アキラがやれることと言えば。
「ふう、ここまでにしましょうか」
あてられた部屋の中で自身の中にある壬生の血をどれくらい使えるようになるか。それの訓練しかできなかった。武闘派の皆と手合わせもしたかったが、自分が大手門破壊をした事は知られているので、それ以上の戦力を名月側の草に見せるわけにもいかないからだ。
「まだ、五分程度ですか・・・やはり、これを使いこなさないと狂までたどり着けない・・・まだまだ努力が必要ですね」
もう会うことがないにしても、やはり追いつきたい。背中を抜かしたい。その気持ちは未だ消えることはなかった。
何日か経った日の夜。再び集まると、愛菜が戦いは十日後になると言い当てた。その事に詩乃と雫も驚きながら頷いた。
戦いの日付が分かった以上、ここからが本番だ。自分達の戦力を相手に知られるわけにはいかないので、春日山に侵入している北条の草をどうにかしないといけない。後は名月が居城として構えている御館の情報も集める必要がある。だから、アキラ隊が出る必要があった。
最初はアキラ自身が御館に行こうと言ったが、詩乃と雫のダブル軍師に断わられた。その人選は次の日にすることにして、今日は休むことにした。
『さてと、誰にしましょうか・・・』
中途半端な終わりですいません!
柘榴と松葉がアキラに意識し始め、貞子が完全に意識しました。それにしても・・・ストーカーは現実だとガチで怖いですので皆さんも気を付けましょう。