ーーー紅魔館 屋上ーーー
空を見上げれば紅い夜に少女が己の存在を強く示している、ただ純粋なだけの強さでは無い、彼女が生きてきたあらゆる感情や事象を記した強さの誇示。
【あの子を守る為に力が必要だった、だから示した。】
見ただけでも分からされる複雑な強さ、激しく燃えそびえ立つ紅き十字架に両腕を広げ美しく笑う少女。
技の発動による衝撃に耐えきれず、3度目の地面への衝突。
でも、そんなことはどうでもいい。
強く、そして何処か儚さ憂い哀しさを含めた紅くて美しい十字架に見惚れていた。
【もうどれだけ殺したか分からない。私達は在るだけで忌まれる存在、敵も多かった。】
聴こえてくる、遠い何処かで聴いたあの声を。
【ええ、あの子を守る為に何でもしてきた。
両親でさえ手にかけた、罪の無い様な人間も数えるのも飽きる程に殺してきた。】
自分を咎める意志を含めた哀しい声。誰だ?お前は誰なんだ?
【ほんと、貴方は分からないわね…。殺されるかもしれないのに貴方はどうして恐れないの?】
殺されるのは恐いだろう、でもお前に殺されるのは何故だろう?悪い気がしない。
【貴方は非力な只の人。いつ死ぬかも分からない脆い種族。戦に出ればその命は一瞬で消え逝く】
貶す、哀れみと慈しみ。そして何より愛しさを含めた声で、名も思い出せない彼女は優しげに告げる。
【貴方が死んでしまえばあの子は悲しむ。だから】
ワタシノモノ
【吸血鬼になりなさい。】
「ったく!まだこんな余力があったなんてね!!」
「あら、正直驚かされたのは私の方よ?まさか人間がここまでついてこれるとはねっ!!」
十字架の激しさが更に増していく、燃え盛る音が耳に強く響いて痛い。
身体はまだ動く、だけど離れる事が出来なかった、記憶の中の彼女の声を聴きたいという一心がこの場に俺を留めていた。
「お前は…誰なんだ…?」
十字架の爆音が増し聴こえなくなってしまった彼女の声。
【吸血鬼】
吸血鬼なら十字架の真ん中で燃え上がっているが、俺は記憶が無いから良いとして向こうが俺を憶えていないから違うんだろう。
「霊夢も流石に手こずってるか、ラストシュート喰らいやがれ!!」
「させるか、」
すぐ動けば阻止できる場所で魔理沙が今にも
光線を放とうとしていた。
当然、阻止するべく魔理沙に斬りかかる。
「お前、まだ動けたのかっ!?」
「お前もな!」
炎月【クレセントシャイン】
魔理沙の上下から炎を発現し拘束し、空を見上げる。
まだ十字架は勢いを増し続けて止まない、地面は耐えきれなくなったのか溶岩の様に溶けている。
「さあ?逃げてもいいのよ?そうしたのなら貴女は敗者。さあ、どうする?」
博麗の巫女が徐々に十字架の炎に追いやられている、
「お生憎様ね、敗けるつもりも逃げるつもりも無いのよ!!」
「馬鹿な!?」
博麗の巫女が燃え盛る十字架を突っ切ると同時にレミリアを叩き落とす、突然の事に呆気に取られたレミリアは受け身を取れずにいる
「レミリアッッ!」
少女の名を叫ぶ、考える事も無くただ身体は動いていた。
無意識と言うべきか、本当に自然と行動してしまう。
レミリアを札が囲む前に範囲外へと押し退ける、当たればタダでは済まないだろう大量の札が俺の周囲を囲んでいる。
「あぁ・・こいつは…終わったかねえ…」
神技【八方龍殺陣】
巫女の手には陣が形成され、札がオレンジ色の光を纏って束となって俺へと襲い掛かる。
目を閉じて覚悟をする。
痛みは感じない、感じるのは敗北感と気が遠くなる感覚のみ。
オレンジ色の極光に包まれながら俺は目を閉じ、そのまま気を失った。
【貴方は弱い。だからこそ強くなる必要があるの、そうでなければあの子は悲しんでしまう。】
声が聴こえる、またあの声。
【これで何も心配いらない、ずっと一緒よ。】
【グラディウス】
ーーfateサイド市街地ーー
「終わったわね、もう下り始めてもいいわね。」
一瞬、影がグルームを突き抜けて静止した。
グルームの身体には3点の大穴が開き、グルームは力なく倒れていく。
「ギリギリでしたね、私の一閃が無ければ焼かれていましたよ?」
グルームを突き貫いた刀を持った、和装の女性が勝ち誇った表情をして刀を納めた。
そして先程まで赤黒い怪獣と化していた眼千という男が片腕を回し慣らして戻ってきている。
「うーむ、足りんな。グルームはこうも弱いものだったか?にしてもお前なんでこんなとこにいるんだ?アイツ探しに行くとか言ってた気がするが。」
「いや~・・この街を探し回っていたら、貴方達が暴れてたのが見えたので、こう・スバッと乱入して斬った訳ですよ。ゴフッ」
あの人ドヤ顔で言いながら血を吐いたわよ・・
「よっと、悪ぃな。危ない所だったぜ・・」
「はい、やっと地上に降りれたわね。はぁ・・二人乗せはもう嫌・・」
黒髪の女性が、私を地上に降ろして溜息をついている。
街全体が見渡せるほどの上空に居たからなのか地に足が着くことに安堵している。
「で、お前はこれからどうするよ?」
「え、え~と・・」
私に視線が向けられる、同時に私の後ろから足音が近づいてくる。
「えっと…実は…」
【心配無用、私が居るのでな。まったく相当な荒事に巻き込まれたものだなミラよ。】
現れたのは黒い鎧に黒兜を身に着ける大男、私のサーヴァントだ。
お読み頂き有り難う御座います~。
約10話ぶりにミラを再登場させました、再登場させる雰囲気まで持ってくのが長かったなぁ~(白目)
続きは二週間後の日曜日に投稿します~。