※この作品はR-18です。

狂愛神話~Harlem or Buddy〜   作:サナ

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戦後の一時

目が覚める、周りは赤色を基本とした家具を無駄なく配置した部屋。

目覚めと同時に、身体に痛みを覚える。

 

「終わったのかね…」

 

 

痛む頭を押さえて起き上がる、起き上がると頭どころか腕も足も痛み苦痛の声を漏らす。

 

「いっつつ…」

 

取り敢えずは、と痛む所を擦りながら部屋を出る。

あの後どうなったかは全く分からない、最後に巫女に焼かれて終わったんだっけか・・良く痛いだけで済んだな・・。

 

廊下へ出ると壁や床が所々破壊されて瓦礫などで散乱していたのも何事も無かったかのように片付いてしまっている。

 

「片付いてるどころか新品みたいだな・・あの後とは思えないな。」

 

初めてここに来た時よりも綺麗になっていると思わせられるほど埃も塵も落ちていない

 

誰か居るだろう大広間へと向かう。

 

「えぇ……?」

 

入った途端に気の抜けた一言を漏らす。

 

「あら、貴方もう復活したのね。あと2日は寝てるかと予想してたけど。」

 

ボッコボコに俺を負かした張本人が戦い合っていた敵の家で優雅に紅茶を飲んでいる。

 

その様子は針や札を容赦なく投げつけていた敵とは思えないほど穏やかで静かだ。

 

「うーん…やっぱりお茶の方がいいわね〜。美味しいと言えば美味しいけど。」

 

「まてまて、敵だった奴がここに居るのに相当のんびりしてるな、もしかしたら攻撃するかもしれないぞ?」

 

「攻撃ったって敵意出してないじゃない。ま、やるんなら付き合ってあげてもいいわよ?」

 

「いや、別にそういう意味じゃないが…まあいいか。」

 

適当な椅子を引いて座る、聞こえるのは鳥が鳴く声と彼女のお茶を啜っている音くらいでとても静かだ。そういえば

 

「レミリアとかいないな。」

 

「いるわよ」

 

レミリアがいきなり真横に出てきたものだから、反射的に体を横に勢い良く逸らす。

 

「で、出た…」

 

「なんで幽霊が出た時に良くある台詞と顔してるのよ。まあ、此処なら幽霊とか普通に出そうだけどさ…」

 

「で、済んだのアレ。」

 

「ええ、まさか幻想郷であんな契約が成されていたなんてね。」

 

「私もいつ契約されたかなんて知らないけど、破ったりしたら十字架に括りつけて日の下に晒してあげるわ。」

 

「勘弁して欲しいわね、そんな警告せずとももう人間を襲うつもりは無いから安心なさい。悪魔は契りを違う事は決して無い。」

 

レミリアが彼女の手元に紙を置き、彼女はそれを手に取ると湯呑みを置き立ち上がる。

 

「確かに。それじゃあ私は帰るわ。」

 

彼女は手をひらひらさせながら部屋から立ち去ってゆく。

 

バタン

 

 

「ふぅ、」

 

レミリアは溜息をつくと数ある椅子の中でも一際目立つ豪奢な椅子にどかっと座り込む。

 

「そういや咲夜達は?ここに来るまで誰にも会わなかったんだが」

 

「咲夜?ああ、今夜は博麗の巫女の所で宴会やるって言うからね、人里に買い出しに行ってもらってるのよ。ほら、この私が手ぶらってどうかと思うじゃない?」

 

「敵だった奴の所に宴会ですかい・・」

 

「良いじゃない、過ぎた事よ。それにあいつには私から会いに行ったしね。ね、咲夜」

 

 

買い出しに行ったと聞いて少ししか経っていないのにもう帰ってきていて、紅茶を持ってレミリアの指鳴らしで即座に現れるパーフェクトメイド。

更に俺の分まで用意されているという何気な優しさが染みる。うん、ジャスミンの良い香りと熱すぎない温度もあって飲みやすいし美味い。

 

「ええ、見事な雁字搦めをされてましたわ。」

 

「咲夜、そういうのは言わなくていいから・・」

 

「人間が吸血鬼に雁字搦めとは、やるわね気に入ったわ博麗の巫女!とか喜んでましたけど?」

 

「人間はいつも怯え逃げるだけだったからね、ああいうのは新鮮なのよ。」

 

紅茶を飲み終え、椅子から立ち上がり自室へと戻る。

 

「あら、早いわね飲むの。」

 

「飲みやすい温度だったからな、ごちそうさま。」

 

ーーーーーーーーーーー

 

「・・・あの様子じゃ想像出来ませんね。あの煉という男、本当に`羽`があったんですか?」

 

「ええ、最後あいつに突き飛ばされた時に見たわ。威圧されるかのような気といい、長い爪に牙、そして赤色に寄った羽。あいつ、吸血鬼の可能性があるわ。」

 

「でも、あの男は人間だとおっしゃってた気が。」

 

「確かにずっと少し魔力を有した程度の人間だったわよ、でも私を突き飛ばして博麗の巫女の前に出た瞬間に急変したのよ。」

 

「吸血鬼である事を隠して人間に扮していたと?」

 

「さあね、まだ記憶は戻ってないみたいだから自覚もしてないだろうし聞いても無駄でしょうね。」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

自室に戻ろうと大広間を出た時ふと、ある方向へ目が行く。

レミリアに駄目だと言われた地下へ繋がっているだろう階段、行く必要は無いと分かっていても何故か吸い込まれる感覚に襲われ自然と足が動く。今度は止める誰かもいない。

 

そうして俺は誘われていく、暗闇の向こうにある何かへと・・




お読み頂き有り難う御座います~。

望むとしたらレミリアと霊夢が飲んだ紅茶とお茶飲ませていただいても・・間接キッスとか胸熱ですよ爆発しちゃう。

次話は3月26日に投稿します。
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