彼女に対抗すべく炎剣を右手に持つ、一度彼女にあっさり打ち負かされたから不安しか無いが強気で言ってしまったから後には引けない。
「……」
「……」
俺も動かなければ彼女も動かない睨み合いが続く、先に攻めるか…
「うふふ」
策もなく彼女に向かって走ると、彼女が妖艶に笑い手の平を広げ閉じた。
直後
「な!?」
彼女の元へ辿り着く寸前、俺の右腕が吹っ飛ばされ持っていた剣ごと遠くへ投げ飛ばされた。
「逃さないよ?」
「がっ!」
退こうとすると左腕を彼女に掴まれぐるりと強く投げ飛ばされる。
弾幕の追撃が迫り回避するが次から次へと撃ってくる弾幕の爆風に煽られ身体が強く吹き飛ばされた。
「っ…ボコボコにされたなこりゃ…。歯が立たないどころか戦いにすらなってないぞ。」
流石は吸血鬼の妹、破壊的な力であっという間に戦闘不能に近い所まで持って行かれてしまった。
彼女が薄らな笑みを浮かべながらゆっくりと近付いて来る、近づかせまいと炎弾を数発撃つも片手で呆気なく振り払われてしまう。
体勢を立て直すべく床に大きめの炎弾を撃ち爆風で自分の体を彼女から遠ざけた、身体のダメージが半端じゃないが右腕で技を発動する。
炎月【クレセントシャイン】
「こんなので時間稼ぎのつもり?」
彼女を炎の陣で囲み動きを止めるが無意味、レミリアの鎖を余裕でブチ切った彼女だ。
炎波【ブレイズゲイザー】
ならば拘束を解かれる前に叩くのみ、深手を与えない程度の炎の小波を絶え間なく撃ち放つ。
「!?このっ!!」
蝙蝠状態にもなれるのか…便利なもんだな!
だが僅かだが引き気味の彼女を行動不能にさせるなら今しかない。
炎月【クレセントシャイン】
「またこれ!?も〜面倒くさいなあ!!」
そうそう、苛立たせて思考力を失くしてくれ。
知性のある破壊者ほど怖いものもあまり無いからな。
禁忌【フォーオブアカインド】
「がっ!?」
まさか分身して拘束の外に出る事で抜け出してくるとは・・!
分身に掴まれ空中に持っていかれる、そしてそのまま勢い良く下に投げられ。
「「「「堕ちちゃえ!!」」」」
待機していた3体の分身に大弾を放たれ勢いの着いたまま被弾した俺は激しく叩きつけられてしまう。
「まだ立つのね、大人しく倒れていれば楽に壊してあげたのに。」
立つくらいがもう限界だ、視界がボヤけて腕も動かないし片方は失った状態。額や腹から血が大量に流れて地面に水たまりのようになっている。
そんな意識が朦朧としている中で一つの名が頭に流れてくる、それは懐かしいと思える名だった。
「今度こそ終わりよ、ぜえんぶコワレチャエ!!」
禁忌【レーヴァテイン】
彼女の雰囲気がガラリと変わった、狂気が前面に押し出されているのが嫌でも分かる。
以前のとは大きさからして段違いの炎の剣に見立てた杖が出てくる、あんなのを振り下ろされたらレミリアも巻き込まれるだろう。
即座に俺は炎の剣を構え、頭に一つ浮かび上がった名を継げる。
完炎【ヘルブレイザー】!!!
ーーーーーーーーーーーーーー
「ちっ、此処の輩は存外しぶといな!ミラ!あまり前に出るでないぞ!」
「遠距離形の私がそんな大胆な事出来ないっての!ああもう!撃ち抜いた途端にニョキってするのやめなさいよ!」
飛行機目指し人の皮を被った化物に突撃したは良いものの奴等の回復能力の高さを侮っていた。
斬れども撃ち抜こうともすぐに再生してくるのだからキリがない。
「斬り捨てるのは止めだ、斬って死なぬならば…」
神将が呟く、すると雲一つ無い空が灰色に染まってゆく。
空から神将の持つ矛に稲妻が激しく落ちたかと思うと、矛が稲妻を纏って眩く輝いていた。
「我が矛、魔を討とうものなら破滅の名の下に其の名を轟かせよ!!」
「壱ノ矛、乱爪頭、散らせい!!」
神将が矛を地面へ突き刺す、すると空港全体に稲妻が奔り化物を次々に焼いていく。
「よし、今だハイジャックするぞ!」
「は?ちょ、まあぁぁぁ!?」
化物が焼け死んだのを確認すると、神将は私を引っ張って飛行機まで持って行かれる。
「ちっ、ご丁寧に座ってる奴もいるか。ミラ。機内の奴等を殺ってくる外の奴等を入れさせるなよ!」
「お早目にねっ!!」
「やりづらいな!飛行機とかいうのはこんなド狭だったのか!」
「もう!ほんとあいつら硬すぎる!ゾンビか!!」
撃っても撃ってもすぐに再生してくる為、完全に押され気味だ。
最初に居た数から見るからに増えている、多分街の方から集まってきてるんだろう。
「ミラ、これ使え!」
「は、銃!?物騒なもん投げてくるわね!?てか使い方分かんないわよ!!」
「引き金だけ引けばいい、工程は済ませてあるからな!」
「まさかこんなとこで銃初体験なんて思いもしなかったわ、よ!?」
引き金を引いたら弾が出るかと思えば耳を裂く程の轟音と共に炎の塊が直線的に飛んでいった。
「うっそお…」
炎の塊は敵どころか、地面を抉っては空港を超えて家屋を焼き尽くし破壊していく。
恐ろしい破壊力による反動で後ろに転んでしまった。
「神将…なにこの銃…」
「そいつは発射までが苦労するからな、私なりに改良したのだ。どうだ?気持ちの良い破壊力だろう?」
「反動で吹き飛ぶところだったわバカ!」
「痛った!?おのれえ…そら、内部はもう全て始末した出発するとしよう。」
「いいけどさ、神将。」
「何だミラ?」
「あんたが飛んだ方が早かったわよねこれ。」
「そ、そうかもな、ハハハ」
「絶対自分で飛ぶのが面倒臭いって感じで飛行機を選んだわよね?」
「ミラ睨むな、面倒というよりかはその・・乗りたかったのだよこれに。」
「・・・・・お子様かあんたは・・」
「私の時代には無い物だから良いだろう!とにかく他の輩が来る前にゆくぞ、日本までの長旅だ。」
お読み頂き有難う御座います~。
次回は7月2日に投稿します。