「霊夢、その格好寒くないのか?」
「寒いからあんたを借りてきたんだけど?」
「そ、そうだったな…」
強引に霊夢に引き連れられた俺は氷の張った湖の上を飛んでいる、本来なら春の時期だが何処もかしこも一面雪景色だ。
「なあ、これどこに向かってるんだ?異変の原因とかもう掴んでるのか?」
「適当よ。」
「え!?目星付いてる訳じゃなく!?」
「そこら辺適当にぶらぶらしてれば何か出てくるわよ。ほら、あの氷精とか。」
霊夢が指差した先には湖に住み着いている妖精、チルノが凍りついた岩に座って寛いでいる。
「お、煉と巫女じゃん。何かあったのかい?」
「もしかしてとは思わないけど、あんたが黒幕?」
「へ?黒幕?そりゃ美味しいの?」
「チルノ…食うもんじゃないから、しかも疑われてるから。」
自身が適当な勘によって今にも討たれそうになっているのに全く危機感を感じていない、レミリアとの異変以降知り合ってからちょくちょく顔を合わせていたが無知なだけか馬鹿なのか良く分からん。
「チルノ、取り敢えず逃げろ。鬼巫女モード発動しているぞこの巫女様。」
「鬼巫女って私の事よね?」
「ジョークで御座いますよ巫女様。チルノは春を越させなくさせる力なんて無さそうだろ?無害に一票だ。」
「ははーん、さては最強のあたいに挑もうって事ね!良いよ!今度こそ英吉利牛と一緒に氷漬けにしてやる!!」
「チルノオオオ!!庇おうとしてるのに意味分からん挑発するんじゃない!!」
「やっぱり黒幕っぽいから潰してくるわね。」
「来い!鬼巫女!!」
︙
「チルノ…南無三…」
チルノは霊夢に速攻で札と針に刺され落ちていった、俺は止めようとしたんだ悪くない。
「ま、黒幕じゃないわよねー」
「分かってたなら討たんでも良かったろ…」
「鬼巫女扱いしてきたからね、煉に針投げなかっただけ良いと思いなさい。」
「暖房代くらいは発言自由が欲しいぞ…」
ずっと周囲を暖かくする能力を使って俺と霊夢の周囲の気温だけ暖かくなっているが徐々に疲労感が出てきている、少しは報酬が欲しいものだ。
「帰ったらお茶3杯分無料で暖房代はチャラに。」
「常時能力使用でお茶3杯って安くないか!?」
「あら、私のお茶は安いと…へぇ、それっぽいのが居るわね。」
「活きが良いわねえ、人間って冬眠とかしないのかしら?」
「残念、私はしない派よ。ところでこの寒いのどうにかしてくんないかしら?」
「あら残念、私は寒さが象徴だから寧ろ歓迎。春と夏は来ないで欲しいわー」
「そりゃ残念ね、春を取り返さないと雪かきが大変だし参拝者も来ないしで良い事無しなのよ。」
霊夢が針を取り出し戦闘の構えを取る、怪しい者は取り敢えず殴るはどうかと思うが
暖房の為に連れてこられたし干渉はしないで傍観に徹しようと思ったのであった。
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「なーんにも無い!」
「なーんにも無いな。」
結局神社には何も無く手ぶらで山を下りている、何も無いどころか腐った物を食べてしまった事で気分はガタ落ちだ。
「まあ、徒労に終わる気はしていたがな。不可思議な場所というだけで結界があるとは限らんし。」
「どうするこれから?」
「素直に【幻想郷知りませんか?】とでも聞いていくか?」
「それしかないかなー。はぁ…お煎餅になんて手出さなきゃ良かったわよ…」
「人の物に手出しゃ、罰も当たるさ。腹を下してない様だし後悔しなさんな。」
︙
︙
「ミラ、感じるか?この気配、サーヴァントが接近してきている。」
「まさかここで御出ましとはね、倒すついでに幻想郷への行き方でも聞いとく?」
「おま…なんと気軽な…」
「そう気軽に倒すって言われたら悲しくなっちまうよなぁ?」
「!?ガーディアン!!」
声がした方へ向くと、木の枝で刀を持って座り込んでいる中年の男が居た。
その男から発せられるのは殺気と魔力とは異なる雰囲気を持つ力。
「慌てるなミラ、すぐに仕掛けてはこんようだ。しかし運命とは残酷なものだな、まさか自分を殺した相手に再び会おうとは。」
「殺したと言っても望んだ形では無かったけどな。逆にこっちは運命に微笑まれたかねぇ、何せてめぇを真っ当に殺せるんだからなぁ!!!」
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次回は27日投稿予定です。