「春ですよ~。多分。」
雲の上まで昇ろうとしていると、すれ違いざまに春告精が不安げに春を告げていた、こっちをチラ見しながら。
「早く春取り戻して来いと言わんばかりに睨まれたな。」
「妖精はそんなもんだから気にしなくていいわよ。」
そう妖精を一括りにせずとも…大妖精っていうまともな妖精がいる事を知ってるんだぞ俺は。
「てかさ、ここ雲の上だよな?桜が暴れてんだけど」
桜が舞うのは普通だがここは桜の木よりも遥か上、幾ら風が強かろうとここまで桜が舞ってるのはおかしい。
「あそこで意味ありげに待ち構えてる門番にでも聞けば良いんじゃない?歓迎してくれそうよ?」
霊夢が見ている方向には結界が貼られている門があり、門前に金髪の女性が浮かんでいた。
しかも隣にバイオリンを浮かせている、こんな所で演奏してても観客は来ないだろうに。
「演奏でもしてくれりゃ桜も映えるだろうけど、あれは弾幕で映えさせてきそうだな…」
「帰った方が良い、とか無駄だよね。」
「無駄ね」
「帰りたい」
「良いよ〜見逃してあげる〜。」
「姉さん!もう、盛り上がり無く終わらせるつもり?」
「一人増えたぞ?」
隠れていたのか白髪の女性が大声で金髪の女性を咎める、そして横にはトランペットが浮かんでいる。
「ニ対ニだからトントンよ、何も問題ないわ」
「ざーんねん三人目がいたりする。」
「紅魔館の門番より豪勢な門番だな。」
まさかの三人目が登場してきた、栗色の髪をした女性でキーボードを浮かばせている。
しかし参ったな、三対ニの弾幕バトルは流石に遠慮したいんだが。
「別に門番じゃないよ?ただ屋敷の幽霊に演奏隊としてお呼ばれしただけ。で、貴方達はお呼ばれしてない。」
「幽霊にお呼ばれはされたくないわね〜」
「ほらほら幽霊のお仲間になる前に帰った帰った。」
「残念ね、手土産もう一つ増やして行くことにしたわ。」
「そんじゃ霊夢3VS1頑張ってな、俺は観客にでもなってるわ。」
「あんたが離れたら凍え死ぬでしょうが!!」
「観客じゃつまらないわよ?観客を魅了し引き込んでこそのライブでしょう!」
スペルカード展開
騒符【メルラン・ハッピーライブ】
「ちょい!?音量でかすぎるって!?」
耳が裂ける程の音量を音符形の弾を出しながら流してきた、こんな開けた場所でこれだけの音を出せるのはある意味凄い。
「ちょっと!この爆音何とかならないの!?」
「ならないよ、メルランを一度乗り気にさせてら暫くは止まらないから。」
「そうそー、だから〜。」
「「私達の演奏も聴かせてあげよう!!」」
スペルカード展開
神玄【ストラディヴァリウス】
冥鍵【ファツィオーリ冥奏】
「全くやりにくいわね!うるさいったらありゃしない!!」
スペルカード展開
霊符【夢想封印 散】
︙
「ほらほら、避けてばっかじゃ楽しくないわよ!」
「スポーツ感覚で痛ったいの飛ばしまくって楽しくなるわけないっての!!」
「ほら、桜と相まって綺麗じゃない?」
「ポジティブに聞いて無いフリするねえ!?」
「ああっ!もうそろそろスペカの残数あんまり無いから使いたくないんだが!」
スペルカード展開
燃焼【炎陽玉 天破】
巨大な炎の塊を生成し、彼女の弾幕と演奏音を纏めて掻き消してゆく。
「凄い爆音ね〜、音量は良いけど綺麗じゃないわね!」
「あっ」
霊夢のすっとぼけた声が飛んできた直後、俺の真ん前を札や針が横切っていく。
あまりの速さに当たっていないのに横切った時の風で肌がスパッと切れるほど、直撃していたらどうなっていた事か。
「ちょ!?俺をぶっ殺すつもりか霊夢!」
「いやだって、あんた囲まれてるわよ?」
「リアリィ?」
ぐるっと見渡すと見事に三人と大量の弾幕に囲まれていた、空に敷き詰められた色とりどりの弾幕を掻い潜るのは流石に無理なので霊夢に視線を寄越すと嫌味のある笑みを返してきた。
「三対一でとか言った仕返しのつもりかあんにゃろう・・」
「まあまあ~君を落としたら次はあの巫女を落とすことに変わりはないよ。」
「リリカ、その物言いは物騒だよ。」
「いくら人間相手だからって甘くしないでよ姉さん!」
「大丈夫。逃げも避けも出来ないよ、彼はもう私達の演奏にしか耳を持たなくなる。」
「ああ~・・俺の耳持つかなこれ・・」
スペルカード展開
合葬【プリズムコンチェルト】
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【狩猟刀、御頭奉殺】
(来るか、しかしその妙技、私が忘れると思ったか十軍。)
「な、に…!?」
「確かに首から上を守り抜く宝具は便利よな、貴様の様な首斬りには滅法強い。」
「ちっ!てめえ生前はそんなもん持ってなかったろう!!」
「敢えて隠し持っていたのだよ。それより貴様、明らかに手を抜いてはいないか?」
「手加減しているとでも?」
「しているだろうに、本来の貴様ならこの山ごと斬り落とすくらいの事はしていた筈だぞ。」
「こっちの力量はちゃっかりお見通しってか。」
「大方、故郷を荒らす様な真似はしないという事だろう?無駄に長年争っちゃいなかったさ。」
「察しの通りだガーディアン、ところで俺のマスターは…
【そこまでですよチェイサー】
「チェイサーのマスター!?」
神将とチェイサーの前に長い銀髪の女性が現れた、サーヴァントとサーヴァントの間に入って来るなんて命知らずじゃ・・
「ほう、貴様のマスターは出たがりなのだな。わざわざサーヴァントの前に出張るとは。」
「おいおい、マスターは引き篭もってるんじゃなかったのか?」
「ええ、そのつもりでしたが予想以上に長引いてるので見に来ましたよ。そしたら案の定余計な事を口走ろうとしてますね。」
「余計な事口走らせたくなかったら、もう一画令呪で喋るなとでも命じりゃ良いだろ。」
「そんな事に二画目は使えませんね、まあ今のでガーディアンの戦力は計れましたからもういいでしょう。」
「殺すんじゃなかったのか?チェイサーである俺に敵を見逃させるつもりじゃあるまいな?」
「どうあれ貴方ではあのガーディアンを傷付ける事は可能でも殺しまでは無理ですよ。例え追撃者でもね。」
「ならマスターが殺せるってか?」
「いえ、殺すより他のサーヴァントと殺し合いでもしてもらいましょう。そちらの方が幾分都合が良い。」
「都合が良いと思うのは勝手だが、容易く応える私だと思うなよ?」
「ええ、ええ、解っていますとも。【人間】として現れただけのこの姿では貴方の言う通りでしょうね。」
「な!?」
「嘘!?」
チェイサーのマスターが緑色の風に纏われ、簡素なシャツから金色のラインの入った白いドレスに変わり、人で無い事を示す様にギラギラと輝きを放つ金色の翼が現れた。
「申し遅れました、ガーディアンのサーヴァント。私は贈呈の神であり、神の護石の一柱たるプリゼントで御座います。」
「まさか最高神ゼウスの下僕がマスターとはな、叶える者が叶えたい願望などあるものかね。」
「ええ、ええ。ごもっとも、お答えしたいのですが話す様な時間は必要ありません。貴方がたには一度ご退場願いましょうか。」
「させん!!」
「一足遅いですよ、贈風(チェンジ)」
お読み頂きありがとう御座います~。
次話は22日までに完成させたい所、イラストも練習してるから中々時間が足りない・。・