「桜の道案内か、死人の世界なのに風情があるな。」
霊夢と別れ、黒幕が居そうな一際大きい巨木を目指して飛ぶ。
巨木には絶え間なく桜が集まっていくのを見ると春が来ない原因は十中八九それだろう。
「霊夢の奴大丈夫かな。」
相手も少女ではあったが刀を二本持っていた、霊夢は超人的な強さはあれど身体は人間だ。
刀で斬られれば死ぬ可能性もある、弾幕勝負が基本とは言え、刀と対峙するのは不安が募る。
「あいつの事だ、どうせ無傷で黒幕も倒すんだろうな。」
「絶対ただの桜の木じゃないだろこれ…」
桜が集まる原因の場所に着く、それは集めた桜でどんどん形を成していく異様な桜の木。
そしてその前に一人の女性が姿を現してきた。
「ここまで来るなんてね、最近の人間は死にたがりなのかしら?」
なんとも美しい女性だった、鮮やかでゆったりした淡い青の服を着こなしている、そのフワフワしていて尚且つ儚さを感じさせるその風貌は桜と思わせてくる。
「あー…お聞きしたいのだが、その桜の主でございますかね?」
「ええ、西行寺幽々子。この冥界の管理者であって勿論この桜も私の管轄、5割くらいね。」
「してもう5割は?」
「この桜、西行妖っていうんだけどね。実は満開にすると何者かが復活するって話なのよ。」
「何者かは分からんから5割なのか、大量の霊が復活でもしたら処理してくれるんだろうな…」
「で?貴方は何をしに来たの?花見かしら?」
「花見だったら良かったけどな…春を返してもらわないと永遠に暖房係させられそうなんだ。」
「それで?」
「返してくれませんか?春。」
「うん、だめ。」
「荒事は避けたいという俺の切な思いを汲み取ってくれよ…」
「意外ねぇ、貴方はそういうの好きだと思うんだけど。」
「一応ここの連中よりかは温厚派だと自負してるんだけどな。」
「そう?さっき私が拒否した時にまるで殺し慣れた殺人鬼みたいな目をしてたけど。」
「殺人鬼って…」
「まあいいわ、貴方は春を取り戻す私は春が沢山必要、さてどうしようかしらぁ?」
「戦う、以外の返答は要らないんだろ?」
「その通り。戦いたくないとか言ったら即、幽霊の仲間に入れてあげる所だったわ。」
「そうなりたくないのでなるべく全力でやらせて貰うよ。」
スペルカード展開
亡郷【亡我郷ー自尽】
(スペカ使いたいんだが、いざという時に取っとかないとな…)
言いつつも彼女の放つ弾幕とレーザーが左右から閉じるように迫ってくる、とってもスペカを使いたくなってしまう。
弾を撃ちつつ避けているもののまともに喰らっている気がしない、というか弾幕の濃さで彼女が見えないのだ。
「埒があかんな!」
被弾覚悟で弾幕を掻い潜り彼女に撃ち込める位置へ飛ぶ、ジリジリのレーザーを体に受けながら彼女を視認する。
「留まるのは無理かっ!」
「後ろを取るつもり?そう簡単には行かないってね。」
「そうかい、こっちもそう簡単には落ちないね!!」
彼女の背後に回った直後に彼女に向かって炎剣を振り下ろす、すると彼女は扇子を素早く手に取り炎剣をそのまま受け止めた。
「女の子にそれは暴力的過ぎないかしら?」
「安心なされ、ちょいと魔女様に弄られて物理的な傷は与えない仕様になってるって話だからな!」
「それは都合良い代物ねぇ~、私も欲しいわぁ。」
「頂き物の剣で良ければどうぞッ!」
「じゃあ頂くわね。」
「な!?」
彼女が扇子を開く衝撃に押され怯んだ所に、彼女の扇子が腹を突き、彼女の脚が脇腹を抉る。
「お淑やかに見えて意外と好戦派だな!?」
「あらあら人を見る目が無いわねぇ、少しは見る目を鍛えないと早死によ?」
「もうここに居る時点で半分死にそうになってるけどな!!」
大きめの炎弾を数発撃つも軽く避けられる、彼女は炎弾などに構わず強く前進し扇子と炎剣で俺を斬り飛ばしてきた。
モロに食らうのだけは避けれたものの、扇子で強く打たれたのか左腕が動かなくなってしまった。
彼女は余裕の笑みを浮かべると上へ上がり、スペルカードを発動させる。
スペルカード展開
亡舞【生者必滅の理ー魔境】
「不味い!」
スペルカード展開
燃焼【炎陽玉ー裁破】
惜しみながらもスペルを発動しつつ彼女に対して直線的な弾を撃つ、スペカによって彼女の弾幕は消えている為、遠くからでも十分狙える。
しかし狙う前に俺の左右後方から高速でナイフと星が彼女に当たりに行く、彼女は予想外の弾に回避出来ず正面にガッツリ喰らってしまった。
「誰!?」
「そりゃあ誰だって?決まってるだろ?」
「とっくに来るはずの春を取り返しに来た」
「「通りすがりのメイド(魔法使いだ)よ。」」
お読み頂きありがとう御座います~。
次話は14日までに出したいという予定