※この作品はR-18です。

狂愛神話~Harlem or Buddy〜   作:サナ

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冥府に咲く雪華

【反魂蝶ー八分咲】

 

黒いモヤが西行妖の中央へと上がる、霊夢が倒した筈の幽々子はいつの間にか消えて姿が見えない。

浮かび上がった黒いモヤは淡い桃色の魔法陣を展開すると怒涛とも言える量の弾幕を放ち始める。

 

「今度は何?無言で弾幕撃ってきてるけど。」

 

霊夢がすかさず貼った陣によって被弾せずに済んでいるものの、弾幕の威力が高いのか陣がメシメシと音を立てている、しかもよく見りゃヒビが入っていて危険な香りしかしない。

 

「何が何だか分からんがとにかく、力押しだぜ!!」

 

スペルカード展開

   恋符【マスタースパーク】

 

隣から魔理沙が我任せろと言わんばかりに八卦炉を突き出す、宣言した直後に八卦炉は光を小さな身体に集め続け、抑えが効かなくなったのか全てを吐き出す勢いで豪快な光の束を撃ち放つ。

 

「ちょ!?落ちないどころか効いてもなさそうだぞ!?」

 

魔理沙が自信たっぷりにブチかましたマスパは黒いモヤを怯ませる事なく虚しく潰えていく。

 

「厄介ね、弾切れを待つのも良いけど死に物狂いで誰か突っ込んでみる?」

 

「霊夢さん?何故俺の方を見ながら話す?」

 

霊夢がジロっと俺の方を横目で見ている、貴女の言う誰かは既に決定からているんでしょうねチキショウ。

 

「スペカは無いし耐久高いからってことで後は解るでしょう?」

 

咲夜が俺に理解させるように便乗してくる、もしや幻想郷では男の人権は無いに等しいのだろうか?人里の男連中も奥様方に尻敷かれてたしな…

 

「咲夜にしては珍しく急かしてるわね?」

 

「早めに帰らないとお嬢様がお怒りになるのよ、お暇な暇人と違って多忙だから」

 

「さらっと貶すなって。暇は良いもんだぞ?」

 

「貴女の場合は四六時中暇じゃない。」

 

「それは失敬だな、魔法の研究に至ってはしっかり本を借りてやってるからな。」

 

「まさかまたパチュリー様から盗んだっての?」

 

「盗んだとは人聞きの悪い、死ぬまで借りるだけだって。」

 

「へえ…じゃあ今死なせてあげましょうか?」

「あんたらねえ!茶化しあってないで飛んでくる弾なんとかしなさいよ!!」

 

防壁として耐え続けている陣が悲鳴を上げているということで、陣の横から弾幕を撃ち落としている。

しかしまあ、俺と霊夢だけだと相殺できる弾幕量はたかが知れていて、魔理沙と咲夜のお二人は仲良く談笑中に霊夢はキレる。

 

「時止めて斬ってきたけど意味無しね、物理が効くようなもんじゃ無いわ。」

 

咲夜がナイフを戻しながら溜息混じりに戦果を告げる、何一つも違和感なく時間を止めているから咲夜は恐ろしい。

 

「あれどう見ても桜の下から出てきてたよな?まさか眠ってた奴が復活しちまったな展開か?」

 

「ああ…そいつはまた面倒だな。咲夜、時止めれるならあいつを土ん中に戻してくれよ。」

 

「馬鹿言わないでよ、時止めても動くのは私だけなのよ?それにさっき物理は無理って言ったじゃない。」

 

「そりゃそうだった、じゃあどうする?このまま止むまで嵐みたいな弾幕を耐え凌ぐか?」

 

「そうしたいけど無理みたいね、もう陣が崩れ始めてるわ。このままだと四人まとめて被弾するわね。」

 

「そいつは悲報だな、で?さっき軽く流したが俺が壁になるとかは確定なのか?」

 

「大丈夫よ、煉なら行けるって〜」

 

霊夢が良くも悪い笑顔しやがった、本心は絶対に早く行って犠牲になってこいって所だな・・

 

「猫被るな、あー…この弾幕を突っ切るとか正気の沙汰じゃねえぞ…」

 

弾幕が陣を叩きつづける、止むことのない大雨を連想させるそれは台風の日に傘を持たず出かける事程に嫌な気分だ。

 

「綺麗ではあるんだがな…」

 

正直恐ろしいのに見惚れるものだ、彼女も美しければ弾も相応に美しい。

あれが火傷するものでなければ良かったのだがそんな現実は厳しいな。

 

「まあ大丈夫さ、伸びてる所を担ぐくらいはしてやるから安心して 逝って来い。」

 

魔理沙、最後少し間を空けたのは何だ?全く安心出来そうにないぞ。

 

「しゃあなしか、んじゃちょっくら根元の辺りに突っ込んでくるから後はよろしくな。」

 

「で、その後に私達がそこに弾幕を撃ち込むと、それで消えたら良いけどねえ。」

 

炎の壁を盾に霊夢の陣から飛び出る、自分で言うのもなんだが俺の作る盾は霊夢のに比べて脆い。

 

早速壁がビキビキと音を立てヒビ割れていく、まあ自爆特攻をしに来てるのだから被弾は覚悟の上だ…

 

「まじか、あんな所に倒れてるとは」

 

根元の影に幽々子が倒れている、このままだと三人のスペカがお構いなしに幽々子に襲いかかってしまう、間に合うか?

 

「色々触れるが許してくれよっ!!」

 

幽々子を担ぎ上げ直ぐ様離れる、容易に触れてはならん所に触れてしまうが状況が状況ゆえ気にしてられない。

 

スペルカード展開

   魔砲【ファイナルマスタースパーク】

 

スペルカード展開

   メイド秘技【殺人ドール】

 

スペルカード展開

    夢符【退魔符乱舞】

 

三人の弾幕という名の砲撃が西行妖を貫く、弾幕を止めどなく撃ち続けていた黒いモヤは散り散りになって消えていった。

 

西行妖に集まった桜が散ってゆく、冥界に舞っていた桜もまた現世へと引き戻され冥界は真っ白な世界へと変貌する。

 

春を失った西行妖に雪が積もる、まるで赤子を宥めるが如くに雪は西行妖を静かに眠らせ幻想郷に春は帰ってきた。




お読み頂きありがとうございます~。

次回は17日前後予定です~。
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