「う…あ…あぁ…」
頭がグラグラしている、風呂で女の子がすっぽんぽんで俺の肩をソフトな手でタッチしてきたのは衝撃的で鮮明に覚えてる。
「まさかここ警察とかじゃないよな?」
見知らぬ天井見知らぬ部屋、収容所だとしたら少し派手だが…
身を起こして目に入るのが壁に飾られた鳥の形をしたステンドグラス、光が差し込んでいないにも関わらずギラギラ輝いている。
眩しいと思いながら体を起こす、軽く男性用のシャツとパンツを着させられているが誰が着せたんだろうか?…いや、あの子が着せたのだとしたら俺の体をくまなく見られたのか?
「あら、無事に起きれたみたいで何より。ごめんなさいね、こいしが勝手に連れてきちゃって。」
「え?あ、ああいえとんでも……まじかあ…」
この人にも風呂場で会った子と色は違えどコードみたいなのがある…という事は家族?
極度に体が冷えていく、今であれ平常ではあるが彼女が喋っていたらとてもマズい!
「ほんとは人間が来て良い場所じゃ無いんだけどねえ…あの子そこらへん解ってないから。でも安心なさい、喰らったりとかする類の者じゃないから。」
「そ、そうですかー!あ、ご迷惑でしょうしお早めに失礼しますね!!」
何としても最悪の事態だけは避けなければ!
「あー!お兄ちゃん起きたんだ!!良かったー!」
良くねえええええええええええ!!!!
元凶来ちゃったじゃんかーー!!
「お、終わりだ…俺は無実、無実なんだよ…」
「こいし?貴女何かした?あの人あからさまに絶望してるけれど…」
「うーん…どうしてだろう?それよりお姉ちゃんあの人の心は読めないの?」
「やっぱり駄目ね、読めないわ。貴女の事も視えたのよね?」
「うん、凄いよ!人間にしては珍しくてつい持ってきちゃった!」
「ついじゃないわよ…本当ごめんなさいね。貴方が倒れていたのをこいしが見つけて連れてきちゃったみたいで。」
こいしという元凶を見ると口元に指を当てて「喋ってないよー」とジェスチャーをしている、おのれぇ…
「さて、帰すにも今は難しい状況なのでここで少し休んでいて下さいな。」
「難しいとは一体…?」
「ここは地上ではないのですよ、光に忌まれた者が住まう地底になります。地上へ出る為の穴が現状間欠泉で通れなくなっているので収まるまではここにいらして下さい。」
「か、間欠泉…地底…えらいとこに連行されたな俺。」
「飲み物でもお待ちしますよ、紅茶とコーヒーどちらにします?」
「え、じゃあ紅茶で。」
「はい、では寛いでいてください。こいし他人の前で帽子を弄るのはやめなさい。」
「はーい。」
こいしが自分の帽子を裏返したり折り曲げたりして遊んでいる、男湯に知らぬまま入ってたし色々と大丈夫かこの子…
「いや~ビックリしたよー、お兄さんいきなり気絶しちゃうんだもん。」
「ああ逆上せてな、長く風呂に浸かりすぎたみたいだ。すまんな、迷惑かけて…」
流石に本人の前で「裸の君に興奮したんだ」とか言える訳ないって。
こいしは帽子遊びをしながら俺に向かって話しかけてくる、なんとも奇妙な。
「えとお前さん帽子好きなのか?さっきから帽子いじくり回してるけど。」
「うん?あ、いつの間に私帽子触ってたんだろ?」
「気づいてなかったのかよ!」
「私無意識操れるからねー」
それ無意識操れて無いですよねえ…無意識に飲まれてる方ですよねえ?
自覚したというのに未だ帽子を弄っているのを見る限り無意識云々は間違いでは無いんだろう。
「お待たせしました、レモン要ります?」
「お願いします、おお程よい味だ。」
茶葉の上品な香りとレモンの酸味が喧嘩せずに仲良くなっている、
「間欠泉はいつ頃止まるとか分かるのか?」
「長引きはしないですよ、今ペットが間欠泉を止めに向かってますので。」
「間欠泉を止める、ねぇ…」
どうやって止めるんだろうか、それをペットがやるというのもどうかと思う。
「疑ってますね?うちのペットは優秀な子が多いので問題無いですよ。まあ、一匹記憶力の悪い子が居ますけども。」
「まさかその一匹に?」
「はい。やらせました。」
やらせました。じゃない、このまま帰れなかったら俺は地底人として未来発掘されるぞ。
そんなこんなで雑談を暫く続け、地霊殿に居座り数時間が経った。
外に出れば獣さまよう深夜、まっすぐ紅魔館に帰ると暇を持て余したフランとレミリアが早々弾幕ごっこを仕掛けてきた。
ヘビーな一日だなこりゃ…
お読み頂きありがとう御座います~。
近日こちらの小説をリスタートする事にしました、理由としては出だしを勢い良く間違えていたのと、読みにくさが目立つので新たに一話から始めます。
URLとタイトルはあらすじかここに貼るのでもし気になる方がいれば覗いてみてくださいませ。