敵わぬと知っても超えれないと理解していようとも諦める事は無い。故に戦い続ける、遠き日の願いと約束を叶える為にも此処で終わるつもりは無い。
煉「……ぁ…此処は…?っ…」
どうにも記憶が無い。何故此処に居るか、何処から来たか、何をしていたかも分からない。分かっているのは今が夜の時間帯と森の中に居る事そして自分の名と一般常識的な物だけである。
煉「頭が痛いな…取り敢えずこんな所で寝るのは御免だし…あそこで休ませてくれるよう頼み込んでみるか。」
少し先に赤い館の様なのが見える。森の中からでも見えるのだから相当大きめな館だろう。何であれ誰か住んでたら泊めて貰いたい何処かも分からない土地で野宿したいと思えるほど冒険心は無いのだ。
煉「うえ、近寄りたく無いなありゃあ…」
森の中ならば大抵居るのが虫だが、その中でも特に蜘蛛が苦手らしいな。しかも中々のサイズである、お近づきになりたく無い絶対。
煉「しかし中々にでかい館だなこれ…」
人が住んでるとすれば相当な貴族だろうか。
こんな西洋系の見るからに豪華な館を見ると自然と貴族だと思ってしまうな…
そのまま近づいていくと開けた場所に出て湖も見えた。そして館はもう近く、門だろうか?女の人が立ちながら…寝てるのかあれ…
煉「あのー、すいません少し良いですかね?」
起きない。どうしようか…泊めてもらえなければ野宿になってしまうし正直野宿したくない理由が、さっき虫が本能的に苦手だとさっきビックサイズの蜘蛛を見かけて相当な拒絶感を感じたからで、あの8本足とか動きとか見た瞬間反射的に逃げ始めていた、何にしろ何処かも分からない所で野宿はしたくない。
???「zzz…」
煉「あのー起きてくださいません?」
???「zzzz……」
先より少し大きめに言うがそれでも起きないぞ…このまま入って行くにしてもそれは不味いだろうしなぁ。
女性に触れるのは慣れても無いのだろうか凄い気が引けるがやむを得ん。力ずくの交渉といこうか!!
煉「ゴファっ!?!?」
と、揺すって起こそうとした瞬間に腹に拳を入れられ勢い良く吹っ飛ばされた。
煉「そりゃあそうなりますよねー…」
木を2〜3本折って俺の身体はやっと止まり
立ち上がる事も出来ずそのまま気を失った。
煉「んあ…?痛たたぁ~」
目が覚めたらまた頭が痛かった。
一応中に入れてくれたらしい。しかし周りが一目見た感想で言えば赤い。床が赤ければ壁も赤いな、照明や置いてある椅子とか見るからに高級感に溢れておりベッドもまた赤く、レース付で無駄に広い寝心地が非常に良くフカフカで丁度良い弾力が…イカン。人を駄目にするベッドだなこれは。
ベッドのフカフカ加減に怠けていると扉がノックされメイド姿の女性が現れた。
なんと、マジもんのメイドさんを見るのは初めてだな、しかも銀髪と来た。良い…特に脚の部分が輝くような…
???「失礼致します、起きて早々ですがお嬢様がお呼びですので私に付いて来て下さい」
煉「え?あ、はい。」
お嬢様と来たか、こんなプロポーションばっちりなメイドさんのお嬢様だし、凄そうな予感が…
???「こちらです。」
メイドさんに連れられ部屋に入る。中は非常に広く此処も全体的に赤い。そして部屋の奥に女性が座っているのだが
???「初めまして、私はこの紅魔館の当主、レミリア・スカーレット。こっちのメイドは十六夜咲夜。」
前言撤回
ちっこい。第一印象がそれしか無かった、確かに高貴そうなドレスを着ているしお嬢様的な雰囲気は感じる。だがな小学生と言われても何も違和感ないぞ…
そしてあれは羽か?蝙蝠のような羽が付いてる人間じゃないのか?
煉「ああ、初めまして。ところで羽みたいなの生えてるけど人間以外だったりするとか?」
レミリア「ええ、吸血鬼よ、その様子だと畏れもしていないという感じね。まだ私の存在をこの地に知らしめていないとはいえ傷付くわね。」
レミリアという吸血鬼が落胆して溜息をついている
なるほど吸血鬼か。何故かは知らんが全く怖いとか種族違いによる差別視みたいな感情が沸かない、それどころか意味分からない事に親近感さえ憶えるのは何なんだろうかね。
レミリア「それより、うちの門番が迷惑掛けたわね、当主として謝罪するわ。門番としては珍しく働いたんだろうけど敵意無しの訪問者を眠りながらねぇ…そういうのはちゃんとした敵とか侵入者にやって欲しいんだけども」
そういや女の人にぶっ飛ばされて気を失ったんだっけか盛大に吹っ飛んだよなあ…良く死ななかったものだ。
レミリア「咲夜は下がっていいわ、後で美鈴にも直に謝るよう言っておいて」
咲夜「畏まりました、お嬢様。」
咲夜と呼ばれたメイドさんが一礼して消えた、消えた?
レミリア「驚いてるみたいね、咲夜は時を止めてるだけでそう大したものじゃないわ。」
さも、時を止めるのが当然の様に言ったけど普通は出来ないからな。
レミリア「さ、私はもう名乗ったんだし、貴方も名乗りなさいな」
煉「ああ、俺は神龍 煉。どこから来たかも何をしてたかも記憶が無いから名前しか分からないんだが宜しく、レミリアお嬢様?で良いのか?」
レミリア「煉ね、私の事は呼び捨てでいいわ。本来なら名を聞くまでも無く食料にでもしておくんだけども」
恐ろしい事をさらっと言い放ちましたよこのお嬢様。
レミリア「美鈴が貴方を吹き飛ばした後に貴方、無傷だったのよね~美鈴はあんなんでも妖怪。人間なら即死してる筈だけど。」
煉「確かに五体満足外傷無しだけども、運でも良かったとかだろ。」
レミリア「上から見てたけど美鈴は寝ながらでも中々の一撃を打ってたわ。運にせよ丈夫にせよ貴方は何か持ってる。ねえ、記憶も無くたまたま此処に泊まりに来たと言う事は他に行く当て無いのよね?」
煉「まあ、そういう事になるな。」
レミリア「じゃあ、条件付きで此処に住まわせてあげる。どう?呑む?」
煉「そうだな、行く宛なんて無いし野宿もしたくないから住まわせてくれるなら有り難い。して条件の内容とは?」
ずっと座っていたレミリアが立ち上がりこちらへ向かってくる。
レミリア「明後日に異変を起こそうと思っててね。起こしたら博麗の巫女が多分、いや確実に止めに来る。そこで貴方には巫女と戦って貰う。」
煉「待て待て、何をやらかすつもりだ、それに戦うと言ったな?俺は武器になる物なんざ持って無いし、ただ丈夫だったってだけで戦うとかそれはなぁ…」
レミリア「タフさだけならそうもさせないけど貴方は………いえ、何でもないわ。此処のルール上では弾幕を撃つみたいだけど来たばかりの貴方じゃあカードは作れても自身から弾を撃つという感覚を掴むのは難しいでしょうね。でも結構な魔力を有してるみたいだから友人に頼めば武器を通して弾として撃つとかは出来そうね。ちなみに異変を起こすのは吸血鬼の存在を知らしめるってのと、吸血鬼は日差しが苦手だからさ、この幻想郷丸ごと霧で覆うってわけよ!ふふふ、人間が震え怯え私達を畏れる。いいわ!凄くいい!」
ドヤ顔から笑い出し始めた。吸血鬼だからか落ち着いてるなと思っていたら見た目相応な所もあるのな。
煉「大胆な事やるなぁ〜…それは止めに来るわ…」
レミリア「で、どうする?協力するの?しないの?」
レミリアは答えは決まってるだろと言わんばかりの自信顔である。
煉「するさ」
レミリア「契約完了ね」
さて…これからどうなる事やら…
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???「仕留め損なったか、ランサー。ああ、この呼び方はもういいか。此度の聖杯戦争は終わっていたな。」
???「ああ、損なったというよりかは転移していったってのが正しいか。しぶとさだけは一級品だなアイツらは。」
月より戻った彼は明らかに不機嫌な顔をしつつ城へと戻ってきた。
???「まあいいさ、全ては次の聖杯戦争。5年後だ、最大にして最後の聖杯戦争を起す。奴等は必ず我々を止めに来るだろう、そこにて全て終らせるとしよう。」
???「10年後にはしないんだな、まあいいが。奴になんの執着心がある?まあ多少は変人だがアンタが執着する程でも無いだろうに。」
???「いずれ知るさ、全てを終らせる時にな。…どこへ行く?」
???「何とも曇った戦いで終わったからな、気分転換に風でも浴びにな。」
???「……期待しているぞ、吸血鬼王サークレッド。お前の槍は信頼している。」
サークレッド「アンタに信頼されるとは今宵は槍でも降るんかね…安心しな。全部纏めて穿ち尽くしてみせるさ、最高神ゼウス。」
お読み頂き有り難う御座います。
聖杯戦争に関しては原作とかなり異なっておりオリジナル要素ありまくりですがご容赦を。。
時系列的には紅魔郷でレミリアが異変を起こす2日前程です。
前回と今回で出ていた技や能力、人物に関しては後々まとめて設定を出します。
次話は来週の日曜日になります。