もうじきしたらクリスマスですね!
それでは、始まります。
騒ぎが起きているビルの玄関前のすぐ隣にある水たまりが光り出し、男が飛び出した。身の丈を超える長さで赤をベースに植物の蔓を思わせるような黄色の模様が描かれている長槍を持ち、青色でダメージの入ったジーンズに赤いシャツの上から黒のパーカーといった衣服を纏い青い髪を後ろに一つ結んだ男、空牙だ。
「おーおー、これまた派手にやってるねぇ・・・」
水溜まりから出てビルの玄関の状態を見た空牙はそう思った。ビルの扉は元の色がわからなくなっているほど黒焦げなっていて中央には人が一人ひとりが余裕で入れるほどの大穴が空いていてそこを中心に焦げていた。扉の奥から煙が出ているのはおそらく、何らかの攻撃を貫通したと見て間違いないのであろう。
「そんじゃあ、お邪魔しまーすっと!」
空牙はビルの大穴から入り込む。内部は黒焦げになっていて瓦礫ができていた。そして全身を切り刻まれて血の海に沈んでいる妖怪の死体や黒焦げになりすぎてもはや誰なのかすらわからない死体や、攻撃の影響で破裂したであろう肉片がばらまかれていた。空牙はそれらを悠然と見まわしていた。
「ふーん、対魔忍が攻めてきたっていうならこんな感じなんだろうなあ・・・。うん?」
ダダダダー!ジャキン!!
空牙が死体を見ながら考えていた時に周りには大量の黒服が囲み、銃を向ける。
「また侵入者だっ!撃て!!」
ダダン!!ズドドーン!!
リーダー格であろうサングラスを掛けた黒服が指示を出すと同時に空牙に大量の銃弾が放たれる。空牙はそのまま構えをせずにただ見ていた。普通ならそのままの状態だとハチの巣にされて殺されてしまうものだ。
そう、
フッ!!
銃弾が当たる直前、空牙は姿を消した。そしていなくなった場所には銃弾は当たらず、それぞれを空牙を囲んでいた黒服の体を打ち抜く。
「ぐああああああ!?」
サングラスを掛けた黒服は瓦礫に隠れながら様子を見る。しかし、空牙の姿はどこにもなかった。
「バカな、姿を消しただと!?一体どこに!」
「ここだよ」
「なっ!?」
サングラスを掛けた黒服は後ろから掛けられたことに驚き振り返るとそこには空牙が立っていた。
「俺を撃ちたきゃ光沢のねえ部屋にするんだったな」
「き、貴様!!」
空牙は笑いながらそういうとサングラスを掛けた黒服は怒り出す。
ビリビリ!!ミシミシ!!
「おおっ!!」
サングラスを掛けた黒服は怒り出した途端、服が破け体が大きくなり全身から体毛が生えていきもはや人ではなくクマのような姿になった。つまり妖怪だ。
「ぐはははあ!!まさかこの俺が直々にこの姿で戦うことになろうとはな!!」
クマの妖怪を見た空牙は怯えることもなく好戦的な笑みを浮かべ槍を構える
「・・・そうかい、じゃあそのまんまの恰好でくたばりやがれええ!」
クマの妖怪は右手を振り上げ、勢いよく空牙に目掛けて振り下ろす。
ブンッ!!ガキン!!
空牙はまるでそれが来るのをわかっていたように槍を振り上げ攻撃を防ぐ。そして、クマの妖怪は左手で横なぎにしようとする。
「フン、ならこれならどうだあ!!」
「けっ、のろいんだよ!!」
ガキン!!ザシュっ!!
空牙は槍でクマの妖怪の右手を弾き飛ばし、左手を手首から先を目に見えない速度で切り落とす。
「ぐああ!!」
「こんなもんで俺を殺せると思ってんじゃねえぞ、この熊公が」
グサッ!!ズガン!!
絶叫しているクマの妖怪にそういってから槍でクマの妖怪の心臓を突き刺しそのまま壁にぶつける。その衝撃で壁に亀裂が走る。
「バ、バカな・・・!不死である妖怪がこの程度の傷で・・・、しかもなぜ治らないんだ!?」
「ハンッ!そんなもん、死んでから考えやがれ!」
ズシュッ!ズシャッ!
空牙は槍を抜き取り、そのままとどめを言わんばかりに槍を振り回しクマの妖怪の首を切り落とす。首のなくなったクマの妖怪は力なく倒れ傷口から大量の血しぶきをまき散らす。
「けっ、汚え花火ってのはこういうもんか・・・」
空牙はクマの妖怪の死体を見た後、そのまま奥へと向かおうと足を向ける。
その時に空牙はあることを思い出した。水たまり越しに見た二人の女性、死体の中にあった原型を留めていないであろう大量の肉片、そして玄関の黒焦げた状態を。そして空牙は笑う。
「ははっ!あいつに間違いないな・・・。宝探しついでだが、まあ待ってろよ・・・
・・・ゆきかぜ」
ゆきかぜ、それは空牙の宝の在処の書いた紙を拾ってくれた『雷遁の対魔忍』の名前である。
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