エロシーン少なめですが、たぶんこれで抜けるひとは結構鬼畜。わたしですか?抜けるに決まってるじゃないですか(オリジナル笑顔)
だいぶ長くなりましたが、これでもだいぶはしょってます(笑)
どんだけブロリー書きたいんだっていうね。
にしても疲れたざます
【5年前】
***side セリパ***
「全員無事だな」
「…いてて、結構ボロボロなんだけどな」
通信機越しに各自の無事を確認すれば、ガレキの中からあちこちを汚しながらも、ぼやきながらターレスが立ち上がる。
『こちらダイーズ。俺とカカオは問題ないが、アモンドが負傷した。治療が必要だ』
『こちらラディッツ。敵本拠地の地下に隠されていたこの星の王族を発見した。一度船まで連れていくか?』
「了解した。ダイーズはアモンドを連れて船まで行け。カカオはラディッツと合流しフォロー。あたしとターレスはベジータ王の元へ向かう」
言うべきことを言い終え、あたしは通信を終了させる。振り向けば、そこには不満そうな表情でがれきに腰かけるターレスの姿があった。
「えー、ちょっとくらい休ませてくれよ。今回俺大金星だったと思うぜ?」
「所詮はザーボンやドドリアクラスだ。とはいえ、よくやったな。そら、ほめてやったんだから動け。お前が余力を残してるのくらいはわかってるんだ」
「ちぇ、バレバレか。しょうがねえなあ、人使いの荒いお姉さまにこき使われますよ」
「なにか文句があるのか」
「な、ないです。だからその手に溜めたエネルギー弾はしまってください」
あたしは無言で手にこめたエネルギー弾を自分に還元する。
これで辺境地域のフリーザ軍を指揮できる、それなり以上の戦闘力がある連中は全滅した。
だが、やはりここにも今のフリーザ軍を指揮している張本人は見つからなかった。側近級の実力者はこれで全員倒したはずだ。となると、フリーザ軍に限って可能性は低いが、戦闘力によらない知謀で上層部に食い込んでいる存在がいるということか。
「どうしたんだよ、セリパ姉。早くベジータ王のとこへ行こうぜ」
「…ああ、わかってる」
あたしは詮索を打ち切ると、ターレスと一緒にベジータ王の元へと飛んでいった。
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解放された原住民による歓待をやんわりと断り、あたしは一足先に船へと戻っていた。
美味な食事を大量に用意するという話に、サイヤ人組ははしゃいでいたが。
だからといって、儀礼用の衣装などあたしは着るつもりになれない。
尻尾をほどき、汗と埃で汚れたバトルジャケットとインナーを脱ぎ捨てミストルームへと進む。
スイッチをいれれば、ほどほどに熱い蒸気が壁一面から吹き出し、体の汚れを浮き上がらせる。
全身でそれを浴びながら、あたしは過去に思いを馳せる。
トテッポ、パンブーキン、バーダック、そしてトーマ。
かつての仲間達を失い、幼いべジータ王を率いての流浪の生活は、いつしかフリーザ軍に占領された星々を解放する義勇軍じみた行動に変わっていった。
成長したベジータ王は今では生き残ったサイヤ人で最強の戦士となり、ラディッツもターレスを拾ってからはあたしの代わりを任せられるぐらいに成長した。
まだまだ全員目を離すわけにはいかないが、思えば長い年月が過ぎてしまったように思えた。
「ふぅ…」
蒸気を止め、今度は頭上から降ってくるシャワーを浴びる。あたしはシャワーが直接当たらない脇の下や、顔の隙間、股間や股の間の隙間を手や指で拭って汚れを落としていく。
「ん…」
不意に、指先で触れた股の間の感覚がうずく。
トーマに先立たれてから、ずいぶんとほったらかしだったあたしの“女”がうずく。
「ふぅ…はっ…」
いつしかあたしは指先で豆の部分をこねくり回し、反対の手で乳房を揉みしだく。
熱気のこもったミストルームと、あたしの熱が同化していくような錯覚を覚える。
「ああっ…!トーマっ!トーマぁ…!!」
もはや触れることも叶わない思い人の名前を呼ぶ。
くちゅくちゅと水気のある音が股間から響き、あたしは然したる時間も要せずに達する。
「…っ!…はっ、く、ふぅ…」
せっかく洗ったのに今一度汚れてしまった手を見下ろして、あたしの視界がぼやけていく。
「…さみしいよ、トーマ」
ぽつりぽつりと顔から落ちていく滴をあたしは見ていられず、しばらくの間をミストルームで過ごした。
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***side ベジータ王***
全員がメインデッキに集まったところで、俺はおごそかに告げる。
「…今回お前達に集まってもらったのは他でもない。俺たちにとって不倶戴天の敵のひとりである、フリーザの兄。クウラの居場所が判明した」
その言葉に、メインデッキが騒然となる。
落ち着いているのはこの情報をもたらしたダイーズと、内心で怒りを抑え込んでいるのであろうセリパのみであることが息づかいで判断できる。
「やつらと戦う上で、障害となるものは三つ。ひとつは、言わずと知れたクウラ機甲戦隊。ふたつめは、やつが近年吸収したフリーザ軍やコルド軍の残党。みっつめが、時間だ」
言いきると、みな思い思いの顔をしている。
すると、ラディッツが神妙な表情で挙手してきた。
「ラディッツ、意見を許可する。言ってみろ」
「はっ!ひとつめとふたつめは言われずとも理解しておりましたが、みっつめは一体どういう理由がおありで?」
なるほど。たしかに理由がわからねば疑問にも思うだろう。気配を探ればそもそもわかっていないターレスはともかく、全員違和感があるようだ。
「今から数年前、コルド大王が魔獣と化したフリーザに食われたのは全員知っているな」
「ああ、そういや食われて死んだんだっけかそいつ…いでっ!」
「ばかもん!仮にも御前での態度ぐらい改めんか!」
ターレスはラディッツから拳骨を受け、頭を押さえていた。俺はそれほど身分による序列など気にしていないのだが、セリパやダイーズいわくこういったモノは疎かにすれば後に響くそうだ。そんなものか。
「…話を戻すぞ。みっつめの条件に時間をあげたのは、クウラが逃げる可能性があるからだ」
「逃げるぅ?仮にもフリーザ一族で最強と呼ばれた男なんだろ?なんでそんなやつが逃げてるんだよ…あ、ちょ、ちょっと待て兄貴!エネルギー波は止せよ!」
「言ってわからなければ体に教えるまでだ。…ベジータ王、悪いが外させていただく。さあ来いターレス」
悲鳴をあげながらトレーニングルームへ連行されていくターレス。…どうでもいいが、ラディッツよ。お前の言葉遣いも決して丁寧ではないぞ。
「ベジータ王。時間を条件にあげられたのは、やはりヤツが逃げるとお考えで?」
「…ああ、その通りだ。これまでのヤツの行動がそれを裏付けている。元々まともに軍を率いなかった男が、あのコルド大王が死んだときから急激に自らの軍を持ち始めた。拠点としているのはいつも辺境の惑星で、おまけにヤツは城には住まず、宇宙船を拠点にしていると聞く。どうだ、“いつでも逃げられる”状態としか言えないだろう」
ダイーズの意見にそうまとめれば、各自は納得したようにうなずく。
そんな中、セリパだけが俺へ刺すような気配を向けてくる。
「…ベジータ王。ひとつ確認したい。此度のクウラ討伐、以前ヤードラットでのギニュー特選隊のように和解するなどとは、まさか申しませんね」
殺気すら滲ませ話しかけてくるセリパに、この場にいる全員が押し黙る。
「そうか、お前には真相を話していなかったな」
「真相?ギニュー特選隊と和解するのに、一体どんな理由があったというのです…!」
「それはな、つまりこういうことだ…」
俺はセリパに話す。ヤードラット星での経緯を。
ヤードラット星。銀河に数ある星のなかで時たま注目される“特殊な能力”を持った住民が住む星。
俺たちは一年前、ギニュー特選隊とあの星で出会った。だが驚くべきことに、ギニュー特選隊はすでにフリーザ軍を抜け、これまで犯してきた罪の償いとしてヤードラット星を無償で守っているとの話だった。
ふざけた嘘をつくものだ、と思ったが、光を失った俺の感覚は相手の嘘すら見抜く。
その俺が、ギニューの言葉に嘘がないことを見抜いたのだ。
おかしい。
当然違和感が先だった。そしてその違和感を決定付ける出来事があった。
ヤードラット星に辿り着いた当日、俺はターレスとラディッツを率いて歓待の席に出席した。
だがターレスのやつが歓待された際に用意された飯を食った際に、突然食べたものを吐き出したのだ。いの一番にがっついたターレスのことだから、周りから見ればそれが原因で吐いたように見えただろう。
だが、俺とラディッツはターレスの体調不良を理由にすぐその場を引き上げた。そして船に戻るなり、こっそり回収したターレスの吐いた食べ物をレズンとラカセイに調べさせた。
調べた結果は驚くべきものだった。
食事に含まれていたのは、ごく微量の細菌。一度の食事で接種できる量ではなにも起きないが、複数回体に取り込み続ければ恐ろしいことが起きる。
それは、一種の洗脳効果だ。
体内に取り込んだ細菌が一定量を越えると、細菌は急激に増殖し、宿主の脳を犯す。
あのギニュー特選隊が異常におとなしい理由がわかった。やつらはどういうわけかヤードラット星で食事を長期間食べるほどには歓待を受けた。
はじめは違和感もなかっただろう。だがそれなりの年月を過ごすうちに、次第に考えを変えていったはずだ。
戦闘力はかつてと変わらないが、もはややつらが凶暴になることはないはずだ。そういう風に、変えられてしまったのだから。
そして問題も起きた。食事を吐いたターレスだったが、調べれば細菌以外にも遅効性のウイルスに感染していることが判明したのだ。
どうやらサイヤ人にしかウイルスは効果を及ぼさないようだが、その効果は強力だ。数年かけてウイルスが全身に回ると、ある日突然心臓が弱りあっさり死んでしまう。それも、死ぬまでの時間は個人差すらない。完全なランダムだ。
これで、この星からすぐに逃げ出すという選択肢はなくなった。なんとしてでも、ウイルスに対する抗体を手にいれなければならない。
激昂したラディッツはヤードラット星人を皆殺しにしてでも抗体を手にいれようとしたが、それは俺が止めた。
たかだか食事にこれだけの手段を用いるのだ。強行すればなにをされるかわかったものではない。
同じ理由で、セリパに話すこともためらわれた。あの女はなんだかんだで情が強い。
自分の知らないところでターレスがやられたと聞けば、居ても立ってもいられないだろう。
結局、ヤードラット星にはウイルスの進行や、俺たちにもなにかされる可能性を考慮して、三ヶ月滞在することになった。
結果として、ウイルスはなんとかなった。
驚くことにヤードラット星人から技術を教わってくると言い出したレズンとラカセイの二人によって。
彼らはヤードラット星人が持つ瞬間移動の能力を教わり、同化と分離の能力を利用して彼らの扱うウイルスや細菌について調べ尽くした。
二人にもウイルスや細菌は仕掛けられたが、能力を使ってどちらかが仕掛けられたウイルスを引き受け、化石となっていた際の仮死能力を使ってウイルスも細菌も強制的に小康状態に持っていくと、その状態で治療をほどこすことであえなくウイルスも細菌も克服してしまった。
やがて二人が瞬間移動を覚えた頃、船のなかで作ったワクチンを各自で接種させ、ヤードラット星を後にした。
星を発つ際の、ヤードラット星人の気味悪い目付きは未だに忘れられない。
そのせいで、星を壊すことも忘れて逃げ出してきたのだから。
「…話が長くなったな。ことが終われば話してもよかったのだがな、正直さっさと忘れてしまいたかったから、今の今まで忘れていた」
「そ、そんなことが…」
「ああ、だから仲間の仇であるギニュー特選隊はすでに死んでいるようなものだ。すでに以前のヤツらの意識はないも同然なのだからな」
そう、もはやあの星に関わることもあるまい。あんな星は、意識の外に送るに限るのだ。
…ひょっとして、これもやつらのウイルスがもたらした思考かもしれんがな。
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***side クウラ***
「ええいっ!なにが起きているっ!!」
俺は手にしていたグラスを床に叩きつけ、報告に来たサウザーを睨み付ける。
「も、申し訳ありません、クウラ様っ!クラッシャー軍団の襲撃でございますっ!!」
「跳ねっ返りの猿どもかっ!!おのれええ…!!」
自然と高まるエネルギーに周囲の調度品が破壊されていく。
「今しばらくお待ちくださいませっ!このサウザーが必ずや猿どもの首、取ってまいります!!」
言うなりサウザーは飛んでいった。…ふんっ、使えないクズどもめが。
俺は急いで船を起動させていく。
面倒だが、この拠点も捨てるしかないな。
くそ、なぜ俺がこんな“逃げる”ような真似を…っ!!
俺は自分の思考に愕然となった。
「“逃げる”…!?“逃げる”だとぉ!?宇宙最強であるこの俺がっ!真っ先に逃げを打つなどと…!!くそぉ、これもすべてフリーザのせいだっ!」
自分自身に抱いたあまりの怒りに俺は目の前が真っ赤に染まった錯覚を覚える。
「…やめだ」
俺はエネルギーを解放し、宇宙船を木っ端微塵に吹き飛ばすと、上空に浮かび上がって猿どもへと呼び掛ける。
「サイヤ人の猿ども!!この俺はここにいるぞっ!宇宙最強のクウラが直々に相手してやるっ!」
「…ほう、もうこそこそ逃げる準備はしなくていいのか?せっかく貴様が逃げ出した瞬間に撃ち落としてやろうと思ってたのにな」
「べジータか…」
「ふん、今はベジータ王だ。さて、貴様との腐れ縁もここまでだ…!今日こそ殺してやるっ!はあああっ!!!」
目の前で悠然と佇むベジータ王はエネルギーを高めると一息に変身した。
金色の頭髪。全身を包む激しいオーラ。かつて我らフリーザ一族の祖先が警告したという超(スーパー)サイヤ人の姿。
「忌々しい姿だ。だがそれも今日で見納めだ…!!」
俺はエネルギーを全開にし、本来の姿を今一度他の形態と同じく包み込む。
普段ならばそれは俺自身のパワーを押さえ込むが、俺は常に本来の姿でいることでひたすらに体をパワーがある状態に慣れさせた。
だからこそ、今纏う外殻はフルパワーの内圧にも負けない強固な鎧となるのだ。
「この姿を見た者は貴様だけだ、さあ…始めようか!」
一回り以上大きくなった肉体を包み込んだ外殻は頭部と肘の各所に突起を生やし、俺の声を掛け声として最後の外殻が口元を包み込む。
「サイヤ人は戦闘民族だ!舐めるなよっ!!」
ベジータも俺に対抗するかのようにさらにエネルギーを高め、全身の筋肉を膨らませる。
なるほど、パワーをさらにあげたか。
「そんな膨れ上がった筋肉でどこまでついてこれるっ!」
俺は一息にべジータの懐まで入り込むと、鳩尾目掛けてボディブローを叩き込む。
だがそれは予想した内臓まで届くような感触ではなく、分厚い腹筋に守られたことを示す鈍い触感だった。
「ちぃ!」
ならば顎か首を狙って意識を奪おうとすれば、ニヤリと笑ったべジータは俺の腕を全力で掴む。
「ぐうっ!?き、貴様まさか!」
「この俺が今の状態のデメリットも理解できてないと思ったか?これなら早さは関係ないぜ!」
「ほざけえええっ!」
たしかに早さは関係ないが、それは俺も同じこと。
互いに片手を使えないまま、不安定な体勢からの殴打が応酬される。
俺の体には外殻があり、べジータには筋肉の鎧がある。
五分に思えた戦いだったが、形勢はべジータ有利に動き始めた。
ピシッ
ほんのわずかな音だったが、その音に俺は青ざめ、べジータは口元を歪めて笑う。
「どうやら貴様がさきに限界を迎えたようだな…!」
「ば、バカなっ!?」
「ギャリック砲!!」
「ぐあああああああっっ!!」
至近距離から受けたべジータのエネルギー波に、俺は外殻を一気に砕かれる。
(まずい…!このままでは負ける…!)
俺の焦りはピークに達していた。もはや星ごと消し飛ばそうにもその隙ができそうにない。
だが、今の状況は思いもよらぬ出来事によって中断された。
「なんだっ!?」
とどめを刺そうとしていたべジータが突然動きを止めた。上空へと向けた顔は見えていないものの、垂らす冷や汗が事態を悪化させるものだと確信させる。
あとになってこのときのことを思った。
俺が逃げ出そうとしたのは何も間違っていなかったのだと。なぜならば、目の前に落ちてきたかつての弟と対峙せずに済んでいたのだから。
「ニニニニ兄さン、ヒサヒさひサしブリダね!■■■■■■■■■■■っっ!!」
音として認識できないほどの絶叫をあげたのは、かつて潜在能力において俺を上回る逸材だと誉めそやされた天才ーーーフリーザだった。
いびつに巨大化した体には無数の突起が生え、四本ある腕には奇妙な腕輪を嵌めている。
そしてその口には、食いかけの部下がぶら下がっていた。
俺とべジータの判断は早かった。べジータが先程以上のエネルギーを込めてエネルギー波を撃てば、俺も現状で出せる最強の攻撃“スーパーノヴァ”を繰り出す。
あれと戦ってはいけない。そう思わせるおぞましい“ナニカ”がやつにはあった。
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…べジータとクウラが戦う少し前のこと。
***side ターレス***
べジータ王はクウラと決着をつけに行ったみたいだな。
俺の相手は茶色いカエルみたいなツラした野郎だ。
「貴様らサイヤ人はなんとしつこいのだ。フリーザ様にさっさと殺されていればよかったものを」
「だったらてめえが殺してみろよ!」
俺はエネルギーを全開にして突っ込む。ラディッツの兄貴からは無駄遣いだって言われるけど、俺はこのパワーを全部出しきって戦うのがたまらなく好きだ。
「でえやああっ!」
俺の全力の攻撃はカエル野郎にことごとく躱されていく。
敵わないのはわかってるが、だからといって戦わない選択肢は俺にはありえない。
それに、俺の役割はこうして時間稼ぎをすることだからな。
「捕まえたぞ!」
「ぐっ、く、しまった!うあああああああ!!」
一瞬の隙を突かれて腕を捕らわれた俺は、そのままカエル野郎に電撃を流される。
あっという間に全身が焼け焦げていき、意識が明滅する。
「しぶとい野郎だぜ、俺の電撃を受けて一瞬で死なないなんてな」
「…へ、へへ。ばかが、おれの、かちだ…」
「待たせたなターレス!!」
「なにぃ!?ア、アギャアアアア!!」
上空から強襲した大猿化したラディッツの兄貴によってカエル野郎はあっさり掴まれ、そのまま握りつぶされた。
「おそいぜ、兄貴…」
「すまんな、雑魚の始末に手間取った」
兄貴が来たことで安心したのか、俺は急速に眠くなってくる。
べつにいいか、兄貴がいるん…だし…
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***side セリパ***
「…どうやら、クウラ機甲戦隊も、ここまでみたい、だね」
「ば、ばかなぁ…!!」
口元から血を吐き出し、サウザーは自分の胸に空いた穴を見つめる。
この男、サウザーはクウラ機甲戦隊の隊長であり、戦闘力はあたしを上回る。
ラディッツを露払いの筆頭にするため、アモンド、ダイーズ、カカオの三人は地上のクウラ軍を相手取っている。
さらにターレスは機甲戦隊のもうひとりがクウラを逃がしに行かないよう、ラディッツが来るまでの時間稼ぎを買って出た。
そしてあたしは、トーマの仇を討つためサウザーと対峙したのだ。
そのサウザーも、あたしの捨て身の策によって心臓を撃ち抜かれ、もはや死ぬのは時間の問題だ。
「ごほっ…まずいな…」
あたしがやったのは実に単純な手段だ。
サウザーはパワーもスピードも、あたしを上回る。
だが下手に大猿化すれば、あいつはクウラを逃がすために逃げ出すだろう。
だからサウザーに適度に追い詰められ、サウザーがエネルギーを纏った手刀を繰り出してきた瞬間、わざとそれを食らって、やつを腹筋で掴まえて心臓を撃ち抜いたんだ。
意識が遠退きそうになるのを、意地で保たせる。
まだだ、まだクウラを倒しちゃいない…!
そう思ったときだった。あたしの耳に、あの恐ろしい咆哮が響いてきたのは。
***side べジータ***
イレギュラーとは起こるものだと知っていたが、こうも厄介な出来事が起きるとはな。
「クウラっ!あれをまともに相手するな!!」
「ヤツはフリーザだ!兄である俺の命令に従うっ!!」
「そんな理性が残ってるわけがないだろう!」
こんな風に問答している時間が惜しい。クウラの小型太陽じみたエネルギー球はフリーザを押し潰したように見えるが、肌に感じるやつの気配はまるで衰えていない。
「…くうっ!逃げるぞ、サイヤ人!」
「貴様に言われんでも…!よけろクウラっ!」
俺の叫びが届く前に、クウラの右腕が持っていかれた。
「~~~~!!」
悲鳴をあげないのはさすがだが、現状ではクウラと協力しなければ逃げられそうにない。だがどうする。あの化け物をどうやって誤魔化す。
「…あー、この味は、にいさんの味かあ。すこしまったりしていてパパにそっくりだよ。でもダメだなあ、最近はバーダックもめっきりすがたを現さないし。こんな薄味じゃ物足りないな…アレ、君ってもしかして、ばーだっく?」
「ーーーっ!!」
向けられたヤツの目を見て怖気が走る。やつは俺を見てなどいない。
やつは未だにバーダックと戦ったとき、いやそれ以上に狂ったままだ。
「フリーザァ!!」
俺が動けないでいるとクウラが動いた。片腕のヤツは狂ったフリーザに近づくと、頭の水晶状になっている部分に掌を一当てする。
効果は一目瞭然だった。
あれだけの狂気を振るっていたフリーザの肉体が、突然膨張した頭の水晶に飲み込まれ始めたのだ。
「ー…あは、なんだか心地いいやー…」
抵抗らしい抵抗もせずフリーザは水晶にのみこまれ、やがて動かなくなった。
「いったい、どうなったというのだ」
「…あれは、俺たちフリーザ一族の禁じ手だ」
「き、貴様!?なんだ!?貴様の体に一体なにが起きている…!」
目の見えない俺にはクウラの身に起きている異常が完全には理解できなかった。
だが、感じる気配や音から察するに、クウラの体も水晶と化していっている。
「サイヤ人、いやベジータ王。俺と戦え。あの技を使った以上、俺も長くはない」
「なにぃ!?」
「心しろよベジータ王。今はヤツを封じることができたが、次に目覚めるとき、フリーザは想像を絶するパワーアップを遂げている。もし逃げるなら、噂に聞く他の宇宙にでも逃げ出すんだな」
「…納得はいかんが、今貴様は嘘をついていない。ならば、その願い聞き届けてやろう」
もはや俺にフルパワーの超(スーパー)サイヤ人へ変身する余力はない。通常の超(スーパー)サイヤ人に変身した俺は、セリパのように拳の一点にエネルギーを集中させる。
「…礼を言おう。来い、ベジータ王!」
それはクウラも変わらない。パキパキと響く水晶化の音はすでにクウラの肩口まで及んでいる。
俺は無言でクウラへ向かっていき、交差する。
「楽しかったぞ、サイヤ人の王よ。俺も、もっと早くに戦うことそのものを楽しんでいられればな…」
その言葉を最後に、クウラはカシャン、とガラスが割れるような音を立てて崩れ去った。
俺は気配だけを頼りに水晶の山と化したフリーザを見やる。
驚異的なパワーアップ、か。
すこしフリーザ一族について調べる必要が出てきたな。そういえば、ずいぶんと前にズノーの元を訪れていた筈だ。一度、ヤツの元へ赴いたほうがいいだろう。
俺は通信機を起動して、この場にいない仲間達へと声をかけるのだった。
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…べジータとクウラの戦いから数年後。荒廃した辺境の惑星にて。
「…すばらしい。こんな状態でもまだ生命反応があるぞ。宇宙に来たのは正解だったな」
白い髪、シャツのような白い毛皮に身を包んだ偉丈夫が生身が残ったクウラの残骸を持ち上げる。
「だが損傷が激しすぎる。これでは実験体(モルモット)にもならんぞ」
それに対して、素肌に黄色いベストを着て帽子をかぶった痩せぎすな男が答える。
「なあに、やりようはある。そうさな、当面はこの間見つけたビッグゲテスターに接続してデータを採取しよう。アレのコピー工房を使えば手軽に駒を増やせるだろうしな。“ヤツ”の仲間や拠点を襲わせてもいい」
「それほどまでに使い物になるのか?」
「言っただろう、やりようはあるさ」
白い毛皮の偉丈夫は、手早く分類してクウラを集めていく。
「待て、この水晶の山はどうする」
「…それは下手に接触しないほうがいいだろう。万が一目覚めれば、今の状態では対処ができん」
「お前の体は最高傑作ではなかったのか?」
嘲るように問われれば、偉丈夫は自慢するように立ち上がる。
「…もちろんだ。だがまだデータが足りん。究極の存在に至るには、常に最適解を求めねばな」
「なるほどな。では我らが拠点に帰るとするか、“ドクター・ゲロ”」
「くく、もはやその名は捨てた。今の私は人造人間21号だ、“ドクター・ウィロー”」
かつて狂気がうずまいた星で、三つの狂気が佇む。果たして、最初に悟空の前に現れるのは誰であろうか。
すべては、狂った星の輝きが知っている。
補足★説明
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フリーザに軍が減らされる前、具体的にはコルド大王が生きている時代にべジータとクウラは何度か対峙しています。理由は違いますが、どちらも指揮する立場にあったので直接対決はこの日までありませんでした。
ターレスが吐いてすぐに逃げたのは、元々致死性の猛毒すら食べていた悪食のターレスがいかにがっついていたとはいえ、食事を吐き出したからです。べジータ王は帝王としての知識から、ラディッツはターレスのことをよく知っていたため違和感に気づけました。最大の功労者はターレスですけどね。
困ったときの「「俺たちゃ双子の兄弟さ!」」。彼らは本作におけるクラッシャー軍団がチート集団になった最大の理由です。
この戦いにおける戦闘力の変化などはあまり気にしないでください。計算がくそややこしくなりますので、たぶんお答えできません。
あれ?ドーレは?と思ったかもしれません。実は彼はトーマが命がけで特攻した際に死んでます。油断したところを大猿状態でトーマに自爆されました。ちなみにその後バラバラになったトーマの首を、サウザーはわざわざ拾って保存してありました。このためセリパの認識ではサウザーを直接の仇だと思ってます。
今回クウラが用いた禁じ手ですが、完全なオリジナル設定です。とはいえ根拠はあります。
まず、コルド大王はフリーザ一族の突然変異です。さらにその突然変異としての力を意図的に与えて生み出したのがフリーザです。なので、自分はクウラをフリーザを作ったときのプロトタイプだと思っています。だからこそ努力して自分の力を伸ばしたのでしょうし。
話がそれましたね。フリーザの変身は、フリーザ自身がありあまるパワーを抑えるためのものだと本編で断言しています。今回クウラが用いたのは、自らを犠牲にして相手を強制的にパワーを抑えた状態へと変身させる技です。これはフリーザ一族にしか用いることができませんが、代償として自らは水晶部分が広がりやがてくだけ散ります。そしてこの技は相手に封印した者以上の潜在能力があった場合、それを引き出す結果となってしまう、というのがこの禁じ手の設定です。クウラがべジータに警告したのはそれがわかっていて、自分の手で始末できない悔しさからです。
とうとう出ました魔改造博士s。ドラゴンボールで一番怖いのは天才科学者だと思う私の考えは間違ってないはず( ̄▽ ̄;)