※この作品はR-18です。

ドラゴンボールC【本編完結】   作:SHV(元MHV)

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遅くなってごめんなさい、作者です。
いつも楽しみに待たせている方々お待たせしました。
感想は作者の養分ですのでどんどんください。

とはいえ前回感想で言われたことに凹んでたところにタブレットが破損したことで大幅に遅れました(白目)


まあ、敢えて言いましょう…

調子こかせてもらうぜっっっ!!!(勇次郎感)


神と魂の秘密

***side 悟空***

 

「…俺が悪かったって」

 

殴られるのは覚悟していた。

 

実際ピッコロのヤツには殴られたし。

 

ああ、ピッコロは以前までピッコロ神で呼んでいた方だ。

 

俺の過去を知ったら、余計に神として接するのが嫌になったらしい。

 

「対等な関係だからこその友人だ」

 

とはやつの言葉だ。

 

お言葉に甘えて、俺はピッコロ神をピッコロ、ピッコロジュニアをジュニアと呼ぶことにした。

 

あまり変わってない?気分だ、こんなものは。

 

で、そんな俺がなにに困っているかというと。

 

「だって、あなたがいなくなっちゃうって思ったら…」

 

先程から胸に、いや全身にすがりついて泣いている女達である。

 

ブルマ、チチ、ランチ、マイ、スノ、バイオレット、ランファン、ハスキー。

 

我ながらよくもまあこれだけの人数を抱え込んだと言いたいところだが、正直これは殴られるよりきつい。

 

地獄の責め苦を1000年受けた俺が断言しよう。

 

愛する女に涙を流させるくらいなら、文字通り地獄に落ちた方がマシだ。

 

「やれやれ、ずいぶんと女たらしになったなおめえ」

 

俺はその声に硬直した。

 

全身が震え、視点が覚束なくなる。

 

突然変わった俺の様子に、女達が驚いて俺の見ている方向を振り向く。

 

「よ、久しぶりだな。悟空」

 

「義父さん…」

 

そこには頭に天使の輪を浮かべた俺の義理の父。孫悟飯が立っていた。

 

「え、でもあなたのお義父さんって亡くなったんじゃ…」

 

「おう、だから武天老師様の姉貴に頼んでな。一日だけ生き返れる権利を使わせてもらったんだ」

 

あっけらかんと語る義父さんだが、俺はまだ驚きで動けない。

 

それだけ、離別した義父との再開は、ことさら今の俺には堪えた。

 

「本当は暴走したお主を止めるために呼んでおいたんじゃがな。せっかくじゃから孫の顔を拝みたいんじゃと」

 

さらにもう一人、“若い女の声”が聞こえ俺はそちらを見やり───固まった。

 

「あ、あんたがひょっとして占いババか…?」

 

「そうじゃ、この世でただひとりあの世との行き来を担う、何でも占う“占いババ”とはワシのことじゃ♪」

 

そこにいたのは、俺の植え付けられた知識を元にするなら『マリベル』という少女が一番近いだろうか。

 

クセのあるくるくるした明るいオレンジ色の髪をなびかせ、巨大な水晶のうえに股がった少女がいた。

 

「あー、いやすまん。俺の植え付けられた知識によれば、あんたは男の声したババアでな。イメージと違いすぎてちょっと固まったぞ」

 

「なんじゃと、失敬な。ワシの不老不死は完璧じゃ。そこの弟みたいな半端な真似はしとらんわい」

 

持っていたまるでおもちゃのような杖で向けられた先には亀仙人の姿がある。

 

「相変わらずじゃのう、姉ちゃん。でもいい加減占いババはよさんか?見た目と違いすぎるぞい」

 

「何を言うかこの愚弟は。占い師とくれば、老練な魔女か、怪しげな魅力渦巻く美女と相場が決まっておる。ワシの見た目通りに名乗ったら占い少女ではないか。そんなのでは客が集まらんわい」

 

ツン、と拗ねたように顔を背ける占いババ。やばい、可愛い。

 

俺は反応しようとする逸物をメタルクウラを砕いたときと同じぐらいの力でぶん殴り正気を取り戻す。

 

「ぐぅ…!?と、ともかくだ。いつまでもこんな場所で話しているのもなんだから、いい加減移動しないか?カプセルコーポレーションに招待するぜ」

 

「悟空さま、カプセルコーポレーションは今…」

 

そう言われて俺はそういえばメタルクウラにカプセルコーポレーションが破壊されたのを思い出す。

 

だがまあ、丁度いい。

 

「わかった。だがまあ、あれくらいならまあなんとかなるだろう。はあっ!」

 

俺は気合いをこめて作り出したエネルギーボールから“ふりーざくん”達を作り出し、一足先にカプセルコーポレーションへと向かわせる。

 

「“ふりーざくん”に片付けに向かわせた。移動は俺の宇宙船で行こう。中で話したいこともあるしな」

 

俺はポケットからホイポイカプセルを取りだし、宇宙船を出現させる。

 

「クウラ!お前も来いよ!フリーザの話の続きも聞きたい!」

 

声を張り上げ、一見微動だにしないクウラに声をかける。

 

セリパなどは尻尾を逆立て警戒していたが、今は個人の事情は後回しだ。

 

「…愉快な話ではないぞ。場合によっては俺はさっさと“ヤツ”の元へ向かわせてもらう」

 

「なあに、今の俺ならどうにでもなるさ。だがまずは情報の共有が先だ」

 

「なあ悟空さん。18号は連れていくのか?」

 

割り込むようにして話しかけてきたのはヤーチャだ。どうやら18号の意識がそろそろ回復しそうらしい。

 

「もちろんだ。お前も来いよヤーチャ、遠慮することはない」

 

こうして俺の宇宙船にはここに集まった全員が乗り込んだ。

 

ちなみにこんなこともあろうかと、ブリーフ博士とブルマによって宇宙船は改造済みである。

 

具体的には百人は乗れるだけの大型船になってしまった。

 

俺は宇宙船の操縦を新たに出した“ふりーざくん”に任せると、思い思いの場所に座るみんなの前へ行き、長い昔話を語り始めるのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

***side 悟空***

 

「…魔族と突然変異は、いわば同質の力だ」

 

全員が楽に座れる中央ホールで椅子に座りながら1000年前の話を語り終えた俺は、魔神の力について説明を始めた。

 

「人が魔族へ変わるための理由はもう理解できたと思うが、突然変異は当人の魂そのものが魔族としての性質を持って生まれてくるのと同義なんだ」

 

「魂が、ですか?」

 

クリリンが魂という言葉に反応する。

 

「そうだ。そもそも俺たちが気やエナジーと呼んでいるこれらのエネルギーは、誰もが体に宿す“魂”から生まれる」

 

俺は掌にエネルギー球を浮かべて説明する。

 

「そしてこの俺の魂は、いわば魔の力のオリジナル…とでもいうべきか。前世と、そして更なる“過去”を思い出したからわかったが、俺の中には連綿と続く戦いの記憶が残っている。恐らくこれこそが俺の魂が持つ特性だ」

 

「戦いの記憶、ですか」

 

今度は界王神が俺の言葉を拾う。そうか、彼はまだ若かった上に、界王神としての引き継ぎが不十分なんだったな。

 

「ああ、数億年に渡って繰り返されてきた破壊と殺戮の記憶。どれだけ魂が生まれ変わろうと、けして消えることのない本能。…それこそが、この俺の本質だ」

 

「違う!」

 

どこか自嘲するように言った俺の言葉をナムが否定する。

 

「億の年月など、わたしには分かりはしません…ですが!わたしの師匠はすばらしい人だ、前世が悪人だったからなんだというのですか、あなたはあなたでしょう!?」

 

思いの丈を吐き出すように叫ぶナムの姿に、界王神が驚いたような顔をする。

 

「くっくっ、そのとおりだ。だからこそ俺は今の俺でいられる。もう破壊と殺戮の本能なぞに負けることはないさ。ありがとうな、ナム」

 

俺の言葉にナムは泣き出してしまった。

 

不安にさせたのは女達だけじゃなかったか。

 

「…魔人ブウの件で借りがありますけど、正直わたしの手には負えませんよ。まったく、ご先祖様もなんで着いてきてくれなかったのか」

 

「…ああ、そりゃ仕方ないさ。あいつが来たら、たぶんビルスは間違いなく目を覚ますだろうからな」

 

「どういうことですか…?」

 

不思議そうな顔をする界王神だが、ちょっと神としての自覚が足りなすぎるな。…やれやれ、神になる前のこいつを思いだしちまったからどうにもやりにくいぜ。

 

「破壊神ビルスは対となる界王神と命が繋がっているのはお前も知っているとは思うが、それだけじゃない。自分の命のストックが危機的状況に陥った場合、察知する能力を持っているのさ。俺の前に界王神が勢揃いしてみろ。勢い勇んで現れた破壊神が開幕地球破壊しかねんぞ」

 

俺の言葉に何人かは破壊神のことを思い出したのか青い顔になる。

 

「そもそも、かつて魔人ブウが次々と界王神を倒していったとき、なぜやつは気づかなかったと思う?」

 

出来の悪い教え子に接するように、ひとつひとつを噛み砕いて説明していく。

 

「えっと、よく寝ていたから、ですかね」

 

いまいち自信がないのかすっとんきょうなことを言い出す。はあ、やっぱり根っこの部分はポンコツだな。

 

「…あながち外れじゃないんだろうが、違う。もっと簡単なことだ。“誰も殺されてなかった”からさ」

 

「そ、そんなバカな!?事実、私たちは魔人ブウに…!」

 

狼狽する界王神だが、事実だ。

 

「だから面倒な手順を取ってまで封印処理にとどめたんだろうが。大分奥深くにまで取り込まれた上に、魔人ブウの魂に吸収されかけてるヤツもいるが、まだ生きてるさ。界王神なら魂を見るくらいできるんだろ?」

 

しかりつける俺を前に肩を落とす界王神。キビトはどうしたものか分からずオロオロしている。

 

「ま、お前のこった。相手は魔人だからとか勝手に判断して死んだものと考えたんだろうが、もう少し自分の力を把握して動くんだな。大体、キビトみたいな劣化界王神が生まれてきている時点で神の循環がうまく機能していないのはわかっていたんだろう?」

 

「そ、それは…」

 

神の循環とは、界王神界にある神王樹から次世代の界王神が生まれるシステムのことだ。

 

本来ならば界王神は各銀河にひとりずつ存在するのではない。宇宙そのものを三人が交代で治める。三人の役割も違い、力の界王神、知恵の界王神、心の界王神と三種に別れる。この内力の界王神として生まれてくる存在は、本来なら破壊神に準じる力を持つはずなのだ。

 

ちなみに老界王神は知恵の界王神に、目の前の若い界王神は心の界王神にあたる。

 

だが破壊神の専横を許したこと、早い内から魔人ブウに対処しなかったことによる殺戮の影響で、神として昇華される魂が少なくなってしまった。

 

他の宇宙があることも思い出したが、恐らくこの宇宙、第七宇宙だったかは人間が住んでいる星がかなり少ないはずだ。1000年前の時点で10000もなかったと思う。

 

過去の俺が神の候補者となりうるあの世の達人を殺して消滅させた影響も少なからずあるだろうが、ある意味ビルスの自業自得でもあるな。

 

そもそも、命のストックが増えたことに慢心して破壊しまくる破壊神と、それを寛容した界王神の責任ではあるが。

 

「俺が記憶を取り戻した以上、少なからずかつての罪は償わせてもらう。まずは近い内にドラゴンボールを使って界王神達を復活させよう。っと、その前にフリーザをなんとかしなければならないか。大体予想はついているが、俺から説明して構わないか?クウラ」

 

「…構わん。違いがあれば訂正してやる」

 

「よし、許可も出たし説明するぞ。そもそもフリーザは、伝説のスーパーサイヤ人だった頃の俺を参考に“意図的な”突然変異を加えて作り出された存在だ。お前もそうなんだろう、クウラ」

 

必要なときまで黙っているつもりだったのか、話を振られて視線が集まるのをうざったそうにするクウラ。

 

「そのとおりだ。だが俺は所詮試作品であり失敗作だ。どれだけ鍛えたところでフリーザほどの潜在能力はありはしない」

 

「そうでもないぜ。今のお前、まだまだ鍛える余地はありそうだしな。肉体改造されたときに魂も影響を受けてるみたいだから、ひょっとしたら俺に届くかもしれないぜ」

 

「ふん、貴様の評価など知ったことではない。が、であるならばいずれ打ち倒してみせよう。必ずな」

 

闘志の籠った目を向けられ、俺はその熱にさらされ嬉しい気持ちになる。

 

やはり何時如何なる時であっても、挑む者の視線は心地いいものだ。

 

「さて、話に戻るぞ。フリーザはその特性ゆえに、極めて俺に近い魂を持っている。だがそれは無理矢理に植え付けられたモノだ。それがバーダックとの戦いで死を意識したことで解放され、結果ヤツは魔族と化し、自分の部下も、父も、なにもかもを食らいつくした」

 

俺の言葉に女達が息を飲む。

 

「…自分の父親まで食っちまったのか」

 

「ああ、そのうえやつは誰かを食うことで力が増すことを覚えちまった。とはいえ、それだけなら俺以外でも何とか対処もできたんだ」

 

クリリンの言葉に俺は答えながら、足を組み替える。

 

「…ところがヤツは、フリーザ一族に伝わる水晶化によって一度封印された」

 

「そうだ。あのときはそれ以外に手段がなかった。だが結果として、俺は宇宙そのものを破壊する災厄を解放してしまったことになる…」

 

「なんとかなるさ。“俺”がいる」

 

安心しそうになる一同。だが、ひとり深刻そうな顔をしている人物がいた。界王神だ。

 

「…そのことで悟空さんに報告があります。実は、あなた方の戦いが起きて少ししてから、あの世の達人がフリーザ討伐に向かいました」

 

「なんだとっ!?」

 

その言葉に驚愕する一同。

 

まずいことになったな。最悪、あの世の達人が全員食い殺されかねない。

 

「まだ間に合うなら今すぐに止めろ!これ以上フリーザを無駄に強くすることはない!!」

 

真っ先に反応したべジータ王が声を荒げるが、界王神の言葉は芳しくない。

 

「ま、待ってください!大界王の元で修行を積んだ彼らはひとりひとりが地球の神に匹敵します!それが十数人といるんですよ、さすがのフリーザも…」

 

「無理だな…」

 

界王神の叫びを遮るように、俺は目を閉じたまま告げる。

 

「界王様、悪いが手伝ってくれ。俺の見ている映像を他のヤツにも見えるようにしてもらえるか」

 

「わしまだ頭が痛いんじゃが…わかったわかった、全員でこっちを見ることないじゃろうが」

 

ぶつぶつと文句を言う界王様が触覚を動かして俺が見ている映像と繋がる。

 

「…こ、これは…!!」

 

「…ああ、ひどい有り様だ。おい界王神、ビルスはまだ眠っているのか」

 

「え、あれ?いや、破壊神の気配を感じます!彼は間違いなく起きています!」

 

「ちっ、何をやっているんだヤツは…!肝心なときに役に立たねえ!だから天使なんぞに破壊神の管理を任せるのは反対だったんだ!」

 

俺はもっとも古い記憶を思い出しながら舌打ちする。

 

その間にサイヤ人をはじめとした戦士の面々は界王様に触れながら目を閉じることで魔獣と化したフリーザを見やる。

 

「な、なんとおぞましい怪物だ…!」

 

「むぅ、こ、これは…!」

 

ベジータ王と亀仙人が金色の魔獣となったフリーザを見ながら、血にまみれたやつを見て吐き気をこらえるように口元を抑える。

 

封印が解けたのか解かれたのか。本来の力を取り戻した俺はすぐにフリーザを見つけることができた。

 

しかし辺境の星でフリーザに挑んだ戦士らの大半はすでに八つ裂きとなってその魂を食われた。

 

生き残った戦士も懸命に戦っているが、もはや時間稼ぎすらできていない。

 

そんな中、フリーザはあの世の達人らをなぶり、弱らせながら少しずつ食らっていく。

 

…ヤツにはもはや言葉すらない。いたずらに命を、魂を弄ぶ狂った魔獣そのものだ。

 

「…界王神、こうなっては一刻の猶予もない。俺はフリーザを倒すぞ」

 

「こんなことになるだなんて…ああ、わたしが破壊神をもっと早く起こしていれば…!」

 

嘆きうずくまる界王神だが、俺はその胸ぐらを掴み無理矢理立ち上がらせる。

 

「泣くなっ!お前が自分の判断を否定する分には構わないがな、戦いそのものを否定することはあそこで散っていった戦士達を侮辱する行為だ!例え力及ばずとも、やつらの戦いそのものは絶対に否定するんじゃない!」

 

「う、うう…」

 

「ちょっとあなた、その辺にしてあげなさい。可哀想よ」

 

俺はブルマに宥められ、界王神をゆっくりと下ろす。

 

やれやれ、こいつがこの様じゃ、キビトに瞬間移動してもらうわけにも行かないな。

 

「…仕方ない。フリーザの元まで直接飛んでいく。悪いがピッコロ、手伝って「その必要はないよ」…ビルス、貴様何の用だ…!」

 

宇宙船の中に不意打ちで現れた相手を俺は睨み付ける。

 

紫色の肌をした、猫を人にしたような姿をした神。

 

破壊神ビルスがそこに立っていた。

 

「何の用もなにも、君をここに足止めするためだよ」

 

「…正気か?あのフリーザが暴れれば、間違いなくこの宇宙は壊滅的なダメージを受けるぞ」

 

「かつて宇宙を壊しかけた君に言われたくはないね。それと、別に無目的に放っておくわけじゃないよ」

 

飄然と告げるビルスに俺は違和感を感じて気づく。

 

「おい、あの胡散臭い天使は、ウィスはどこにいる」

 

「あれ、もう気づいちゃった?ウィスなら今フリーザを誘導しているよ」

 

「界王様!」

 

「ほ、ほんとうじゃ悟空!今ウィス様がフリーザを宇宙空間に誘導して、凄まじい速度で移動しておる!」

 

俺は嫌な予感がしてビルスをにらみ、はたと気づく。

 

「ビルス、貴様まさか…!」

 

「ご明察。ウィスがフリーザを誘導しているのはナメック星さ」

 

俺はビルスの企みに気づいた。

 

こいつは黄金の魔獣と化したフリーザを相手に、かつての俺にやったのと同じ方法を取るつもりだと。

 

「ふざけるな!!今のアイツにかつての力はない!ブロリーとてただの優秀な先祖帰りに過ぎん!どっちも殺されるだけだ…!」

 

「だから余計に好都合なんじゃないか。宇宙のバランスを破壊しかねない余計な存在を二人も同時に始末できる」

 

「殺す…!」

 

殺気をこめて俺はビルスを睨むがヤツは涼しい表情のままだ。

 

「いいのかい?こんな場所で戦えば、うっかり君の家族が“破壊”されちゃうよ?」

 

俺は怒りで目の前が白くなるような錯覚を覚えるが、それをどうにか抑える。

 

…まずは考えることだ。目の前の破壊神を出し抜き、ナメック星まで行く方法を。

 

「つまり僕はここにいるだけで君に対しての足止めになるってことさ。ああ安心しなよ、仮にも神に至った魂を持つあの子が食われれば、フリーザは大幅に弱体化する。そうなったら僕がさっさとフリーザを破壊してあげるから、宇宙のことを心配する必要はないよ」

 

「…そうか」

 

俺は一言答えると、改めて椅子に座りなおす。

 

「おや?暴れないんだね。君らしくもない」

 

「人は変わるんだよ。それに、まだ希望が潰えたわけじゃない」

 

そう、現世でセーロと呼ばれるアイツがかつての記憶を呼び覚ませば、まだ希望はある。

 

「…ふん。なら僕は精々君を監視させてもらうとしようか。ちょっとそこの女。なにか美味しいモノを持ってくるんだ。不味かったら破壊しちゃうからね」

 

「ブルマ、それならそろそろカプセルコーポレーションにつくからそこで食事にしよう。片付けも終わったみたいだしな」

 

“ふりーざくん”の活躍により瓦礫はすっかり片付けられ、ブリーフ博士の取り出した予備の家によって、俺たちの住まいは見た目だけならほとんど元に戻っていた。

 

「…なあ破壊神。今戦ったら、お前俺に勝てると思うか?」

 

「愚問だね、僕は宇宙最強の破壊神だ。君なんかに負けるわけがないだろう」

 

「…そうか、それは楽しみだ」

 

俺は口の端に笑みを浮かべながらナメック星を見ることにした。ここにいながらできることをするために。

 

◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻◽◻

 

***side セーロ***

 

ボクの朝は早い。

 

寝る前に散々抱かれたことでパリパリに乾いた精液を適度に拭うと、ブロリーを起こさないように寝床から出ていく。

 

軽くストレッチをしたら次は水汲み。用途は色々だ。

 

家ほどある貯水タンクからいくつかの水瓶に手作業で移していく。

 

ついでに用意した水で浴槽を洗ったら、気を操作してお湯を沸かし、熱々のお風呂を浴槽の半分ほどまで用意しておく。

 

朝ごはんの用意がある程度済んだら、次にブロリーを起こしにいく。

 

「ん…ぐぷっ、んぷっ…」

 

昨日あんなに出したとは思えないほどに固くなったブロリーの朝立ちを鎮めるためにくわえこむ。

 

舌で裏筋を舐め、亀頭を口先に含んで舌先で刺激する。

 

時々玉の裏を揉みほぐしていけば、あっという間にブロリーの快感が高まっていく。

 

「ん…!んごっ!がぼっ!えぼっ!」

 

寝ぼけたブロリーがボクの後頭部を掴んで激しく出し入れを開始する。

 

少し苦しいけど、喉奥を突かれてボクのあそこはじっとりと濡れ始める。

 

「んぅ…!んぐ…ごく、ごく、んくぅ…」

 

胃まで直接流し込まれるみたいな勢いで射精されるブロリーの精液を、僕は美味しく飲みほしていく。

 

口の端にこぼれた精液もゆびですくい、チンポの周りについたボクのヨダレごと全体をキレイにしていく。

 

「姉さん、おはよう」

 

「んぐ…ぷはっ、おはようブロリー」

 

一度射精したことでスッキリしたブロリーが目を覚ます。

 

毎日見ているのにボクはその顔を見てボーッとしてしまうから困ってしまう。

 

端正な顔立ちに、キリッとした目付き。鍛え抜かれた筋肉は冗談抜きで金属みたいな質感を感じるときがある。

 

毎朝顔を見ているだけで、ああ、すごく格好よくなったなって素直に思えるんだ。

 

「ね、ブロリー。して?」

 

「わかったよ、姉さん」

 

ボクは口を離し、ブロリーに対面した体勢で両足を広げ、アソコを指で広げてブロリーを誘う。

 

まだ触ってもいないのに、ボクのあそこはトロトロになっていて、膣口がぱくぱくと酸素を求める金魚みたいに閉じては開いてを繰り返す。

 

「あっ…!ふぅ…~~~っ!!」

 

ただ入れられただけなのにスゴい快感が頭のてっぺんから爪先まで走る。

 

ボクは若干の潮を漏らしながら、ゆっくり動き始めたブロリーの胸板にすがりつくようにしてくっつく。

 

裸と裸。お互いの体温が直接伝わって、気持ちよさと安心感がボクの胸に広がっていく。

 

ボクだけが気持ちよくされてるのは悪いから、時々ブロリーの乳首を指でこねたり舐めたりしながら何度もイク。

 

姉さん、って耳元で囁かれればそれだけでボクはイッちゃうのに、ブロリーは何度もそれを繰り返す。

 

前後不覚どころか上下の感覚すら消えかねないほどの快楽の波の果てに、何度目かの射精がボクのお腹のなかに吐き出される。

 

「ぐっ、姉さん…!」

 

「ああっ…ブロリーのアツいのが…すっごい…」

 

ドクドクと脈打つようにして快感の波が引いていく。

 

それを名残惜しく思いながらも、ボクはようやく収まったブロリーのチンポがもう一度固くならないうちにぬぽっと音を立てて引き抜き、ぱぱっと服を着替えていく。

 

「さ、ご飯食べちゃおう♪」

 

「うん、お腹空いた」

 

いつもの朝の日常。

 

今日もブロリーは元気に過ごしている。

 

あれから随分時間が経って、ボクはもう悪夢を見なくなった。

 

平和な時間を噛み締めながら、どうかこの日々がいつまでも続きますように。

 

そんな風に思っていた。

 

「セーロ!ブロリー!いるか!!」

 

突如として、食事中のボクらの家にネイルさんがやってきた。

 

その様子は、今まで見たことがないくらいに焦っているように見える。

 

「ど、どうしたのさネイルさん!?」

 

「説明は後だ!とんでもない化け物がこの星に迫ってきている!お前たちは急いでこの星から逃げろ!」

 

ネイルさんの言葉にボクは嫌な予感がした。

 

まさか、そんな。でももしそうなら、ブロリーがなんとかしてくれる。

 

「…師匠、それは俺でも勝てないほどですか?」

 

ブロリーが冷静にネイルさんへ問いかける。

 

その言葉にネイルさんは忸怩たる思いを隠そうともせず、うつむいたまま拳を振るわせる。

 

その態度が、すべてを物語っていたけど、ネイルさんはそれでも言葉としてそれを紡ぐ。

 

「…わたしは最長老様に見せてもらっただけだが、断言しよう。アレは無理だ。誰にもどうしようもない。…いや、悟空ならばなんとかできるかもしれないが、彼を呼んで来てもらうまでにナメック星は間違いなく滅びる…!!」

 

悟空さんの名前を聞いて、ボクは胸の奥から奇妙な感情が沸き上がってくる。

 

数年前、ナメック星を訪れた元・名もないサイヤ人だった彼との邂逅は、ボクの心に不思議な感覚を残していた。

 

伝説のスーパーサイヤ人となったブロリーでさえもあしらう悟空さんでなければ対処できないだなんて、まるっきり悪夢じゃないか。

 

「そ、それじゃみんなはどうするのさ!イヤだよ、またボクだけみんなを見捨てて逃げるだなんて…!」

 

そのときボクの脳裏に見たこともない光景がフラッシュバックする。

 

無数の仲間達。ボクへ笑顔を向ける少女達。

 

そして、すべてを滅ぼさんと迫る災厄の魔神。

 

「あぐっ…!頭が…!」

 

「姉さん!?」

 

ブロリーが支えてくれるけど、ボクは混乱からなかなか抜け出せなかった。

 

今の記憶は、なに?

 

「…体調が悪いのか。すまないがわたしではどうにもできん。とりあえず急いで最長老様の元へ行け。ひとつだけ宇宙船も残っているから、そこから…バカなっ!?早すぎる!」

 

その気配を感じて、ボクはいつかの日を思い出す。

 

コロサレテイクナカマタチ。

 

ソシテヤツハばーだっくヲ…!!

 

「イ、イヤアアアアアッッ!!??」

 

「姉さん、しっかりするんだっ!くそっ…!師匠、姉さんを頼みます!」

 

「待てブロリー!ヤツと戦うんじゃない!!」

 

遠退いていくブロリーの気配。

 

止めなきゃ、彼も殺されちゃう。

 

けど、ボクの意思とは裏腹に体は動かなくなっていく。

 

誰か、誰かブロリーを助けて…!

 




やはー、前回に続きオリジナル設定バンバン出てきてますね(他人事)
細かい描写は前回に続き思いっきりはしょってます。
それでも文量パないですが、まあこんなもんということで。

次回予告

やめろブロリー!怒りに飲まれるなっ!

お前が暴走したら、誰がセーロを守るんだっ!

次回『黄金魔獣』

緑の星に、獣が咆哮するっ…!

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