今年の終わりまでに前半の方を書き終える事が出来ました。
「くっそう、覚えてやがれ!」
「おととい来なってね!」
あたし星野真弓は悔しそうに逃げる奴にそう言ってやった。
相手は小田昇、お腹が少し出てながらも褐色肌で髪を立てる様に整えた如何にも「俺は
そんな奴相手になぜケンカして追っ払ったのか、その理由は至極単純。
「真弓、どうもありがとう」
「いいのいいの!困った時は御互い様って言うでしょう」
小学校からの付き合いで幼馴染のショウ改め戸上翔五、彼が小田に絡まれ暴力を振われてる所をあたしが目撃したから助ける為に返り討ちにしてやった。
こう見えても運動神経は凄く抜群だから、下手な男よりかは強いと思うけどね。
「でもさショウ、ああ言うタイプはまた狙ってくると思うから柔道にしろ剣道にしろ自主トレでも良いから自分を守る為にも鍛えて損は無いと思うよ、なんならあたしが鍛えて上げようか!」
「そ、そうだね…それはありがたいけど、真弓の言葉を借りちゃうと真弓だって狙われるかもしれないよ、そのー…真弓だってスタイルの良い女の子だし…もしかしたらって思って」
心配と気恥ずかしさの両方からか、ショウは頬を赤くして目を背けている。
ショウの言う通りあたしは運動神経だけでなく、自分で言うのもなんだけどスタイルが良く…特に胸が高校生にしては不釣り合いと言える位に大きく、それ故に合うブラを買うのにも少し苦労してしまう程。
おかげで周りの…特に男子生徒からはあからさまな視線を浴びる事になるけれど今となってはもう慣れっこだ。
「ショウは心配性ね、あたしが運動神経抜群なのは知ってるでしょう?
下手な男よりも強いんだから大丈夫大丈夫!」
「そっか、それとさっき「ショウは
「あら、そう聞こえちゃったの?
あはは、そんな
「な~んだ、ははは」
「それよりももう少しで夏休みなんだけどさ」
…とまぁ、こんな何気ない会話を何時もの様にするあたし達。
こんな日常がいつまでも続いて行くんだなと思いながらも、それでも飽きる事は無く寧ろずっとそうなって欲しいとあたしは切実に願った。
けれど、あたしのその願いは後の事で永遠に叶う事がなくなってしまった…。
翌日、学校の授業を終え何時もの様にショウと一緒に帰る筈だったけれどそこへショウに暴力を振った小田昇が声をかけてきて、曰く「サシで話がしたい」と言ってあたしを指名した。
ショウは心配したけれどあの男には力で勝ってるから何があっても大丈夫と言って安心させてもらい一人で帰ってもらった、尤もやっぱり心配そうにあたしを最後まで見つめていたけれど。
兎に角ショウに暴力を振い、それを抜きにしてもあたし自身嫌いなタイプの男とはいつまでも話したくないからさっさと終わらせようと思い人気の無いとこに移り話を振った。
「で、あたしに話って何?要件ならさっさと済ませてくんない?」
「そう焦んなよ、ところでお前の連れの戸上の親父は○×会社の社員だったよな?」
「ん?…ええそうよ、それが何なの?」
ショウとは幼馴染の間柄だから自然と相手の親の事も知るので小田の言った事はまず間違いない、でも何でそんな事をと疑問に思うあたしに対し、小田はまるで待ってましたと言わんばかりの嫌な笑みを浮かべた。
「ビンゴだな、ならこれを見てくれや」
そう言って小田は自身のスマホを取出しあたしの前に突きつけるとその画面には。
「○×会社社長、小田…ま、まさか!?」
「ご名答~、俺はその会社社長の息子なんだよな~」
あたしが驚く中、小田は話し続ける。
「いやこっちも驚いたよ、まさかあの野郎の親父が家の親父の会社で働いてるなんてな~。
何でも戸上って言う社員の一人がミスをしたって親父が呟いてたから詳しく調べて貰ったら案の定あいつの親父さんだって事が分かったんだよ、偶然ってあるもんなんだなぁ~」
なんともわざとらしくおどけながらも煽る様な口調にあたしは少しイラつくも、それを抑えながら問い掛けてみる。
「…それを言ってアンタは何を企んでるの?」
「企みっつうかさ、俺のお願いを聞いて欲しい訳だけど~」
そう言いながらあたしを上から下まで眺める小田の眼つきは、よくクラスの男子生徒から向けられたあのいやらしい視線と全く同じだ…薄気味悪い笑みを浮かべるのも相まって本当に気味が悪い。
「ふん!本当にアンタがその会社社長の息子な訳、只同姓同名なだけじゃないの?」
あたしは精一杯の虚勢を張って見た。
この男がそんな身分とは思えないし余りにも都合が良すぎている…けれど嘘だとしてもここまで手の込んだ事が出来る様な奴とは思えないしそれを知る術も時間も今は無い、何よりもコイツはショウの家族を人質同然に向けている…もし本当ならショウのお父さんが…ショウ自身が。
「あっそう、別に信じなくても良いが話は付けさせてもらうぜ。
俺に楯突いただけじゃなくなんせお前は戸上の野郎とは仲が良いんだ、俺がお前に受けた仕打ちを話せばミスをしてた事も相まってクビになるかもしんないが俺には関係ないけどな~、そんじゃあ早速」
そう言って小田は余裕で且つ悪びれた様子もないままスマホを弄り始める、余りにも絵の描いた様な態度は本当に吐き気がする、けれどさっきも思った様にコイツの言う事が嘘か本当かを知る術がこっちにはない。
そんなあたしの迷いと不安にお構いなく、小田は躊躇無く電話に掛けようとしている…もう形振り構っていられない。
「ま、待って!」
「あんっ?」
「…言う通りにする、だからやめて」
本当は今でも嘘であって欲しい…ハッタリであって欲しい、けれどここまで追い詰めて来た以上もうあたしに選択肢はなかった。
「そうそう~最初から素直に頷きゃ良いんだよ~。
言っとくが、もし戸上の野郎やそれ以外の奴にこの事を少しでもチクりやがったら速攻で家の親父に言いつけるぞ、分かったな?」
「わ…わかったわよ…」
凄く悔しくて屈辱的過ぎる…目の前の男はとんだ外道だ、これからあたしがこいつに何を要求されるのかは目に見えている。
正直逃げ出したい気分だけどそれをした途端にコイツは迷う事無く実行する筈、まだコイツが○×会社の社長の息子だなんて信じられないけれどここまで話が進み釘を刺された以上もう後戻りができない。
大好きなショウを守る為にも我慢するしかない…あたしは自分にそう言い聞かせた。
そして時刻は5時過ぎを回った頃、あたしは小田の指示に従って空き家となってる家に潜り込むとアイツからの辱めを受け始めた。
「くぅ…あ、んく…ああっ!」
「うっひょーやっぱ直接掴みだと全然違うわ、もうムニュムニュのスベスベで堪んないぜ~!
それにここもグッチュグチュだしよ~、やっぱお前はエロスの塊だなぁ~!」
「うる、さいっ…あん!さっさと…うんっ!終わらせな、さいよ…ひぐっ」
「そう言うなって~まだまだ楽しみたいんだからよ~」
背後に回ってる小田は左手であたしの左胸を直接掴んでモニュモニュと揉み解し、右手はあたしの秘部をグチュグチュと弄り続けている。
乳首を捏ね回し豆の様な部分を念入りに擦り続けられ、その都度感じてしまう自分が情けない…。
「へへ、十分濡れたようだな~…そんじゃ早速始めるぞ」
「え…うそ、ちょっと待って!」
「いいや待てねぇなぁ!オラァっ!」
足がガクガクになり地面に座るとあたしは仰向けにされ、同時にアイツのデカくなった物があたしの秘部に触れた。
入れる心算のアイツを止めようとしたが勢いに乗ったアイツは耳を貸す事も無く無理矢理ねじり込み、あたしの初めてを奪われた。
「あ!あああああああああああ!!!」
「すっげぇ!キッツキツでヌメヌメのマンコだわ!もう最高だなお前、あーははは!」
ゲラゲラ笑いながらアイツは腰を前後に大きく振ってあたしの中を突き上げ始める。
突き上げられる度にあたしは入れられてる苦しみと同時に認めたくない性への快感を確かに感じ取っていた事を自覚し、こんな奴に抱かれてしまった事の悔しさと…何よりも守る為とは言えショウの知らない所でこんな情けない事をやってしまってる罪悪感が合わさり無様にも感じながら泣き始めた。
「やめろぉ、ヒグ…う、動くなぁあああん!やめてよもう!お願いだからああああん!」
「へっへっへ、情けねぇなぁおい!運動神経抜群の真弓様がぁ!この俺のチンポに突かれて泣きながらよがってるなんてよぉ!」
「うるさぁああああん!アンタのなんかぁああああ!感じてんん!ないんあ!だからあああああ!」
必死に強がるあたしだけど調子に乗って腰を振ってるやつの前では意味が無く、寧ろ屈服させたと言う優越感を強めるだけになり更に激しくあたしの中を抉り突き付けていく。
ブルンブルンと揺れる胸にも武者ぶり付きもう歯止めが利かなくなってしまっている…そして。
「よっし!そろそろ来たぜぇ、早速一発目入れてやるよ!」
「う、うそ…待ってやめて!中にだけは出さないで!やだやだやだ!!!」
「うるせぇ!もう止まらねぇよオラ!黙って入れられやがれぇー!」
「いやぁああああああああああああ!!!」
あたしの悲鳴と共にアイツはビクビクと果てながら中へ射精した。
ビュルビュルとアイツの汚い液を入れられてるのを感じ何もかも打ちのめされた様な気持ちが駆け巡った。
そんな沈んだあたしにアイツは容赦無く性行為を続けた…もうどれだけやったのかすら覚えてない。
この一件以降…あたしはアイツの言い成りになった生活を強要された、ショウ達だけじゃなく今回の性行為をバラされたくなかったらという新しい脅迫要素を盾にされて。
終業式前の時、あたしとショウは何時ものように一緒に帰る途中で小田が現れ、曰く「以前のリベンジをやってもらおうか」と言ってあたしを誘い込もうとした。
ショウは喧嘩に発展すると思い止めてくれたけどあたしは「アイツに以前勝ったんだし大丈夫」「何かあったら連絡するから」と言ってアイツの誘いに乗りショウを置いて一緒に行った…でも全部嘘で今日もアイツの姓処理をする為の口実でしかなかった。
「やっぱお前の胸でっけぇな、この俺のデカチンポを軽々と包み込むなんてよぉ~」
「うっさいわね…ん、黙ってなさいよ…ん、んむぅ…んん…あむぅ…」
人気の無い茂みに移ったあたし達はそこで野外セックスを行い始める。
相変わらず汚い笑みを浮かべる小田に睨みを入れながら、あたし自身の巨乳でアイツのチンポを挟んでパイズリし先端部分を咥えしゃぶった。
汗臭く少し塩味を感じるが拒絶する訳にもいかなかったのでさっさと射精してもらう為に舌も使って口の中でチロチロと舐め回し刺激を与える、それが功を奏したのか熱くなってるコイツのチンポがビクビクと動きそろそろ果てようとしていた。
「んぐぅ!…んぅ…ん…んはぁ…」
こいつの出す量は多く最初は飲み込めなかったけれど何回もやってく内にギリギリであるが外に漏らさない程度には飲めるようになってきている。
こんな事に慣れてしまうなんて本当に情けない…でもどこかで興奮してる自分が確かにいる様な気がする…。
「よぅし、続けていくぞ」
小田はそう言いながらボーとしてるあたしを無理矢理動かし、立った状態で両手を木に付けてお尻を突き出す様に仕立てると。
「ん、はぁ~ん」
同時にあたしの中にニチュっとチンポを入れる。
トロトロになっているのですんなり入りそのまま前後に動かしていく。
「あ、あ、あ、あああん…んくぅ!…くぅ…はぁああん」
「なんだなんだぁすっかり濡らしちまってよぉ~、期待してたのかぁ?」
「ち、ちがうぅ~きたいあん!してなんかぁあ!うん、ないわよぉおおおおん!」
否定しながらも突かれるあたし…でもコイツの言う事を否定しきれない部分もあり実際にあたしのアソコは濡れていた。
そして毎回入れられた事もあり苦しさと同時に刺激される性の快感が確実にあたしの理性を蝕んでいた…。
「ご、ごめんねショウ…あん!きょ、今日も行けれなくてぇ!い、いま鍛えてぇ!いるのよぉ!
あ、アイツしつこいからさぁん!足元すくわれないようにぃ!つ、強くしておかないとぉ!
今度は一緒にプールにいこうねぇ、それじゃあん!」
あたしはそう言いながらスマホの電話を切った…小田の上に乗り馬乗りの状態で。
「ひでぇ女だなぁ、戸上の野郎を断ってこの俺のチンポを選んでこうして自分から腰振ってんだからよぉ~」
「あ、あんたがぁ!あひ!誘わなかったらぁああああん!こんなことにはぁああああ!」
「まぁその御蔭でお前の水着姿をこっちは拝めるんだけど、やっぱ似合ってるぜぇ」
「あんたにぃ!そんなぁああああ!言われたってぇ!あん!うれしくぅ!ないわよぉおおおん!」
夏休みの期間が半分近く経った頃、それまでもあたしは毎日小田の言い付けに従い性行為を行っていた。
ショウには前から一緒にプールに行かないかと誘われたけど小田の言い成りになってる以上受ける事が出来ず言い繕って断り、そして今はショウに見せようと思った青色のビキニを着用し小田のチンポを入れられ腰を自ら振っていた。
「そう言って本当は気持ち良いんだろう、素直になったどうだぁ?」
「気持ち良く、なんかぁあああああああん!あん!あ、あ、あ、あ!」
言葉とは裏腹にあたしの腰は加速していく、ゴリゴリと抉られるこの感覚が堪らない…ジュポジュポとリズミカルに響く音が耳に入りより一層あたしを興奮させる…あれ?
そもそもあたし何のためにコイツとヤってるんだっけ……何だかどうでもよくなって来たかも。
「そろそろイクぞ真弓ぃ、たっぷり出すから受けとれやぁ!」
「ああああああああああん!イクぅ!イっちゃう!気持ちいぃ!はぁああああああああああん!!!」
小田の言葉と同時にあたし自身も果てながら中だしをされる…アツアツの精子が注がれるのを感じ…凄く快感になった…このままなのも……悪くないかも。
そして夏休みが終わる一週間と2~3日ほど前。
あたしは小田に誘われあるホテルに泊まるとそこでセックスに走りながら小田にある事を提示された。
「なぁ真弓よ俺と恋人同士になろうぜ、そうすりゃ俺とは何時でもできるし戸上の野郎には今後一切手をださねぇぜ」
チンポを入れズチュズチュと音をたてながら恋人になろうと言う小田…そんなアイツにあたしは。
「ああん!あん!いい!なるぅ!アンタと恋人になっても良いからぁ!もっとズボズボ入れて!!グチュグチュにしてぇええええ!!!」
躊躇い無く受け入れた、コイツの大きくて太いチンポはあたしの中を抉りこれまでに無い快楽を与えてくれる。
きっとショウでは満足できないかもしれない、それにこいつの恋人になればショウには暴力を振わないと言ってるんだ、おまけにこんな気持ちの良い事を毎日味わえることだし一石二鳥ね。
「それじゃあさぁ、お前と俺のスマホであの野郎に俺達の関係を知らせようぜ!
あいつにとっちゃ結構なおかずになるだろうがな、ヒッヒッヒ!」
「いいん!いい!見せちゃう、ショウにも見せちゃうぅうううう!!!」
そう言いながらあたしは小田に何度もされてるディープキスを自分からしてスマホを取出しあたしたちに向けて録画を行った。
「んちゅ!じゅる!はぁん…むちゅぅ、あん!ショウ見てるぅうん!
あたしぃ実わはぁん!小田とこうしてぇん!セックスしてぇ!ああん!恋人になったのよぉおおん!」
この小さな機械にこんな淫らな映像が映されていくんだ…そう思うと益々興奮してくる。
「あん、いい!…はぁんっ!気持ちいい!……ねぇショウあたしぃうんっ!小田の太いチンポのぉっ!トリコになっちゃたのぉ!これからはあああん!…こいつと恋人にぃん!なっちゃうけれど!ショウとはずっと!おおん!友達…だからぁあああああん!」
これをショウに送ったらきっと悲しむけれどここまで来たらもう止められない、せめて幼馴染としてずっと友達でいようと動画越しでメッセージを送りながら。
「もうだめぇ!イクイクゥ、イックぁああああああんっ!!!」
あたしはビクンっ!と体を震えさせ果てた。
ブルンと揺れる胸が敏感に感じそれが益々ドキドキさせる、そこへ。
「おいおい、こっちはイッてねぇからまだ終わりじゃねぇぞ!」
「ああん!イッたばかりなのにぃん!あん!あん!ああん!」
小田の太いチンポが追い打ちをかける様にさらに強く早く突き上げる。
只でさえイッたばかりだからより一層敏感になってるあたしには最早更なる快感の高みを味わう事になっていた。
大きな胸に武者ぶり付きジュパジュパと吸う音とズチュズチュとあたしを抉り突く音の二つが重ね響き、そして。
「いくぞ!いくぞ真弓ぃ!ぶちまけてやるぞぉおおおお!」
「いい!ぶちまけてぇえええ!あああああん!またイックぅううううううううう!」
今度は小田と一緒にあたしは再びそして最高の気分で果てる事になった…ビュルビュルと入れられるドロドロの精液がとても熱い、でもそれがとても心地良く感じる…荒い息をつきながらあたしはギュッと強く抱きしめた…頭がボーとする…でももう堪らない、もうコイツのチンポ無しじゃ無理…もっと…もっとしてぇ…。
「…そうしてあたしは、何度もアイツとセックスして…快楽の虜になってしまったの…本当に…情けないよね…」
静まり返った病室の中で、これまでの事を語った真弓は自虐する様に笑う。
おばさんは両手を顔に着け俯き刑事さんは神妙な目で見つめ…僕自身も只々呆然と見つめる事しかできなかった。
…いったいどう整理すればいいんだろう、何を言えばいいんだろう…頭が真っ白な僕はそれでも何とかしようと思い俯くおばさんに僕は徐に問い掛けた。
「おばさん…水をくれますか?」
「え?…え、えぇ…わかったわ」
突然の事で戸惑ったおばさんだが直ぐに切り替えたのか患者用の紙コップに水を注ぎ僕に差し出す。
僕は「どうも」とお礼を言って受け取ると注がれた水を一気に飲み干した。
冷たさが悪い意味で火照った僕の体を駆け巡り潤す…このまま何もかも水に流し忘れてしまえばどれだけ楽だろうか…でもいくら飲んでもそんな事にはならない、あくまで気休めにしか過ぎないんだから。
ただこの水の冷たさによって少しではあるが頭が冷静になった様な気がするが同時に僕の悪い予感が的中したことを思い知らされた…真弓は僕の…。
「それでは彼…小田昇の言う様にキミがあの動画を?」
「…今更言い訳するような事を言うんですが…正直に言いますとよく分からないんです。
あの後部屋に呼び鈴が鳴って中断して、そしたらアイツがジュースと果物が乗ったトレーを持ってきたんです。
何でも初めて利用する方限定のサービスシステムだって言う従業員から貰って…それを一緒に飲んでしばらく休んでたら自然と眠ってしまって…うろ覚えで無意識に送ったのか…でも…自分の意志であ…あんな事を録画したのは…紛れも無い事実です…」
プルプルと震えながらシーツを握る真弓の声はどこまでも沈む様に元気の無い声だった。
例え僕を抜きにしても母親であるおばさんの前でこんな事を言うんだ…罪悪感が浮かばない筈がないよ。
「キミ達が泊まったホテルで事情聴取をしたのだがホテル関係者の話ではその様なシステムは無いと言った」
「それじゃ…まさか…」
「その従業員は…恐らくアルフが変装した姿であり、キミ達が飲んだジュースから薬物反応が検出された。
奴は睡眠薬を使って最初からキミ達二人に狙いを絞っていたのだろう」
刑事さんが述べた事を聞いて僕は改めてアルフに恐怖を感じた、見つかる可能性があるのに大胆に迫って且つ怪しまれる事無く実行するその行いに。
でも同時にどうしても腑に落ちない疑問もある…どうやって二人の関係を知ったのだろう。
言ってみれば赤の他人なのにピンポイントで確実に狙ったんだ…そもそもどうやって情報を仕入れたんだろう。
そんな僕の疑問を余所に刑事さんは真弓に問い掛けた。
「真弓くん、無理強いな言い方だがその後どの様な事があったのか話して貰えないだろうか?
事件の内容なだけに早期解決の為にも……いや、出来れば話したくない事は分かっている。
キミがどれだけ恐ろしい目に遭ったのか…そして…」
刑事さんはそこで話を途切ると徐に僕の方に顔を向けた。
そう…真弓が今まで言った事が只でさえキツイのに今度のはまるっきり次元が違うんだ、性行為から一変して血みどろで殺伐な話に。
被害者である真弓が口に出す事は、否応にもその時の出来事を思い出さざる終えないのだ。
当事者じゃない僕では想像もつかない恐怖と苦しみだ…事件解決の為って言えば聞こえは良いと思う…でも好きで思い出したくなんてない筈だよね…。
「真弓、さっき僕は全てを話して欲しいって言ったよね…僕は真弓の話す事から逃げるつもりはないよ…でもどうしても無理だったら今じゃなくても良い。
もし僕が居る事で話せないのなら僕だけ外しても構わない…だから…真弓が選んで決めて良いよ」
あんな事があっても…いや、あんな事だからこそ真弓を追いつめる様な事はしたくない。
自然にそう思ってしまう僕は今までの事を聞いてもやっぱり真弓が好きなのか…ただ単に甘いだけかもしれない…自嘲めいた様に僕は心の中で自分自身に言ってやった。
「…続きを言っても、いいですか?」
「真弓…無理しなくても」
「いいの、事件の被害者だから協力しなきゃいけないし…
僕の言葉を区切って真弓は最後まで話すと言うが同時に彼女は僕を再び“翔五くん”と言った。
どこか壁を作って真弓の方から遠ざけてるのを確かに感じ…ズキリと胸が痛む感覚を覚えた。
そうなるのも当然かもしれない…でもいざ他人行儀に言われても…やっぱり良いもんじゃない…好きだって自覚してしまったから尚更だ。
でも…今ここで落ち込む暇はないしする訳にもいかない、次に真弓が語る内容はあのアルフについてだろうから。
一体奴はどんな理由で狙ったのか…何を言われたのか…捕えられてどれだけ怖い思いをしたのか、様々な事を真弓は語るんだ。
今は最後まで聞くしかない、僕は再び自分に言い聞かせてると真弓の口から自身が体験した恐怖の出来事を静かに語りだし、それを逃さない様に僕を含めた全員が口を閉じ再び聞く耳を立て始めた。
つづく。
これで前編は終了です。
次回の後編からいよいよNTRキラーのアルフ本人の登場です。
かなりエグい表現になると思います。