※この作品はR-18です。

シンジになってハーレム計画   作:聖夜竜

44 / 50
お待たせしました。最新話です。

今回から第4章【渚カヲル暗躍編】に入ります。

第4章は今までの中じゃかなり短い内容ですが、シンジ達の関係が一気に深まる重要回だったりします。

また、ただいま事情により更新停止中のAI挿絵の追加表示についてはもうしばらくお待ちください。


第4章 渚カヲル暗躍編
ゼーレから来た少年


 

 どこかも分からない暗闇の空間──そこの中央に用意されたパイプ椅子に腰掛ける一人の少年がいた。

 

 黒い学生ズボンを履いた両足をだらんと伸ばし、物静かに両目を瞑る銀髪の彼は12柱の黒いモノリスに取り囲まれ、今まさに新たな指令を受けている最中だった。

 

『……よいな? これは極めて重要な任務だ。失敗は許されぬぞ』

 

 赤文字で『SEELE(ゼーレ)』と刻まれたNo.1からNo.12までのモノリスのマークが一斉に光り輝くと、パイプ椅子に座る中学生らしき銀髪の少年はゆっくりと瞼を開く。

 

 その開かれた両瞳は血の様に真っ赤な色をしており、とても人間とは思えない不気味な印象を与える。

 

『渚カヲル──全てはお前に掛かっている。我らの願い、人類の補完はいずれ訪れる。その為には必ずや碇の息子を手に入れ、アダムによって封印されたルシフェルの魂を解き放つのだ』

 

 カヲルと呼ばれた少年は黒いズボンのポケットに両手を突っ込んだまま、No.1と記された目の前のモノリスに向かって不敵に微笑む。

 

「……あぁ、わかってるさ」

 

 そう呟くと、カヲルは再び両目を閉じる。するとその瞬間、彼を取り囲む全てのモノリスが一瞬にして消え去り、辺りには再び静寂が訪れた。

 

「……ようやく逢えるね、碇シンジ君」

 

 カヲルは誰も居なくなった暗闇の空間で静かに笑みを浮かべたまま、小さく囁いて消え去る。先程まで彼が座っていたパイプ椅子の上からは、ひらひらと黒い堕天使の羽根が舞い落ちていた。

 

 

 

 

 

 さて──ある夏の日の事だ。シンジが通うネルフ学園中等部の2年A組のクラスに転校生がやって来た。

 

「渚カヲルです。よろしく」

 

 そう言って微笑んだ彼の容姿を見た女子生徒達は忽ち黄色い声を上げ、男子達からも感嘆の声が上がる。

 

 透き通る様な白い肌に真っ赤な瞳、非常に整ったクールな顔立ち、そして艶やかな銀髪を切り揃えたその姿はとても美しく、まるで神話に登場する天使の様にパーフェクトな美少年であったからだ。

 

 ……だがそんな周囲の反応とは裏腹に、シンジだけは何故か眉間に皺を寄せながら彼を睨んでいた。何故ならこの渚カヲルという少年は、前世の記憶で少なからず見に覚えがあったからだ。

 

 ──渚カヲル。その正体は使徒28柱に数えられる第19使徒タブリス。『自由意志』を司る天使で、ラミエルやラファエルと同じく最強とされる『七大使徒』の一人に数えられるほどの人物だ。

 

 彼はネルフに敵対心を見せる秘密結社ゼーレがスパイとして派遣した五人目の監視者(シェムハザ)である。

 

 シンジはまだその事実を知らないとは言え、カヲルの狙いが自分にあるという事は薄々勘付いており、だからこそ警戒していたのだが……

 

「先生、席はあそこが空いてますね?」

 

「あぁ、シンジ君の隣ね。そうね、そこを使ってちょうだい」

 

(何だろう……コイツからは敵意を感じない。むしろ好意すら感じるんだけど……)

 

 それどころか、教室に入った時からこちらを見つめる赤い瞳には純粋な興味の色が浮かんでいる様にさえ見えた。

 

「よろしく、シンジ君」

 

「あ、うん……よろしく、渚君」

 

 正直あまり仲良くしたくないな……シンジは内心そう思いながら隣の机に座るカヲルに挨拶する。

 

「カヲルでいいよ」

 

 しかしカヲルはクールな笑顔を浮かべながら呼び方を訂正させる。どうやら苗字ではなく名前で呼んで欲しいらしい。

 

「シンジ君、すまないけど教科書見せて貰えないかな? まだ何も手元に届いてないんだ」

 

「う、うん……あっ、それじゃあもっと机近付けた方がいいか」

 

「あぁ、ありがとう」

 

 それから二人は机をくっつけたまま授業を受ける事に。しかしその間もずっとカヲルの視線はシンジに向けられており、その事に気付いているシンジもまた彼に意識を向けて悶々としていた。

 

(うぅ……めっちゃ見られてる。やっぱりこいつホモなんじゃないか?)

 

 みんなの見ている手前、シンジはやむを得ず隣のカヲルに教科書を見せてあげていたが、本心を言うと一刻も早くこの気まずい時間が終わって欲しかった。

 

 別にカヲルが嫌いという訳ではないのだが、何というか……カヲルの赤い瞳に見つめられ続けていると妙に胸騒ぎがするというか、ゾクッとする嫌な感覚に襲われるのだ。

 

(あぁ……同じ赤い瞳なら男なんかより綾波さんに見つめられてたいなぁ……せっかく隣同士なんだし)

 

 そう考えつつシンジはチラリと横目でカヲルの方を見る。すると偶然にも彼と目が合ってしまい、慌てて目を逸らす。

 

「フッ……可愛いね」

 

 カヲルは誰にも聞かれない声量でシンジを見ながら小さく呟く。それはまるで、自分の事を気にしてくれている事が嬉しいとでも言わんばかりに。

 

 

 

 

 

 やがて最初の授業が終わり休み時間になると、早速クラスの女子達がカヲルの周りに集まって来た。

 

「渚君はどこから来たの?」

 

「どの辺に住んでるの?」

 

「趣味は?」

 

「どの部活に入るか決めた?」

 

「どうして引っ越して来たの? 親の仕事の都合?」

 

 カヲルはその全てに対してクールに微笑みながら答えていく。すると忽ち女子生徒達はカヲルにメロメロになり、中には目をハートにして頬を染め、とろ~んとしている子もいた。

 

 唯一クラスでカヲルの傍に近付いていない女子はアスカ、レイ、ミカサの三人だけだ。ネルフ学園が誇る三人のアイドル的美少女はカヲルが女子達に囲まれる前にさっさと逃げ出したシンジに従う形で教室の片隅に集まっていた。

 

「まったく、ヒカリまで顔を真っ赤にしちゃって……あんなキザっぽいののどこがいいんだか」

 

「惣流さん、そういう言い方はどうかと思うけど……彼はまだ転校して来たばかりなんだし」

 

 カヲルに群がる女の子達を見て呆れた様子で呟くアスカに、レイが控えめに苦言を呈する。確かにカヲルの容姿は男子から見ても文句無しに整っているし、あの笑顔を振り撒かれれば誰だって虜になってしまうかもしれない。

 

「とか言って、ちゃっかりシンジから離れないじゃない。あんた、ああいうの好きじゃないんでしょ?」

 

「うっ……そ、そんな事ないわ。ただ、あれだけじっと見られてると碇くんが迷惑してそうかなって……」

 

 そう言いつつも、レイは授業が終わるとすぐさまシンジの着ているワイシャツの裾を引っ張ってカヲルから離れた場所に避難していた。実に正直なレイである。

 

「ミカサはどうなの? ──って、聞くまでもないか」

 

「……ミカサは別に。男の人などどうでもいいので」

 

「ふ~ん。ま、興味ないならそれでいいけど」

 

 アスカはシンジの隣に立ってシェイクスピアの本を読書中であるミカサの冷めた反応につまらなさそうな表情を浮かべると、そのまま向き直ってシンジへと視線を移す。

 

「……何だよ、人の顔ジロジロ見て」

 

「べっつにぃ~。相変わらず女の子みたいな可愛い顔してるな~って思って」

 

「うるさい、ほっとけ」

 

 シンジは無愛想な顔を浮かべてアスカの言葉に突っ込む。実際シンジの顔立ちは中性的であり、女装などしようものなら簡単に黒髪ロングヘアーの美少女に化ける事が可能だったりする。

 

「ふふっ♡ ま、シンジはああいう女たらしな奴は苦手だもんねぇ。シンジと違ってかなりのイケメンだし」

 

 アスカはそう言うと、ニヤニヤしながらシンジの胸元を指先で軽く小突いた。

 

「ま、でも……あたし達だけは全員あんたのハーレムなんだから、そこは安心してよね♡」

 

「っ……あまり大きな声で言うなよ。ただでさえ三人とも学校じゃ目立つんだからさ」

 

 シンジは少し照れ臭そうに赤面して俯きながら注意する。するとそこにカヲルが歩み寄って来たではないか。

 

「シンジ君──悪いんだけど、校内案内してくれないかな?」

 

 どうやら女子達からの質問攻めが終わったらしく、カヲルはシンジに声を掛けて来た。

 

「えっ……僕が?」

 

 露骨に嫌そうな顔をしながらシンジはカヲルに聞き返す。シンジは未だにカヲルに良い印象を抱いていなかった。というより、この少年に対する不信感を拭えずにいたのだ。

 

(こいつの目的は間違いなく僕のはずなのに、何故かこいつは僕に友好的な態度を取ってくる。それが逆に怖いんだよなぁ……)

 

 シンジはカヲルの真意を測りかねていた。何故ならカヲルは人間ではなく使徒である。つまり監視者(シェムハザ)のシンジにとってカヲルは殲滅しなきゃならない敵なのだ。

 

 それなのに何故かカヲルは出会ったばかりでシンジにやたらと接してくる。そんな彼にシンジは薄気味悪さを覚えていた。

 

「そう。今日中に学校の施設を全て覚えておきたくてね。両親が理事長の君なら他の生徒よりも色々と知っているんじゃないかと思って」

 

 そう言って怪しく微笑むカヲルだったが、その赤い瞳の奥にはシンジへの強い関心の色が宿っていた。

 

「ちょっとあんた! さっきから黙って見てればシンジにちょっかいばかり出して……何のつもりなの!?」

 

 そんなカヲルに真っ先に噛み付いたのは、やはりと言うべきかアスカであった。

 

「おや。君がシンジ君の幼馴染み、惣流・アスカ・ラングレーだね。初めまして、僕は──」

 

「そういうのいいから、あんたがシンジに馴れ馴れしく近付く目的を言いなさいよ!」

 

「目的……あぁ、そう言えばまだ説明していなかったね」

 

 アスカに詰め寄られたカヲルは思い出した様にポンと手を叩き、シンジを真っ直ぐ見つめながら口を開く。その赤い瞳はシンジだけを映しており、まるで最初からシンジしか見えていないかの様だ。

 

「僕は“君達”と同じなんだよ」

 

 意味深な言葉にシンジ、アスカ、レイの三人は困惑気味に顔を見合わせ、ミカサはやれやれと溜息混じりに読んでいた本を静かに閉じる。

 

「……彼は監視者(シェムハザ)なんですよ。今まで仕事の方はミカサに任せっきりでサボりがちだったようですが」

 

 カヲルの言った事に逸早く反応したのは、彼の正体を知っているミカサだった。それを聞いたシンジ達はギョッとした様子でカヲルを一瞥する。

 

「そう。つまり僕は五人目なんだ──でもサボりがちとは酷い言い草だね、ミカサ。これからは君達と一緒に使徒と戦うネルフのフィフス・チルドレンさ」

 

 カヲルは涼しい笑みを浮かべたままシンジ達に語り掛ける。

 

「な、何を言っているんだ? 君が……五人目の監視者(シェムハザ)? 冗談だろう?」

 

 シンジは動揺を隠せないままにカヲルに問い掛ける。しかしカヲルはクスッと笑うだけで何も答えようとしない。それどころか、シンジがカヲルに抱いていた疑念を見透かしているかの様に、どこか楽しげな眼差しを向けている。

 

「シンジ君、駄目かな? そういう訳だから、もし良ければ君に校内を案内して欲しいんだけど」

 

「い、いや……それは別に構わないけどさ。そもそも、どうして僕なんだ?」

 

「碇シンジ──監視者(シェムハザ)のサード・チルドレンにして人工進化研究所の所長副所長である碇夫妻の一人息子──君の存在は以前から聞かされて知ってはいたけど、こうして実際に会うのは初めてなんだ。せっかく同じクラスになったんだし、仲良くなりたいじゃないか」

 

「………」

 

 カヲルの答えにシンジは何も言えなかった。

 

「それに僕としても、君は非常に興味深い存在なんだよ。“ただの男”には興味ない──シンジ君、“君だからこそ”お近付きになりたいんだ」

 

「……わかった。そこまで言うなら、一緒に行くよ(やっぱりホモだこいつ)」

 

 カヲルの真摯な態度に押される形でシンジは渋々承諾し、二人は連れ立って教室を出ようとする。

 

「あっ、待ちなさいよシンジ! あたし達もついて行くわ!」

 

 そんな二人を見たアスカが慌てて後を追い掛け、レイとミカサも二人の後に続こうとするが……

 

「アスカ達は別に来なくても──」

 

「だ~め! こんな怪しい奴と二人きりにするなんて危険過ぎるわ!」

 

 アスカはそう言いながらシンジの腕にしがみつく。一方レイはアスカの反対側からシンジに抱き着き、ミカサはシンジの背中に隠れる様な形でそれぞれカヲルを睨み付ける。

 

 三人の美少女に身体をホールドされたシンジは内心嬉しく思いながらも、それを悟られない様にしてカヲルに告げる。

 

「ま、まぁ……そういう事らしいんだけど……カヲル君、いいかな?」

 

「……フッ。なるほど、ね。でももうすぐチャイムが鳴りそうだし、校内案内はまた後でしてもらうとするよ」

 

 シンジを守ろうとするアスカやレイの必死さを見てカヲルは何かを察したのか、小さく苦笑いを浮かべると諦めて自分の席に戻って行った。

 

 その後もカヲルは授業の度にシンジに積極的に話し掛けて来た。その様子を見てドギマギするアスカやレイを挑発するかの様に、カヲルはわざとシンジに密着したりしていた。

 

 

 

 

 

 ──そして放課後。

 

 全ての授業が終わり、シンジは逃げるよりも先にカヲルに捕まってしまい、二人は今現在、校内を歩き回っていた。シンジはアスカ達を一緒に連れて行きたいと話したのだが……

 

「ごめん。僕は人見知りする性格なんだ。それに女の子には興味ないから、シンジ君だけでいい」

 

 などとカヲルに強く言われてしまい、結局シンジ一人でカヲルを案内する事になってしまったのだ。

 

「……それで? カヲル君はどこに行きたいとかあるの?」

 

 げんなりした様子で校内の廊下を歩くシンジは隣に並ぶカヲルへと訊ねる。誰が好き好んでアスカとレイのエッチのお誘いを泣く泣く断り、放課後に男二人でデートみたいな事をしなければならないのだ……と、シンジはカヲルに気付かれない様にこっそりと溜息を吐く。

 

 だがカヲルはそんなシンジの内心を全く気にしていないらしく、ニコニコしながら口を開いた。

 

「そうだね……音楽室に行ってみたいかな。シンジ君もたしか、小さい時にチェロを嗜んでいたそうじゃないか」

 

 良く知っている……というより、シンジの個人的なプロフィールを事前に調べてきたであろうカヲルの言葉にシンジは思わず顔を顰めながらも答える。

 

「あぁ、うん……まぁ、父さんがかっこいいからやるべきだってうるさくてね……」

 

 シンジ自身は別に音楽に興味など無かったのだが、碇家では昔から父親のゲンドウの一存で何かしら家族の時間を大切にしてきた。

 

 音楽もそういったゲンドウ発案の一つであり、シンジは小学生になった頃から毎日の様にチェロの練習に励んで来た。そのおかげでシンジは幼い頃からプロ並みの腕前を持つに至っている。

 

 とは言え……音楽はやれと言われてやるものでもなく、シンジはチェロの練習自体は好きでもなかった。どちらかと言えばチェロの練習よりアスカや母親達とのエッチに没頭していたかった為、中学に入ってからは部活にも入らずに帰宅部となっていた。

 

「音楽が好きなの?」

 

「あぁ。音楽は心を潤してくれる。人類(リリン)の生み出した文化の極みだよ。そう感じないかい?」

 

 カヲルは感慨深げにそう語ると不意に足を止め、シンジの顔を見つめながら静かに微笑む。その赤い瞳は相変わらずシンジだけを映しており、まるでシンジ以外の全てが目に入っていないかの様だ。

 

「わからないよ……だいたい、“リリン”ってミカサと同じ事言って──」

 

 そんなカヲルの態度にシンジは薄気味悪さを覚えて身震いすると、カヲルを置いて早足にその場から離れようとした。しかしカヲルはそんなシンジを逃さないとばかりに腕を掴むと、そのままシンジを強引に抱き寄せる。

 

「えっ、あっ……!?」

 

 突然の事にシンジは抵抗できず、カヲルの胸の中にすっぽりと収まる形となった。その瞬間、シンジの全身にゾワッとした悪寒が走る。

 

 カヲルに抱き締められた事で感じる男の匂いや体温がシンジの嫌悪感を強く刺激し、その顔は動揺して真っ赤になっていく。

 

(やばい! やっぱりホモだよ! 最悪だ、男にハグされるなんて……!)

 

 シンジはカヲルの拘束から逃れようと手足を動かすが、カヲルの力が予想外に強過ぎて振り解けない。

 

「一時的接触を極端に避けるね、君は。怖いのかい? ヒトと触れ合うのが」

 

 カヲルはそう呟きながらシンジの耳元にそっと口を寄せ、シンジの耳にふぅ~と息を吹き掛ける。

 

 その途端、シンジの背筋に電流の様な感覚が走り、思わず声が出そうになった。シンジは慌てて口を手で押さえ、カヲルから離れる様に身体を捻るが……

 

「ち、違っ──お、お前何やって……!?」

 

 その時、シンジの背中に固い壁がぶつかる。どうやら背後は廊下の壁らしい。シンジは逃げ場を失い、追い詰められた獲物の様に怯えながらカヲルに振り返る。

 

「フフッ、怖がらないでいいよ。僕は君に危害を加えるつもりはないんだ」

 

 カヲルは優しい笑みを浮かべたままシンジを安心させる様に囁くが、それが逆にシンジの恐怖心を増していくばかりで一向に和らいでくれない。

 

「いや、あの……放してくれよ……っ!」

 

「フフッ、可愛いねシンジ君。君がそんなに魅力的だから、あの厄介な女の子達も君から離れられないんだろう?」

 

「な、何を……?」

 

 カヲルはシンジを抱き寄せたまま、意味深に話し続ける。

 

「惣流・アスカ・ラングレーに綾波レイ、そして雪風ミカサ……か。あのクラスの女の子達で三人だけが僕ではなく、君に夢中だ。いや、というよりミカサ以外の二名については最早性的依存に近い。僕としては君を独占したいけど、それは叶わない願いなんだろうね」

 

「な、何を言っているんだよ……? やめろよ、気持ち悪い……!」

 

 カヲルの言葉にシンジは身体を小刻みに震えさせ、拒絶の意思を示す。だがカヲルはシンジの顎を指で優しく撫でながら、熱っぽい視線をシンジに向ける。

 

 その表情はどこか陶酔しているかの様で、カヲルはシンジの顎をくいっと持ち上げ、ゆっくりと唇を近付ける。シンジはその行動の意味を咄嗟に理解し、慌ててカヲルを突き飛ばす。

 

「な、なにをするんだよ……!?」

 

「フフッ、君があまりにも可愛らしいからつい、ね。嫌だったかな?」

 

「なっ……あっ、当たり前だろ!? ホモにキスされそうになって、男が喜ぶ訳がないだろ! 僕はホモじゃないんだし!」

 

 シンジが顔を真っ赤にして抗議すると、カヲルはフフッと笑いながら肩を竦めて見せる。

 

「シンジ君、君は何か誤解しているよ。僕はホモじゃない。男なんてどうでもいいと思っている」

 

「だ、だったら何で……!?」

 

 カヲルの答えにシンジは思わず問い返す。するとカヲルはシンジの目を真っ直ぐに見据えたままはっきりと言い放つ。

 

「僕は男じゃなく、シンジ君だけをずっと()でていたいんだ。わかるだろう?」

 

「………」

 

 思わず目眩がするシンジ。最早カヲルに対し何も言えなかった……カヲルの口から発せられたのは紛れもない愛の告白。

 

(っ……だから、そういうのをホモって言うんだよぉ!)

 

 シンジは心の中で悲鳴混じりに叫ぶと、カヲルから逃れる為にその場を離れようとするが……

 

「ちょっとあんた! いい加減にしなさいよ!」

 

 そんな二人の間にアスカの声が割って入る。どうやら二人を後ろからこっそり尾行していたらしい。

 

「シンジに変な事しないでくれる!? それに……シンジは男なんかより、あたし達みたいな可愛い女の子と一緒にいるのが大好きなのよ! でしょ、シンジ?」

 

 アスカはカヲルを睨み付けながらシンジを守る様に前に出る。一方、レイはアスカの隣で無言のままカヲルをじっと見つめている。

 

 シンジはようやく現れた助っ人に対し、泣きそうになりながらも激しく首を縦に振って感謝すると、カヲルに見せ付ける為にわざとアスカとレイの胸元にむぎゅ~と抱き着く。

 

「ふふっ、この通りシンジは身も心もあたし達のモノなんだから! ぜぇ〜たっいにあんたみたいな変態に渡さないわ!」

 

 二人の美少女から向けられる敵意の眼差しにカヲルは小さく苦笑いを浮かべると、参ったとばかりに両手を上げて降参のポーズを取る。

 

「……わかった。どうやら今のシンジ君は一筋縄じゃいかないようだ」

 

 カヲルはシンジを本気で手に入れたいと狙っている訳ではないらしく、あっさりとアスカ達から距離を置く。

 

 そしてカヲルはシンジの方へ向き直ると、ニッコリ笑いながら口を開く。その笑顔は一見爽やかな好青年のそれなのだが、何故かシンジにはカヲルの瞳の奥に得体の知れない暗い闇を感じてしまう。

 

「今日のところは諦める事にするよ。じゃあまた明日、学校で会おう。それとも……人工進化研究所で、かな?」

 

 カヲルは意味深に言い残すと、シンジ達に背を向けて歩き去って行った。シンジは本能的にカヲルが危険だと察知すると、怯えた様子でアスカとレイの甘くて柔らかい女の子の身体にしがみつく。

 

「あ、ありがとう……アスカ、綾波さん……うぅ……僕、あいつやだよぅ……」

 

「可哀想に……もう大丈夫よ、シンジ。あたし達がずっと一緒だから♡」

 

「ん……碇くんが汚されないで良かった」

 

 二人はそう言いながらシンジの頭をよしよしと優しく撫でてくれる。その甘く蕩ける極上の感触にシンジは堪らず二人のぷりっぷりっな桃尻に手を伸ばす。

 

「あぁ……っ、これ、お尻……! 柔らかくてあったかくて……やっぱり触り心地最高だよ……っ!」

 

「ちょ、ちょっとシンジ、んっ……あぁん♡ もぅバカ、こんなところでエッチしちゃうつもり……?」

 

「ぁ、んっ……やだ、碇くんのえっち……あんっ、もっとお尻撫でて♡」

 

 アスカとレイは頬を赤く染めながら恥ずかしそうにしながらも、ご主人様であるシンジにされるがままになって揃ってお尻をフリフリと誘う様に揺らす。

 

 そんなシンジ達三人の羨ましい姿を遠巻きに眺めながら、廊下の角にこっそり隠れたカヲルは小さく溜息を吐いた。

 

(まったく……あれじゃあどっちが変態なのかねぇ……)

 

 シンジの事を手に入れる様にゼーレから命令されてからというもの、カヲルはシンジの事が気になって仕方がなかった。

 

 シンジの事を詳しく調べれば調べるほど、カヲルはシンジに対してより強い興味を抱く様になる。

 

 シンジの過去を調べれば調べるだけ、シンジという人間の心が使徒ルシフェルの魂を体内に入れられた事で、いかに壊れてしまったのかが分かる。

 

 カヲルはそんなシンジの心が欲しかった。シンジが欲しい……いや、シンジの心をもう一つの人格とも言えるルシフェルの支配から救い出し、身も心も一つの生命へと還りたい。

 

 その思いが日に日に強くなっていくのをカヲルは感じていた。

 

(シンジ君の心を解き放ち、彼をルシフェルから救えるのは僕だけだ。でも……)

 

 カヲルはアスカやレイとイチャイチャし合うシンジの姿を見つめながら思う。

 

(……きっと、今のシンジ君は僕を受け入れてはくれないだろう。シンジ君にとって、僕は恐らく恐怖の対象でしかないのだから……)

 

 カヲルは残念そうに呟くと、踵を返して一人寂しく保健室へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 ──その日の夜。ネルフ学園中等部の保健室では小さな明かりが灯っていた。

 

 パソコンが置かれた机の前には白衣を着た金髪ショートヘアの美女が座っている。その女性──保険医の赤木リツコは窓から外を眺めながら物憂げな表情を浮かべ、溜息を漏らした。

 

「……それで? 転校初日はどうだったの?」

 

「楽しかったよ」

 

 リツコが尋ねると、カヲルが微笑を浮かべながら静かに答える。するとリツコは呆れた様な表情で椅子を回転させ、カヲルの方を振り向く。

 

「そんな事聞いてないわ。私が知りたいのは“例の計画”の進行具合よ」

 

 カヲルはリツコの急かす様な質問に小さく肩を竦めて答える。

 

「なかなか怖いボディガードがいてね。ま、初日としては上々じゃないかな」

 

「……そう。いい? くれぐれも忘れないでよ。あなたの役目は──」

 

「わかってる。シンジ君を僕のモノにすればいいんだろう?」

 

 カヲルはリツコの言葉を遮って答えた。その答えに満足するとリツコは小さく笑みを零し、パソコンの画面上に表示されたシンジの監視映像へと視線を向ける。

 

 そこには放課後の保健室のベッドでシンジが全裸になったアスカとレイに甘えながら性行為している淫らな姿が堂々と映されていた。

 

「ふふっ。三人とも、気持ち良さそうにエッチしちゃって……可愛いじゃない」

 

 リツコはそう言ってクスッと笑うと、再びカヲルの方に視線を戻す。するとカヲルは先程までの優しげな雰囲気とは一変し、まるで獲物を狙う肉食獣の様な鋭い目つきで画面の中のシンジ達三人を睨んでいた。

 

「あぁ……シンジ君があんなに嬉しそうに女の子と接触を求める姿なんて初めて見たよ。ちょっとムカつくね、あの娘達」

 

「あら、あなたにもそんな感情があったの? 私達ヒトと違って使徒のあなたに」

 

「もちろんさ。僕もああやってシンジ君と一つになりたいっていう性的欲求がね」

 

 カヲルは熱っぽい口調で言うと、そこに部屋の扉がノックされ、一人の女子生徒が入って来る。それはアスカやレイ同様、カヲルの魅力に堕ちなかった美少女の一人──雪風ミカサだった。

 

「……失礼します。リツコ先生、いつものお薬を貰いに」

 

「あら、待ってたわミカサ。時間通り……流石ね」

 

「──やぁ、ラファエル。その姿を見るのは久しぶりになるかな? 元気にしてたかい?」

 

 カヲルは保健室に入ってきたミカサに挨拶をする。そのミカサはカヲルの顔を見ると、少し嫌そうな顔を見せてからリツコの前に用意されたパイプ椅子に腰掛ける。

 

「それじゃあミカサ、服を脱いでちょうだい。下着もよ」

 

「……はい」

 

 ミカサは言われるがままに制服のリボンを解き、着ていた上着を床に落とす。すると今度はミニスカートのホックをはずし、ゆっくりとチャックを下ろして脱ぎ始める。

 

 首元に巻かれた季節外れの赤いロングマフラーをしゅるりと取り除き、ミカサは淡々とした様子で上品な黒い下着だけの姿になる。

 

 やはりミカサは着痩せするタイプなのか、Gカップのアスカに匹敵するほどの豊満な巨乳が露わになった。

 

「相変わらず羨ましいくらいに贅沢で綺麗な身体ね……それも使徒としての能力かしら? それとも使徒のあなたに身体を提供している雪風ミカサ自身が──」

 

「……早くしてくれませんか。今日はこの後、ユイに呼ばれているんですから」

 

 ミカサはリツコの話に耳を傾ける事なく、大きなブラジャーを外すと今度は黒いショーツに手を掛ける。

 

「……んっ」

 

 ミカサはその細い指先でクロッチ部分に触れ、そのまま下へとずらしていく。そして遂に、むっちりと肉付きの良い白く柔らかなハート型のお尻が丸見えとなる。

 

 更にミカサはその美しい曲線を描く腰回りをくいっとお尻を突き出す様に動かしてショーツを完全に足から抜き取ると、それを丁寧に畳んで足元に置いた。

 

 そしてミカサは胸と股間を手で隠す事無く、その中学生離れした豊満な裸体をカヲルとリツコに晒す。

 

「……どうぞ」

 

「ふふっ、じゃあ遠慮なく……」

 

 リツコはミカサの身体を見てニヤァと妖しい笑みを浮かべると、そのまま椅子から立ち上がって彼女の見事に発育実った身体を抱き寄せる。

 

「ぁ……んんっ」

 

 思わず漏れてしまった恥ずかしい声を抑えようと、ミカサはほんのりと頬を赤らめて自分の唇を閉じる。しかしそんな彼女に対し、リツコは楽しそうに笑ってミカサの胸周りを触診するかの様に揉み解す。

 

 するとその度にリツコの手の動きに合わせて、ミカサの大きな乳房がぐにゅっと卑猥に形を変えていく。

 

「んっ……あぁっ……んんっ!」

 

「ほんとにエッチな身体……あなたが碇ユイが息子に対する性欲制御装置として用意した娘じゃなかったら、今頃は後輩のマヤ同様に私の可愛いお人形さんになっていたでしょうねぇ」

 

 リツコはうっとりとした恍惚の表情でミカサの柔らかい肌の感触を楽しむ。一方のミカサは震えながら目を閉じ、必死にリツコからの愛撫に耐えていた。

 

 カヲルはその様子を無言でつまらなそうに眺めながら、リツコの密かな夜の楽しみを邪魔せずにいた。ちなみにミカサはリツコから貰った身体調整用の薬を毎日朝昼晩と欠かさずに飲んでいる為、実は既にゼーレの手に堕ちてしまっているのだが、ミカサ自身はそれを考えずに毎日リツコの元に通い詰めては、その汚れ無き裸身を抱かれてエッチな目に遭っていた。

 

「あっ……そろそろミカサは行かないと……くぅっ……あぁっ……! リツコ先生、お願いです……そろそろ、お薬を……」

 

「あらそう? 残念だけど、仕方ないわね。また今度ゆっくり可愛がってあげるわ」

 

 リツコはそう言うと、ようやくミカサのぷっくりと淫らに膨らんだピンク色の乳首から手を離して解放してくれた。ミカサはリツコに散々弄られて乱れてしまった呼吸を整えながら、リツコの机に置かれた薬の入った小瓶を手に取り、急いでカプセル一つを飲み干す。

 

「ふふっ、大変ねぇ……『癒風(いやしかぜ)』の二つ名を持つ使徒ラファエルの奇跡とも言える“完全治癒能力”で雪風ミカサの壊れた肉体は完全に生きた健康状態を維持しているのに、それでも定期的にこの“危険なお薬”を毎日飲まなきゃいけないなんて……あなた、使徒じゃなかったらとっくに死んでるわよ?」

 

「っ……いいから、早く服を着させてください」

 

 ミカサはリツコの挑発的な言葉に言い返す事もせず、黙って下着を身につける。リツコはミカサが着替え終わるのを確認すると、ミカサの頭を優しく撫でて言った。

 

「……じゃあミカサ、あなたの大切な宿主ちゃんを幸せにしてあげたいなら、今まで通りシンジ君や碇夫妻の監視並びに情報の提供を頼んだわよ。ネルフがもしも何か怪しい動きを見せたら、すぐに連絡しなさい。いいわね?」

 

「……はい」

 

 ミカサはやや間を置いて小さく返事をすると、カヲルの方を一瞬だけ一瞥してから保健室を後にするのだった。

 

 

 

 

 

(……タブリス、あなたやゼーレにシンジ様を渡す訳にはいかない。こうなったら、何が何でもシンジ様を私達ネルフで管理しなければ……)

 

 ミカサは保健室の扉の前で決意を新たにする。今まではシンジとの性的接触を極力避けてきたミカサだったが、ゼーレがカヲルを使ってまで動き出した以上はそうも言っていられない。

 

 シンジの心をルシフェルの支配から解き放ち、シンジを本来の正常な人間に戻す為にも、ミカサはユイの指示通りにシンジのハーレムに仲間入りし、これから先シンジとエッチしなければならないのだ。

 

 ミカサはシンジへの想いを胸に秘めたまま、真っ暗闇な学校の廊下を歩いて行く。

 

(……シンジ様。私、ラファエルは必ずやあなたの疲れた心と身体を癒し、共に生きる事を誓います。その為にも、ユイと会って早急にゼーレへの対策を考えなくては……)

 

 ……渚カヲルがゼーレが派遣したスパイとしてネルフ学園に転校して来た以上、近く何かしらのアクションがある事は間違いないだろう。

 

 ネルフとゼーレ、二つの組織間を行き来する隠れた二重スパイでもあるミカサはそう考えると、まずはゼーレに狙われているシンジの心を女の子のエッチな身体で何とか繋ぎ止める事を最優先に決めるのであった。

 

 




【次回予告】

カヲルが転校して来て早くも数日後。

多忙のあまり研究所詰めになったユイは息子のシンジを守る為、担任であるミサトの家に住まわせる事を決める。

しかしそこには何故かアスカとミカサまでもが一緒にいて……?

無防備全開で歩き回る三人の巨乳美女を前に、シンジの性欲は爆発する。

次回、『同居生活のお誘い ★(アスカ、ミカサ、ミサト)』

今後、ヒロインたちとのエロ回がかなり増える予定です。そこで少しでもキャライメージをしやすいようにAIを使った挿絵を導入しようか迷ってます。アンケート結果によって採用するかしないか決めるので、もしよければ皆さんお答えください。

  • AI挿絵が欲しい
  • AI挿絵は要らない
  • 原作キャラの挿絵だけ欲しい
  • オリキャラの挿絵だけ欲しい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。