※この作品はR-18です。

シンジになってハーレム計画   作:聖夜竜

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お待たせしました。最新話です。

すみません……持病の偏頭痛で体調悪くてしばらくダウンしてました……

今は無事に収まったので本日から更新再開していきます。

また、次回よりAI挿絵の追加も再開します。

過去に投稿したAI挿絵がまだない話に関しては、今日から順次公開される予定です。



静止した闇の中で 解決編

 

 ──前回、カヲルに盛られた媚薬でレイが発情し、それを解消する為にシンジ達が身動き出来なくなってしまった。

 

 その同時刻、レイと共に第1トレーニングルームで神器(エヴァ)を使った本格的な戦闘訓練を行っていたミカサは、人工進化研究所内の停電と同時にトレーニングルームを飛び出していた。

 

 使徒の気配を察知したのか、ミカサは研究所の裏口から侵入を果たした一人の幼い女の子と遭遇していた。

 

「へぇ……裏切り者のラミエルに呼び出されたから面白半分で誘われてみれば……あの子もたまには役立つじゃない」

 

 停電中の暗闇に乗じてネルフ本部に現れた美少女──彼女の名前は天城サキ。

 

 インターネットで動画投稿をしている謎の美少女アイドル配信者だ。低身長に小柄な体型と童顔だが、その舌足らずなアニメ声と生意気で小悪魔的な言動から新人配信者では異例の爆発的人気を得ているらしい。

 

 腰まで伸ばした煌めく黒髪を赤いサイドリボンで飾ってツーサイドアップに纏めており、露出度の高い破廉恥な衣装に身を包んでいる。

 

 特徴的なのはミカサが普段から身に着けている赤いロングマフラーに似た、赤いスカーフを首元に巻いている事だろう。

 

 両手に腰を当てて勝ち気な笑みを浮かべるサキエルこと天城サキは、その可愛らしい外見とは裏腹に極めて気性が荒い事でも知られる困ったじゃじゃ馬娘である。

 

 そんな彼女だが正体は使徒28柱が誇る最強のエリート集団『七大使徒』の一人であり、以前シンジやミカサを苦しめたあの恐るべきラミエルよりもワンランク上の序列6位に座す使徒なのだ。

 

「まぁ、ラミエルってばサキを呼び出しておいて、結局来なかったんだけどね~。ったく、ホント使えないわよね~アイツ」

 

 そう言ってケラケラ笑うサキであったが、ふと真面目な表情になって出迎えに来たミカサの容姿を一瞥すると、その小さな右手を差し出した。

 

「──初めまして、かな? 電脳の海を泳ぐ小悪魔チックなエリート堕天使! 絶対無敵の最強アイドル、天城(あまぎ)サキでぇ~す♡」

 

「………」

 

 差し出された手を見下ろすミカサだったが、特に反応する事もなく無言のまま首を傾げてしまう。サキを前に表情一つ変えようとしないミカサの興味無さ気な反応を見て彼女は不満そうに眉間に皺を寄せると、やがて小さく溜息を吐いた。

 

「はぁ~……もういいや。ねっ、アンタがあのラファエルなんでしょ? まさか、堅物で有名なアンタがサキ達と同じように世界樹(イグドラシル)を放棄して地上に降りて来ちゃうなんてね」

 

 呆れた様に肩を竦めて苦笑いするサキに対し、ミカサは特に取り繕ったり誤魔化そうともせずに淡々と答える。

 

「別に……私はあなた方の様に封印されているのが嫌で逃げ出した訳ではないですから。ただ、アダムの命に従い動いているだけです」

 

 ミカサの言葉を聞いてサキは再び大きな溜息を吐くと、呆れ果てた様にやれやれと頭を振った。まるでミカサという存在を理解していないかの様なサキの反応に対して、ミカサの方もサキに興味がないのか、それ以上は何も言わずに黙り込んでしまう。

 

「ふぅ~ん。で? その“美味そうな身体”はどうしたの? アハッ♪ サキが手に入れた“この器”みたいに、恐怖に泣いて怯えてたところを“殺して手に入れた”とか?」

 

 挑発的に笑って見せるサキであったが、それでもミカサは動じない。だがしかし、その沈黙こそが何よりの答えだった。

 

 ミカサの瞳に微かに怒りの色が浮かぶのを見たサキは嬉しそうに微笑むと、今度は左手を差し出しながら告げる。

 

「でもまぁ、アンタが地上で何をしようとサキの知ったこっちゃないし、別にどうでもいいけどね~。それより、そろそろ本題に入ろうよ。サキがここに来た理由、わかってるんでしょ?」

 

「……サキエル、私はあなたと会話しに来た訳じゃありません。監視者(シェムハザ)として、使徒であるあなたを殲滅し、世界樹(イグドラシル)に送り還す為に居るんです」

 

 ミカサはそう言うと、サキの差し出した左手を無視してサキを見つめる。サキはその態度を見て少しだけ悲しげに顔を歪めると、すぐにいつもの小悪魔の笑みを浮かべてミカサを睨み付ける。

 

「うっざぁ~。自分の事は棚に上げて、サキ達が人間になりたいって願いは真っ向から拒否ってワケぇ? てめぇ……舐めんじゃね~よクソがぁッ!」

 

 どこまでも平行線なミカサの態度に激昂したサキが『光のパイル』と呼ばれるレーザー光線を右手の指先から放つ。

 

 それは瞬く間に超高速で回転しながら伸びていき、ミカサの首元へと向かっていく。しかし次の瞬間、彼女の前に大きなオレンジ色に輝く光の壁『ATフィールド』が展開される。

 

 サキの攻撃を防いだミカサのATフィールドは肉眼でも視認出来るほどに強力な壁であり、そのATフィールドを展開した本人であるミカサは無表情のままサキを見つめていた。

 

「チッ……そう言えばATフィールド使えるんだった。忌まわしい監視者(シェムハザ)のくせに……ッ!」

 

「サキエル……あなたがここに来た理由なら大凡見当が付きます。ですが、それを認めてしまえば世界の秩序が乱れ、いずれ人類(リリン)は『セカンドインパクト』によって滅びてしまう……」

 

 ミカサはサキが放つレーザービームを難なく防ぐと、そのままゆっくりと彼女に近付き始める。

 

「だったらラミエルはどうだってワケ!? サキ達がダメで、アンタやラミエルが人間として幸せに生きられるなんて、そんなバカな話サキは絶対に認めないッ!」

 

 激昂するサキも負けじとミカサに向かって指先から光のパイルを放ち続けるのだが、その全てがミカサの持つ強力なATフィールドの前に悉く弾かれてしまい、ミカサの歩みを止める事が出来ない。

 

「ふぅ……ああ言えばこう言う……仕方ないですね」

 

 ミカサは溜息混じりに呟くと、手の平に握られた赤い水晶玉を高々と掲げる。

 

「なっ……!? それは監視者(シェムハザ)にやられた同胞の……!?」

 

 サキはミカサが掲げた物の正体に気が付くと、思わず攻撃の手を止めて驚愕の声を上げた。ミカサが手に持っているのは、使徒28柱に所属する使徒が宿っていたとされる心臓部に等しいコアだ。

 

「えぇ、あなた達には必要のないモノ──ですから、私が有効活用してあげます」

 

 そう言って不敵に笑うミカサ。その表情は、サキが初めて見る様な恐ろしい笑顔であった。

 

「くっ……!」

 

 サキは一瞬だけ目の前の美少女に対して恐怖を覚えるが、それでもすぐに気持ちを持ち直すと再び指先にエネルギーを集めていく。

 

「無駄なことを……エヴァンゲリオン、起動──エンゲージ!!」

 

 ミカサが力強く叫ぶと同時に、彼女の周りに無数の光り輝く魔法陣が出現する。古代のルーン文字が刻まれた魔法陣一つ一つが何重にも折り重なり合いながら、やがてそれは眩しい光を形成していった。

 

 それと同時に激しい突風が通路内にも吹き荒れ始め、ミカサの緑色のロングヘアーを大きく靡かせ始める。

 

 まるで巨大な竜巻の中に居る様な錯覚に陥る程の強風の中、サキはミカサの展開した光り輝く魔法陣に包まれた赤い水晶玉に目を奪われていく。

 

 激しい暴風の中で神々しい閃光に包まれたミカサの神器(エヴァ)は身の丈ほどある大きな黒い鎌となり、その鎌に巻き付いた無数の鎖が彼女の片手の自由を妨害して拘束する。

 

 幾度に絡み付くその鎖はミカサ自身に備わる使徒ラファエルとしての驚異的な能力を封じ込める枷である代わりに、荒れ狂う暴風の如く膨大なATフィールドの力を引き出しているのだ。

 

「う、うそ……これが、ラファエル……?『癒風(いやしかぜ)』と謳われた天使の力なの……ッ!?」

 

 サキはミカサの変貌ぶりに驚きを隠せない様子で、その小さな子供の身体を震わせてしまう。

 

「遅いですよ……?」

 

 その隙を見逃さず、鎖に繋がれたミカサが両手で握り締めた大きな黒い鎌をサキに向けて振り翳した。

 

 その一撃を間一髪で避けたサキであったが、ミカサの放った鎌による斬撃はサキの立っていた場所に小さな竜巻を発生させ、その衝撃でサキの小柄な身体を吹き飛ばしてしまう。

 

 ミカサは不可視の風に吹き飛ばされて地面を転がっていくサキの姿を確認すると、自らの手に枷として繋がっている無数の鎖を手繰り寄せ、そのまま鎌を勢い良く振り回し始めた。

 

 ミカサの周囲に纏わり付いていた不可視の風は更に激しさを増し、やがてその威力はミカサの振るう鎌の速度を上げ、そしてサキに容赦なく襲い掛かる。

 

 その圧倒的な風の力を前に、サキは為す術もなく研究所の壁に叩き付けられてしまった。

 

 現在二人が戦闘している場所は人工進化研究所の狭苦しい通路内であり、サキはミカサの繰り出す鎌の攻撃こそ避けられても、その広いとは言えない空間では回避行動に制限が掛かってしまう。

 

 しかも現在研究所内では原因不明の停電が発生しており、サキからすれば非常に不利な状況で戦わされているのだ。そうしてミカサはサキの逃げ道を大きな黒鎌から吹き上がる不可視の風で塞ぎつつ、彼女を徐々に袋小路へと追い詰めて行く。

 

「ちょっ……!? なにこれ、こんなの聞いてないんだけど……ッ!?」

 

 ミカサの攻撃を必死に避けるサキだったが、次第に追い詰められている事に焦燥感を抱き始めていた。

 

 鎌を回避すれば目には見えない不可視の風に吹き飛ばされ、狭い通路内で何度も何度も激しく壁に叩き付けられ、床を転がり、いつしかサキは全身を擦り傷だらけにしていく。

 

「ふぅ……終わりにしますか……?」

 

「うっ……!」

 

 そしてミカサの繰り出した鎌の一閃がとうとうサキの頬を掠め、そこから皮膚が裂けて血が流れ出す。

 

「まだ、まだまだぁッ!」

 

 それでもサキは諦めずに立ち上がり、ミカサに向かって果敢に立ち向かっていく。しかしサキの決死の覚悟も虚しく、ミカサの操る漆黒の大鎌はサキの柔らかい身体を掴み上げ、軽々と宙へと放り投げてしまう。

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 まるで人形の様に空中を舞うサキ。彼女は為す術も無く地面に落下すると、そのままゴロゴロと地面を無様に転がっていった。

 

 停電した狭い通路内で力無く仰向けに倒れ込んだサキは、ミカサの放つ強烈な暴風圧により身体を起こす事すら出来ずに居た。

 

 そんなサキを冷たく見下ろしながらミカサは静かに呟く。その表情は相変わらずの無感情なもので、ミカサは倒れたサキに向かってゆっくりと近付いていく。

 

「サキエル──あなたでは、私の風には届かない」

 

 ミカサはそう言うと、手に持っていた無数の鎖が絡み付く大鎌をサキの首元に突き付ける。

 

「くっ……そぉ……ッ!」

 

 最早これまでと悟ったサキであったが──その時である。

 

「……?」

 

 突然ミカサがピタリと動きを止めたかと思えば、何かを感じ取ったのか背後を振り返る。するとそこに……

 

「はぁ……はぁ……だめぇっ、逃げてサキエルっ!」

 

 先程まで着ていたネルフの女性オペレーターの制服をビリビリに破かれた悲惨な姿で現れたのは、もう一人の使徒であるラミエルであった。

 

 ラミエルは研究所内で不可解な停電が始まってから監視者(シェムハザ)の一人であるカヲルと戦っていたのだが、カヲルが使う長剣タイプの神器(エヴァ)の前に勝てずに敗走。

 

 圧倒的な強さを誇るカヲルから泣く泣く逃げ出し、研究所内で待ち合わせする予定だったサキがミカサと戦闘を始めたのを見て、何とかサキを救い出そうと駆け付けたのだが……

 

「えっ……? ラ、ラミエル……アンタなんで……っ!?」

 

 思わぬ人物の登場にサキは困惑する。だがしかし、そんなサキの疑問に答える余裕もない傷だらけの全裸姿へと身包み剥がされたラミエル。

 

 大粒の涙を流すラミエルはミカサやカヲルに視線を向けると、その美しい顔立ちに激しい怒りの表情を浮かべて二人の監視者(シェムハザ)を睨み付ける。

 

「なんでよ……なんで、私達を殲滅しようとするの……? 同じ使徒同士で仲間なのに……どうして……っ!?」

 

 ラミエルは涙を流しながら二人に訴える。その言葉を聞いて、ミカサは呆れた様子で溜息を漏らすと、擦り傷だらけの全裸のままで泣きじゃくるラミエルに向かって冷めた口調で言う。

 

「ふぅ……ラミエル。前にも言いましたね? 私は監視者(シェムハザ)として地上に逃げ出した全ての使徒を殲滅しなければならない使命がある、と……」

 

 ミカサの言葉を聞いたサキはハッと我に返ると、慌てて傷だらけの上体を起こしてミカサとラミエルの間に入り込むと、震える声で言った。

 

「だ……ダメ……っ! ラミエルはサキ達使徒にとって最後の希望かもしれないの……だから……お願い、殺さないで……っ!」

 

「………」

 

 ミカサは先程まで痛め付けていたサキに泣きながら言われると、しばらく考え込む。いくら忠誠心の高い使徒ラファエルとは言え、その身体の持ち主は雪風ミカサという生きた人間の美少女である。

 

 そしてラファエルの中に眠るミカサが言うのだ……ラミエルとサキエルはラファエルと同じ使徒であるが、共にこの世界で人間として生きてみるべき存在だと。

 

「っ……」

 

 ミカサはしばらく思い悩んだ末に手に持った巨大な鎖付きの黒い鎌を解除し、神器(エヴァ)の待機状態である元の赤い水晶玉にまで戻す。

 

 それからミカサは泣きながらサキと抱き合って震えている全裸のラミエルを見つめると、その冷たい黄色の瞳で彼女達の哀れな姿を映しながら呟く。

 

「……侵入者のサキエルはともかく、ラミエルは現在ネルフの保護観察下に置かれてます。それに……今はユイ達の応援に向かった方が良さそうですし……仕方ありません。今は、見逃してあげましょう」

 

 ミカサはそう言うと、サキ達に背を向けて黒いプラグスーツを着用するカヲルの方へ歩き出す。

 

「ミカサ、何故トドメを刺さないんだい?」

 

 通路の奥で佇むカヲルが不満げに口を開く。するとミカサはカヲルに振り返る事なく淡々と言い返す。

 

「……どうせ最後は私達と一緒に世界樹(イグドラシル)に還る身なんです。わざわざ今ここで殺す必要も無い……ミカサがそう思っただけの事です」

 

「フッ……まぁ、いいけどさ。僕も君のその人間臭い甘さは嫌いじゃないんでね」

 

「……そういう事は、思っていても言わないものですよ」

 

 言いながらミカサとカヲルは互いに目を合わせると、カヲルは長剣タイプの神器(エヴァ)を赤い水晶玉に戻してそのまま無言で去って行く。

 

 やがて黒いプラグスーツを着たカヲルの姿が見えなくなると、ラミエルはホッと安堵の溜息を吐いて緊張を解く。

 

 一方、全裸のラミエルに守られた状態のサキは傷ついた身体を酷く震わせながらガクガクの足腰で立ち上がると、未だに恐怖心を抱いている様子でミカサに怯えながら尋ねた。

 

「な、なんでサキ達を見逃してくれたの……?」

 

「……別に、深い意味はありません。ただ……この数日研究所内で監視されながら過ごすラミエルがあまりにも可哀想だったので、つい情が移ってしまっただけ……そう、それだけの事にしといてください」

 

 ミカサはそう言ってサキとラミエルに背中を向けたまま歩み始める。

 

「待って……ミカサっ!」

 

 そのミカサの後ろ姿を見て、今度はラミエルが咄嵯に呼び止める。

 

「……なんですか?」

 

 ミカサは振り返る事なく足を止めると、静かにサキに問い掛ける。

 

「ぐすっ……ぁ、ありがとう……仲間を助けてくれて……ッ!」

 

 ラミエルは感謝の気持ちを込めてミカサに泣きながら礼を言う。しかしミカサはそんなラミエルの泣き声を聞きながらも、そのクールな表情を少しも変える事は無かった。

 

「ぁ、あのっ……サキも……っ! 助けてくれて、あり……がと……」

 

 ミカサの放つ凍り付く様な威圧感に負けたのか、顔を真っ赤に染めたサキもミカサにおずおずと頭を下げながら小さな声で呟く。

 

 ミカサは敵であるサキに感謝の言葉を言われて最後に小さく微笑むと、サキとラミエルの前から姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 ──戦闘を終えたミカサが立ち去った後、サキとラミエルは停電した研究所の通路内でお互い全裸のまましばらく身を寄せ合っていた。

 

 ミカサとの戦闘で心身共にボロボロに傷付いたサキは、ラミエルの肩を借りながら辛うじて立っている状態であり、そんなサキにラミエルが申し訳なさそうに呟く。

 

「ごめんね、サキ……私のせいで……辛い思いをさせちゃった」

 

 ラミエルはサキとミカサの戦闘にほとんど何も出来なかった事を悔やんでいた。

 

 本来であればサキと共に協力してカヲルと戦い、カヲルの隙を突いてサキをネルフの仲間に引き込む算段だったのだが……ラミエルの予想以上にカヲルが手強く、同じ頃にサキはミカサの神器(エヴァ)による攻撃を受けて殲滅寸前の状態に陥ってしまう。

 

 そこでラミエルは不利な戦闘を強いられていたサキを救う為に、カヲルから逃げてサキと合流する事に決めたのだ。

 

「ぁ、謝らないでよ……元はと言えば、ラミエルに会う為にやって来たサキが悪いんだから……」

 

 サキはラミエルの肩に寄り掛かりながら弱々しい声で呟く。

 

「うん……でも、やっぱり私がサキを危険に晒してしまったのは事実だよ」

 

「ラミエル、アンタ……」

 

 サキはラミエルの肩に頭を預けたまま、彼女の美しい横顔を見上げて苦笑いを浮かべる。

 

 ラミエルはサキがミカサに追い詰められていた時、すぐに助けに向かおうとしてくれた。しかしそれはラミエル自身にとっても危険な行為であった。

 

 それでもラミエルはサキの身を案じてミカサやカヲルに立ち向かい、サキを結果的に守ってくれたのだ。

 

「ラミエル、アンタ……すごく良い奴なんだね♡」

 

「えっ?」

 

 サキが突然意外な言葉をラミエルに投げ掛けると、ラミエルは目を丸くする。するとサキはラミエルに寄り掛かった状態で、照れ臭そうな笑みを浮かべながら言った。

 

「変な言い方になっちゃうけど……ラミエルが居なかったら多分、サキは還元されてここにはいないと思う……だから、その……っ、ありがと……っ!」

 

 サキの素直な言葉を聞いてラミエルは思わず頬を赤くすると、嬉しそうにはにかむ。

 

「サキったら……もう、恥ずかしいなぁ♡」

 

「うぅ~、なによぉ~! だって、ほんとの事でしょ? ラミエルがサキを守ってくれたから、こうして生きていられるんだもん!」

 

 サキは恥ずかしそうに言うと顔を真っ赤に染めてラミエルから少し離れてそっぽを向く。そんなサキを見てラミエルはくすっと笑うと、サキの耳元で囁いた。

 

「ふふっ……そっかそっか♡ じゃあ、これからはラミエルがサキのお姉さんになってあげる♡」

 

「なっ……はぁ~っ!? ちょっ、ちょっと! 何よそれぇっ!?」

 

 ラミエルの言葉にサキは更に動揺して顔を紅潮させると、ラミエルに向き直って抗議の声を上げる。

 

「え~、いいでしょ? お互い人間の身体を手に入れた今じゃ私の方が遥かに年上のお姉ちゃんなんだし……ねっ?」

 

 ラミエルはサキにそう言いながら、悪戯っぽくウインクをする。確かにラミエルが若い女子大生を殺害して乗っ取った身体はサキの寄生先の身体よりずっと長く生きている。

 

 それに今のラミエルはサキよりも身体が大きくて胸やお尻が大きい。それ故に恥ずかしくて赤面するサキはラミエルに言い返す事が出来ずに口をもごもごとさせる。

 

「ぅ、うっさいバカぁ! ラミエルはサキのお姉ちゃんになるんじゃなくて、今日からは子分よ子分! わかったっ!?」

 

「くすっ♡ はーいっ!」

 

 サキが照れ隠しで強気に言うと、ラミエルは元気良く返事をしてサキの手を優しく握って立ち上がらせる。それから二人はお互いに擦り傷だらけの全裸のままで停電した真っ暗闇な通路内を歩いていく。

 

「二人でユイとシンジ君に頼めば、サキもネルフの保護観察下に置かれるかも……」

 

「ほ、ほんとっ!? サキ達、世界樹(イグドラシル)に還らなくてもいいの!?」

 

「うん。それに……私もサキと一緒に人間として幸せに暮らしたいし……ダメかなぁ?」

 

「っ……ふ、ふ~ん? そういう事なら別にいいよ~。ラミエルの事はそこまで嫌いってワケじゃないしぃ~、それに……ラミエルが一緒にいてくれるなら嬉しいし……♡」

 

 サキは相変わらずラミエルの顔を見ない様に呟くと、その幼い容姿とは裏腹にいやらしい身体を揺らしながら笑顔で通路を歩き続ける。

 

 そうしてサキとラミエルは二人仲良く停電中の通路を進みながら、まるで本当の姉妹の様に仲睦まじい様子で会話を続けるのだった。

 

 

 

 

 

 ──その頃、人工進化研究所の所長であるゲンドウの指示で大きなフロアに集められたネルフの職員スタッフ達。

 

 未だに電力が復旧しない中、彼らは不安げな表情を浮かべて何かの始まりを待っていた。そして彼らが待つこと数分後……停電の原因を調べる為の対策本部を設置したゲンドウが姿を現した。

 

 ゲンドウはサングラスを掛けた黒いスーツにネクタイ姿で堂々とした佇まいで現れると、薄暗い辺りを見渡しながら妻であり副所長を務めるユイの姿を探す。

 

 しかしユイの姿は見当たらず、どうやらシンジ達をここまで連れて来るのに時間が掛かっている様だ。

 

(ユイ……まさか迷子になってるのか? いや、しかし……私ならばともかく、ユイに限ってそんな事は……)

 

 ゲンドウはそう思いながらも特に文句を言う事は無く、集められた研究所のネルフ職員達に視線を向ける。

 

 するとその時、広々とした大きなフロアの入口から見覚えのある短い茶髪を揺らす黄色い縦ラインのセーターに黒いスカートを着用した巨乳美女がふらふらとした足取りで現れた。

 

 頬を赤らめ、汗ばんだ色気漂う豊満な肉体を揺らしながらゆっくりと歩いて来る。人妻らしい清楚と妖艶な雰囲気を合わせ放つ女性の姿を見て、周囲の男性職員達はその美貌に見惚れながら生唾を飲み込む。

 

 更にその後ろからは体操服姿のシンジとアスカ──そしてどういう訳かユイが普段羽織っている白衣を肩に掛けられた白いプラグスーツ姿のレイがシンジに寄り添う形でフロア内に入って来る。

 

「おぉ、ユイ……遅かったじゃないか。一体何をしていたんだ?」

 

「ぁ、ぁはぁ……はぁ、はぁ……んっ♡ ご、ごめんなさい、あなた……ちょっと……暗くて道に、迷っちゃったみたい……っ、ふぁっ……ぁん♡」

 

 ユイは息を切らして何とか答えると、内股になりながら両手を股間に添えて甘い吐息を漏らし始める。よく見ると彼女の額には大粒の汗が浮かんでいて、顔も真っ赤に染まってとろ~んと惚けているではないか。

 

「ユイ、大丈夫なのか……? 様子がおかしいみたいだが……?」

 

「えっ……? ぁ、あなた……あっ、だめ……そんな、近くで話し掛けちゃ……シンジのが漏れて来ちゃ……ひゃぁっ♡」

 

 ユイは息を乱して呟くと、ぷるんと大きなお尻を震わせて必死に股間を両手で抑え込む。

 

「ユイ……?」

 

 何やら様子がおかしいユイを心配して近寄ろうとしたゲンドウだったが、ユイはバレてはまずいという感じで慌てて後ろへ下がる。

 

「ご、ごめんなさい……っ、でも大丈夫だから……心配してくれてありがとう……っ、ぁ、ぁあんっ♡」

 

 なるべく周囲に聞こえない声量で呟きながら、ユイは小刻みに震えて甘い喘ぎ声を小さく漏らし続ける。

 

 ……実はユイ、ここに来るまでに息子のシンジとたっぷり浮気エッチしていたのだ。それも同じハーレム仲間のアスカやレイも巻き込んで……

 

 そこでユイはシンジと何度も濃厚な性行為を繰り返し、愛液と精液を垂れ流し続けながらここまでやって来たのだ。

 

 その結果、シンジと下半身で繋がっていた時の快感を思い出してしまったユイは我慢出来なくなってしまい、思わずその場で小さな絶頂を迎えてしまう。

 

 しかしそれを夫であるゲンドウや周囲の人間に悟られない様に必死に堪えていたのだ。

 

 そんな事情を何一つ知らないゲンドウは不思議そうに首を傾げると、今度はユイの後ろに待機するシンジ達の方に視線を向けた。

 

 汗だくになった体操服を着たシンジは苦笑いを浮かべて頭を掻くと、もじもじと身体を震わせるユイのお尻をいやらしい手付きで擦りながら耳元で囁く。

 

「……母さん、バレちゃ駄目だからね?」

 

「ぁ、うぅ……わ、わかってるから……もぅ、意地悪言わないで……っ♡」

 

 ユイは自分の息子にお尻を撫でられて身体をぶるっと震わせると、甘える様な淫ら声で囁き返す。

 

 しかし二人の会話や仕草は停電して真っ暗闇という事も手伝ってか、ゲンドウや周囲に集まった職員達には気付かれてはいなく、誰も不審には思っていない。

 

 ……それどころか、いつもと様子が違うユイが体調を崩して倒れないかを気にしている。

 

 ユイはぶぴゅっ、こぽぉっ……と下品な音を立てながら膣穴から溢れ出る大量の愛液や濃厚な白濁液を履いている黒いスカートの内側で何度も拭い取ると、深呼吸をして乱れた呼吸を整える。

 

「……ふぅ。あなた、もう大丈夫よ。さっきはちょっと体調が悪くて……それでシンジに助けてもらってたの」

 

 ユイがゲンドウに伝えると、シンジは「うん、まぁ……」と歯切れの悪い返事をする。

 

「そうか……それならいいが……」

 

 ゲンドウはそう言いつつも、やはりどこか違和感を感じていた。

 

(本当にユイは体調不良だけなのか……?)

 

 ユイは一見すると健康そうなのだが、先程からずっと頬を赤らめて荒い呼吸を繰り返していた。それに普段はあまり見せないとろ~んとした恍惚の表情で虚空を見つめている。

 

 しかしゲンドウはその疑問を口にする事無く、代わりに口を開いた。

 

「ユイ、早速だが……」

 

 まずは目の前の問題に対して対処しなければならない。そう考えたゲンドウは今回の停電を復旧させる為に、副所長であり妻のユイに指示を出す。

 

 ユイはそれを聞いて真剣な眼差しになると、力強くゲンドウの言葉に答えた。

 

「──皆、話を聞いてください。今回の停電は正・副・予備の三電源が同時に落ちるという異常事態によるものです。いま全力で復旧にあたってますが、まだ当分時間が掛かると思われます」

 

 ユイは赤面しつつも落ち着いた口調で説明を行うと、周囲に集まった職員達に向かって語り掛ける。

 

 この停電は恐らく何者かによる大規模なサイバー攻撃によるものだろう。ユイはそう考えていた。しかしユイが職員達に説明している間も停電は一向に回復せず、復旧の目処は立たない。

 

「……ですがそれまでの間、このままにしておく訳にもいきません。少なくとも予備電源だけでも早急に復旧させる必要があります」

 

 ユイが説明すると、その場に居た全員が納得した様に深く相槌を打つ。確かにそうだ。

 

 停電の原因が何であれ、最低限の電気が無ければネルフの研究活動に支障が出るし、最悪研究所そのものが機能停止してしまう恐れがある。

 

 職員達がユイの説明を聞き入れていると、突然ゲンドウがサングラスに隠された鋭い瞳を光らせて職員達に向けて声を上げる。

 

「ユイ……ここからは私が話そう」

 

 その瞬間、場の空気が一気に張り詰めて緊張感に包まれた。そしてゲンドウは重々しくも威厳に満ちた低い声でゆっくりと喋り始めた。

 

「私は所長としてあらゆる事態に対処すべく準備を進めてきた。だがこれには皆の協力が不可欠だ。どうか力を貸してほしい」

 

 ゲンドウが言葉を発すると集まった職員達は一斉に姿勢を正して彼に向き直り、力強い尊敬の念で応えた。普段はあまり見せないゲンドウのカリスマ性に、隣で聞いていたユイは内心で舌を巻く。

 

(やっぱり……この人には敵わないわね)

 

 ユイは改めて夫の凄さを実感しながらも、自分も負けていられないとばかりに気を引き締める。未だに股間から垂れ流し続けている愛液と精液を太腿まで伝わせながら……

 

「これが状況を打破する為の策だ」

 

 そう言うと同時に、ゲンドウの背後で重たい鉄の扉が開く音が響く。中には大量に設置されたエアロバイクが並べられていていた。

 

 職員達は何が始まるのかと興味津々で扉の中に入るも、停電対策とあまり関係無さそうなエアロバイクを見て言葉を失う。

 

「と、父さん……これは……?」

 

「見ての通りエアロバイクだ。しかしただのエアロバイクではないぞ。全ての動力機関を連結させ、推進エネルギーから電気への変換効率を最大限に高めた特製品だ」

 

 シンジや職員達はその言葉を聞いて理解出来ずに首を傾げる。

 

「もう……父さん本気で言ってるの!? こんな大きな建物の電気を復旧させるのにエアロバイクなんて──」

 

 シンジの疑問は当然と言えよう。するとゲンドウの隣にいたユイが前に出て、シンジや職員達に分かりやすく解説する。

 

「それが理論上は可能なのよね。必要なのは予備電源を起動させるだけの電量だから、皆が休み無く漕ぎ続ける事ができれば──」

 

 ユイがそこまで言うと、シンジは半信半疑ながらもゲンドウの作戦に加わる。しかし職員の中には不安げな様子を見せる者もいた。

 

 ……それも無理はない。何故ならばここは広大な人工進化研究所の中なのだ。シンジが言う通り、そんな場所で消費される膨大な電力を賄うとなると相当の時間と労力が必要となる。

 

 そこでゲンドウは自ら先陣を切る事で職員達の士気を高めようと、敢えて先頭に立って設置された一台のエアロバイクに向かっていく。

 

「……シンジよ、男にはそれでもやらねばならない時がある。これには一人でも多くの力が必要だ。協力してくれ」

 

「父さん……」

 

 シンジは真剣な表情でゲンドウの背中を見つめると、覚悟を決めた様に小さく息を吐く。シンジも父親であるゲンドウの気持ちを汲み取り、彼の計画に協力しようと決意を固めた。

 

 すると周りに居た職員達もゲンドウの姿を見て奮起し始める。自分達の上司であるゲンドウが率先して汗臭い行動を起こそうと言うのだ。ここで動かないと男が廃るというものだろう。

 

「やりましょう、所長!」

 

「おぉ~! 絶対成功させるぞ!」

 

 性別の違いや老いも若いも関係無く次々とエアロバイクに跨っていく職員達の姿に、ユイは満足そうに微笑む。

 

「ユイ、必要な人員を集めて引き続き復旧作業を頼む! 我々はここでエアロバイクを漕ぎ続ける!」

 

 エアロバイクに跨がるゲンドウの指示にユイは小さく頭を下げると、数人の女性オペレーターを引き連れて自分の持ち場へと向かって走り出す。

 

 ユイを見送ったゲンドウは続いて汗ばんだ体操服姿のシンジやアスカ、そしてプラグスーツの上からユイの白衣を羽織ったレイにも指示を出す。

 

「シンジ、トレーニング直後で疲れているとは思うが……お前達も頑張ってエアロバイクを漕いでほしい」

 

 ゲンドウに言われてシンジは苦笑いを浮かべた。正直、シンジは少しだけ嫌な予感がしていた。

 

 ……というのもシンジは元々運動が得意な方ではなく、どちらかと言えば苦手な部類だ。ユイやアスカ達との連日の性行為で以前よりは体力が付いたものの、普段から鍛えている訳でもない。

 

 しかしゲンドウはどうやらシンジを信頼している様で、自分が先頭に立つ事で息子である彼も一緒に汗を流すだろうと期待を寄せていた。

 

(まぁ、この状況だと仕方ないか……)

 

 シンジは深呼吸して一息入れると、エアロバイクのハンドルを握る。シンジの左右前方にはアスカとレイが並んでエアロバイクに跨っていた。

 

「──それでは私の方から説明をします。皆さんバイクのメーターに注目してください」

 

 職員達は女性オペレーターに言われた通りにハンドル付近に備え付けられたモニターに視線を向けると、そこにはペダルを踏んだ時のエネルギー量やタイマー、電力ゲージが表示されている。

 

「バイクを漕ぐエネルギーの総量が一定値を超えると左側のゲージが点灯します。下のタイマーが0になるまでの間、常にゲージが点灯している状態を維持してください。失敗したらやり直しです」

 

 オペレーターの説明を受けて職員達は真剣な顔でハンドル部分のモニターに注目する。

 

「……や、やはり私も漕ぐのか……」

 

「当然だ」

 

 この中では最年長の冬月が弱音を漏らすと、エアロバイクに跨がるゲンドウは黒いサングラスをしたまま冷静な口調で答える。

 

「それでは始めてください!」

 

「よし……みんな、行くぞ!」

 

 オペレーターが作戦開始の合図を送ると、まずはゲンドウが勢い良くペダルを踏み込んだ。

 

 ゲンドウに続いて若い男性職員達が一斉にペダルを踏み込むと、エアロバイクに備え付けられたモニターの左端にある電力ゲージが徐々に色付いて上昇し始めた。

 

「ゲージが点灯しました! カウントダウンスタートします!」

 

 職員達も必死にペダルを漕いでエネルギーを発電させる中、順調だったペダルを踏むリズムが不意に乱れ始める。

 

「な、なんだ……?」

 

「急にペダルが重く──」

 

 最初は順調に進んでいたのだが、職員達が異変に気付いた時には既に遅かった。

 

「……あっ、言い忘れてました。ゲージが点灯すると同時にペダルの負荷が倍になります」

 

 オペレーターの言葉を聞いてざわざわ……と騒ぎ出す職員達。すると次の瞬間、全員が乗っているエアロバイクがいきなり爆発したかの様に激しく振動し、それと同時にペダルが異常な重さへと変化した。

 

「そ、そういう事は先に──」

 

 元々やる前から体力面を不安に思っていた冬月だったが、予想以上の事態に脂汗を流しながら苦しい声を上げてバタリと力尽きてしまう。

 

「あぁっ!? ふ、冬月先生!?」

 

「足を止めるな! 冬月の犠牲を無駄にしてはならん……!」

 

 他の職員達も突然の事態に戸惑いつつも、どうにか耐え忍んで全身汗だくのままペダルを漕ぎ続けていく。

 

 そして遂に、モニターに表示されていた電力ゲージが半分程まで満たす。この辺りまで来ると職員達の疲労もピークに達していた。

 

 ……しかしまだ終わりではない。ここが一番の正念場だ。そう考えると、シンジはペダルに乗せている両足に力を入れて強く踏み込み、気合いを入れ直す。

 

 エアロバイクを漕ぐ数少ない女性の中でもミサトが体力尽きて早々にリタイアしてしまったのは残念だが、代わりに最年少の自分が頑張ろうとシンジは思った。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……アスカ、大丈夫……?」

 

「あ、あたしもうクタクタ……」

 

 体力自慢のアスカはシンジと同様にエアロバイクに乗りながら、シンジよりも更に軽々とペダルを回して電力エネルギーを稼いでいた。しかし流石の彼女でも限界が近いらしく、額から大量の汗が流れ落ちている。

 

 アスカは体操服に赤いブルマという格好なのだが、上半身はノーブラで乳首がくっきりと浮かび上がっていた。

 

 やはり全身汗だくで白い体操服が透けて肌にぴったりと張り付き、ブルマから下は肉付きの良いむっちりとした太腿が露出している。

 

「シンジぃ……あんたは平気なの……?」

 

「う、うん……なんとかね」

 

 シンジは前方に位置するアスカの問い掛けに答えたものの、正直シンジもかなりキツかった。

 

 アスカやレイと違ってシンジは普段からスポーツなどの運動は一切していないので、長時間のエアロバイク漕ぎはかなりの重労働だ。

 

 しかしここで弱音を上げる訳にはいかない。シンジは自分に出来る事を精一杯やろうと思い、再び力強くペダルを漕ぎ始めた。

 

 一方、アスカの隣でエアロバイクに跨がるプラグスーツに白衣を羽織ったおかしい格好のレイ。

 

 彼女はシンジ達よりは余裕がありそうな表情で黙々とペダルを漕いでいる。しかしカヲルによって盛られた媚薬の影響がまだ完全には抜けていないせいなのか、その汗ばんだ顔はほんのりと赤く染まっていた。

 

 アスカはチラリと横目でレイの方を見ると、真っ白いプラグスーツを着ている彼女の胸元や股間だけがビリッと破かれて丸見えになっている事に気付く。

 

 そんな状態でエアロバイクを漕ぎ続けるレイの姿はとても扇情的で、思わず赤面してしまう。

 

 アスカとレイはエアロバイクの位置的に一番前に揃って座っており、二人とも今の格好が格好だからなのか、ペダルを漕ぐ度に前屈みになると大きな胸の膨らみやお尻が揺れ動く。

 

 特に中学生とは思えないほどスタイル抜群なアスカは汗ばんで濡れ透けた体操服越しに二つの豊満な乳房がぷるんと大きく弾んでしまっている。

 

 二人の真後ろに位置するシンジもそんな彼女達の後ろ姿を捉えていたが、すぐに顔を背ける。

 

(い、今はそんな事考えてる場合じゃないって……!)

 

 赤面するシンジは慌てて首を左右に振ると、エアロバイクを漕ぎ続ける。しかしそれでも目の前に居る彼女達のお尻が脳裏に焼き付いてしまい、どうしても意識がそちらに向いてしまった。

 

 ペダルを漕ぎながらシンジは一度目を瞑ると、改めてアスカとレイのお尻を眺める。

 

 アスカの健康的なムチムチぷりっぷりっのハート型のお尻は大量の汗で湿っていて、艶めかしくてとても魅力的だ。一方のレイはスラっと引き締まったスレンダーなお尻で、見ているだけでドキドキしてくる。

 

 二人ともかなり体力を消耗しているのか、先程からぽたっ、ぽたっ……と汗の雫を床下に落としていた。

 

 シンジは無意識のうちにごくりと唾を飲み込むと、彼女達のお尻に釘付けになってしまう。すると二人とも背後にいるシンジのスケベな視線に気付いたのか、チラッと一瞬だけ振り向いた。

 

 そして今度はわざとらしく、ぷりんっとシンジにお尻を突き出して見せ付ける様に揺らし始める。

 

 当然二人とも普段からこの様にお尻を揺らすのは度重なる性行為で慣れている為、シンジの視線を釘付けにする為に敢えてやって見せたのだ。

 

 アスカとレイの大胆な行動にシンジは増々動揺してしまい、急激に顔が熱くなるのを感じる。

 

 シンジは今すぐペダルを漕ぐのを止めて愛しの彼女達に飛び掛かりたい衝動に駆られるが、ここでペダルを漕ぐのを止めたりしたらゲンドウの作戦が失敗に終わるかもしれない。

 

 それに何より、女の子なのにこんなにも頑張っているアスカとレイに対して失礼だとシンジは思い、何とか己を律してペダルを漕ぎ続けた。

 

 そうしてアスカとレイの誘惑に耐えながらエアロバイクを漕いでいくと、ハンドル部分のモニターに表示されている電力ゲージが満タンまで残り僅かとなった。

 

「す、すごい……」

 

「おい嘘だろ……あの二人、さっきから全くペースが落ちてないぞ……」

 

 そんな中、職員達は前方に並んでエアロバイクに跨がるシンジとゲンドウの後ろ姿を見て驚きの声を上げていた。

 

 確かに二人は今も尚、全力でペダルを漕いで発電を続けている。しかもゲージ点灯で更に重くなったペダルを漕ぐスピードが衰える事なく一定のペースでずっと漕げているのである。

 

 これは体力のある若い男性職員でも中々出来ない芸当であり、彼等は尊敬の眼差しで二人の親子を見つめていた。その一方で女性スタッフ達は彼らのモニターを見て感嘆する。

 

 そこには全員がペダルを漕ぐ際に発生するエネルギー量がグラフ化され、それが一定値を超えた所でゲージが点灯する仕組みとなっているのだが、シンジとゲンドウが稼ぐエネルギー量は常にメーターの必要最低限を上回り続けていた。

 

 既に何人もの職員達が力尽きて脱落したにも関わらず、この親子二人は未だに休む事無くペダルを漕ぎ続けている。

 

 身体から噴き出す汗の量も尋常ではなく、全身が汗だくになってしまっているものの、ペダルを漕ぐ足は決して止まらない。まるでペダルを回す事で快楽を感じてしまっているかの様に……

 

「シンジ……無理はしなくていいぞ……?」

 

「父さんこそ……自分の歳考えてよ」

 

 シンジとゲンドウは互いに言葉を交わしながらペダルを漕いで発電を続ける。しかしいくら二人がペダルを漕いで発電を続けても、メーターの電力ゲージはなかなか満タンにならない。

 

 それどころか時間が経つに連れて少しずつゲージが低下していき、このままでは作戦が失敗すると思ったシンジはペダルを漕ぐ足に力を入れて踏み込む。

 

 それはゲンドウも同じ気持ちだったらしく、彼もまた息子には負けんとペダルを漕いで発電の速度を上げた。

 

「はぁ、はぁっ……アスカや綾波の為にも僕が頑張らなきゃ……! これは男の仕事なんだッ!」

 

「ぬおおお~~っ!! 若い者には負けん!! 負けんぞシンジぃ~~ッ!!」

 

 しかしそれでもまだ電力は復旧されない。シンジとゲンドウは汗だくになって歯を食い縛り、ふらふらになりながらも必死にペダルを漕ぎ続ける。

 

「作戦完了まで、残り1分を切りました! あと50秒、40秒──」

 

 オペレーターが電力復旧までの残り時間を告げる中、碇親子に負けてられないと残っていた職員達も最後の力を振り絞ってペダルを漕ぎ出す。

 

 あと少し……あと少しの間、ペダルを漕いでゲージを最低限でも点灯させ続けられれば非常用の予備電源は復旧される……

 

 全員が真剣な表情でペダルを漕ぎ続ける中、オペレーターの緊迫したカウントダウンが響く。

 

「電力復旧まで、残り30秒です! 皆さん、踏ん張ってください……!」

 

 その間にも電力ゲージは見る見るうちに低下していき、遂には残り2本にまで減ってしまう。だが、もうすぐでゲンドウ立案の作戦が完了する……そう思うと、シンジはペダルを漕ぐ両足の力が更に強まる。

 

 目の前でお尻を振っていたアスカとレイも既に力尽きたのか、前屈みの体勢でハンドル部分に頭を付け、エアロバイクに跨り倒れ伏していた。

 

 体力的に余程辛かったのだろう……彼女達は揃って全身をびくんびくんと痙攣させて息も絶え絶えになっている。

 

(アスカ、綾波……もうちょっとだから……! もう少しで、電力が復旧されるから……っ!)

 

 シンジは心の中でリタイアしたアスカとレイに呼び掛けると、ペダルを漕ぐ力を更に強くする。

 

「残り10秒を切りました! 9……8……7……6……5……4……3……2……1……」

 

 オペレーターが刻一刻と報せるタイムリミットが迫る中、シンジとゲンドウはほとんど立ち漕ぎに近い体勢で今までに無いくらいの気合いを入れてペダルを漕ぎ続けた。そして遂に……

 

「予備電源、起動を確認! オールグリーン……問題ありません!」

 

 その瞬間、フロアにいた誰もが歓喜の叫び声に湧いた。エアロバイクのモニターに表示されたタイマーが0になると同時に電気が供給され、室内が明るく照らされていく。

 

 シンジとゲンドウはペダルを漕ぐのを止めると、そのまま足をガクガク震えさせながらエアロバイクの上でぐったりとする。

 

 流石にもう限界だ……シンジは荒い呼吸を繰り返しながら明るくなった研究所内の天井を見上げる。その汗ばんで赤面した表情には達成感がありありと浮かんでいた。

 

 一方、作戦が成功したゲンドウはニヤリとほくそ笑むと、エアロバイクから降りて息子の肩をぽんっと叩いて労う。サングラスで隠れたその顔は汗だくだが、どこか満足そうな様子であった。

 

「よくやった……シンジ……お前は、私の最高の息子だ……!」

 

「うん……ありがとう、父さん……」

 

 息も絶え絶えにシンジとゲンドウがお互いに褒め称え合っていると、そこにユイが帰って来た。彼女はシンジとゲンドウが二人揃って床にへたり込んでいるのを見ると、くすっと微笑んで二人に歩み寄る。

 

「お疲れ様、二人とも……作戦は無事成功よ。良く頑張ってくれたわね。これで研究所も助かるわ」

 

 ユイもまた別の場所で電力復旧作業を手伝っていたので、大量の汗で濡れてぴったりと張り付いた黄色い縦ラインのセーターを着たままの姿だった。

 

 やはり汗ばんで赤面しているユイは両手を膝に付けた中腰の姿勢で二人を見下ろすと、豊満な胸元をたゆんと揺らしてシンジの頭を優しく撫でる。

 

「本当に……良く頑張ったわね♡」

 

 母親の笑顔を見てシンジは思わずドキッとしてしまい、慌てて顔を背けてしまう。そんな息子の様子にユイはくすっと笑うと、今度は汗だくになった夫の背中をポンッと優しく叩いた。

 

 するとゲンドウは嬉しそうに口角を上げ、最愛の妻であるユイに向かってサムズアップして見せる。

 

「あぁ、全ては計算通りだ。これも私と妻の愛の結晶であるシンジのお陰だな。シンジ、愛してるぞ! ハッハァー!!」

 

 活き活きとしたゲンドウの楽しそうな高笑いが響き渡る中、他の職員達はシンジ達親子に駆け寄り、次々に賞賛の言葉を述べていく。

 

「すごいよ碇所長! あんたら親子は俺達ネルフの誇りだよ!」

 

「さすがは碇所長と奥様の息子ですね! こんなに凄い親子は見た事がありません!」

 

 職員達はシンジとゲンドウの二人を胴上げしようと近付いて来るが、流石に恥ずかしくて断る。

 

 するとシンジの背後から突如として黒い影が飛び掛かる。それはいつの間にか復活していたアスカとレイの二人であり、彼女達はユイの隣に立って体操服姿のシンジを取り囲む。

 

「ちょ、ちょっと待った! アスカと綾波!? どうして急に抱き着いてくるのさ……っ!?」

 

「碇くんの身体……すっごく熱くて臭い……♡」

 

「シンジ……いっぱい頑張ったんだから、特別にご褒美をあげる♡」

 

 アスカとレイはそう言うと、床にへたり込むシンジにぎゅっと密着したまま彼の両頬にそれぞれチュッと優しいキスをする。

 

 流石にキスしているところは周りの職員達にバレない様にしていた二人だが、それでもシンジは彼女達の柔らかな唇の感触を直で感じてしまい、再び顔が真っ赤に染まる。

 

「ぁ……ありがとう、二人とも……」

 

 シンジは何とか感謝の気持ちを伝えると、アスカとレイはニコッと可愛らしい笑みを浮かべた。すると今度は真ん中に立っていたユイが中腰の姿勢で豊満な胸元を揺らしながらシンジに話し掛けるではないか。

 

「ねぇ、シンジ……お母さんからもあなたにご褒美があるんだけど……?」

 

「えっ……? 母さんから僕へのご褒美って一体何なの母さ──うわっぷ!?」

 

 言い終わる前に、突然ユイは大胆にも汗だくになってしまっている息子に飛び付き、その豊満な胸で彼の顔面を包み込んだ。

 

 大量の汗で湿った柔らかい感触と女性特有の甘い匂いがシンジの鼻腔を刺激し、彼は目を白黒させる。

 

 いきなりの事に驚きを隠せないシンジだったが、ユイのたわわな胸に埋もれながらゆっくりと深呼吸をして彼女の香りを堪能し始めた。

 

「シンジ……私の可愛い息子……ふふっ、やっぱりこの子にはまだまだ甘えん坊さんの方が似合うわね♡」

 

 そう言って、ユイは息子を抱き締めたまま慈母の如き眼差しでシンジの顔を見つめる。

 

 周りの人々はいつまでも仲の良い母子の様子に和やかに笑って見守る。どうやら誰もシンジとユイがゲンドウを置き去りにして密かに愛し合っている浮気関係だとは思ってもいないらしい。

 

「むぅ……シンジのやつ、モテモテ過ぎて羨ましいぞ……」

 

 そんな中、ゲンドウは一人だけ蚊帳の外という扱いを受けて苦笑していたが、そこで彼はとある事に気付いた。

 

(……? 三人とも、何か様子がおかしいような……?)

 

 アスカとレイだけでなく、妻のユイまでもがシンジにやたらとベタついているのだ。

 

 普段はここまでスキンシップを取る事は滅多に無いのだが、今は三人共がシンジにぴったりと抱き着き、離れようとしない。

 

 これはいったいどういう訳なのか……ゲンドウは不思議に思いながらも、とりあえず妻に問い質してみる事に。

 

「なぁ、ユイ……少しシンジに甘え過ぎじゃないか……? 家ならばともかく、今は周りにも人がいるのだから──」

 

「あら……それってイケない事かしら?あなただっていつもシンジシンジって甘やかしてるじゃない。私はただ……電力を復旧させて研究所を救ってくれた息子に精一杯の愛情表現をしているだけよ。ねっ、シ~ンジ♡」

 

 ユイはそう言ってシンジの頭を撫でると、彼も照れ臭そうにしながら呟く。

 

「もう、母さんってば……恥ずかしいよ……」

 

 どうやらシンジもユイの過剰気味なスキンシップに満更でもないらしく、ゲンドウは少しばかり息子に対して嫉妬心を覚えた。

 

 しかし妻というのは自分の子供が産まれたら夫よりも子供を優先するものだ……ゲンドウはそう自分に言い聞かせて心を落ち着けようとする。

 

 ……だが、そんなゲンドウの心中など知る由もないユイは更なる大胆行動に出る。彼女は推定Eカップのその大きな胸でシンジの頭を挟み込み、黄色いセーターを着た谷間に彼の顔を埋め込ませた。

 

「うぷ……っ! ちょっと、母さん……何をして……っ!?」

 

「いいから、シンジ……もう少しだけじっとしてなさい。あなたはさっきまでいっぱい頑張ってたんだから……ねっ♡」

 

 ユイはそのままシンジの頭をぎゅっと抱き締めると、汗で濡れた自身の胸元に彼の顔を押し付ける。

 

 セーター越しにぷっくりと膨らんだ突起はシンジの口元に押し当てられ、そのせいでシンジは否応なしにユイの汗が染み込む乳房の匂いを嗅ぐ羽目になってしまった。

 

 今のシンジは母親に授乳されている様な恥ずかしい体勢で、汗だくの胸元から漂う濃厚な女の香りを嗅がされ、その恥ずかしさにシンジは顔を赤くする。

 

「か、母さんのおっぱいが僕の顔に……うわっぷ!?」

 

 ユイはシンジを逃がさない様に両腕を彼の背中と頭に回しており、更にはその巨大な胸でむぎゅっと強くシンジの顔を圧迫してきた。

 

 そのおかげでシンジはユイの大きな胸が作る深い谷底に完全に飲み込まれ、目の前に浮き出る二つの可愛らしい突起物を歯で甘噛みする。

 

 そんな息子の様子を見ていたユイは妖艶に微笑むと、まるで赤子に乳を与える聖母の様に優しく語り掛ける。

 

 しかしその声色はどこか色っぽく、艶めかしい雰囲気があった。彼女はシンジの耳元に口を近付けると、ゲンドウや周りの職員達には聞こえないほどの小さな声量で囁いた。

 

「あぁん、ご主人様♡ あなたの頑張りに免じて、今夜は母さんもハーレムハウスに帰ってたっぷり可愛がってあげるわね♡」

 

「……っ!」

 

 ユイの擽ったい熱い吐息と、甘く蕩ける様な言葉にシンジは思わずビクッと身体を震わせる。それはまるで悪魔の誘惑の如く……甘く、淫靡な響きでシンジの脳髄を刺激する。

 

 それはシンジの理性を瞬く間に崩壊させ、快楽の虜にしてしまう魔性の言葉だった。

 

 シンジはユイの豊満な胸に埋もれながら我慢出来ないとばかりに舌を伸ばし、その突起物を汗に濡れたセーターの上から口に含む。

 

 そして赤ん坊が母親のおっぱいミルクを飲む様にちゅうっと吸い出すと、ユイは息子の頭を撫でながら満足そうに微笑む。

 

「んっ……シンジったら、本当に甘えん坊さんなんだから……ぁんっ♡」

 

 じゅわぁ……っとセーター越しに滲み出た甘い母乳汁がシンジの喉を通り抜け、渇いていた身体に潤いを与えてくれる。

 

 もっと欲しい……シンジは夢中でユイの胸にしゃぶりつき、何度も突起を吸ったり噛んだりして母親の味を楽しんだ。

 

 そんな息子の姿にユイは興奮したのか、シンジの背中を指先でつぅーっとなぞる。たったそれだけの事でシンジはゾクゾクと背筋を震え上がらせ、より一層ユイの胸に夢中になってしまう。

 

「むぅ……それなら私だってシンジと同じくらい頑張ったんだが……」

 

 息子と妻が抱き合って仲良くしている様子を離れた場所から眺めているしかなかったゲンドウ。流石に自分にも構って欲しくなった様で、ゲンドウは羨ましそうに二人の近くに歩み寄ろうとする。

 

 すると隣に座っていたアスカが母親に抱き着くシンジの頭をポカっと優しく小突き、ゲンドウの接近を知らせる。それに気付いたシンジはハッと我に返ると、慌ててユイの胸から口を離す。

 

 ……危なかった。あのまま夢中になってユイの乳房を弄っていたら、ゲンドウや周りの職員達にバレてしまいそうになっていたかもしれない。

 

 シンジはこれ以上ユイのエッチなフェロモンを嗅いだらマズイと思い、名残惜しそうにしながらも何とか彼女の胸から顔を上げて離れた。

 

「まったく……あなたはまたそうやって張り合おうとして……冬月先生といい、もう少し自分の年齢を自覚したらどうなの? あんなに激しくペダル漕いじゃって──明日筋肉痛になっても仕事なんて休めないんですからね?」

 

「ぬ、ぬぅ……しかしだなユイ……」

 

 ユイに説教されてしょんぼりとするゲンドウだったが、そこでふと彼はある事に気付いた。先程までは周りに職員達が大勢いたが、いつの間にか自分達家族とアスカ、レイの二人を残していなくなっている。

 

 気になって辺りを見渡すと、どうやら他の職員達は全員汗だくになっていた為にさっさとシャワールームの方に移動してしまったらしい。

 

 ユイに上手い具合に誤魔化されたゲンドウは仕方ないと渋々納得して広々としたフロアから立ち去ろうとする。

 

 と、その時──

 

「ふふっ……あなただって頑張ってたわ。あんなにもみんなから尊敬されて──あなたのような立派な人と結婚できて、私は世界一の幸せ者よ♡」

 

「ぬおぉぅ……ユ、ユイぃ……っ」

 

 ユイの優しい微笑みに、ゲンドウは目頭が熱くなる。愛する妻からの最高の賛辞に彼は感極まり、思わず涙を零しそうになった。

 

「そ、そうだユイ……今日は久しぶりに家族揃って過ごさないか? たまには三人でゆっくり風呂に浸かって、その後はシンジの作る世界一の手料理を食べながら晩酌でもしようじゃないか」

 

 ゲンドウはユイにそう提案するが、ユイは何故か残念そうな表情で首を横に振る。

 

「嬉しいお誘いだけれども……ごめんなさい、ダメよ。だってあなた、今日は停電騒ぎの後始末が残ってるでしょう? あなたは所長として最後まで責任を持ってやらなくちゃ」

 

「し、しかしだなユイ……こんな時くらいは──」

 

「ねぇ、シンジ……あなたはどう思う? 私だって久々に家族三人でゆっくり過ごすのも良いと思うけど……」

 

 ユイはゲンドウの言葉を遮ると、今度はシンジに話し掛けてきた。突然話を振られたシンジは少し戸惑ったが、すぐにその意図を察して慎重に答える。

 

「えっと……うん。僕も母さんの言う通りだと思うかな。そりゃあ……父さんや母さんと一緒に過ごしたいとは思うけど……やっぱり仕事は頑張らなきゃ。みんなに頼られる父さんなんだからさ」

 

「っ! シンジ……お前というヤツは……ぬおおおぅ、う、嬉し過ぎるぅ!」

 

 息子の優しい言葉に、ゲンドウは感動のあまり涙を流して男泣きする。その様子を眺めるユイはくすっと意味深に笑い、ゲンドウに気付かれない様にしてシンジの手をこっそり握り締める。

 

 シンジは突然の事に少し驚いたが、すぐにユイの温もりを手の平に感じて笑みを浮かべ、彼女もぎゅっとシンジの手を握り返した。

 

「そうね……家族水入らずで過ごすのはまた後日にしましょう? ねっ、あなたはこの場にいる人達の為にお仕事いっぱい頑張らなきゃ……でしょう?」

 

「う、うむ……シンジとユイがそこまで言うのならば……二人とも、すまないが先に戻らせて貰うぞ。まだ仕事が山のように残っているからな」

 

 ユイの援護射撃のおかげでゲンドウはあっさりと折れると、その場から早足で意気揚々と去って行った。

 

 シンジとユイ、そして隣で空気を読んで黙っていたアスカとレイはゲンドウの後ろ姿を見送ると、全員でお互いに顔を合わせてくすっと笑う。そしてアスカとレイが見ている前でシンジとユイはどちらともなく抱き合うと、そのまま親子で熱いキスを交わし始めた。

 

「ねっ、母さん……やっぱり母さんとも一緒に暮らしたい。キョウコさんとも全然エッチできてないし……早く二人の母さんを僕だけのモノにしたいんだ」

 

「ぁ、んちゅっ……ちゅぷ……ぁん、もう……シンジったら……しょうがない子ね♡」

 

 シンジはユイの唇を貪ると、その柔らかな舌を絡め取って口内を犯す。ユイはそんなシンジの情熱的な口付けに目を一瞬でとろ~んと蕩けさせると、シンジの首に腕を回して更に深い繋がりを求めた。

 

「さっきの母さんのおっぱい……すごく柔らかかったよ。ずっとああして抱き締めていたいなぁ」

 

 シンジは言いつつユイの大きな胸をぎゅっと強く揉みしだきながら呟く。その手の動きに合わせる様にユイは身体をビクビクと痙攣させながら、甘い淫ら声を漏らす。

 

「あんっ、やぁん……シンジったらぁ♡ いいわよ……あなたが望むならいつでも母さんのおっぱいミルク、好きなだけ吸わせてあげちゃう♡ あっ、んん……はぁん♡」

 

「ありがとう、母さん。じゃあ、そろそろ“新しいお家”に帰って準備しよっか?」

 

 シンジはユイの胸から手を離すと、まだ体力的な消耗が激しいアスカとレイを引き連れ、母親の腰を抱いて歩き出す。

 

 ユイは息子の手に引かれるまま、まるで夢遊病患者の様に覚束ない足取りでその後をぴったりと付いて行く。

 

 そうして全員が去った後のフロアには誰もいなくなった。この日の停電騒動は結果的に多くのネルフ職員達の心を一つにして結束力を高め、そして絆を深め合う切っ掛けとなるだろう。

 

 

 

 

 

 そして……その日の夜。

 

「──ちょっとびっくりしたよ。シンジ君達もラミエル達も、まさかあんな方法で切り抜けるなんて。彼らは一筋縄じゃいかないと思うな」

 

 ネルフに密かな敵対心を募らせる秘密結社ゼーレに所属する赤木リツコの住む高級マンション──

 

 その一室で全裸になっていたリツコはベッドの上で同居人の渚カヲルからの報告を聞いていた。

 

 彼女は今まさに入浴を済ませたばかりで、濡れた金色の髪をバスタオルで拭いている最中だったのだが……ネルフ学園の学生服を着たカヲルはそんな彼女の無防備な裸体をベッド脇に立ってまじまじと眺めている。

 

 二人が居る寝室の窓は全てカーテンによって閉め切られており、部屋の様子は一切見えない状態だ。なので部屋の中を照らすのは天井の照明のみで、それが余計に二人を妖しく演出していた。

 

「そう……それで? あの娘に飲ませた媚薬の方は?」

 

「あぁ、もちろん問題なく効いてたよ。綾波レイはすっかり身も心もシンジ君の虜になっているよ。それに計画の障害になりそうなセカンドと碇ユイ博士も、全員揃ってシンジ君とエッチしててメロメロだったね……まぁ、おかげで誰にも邪魔されずに色々と研究所内を調べられたし、動き易かったかな」

 

 カヲルはそう言って不敵に微笑む。そう、実は今日……カヲルは戦闘訓練を終えたばかりのレイに媚薬入りのスポーツドリンクを飲ませ、彼女の身体の自由を奪っていたのだ。

 

 その上でトレーニングルームを抜け出したカヲルはスパイとして堂々と施設内の至る所に潜入し、そこで知り得た情報を全てリツコに伝えた。

 

 リツコが事前に用意しておいたハッキング用のコンピューターウイルスを使って人工進化研究所内に大規模な停電を引き起こし、その隙にカヲルはネルフの研究内容を洗い出そうとした。

 

 しかしカヲルの前に想定外だったラミエルが先回りして現れ、スパイ活動の妨害をされてしまう。

 

 ラミエル自体はカヲルが神器(エヴァ)を使って一方的に叩きのめしたものの、停電騒ぎのせいで研究所内に新しい使徒サキエルが侵入してしまっていた。

 

 サキエルは合流した雪風ミカサが倒していたものの、驚いた事にサキエルはラミエルと共に命乞いまでしてきたのである。

 

 そこで今後ゼーレにとって邪魔になりそうな二人の使徒を殲滅出来れば良かったのだが、ミカサが何を思ったのか二人を殲滅せずに助けた事でカヲルの予定はまたしても狂わされてしまう。

 

 しかしその後は自分を怪しむミカサを不意討ちで気絶させる事に成功し、だいぶ遅れはしたものの何とか予定通りに研究所内の情報を探る事が出来た。

 

 ゼーレにとって一番重要な碇シンジの育成計画については流石に停電中の時間が少な過ぎて調べられなかった。

 

 ……とは言え、それ以外に得られた収穫はそれなりにあったので、とりあえずは良しとする。

 

 特に息子と母親の関係であるはずのシンジとユイが既に禁断の肉体関係を持っている事を偶然知った時は、流石のカヲルも驚きを隠せなかった。

 

 だが、それもまた面白い……カヲルはそう思い、一人ほくそ笑んだ。

 

(シンジ君……君は本当に興味深い。彼の事を考えるだけで僕の胸はこんなにもドキドキする。あぁ、早く彼と会ってたくさん話をしたい……彼とキスして彼に抱かれたい……っ!)

 

 カヲルはシンジの事を考えながら、興奮気味に自分のズボン越しに大きく膨らんでテント張りになった股間を無意識に押さえ込む。

 

「ふぅん……それは結構な成果じゃない。お疲れ様、カヲル。でも……まさかアスカに続いてレイとユイ博士までシンジ君のモノに堕ちてるなんて……私の考えではもう少しユイ博士は常識ある人かと思ってたけど……ふふっ、人妻なのに随分イケないエッチがお好きなのね♡」

 

 リツコは今日一日のネルフ停電騒動で暗躍していた黒幕であったカヲルに労いの言葉を掛けつつも、その表情はどこか新しい玩具を目の前にした子供の様に楽しげだ。

 

「……次はどんな手を打つんだい?」

 

「それは……上が決める事だわ」

 

 カヲルの問い掛けに対し、リツコは素っ気なく答える。どうやら彼女にはまだ何か企んでいる事があるらしい。

 

「ふふ……この任務、俄然興味が湧いてきたよ。少し本気になってみようかな……」

 

 カヲルは静かに呟くと、ベッドに寝転ぶ全裸のリツコに手招きされて彼女の傍に寄る。するとリツコはにやりと笑ってカヲルの耳元で妖しく囁いた。

 

「ねぇ……少し私の計画に協力してみない? 上手くいけばシンジ君をあなたのモノにできるかもしれないわよ」

 

「へぇ……悪くない話だ。僕は何をすればいい?」

 

 カヲルは一瞬驚いた様な顔をしたが、すぐに笑みを浮かべるとリツコの話に乗っかり、協力する事を承諾する。その答えに満足したリツコは嬉々として次なる計画内容をカヲルに告げるのだった。

 

 ……そう、全ては碇シンジを我が物にする為に……

 

 




【次回予告】

人工進化研究所の停電騒動から一夜明けた朝。

シンジはミサトの自宅マンションで新たに同居する事になった二人の母親を迎え入れる。

そこにアスカとレイも加わり、シンジのハーレムな日常はベッドから始まった。

次回、『母二人、合流 ★(アスカ、レイ、ユイ、キョウコ)』

今後、ヒロインたちとのエロ回がかなり増える予定です。そこで少しでもキャライメージをしやすいようにAIを使った挿絵を導入しようか迷ってます。アンケート結果によって採用するかしないか決めるので、もしよければ皆さんお答えください。

  • AI挿絵が欲しい
  • AI挿絵は要らない
  • 原作キャラの挿絵だけ欲しい
  • オリキャラの挿絵だけ欲しい
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