フフフ、絶好調だ。
暁四姉妹とのニャンニャンタイムを楽しみながら、私は一人、悦に入っていた。
川内三姉妹を落としてからというもの、私は破竹の勢いで他の艦娘達を連れ戻すことに成功。やはり、川内三姉妹の時の思い切った単艦出撃が成功したのはでかい。
連れ戻した艦娘達の躾(調教ともいう)も滞りなく進み、全てが順調だった。
さて、次は誰を連れ戻そう。
……ふむ。高雄姉妹にするか。
高雄型重巡洋艦高雄、そして愛宕。
数いる艦娘の中でもトップクラスの大きさを誇る魅惑の胸を装備した巨乳姉妹である。
まったく、あいつらめ。特に高雄の奴、あれだけ私を好き好き言ってたくせに、こうもあっさり裏切るとは。
まったく、今に見てろよ。連れ戻したら、まずはあのけしからん胸を存分に……げふん、げふん。
と、いかんいかん。まだ全年齢版と兼用の内容だった。あまりエロい内容はダメだな……て、何を一人で訳の分からんことを言っているんだ私は。
よし。とにかく、次の得物は高雄姉妹に決めた。
そう決心し、私はネコミミを着けた暁四姉妹とのニャンニャンタイムへと戻っていった。
さて、明くる朝、私は早速行動を開始した。
新たに連れ戻し、すでに躾の完了した重巡洋艦の利根と筑摩を伴い、いざ出撃。
私が集めた情報によると、高雄姉妹はこの付近にある鎮守府に新たに着任したらしいのだが……
とりあえず、筑摩に索敵させながら、二人を探すことにする。鎮守府の外に出ていてくれると非常に助かるのだが……あ、いた!
筑摩に探させるまでもなく、なんとビックリ、高雄姉妹はその鎮守府の近くにある森の中で、二人並んで座り、おしゃべりしていた。
どうやら、ひどく落ち込んでいる高雄を、愛宕が慰めているようだ。
フッフッフ、飛んで火にいる夏の虫とはまさにこのこと。やはり絶好調モードの私は一味違うようだな。
さて、それでは早速、利根と筑摩を斥候に出し、二人に指輪を――
そう思った直後、高雄の髪が一房、まるで○太郎の妖怪レーダーのようにピンと立ち上がった。
それに反応した高雄が、突然立ち上がり、猛然と走り出す。
真っ直ぐ私に向かって。
「何だと!」
当然逃げようとした私だったが、あまりに不意の出来事に思わず尻餅をついてしまった。
そして、そのせいであっさりと高雄に接近を許してしまう。
「ハアハア。や、やっぱり。提督、あなただったんですね……」
ゼエゼエと荒く息を吐きながら高雄が言った。
チッ、まずいな。指輪をはめさせる前に見つかってしまうとは。仕方ない。相手は二人だ。ここは利根と筑摩に時間を稼がせておいて、その隙に――
「嬉しい! ようやくわたしを連れ戻しに来てくれたんですね!」
「はっ?」
高雄から出た予想外の言葉に、私は思わず呆然となる。
ど、どうなっているんだ?
「あ~、提督だ~。お久しぶり~。そろそろ来てくれると助かるな~って思ってたんだよ~」
そこにあとを追ってきた愛宕が合流。こちらからも全くと言っていいほど、戦意や敵意といったものは感じられない。
こ、これは一体……
「もう! 提督、遅いですよ! わたしが鎮守府を出てからどれだけ経ってると思ってるんですか! もっと早く連れ戻しに来てくれると思ってたのに!」
そう言って、少し頬を膨らませる高雄。
ど、どういうことだ? 全く事態が把握できん。
当初の予定では利根と筑摩を先行させ、目の前の二人に指輪をはめさせた後、私が突入。二人の自由を奪い、嫌がるところを無理やり……という予定だったのに。
いきなり全てが壊された感じだった。
「あの、高雄さん……」
私は、何故かさん付けで高雄に尋ねる。
「はい。何でしょう?」
対する高雄は満面の笑み。先ほどのひどく落ち込んだ様子はどこにもない。
「え~と、あなたは私に愛想を尽かして、鎮守府を出て行ったんですよね?」
「まさか! わたしが提督に愛想を尽かすなんてありえません!」
と、高雄はきっぱり。
ど、どうなっているんだ? 高雄の行動の全てが、私の予想外なのだが……
「で、では、何故私のもとを去ったのですか?」
「そ、それは……」
そこで、高雄は頬を赤く染めて黙り込む。
「それは愛宕が説明しますね~」
代わりに答えたのは、のんびり口調の愛宕だった。
「高雄ちゃんはね~、提督の愛を確かめたかったんですよ~」
「はっ?」
何を言ってるんだ? さっぱり分からん。
「艦娘が増えてからというもの、提督は全然高雄ちゃんを構ってあげなかったでしょ~。だから高雄ちゃん、ずっと寂しかったんですよ~。自分はこんなにも提督を愛してるのに、提督は全然自分を見てくれないって」
「…………」
「密かに狙っていた秘書艦の座もあとから来た子に取られちゃうし。だから、今回の騒動を機に提督の愛を確かめるって、便乗しちゃったんです~」
「…………」
「それなのに提督、ちっとも来てくれる様子はないし、それですっかり高雄ちゃんは落ち込んじゃって。今日もこうして鎮守府の外をブラブラしながら、提督来ないかな~って待ってたんだよね~」
「ちょ、ちょっと愛宕……」
「…………」
ど、どうしよう。何か色々と予想外すぎて、なんと言っていいか分からん。
「え~~~~、それではお二人共、とりあえず私のもとに戻ってくれるということでよろしいでしょうか?」
「はい! もちろんです!」
「愛宕もいいですよ~」
尋ねる私に二人は即答。
ど、どうしよう……せっかく指輪を持って、意気込んできたのに。
この切ない感、ハンパないぞ。
「え~、本当にいいんですか? 私なんて、時々艦娘達のお風呂を覗いたり、洗濯前の下着の匂いをクンクン嗅いで、ちょっと口に含んでみようかなとか考えてる男ですよ?」
「全然構いません! そんなこと言ったら、わたしだって毎晩、頭の中で提督に……キャッ! 恥ずかしくて、これ以上は言えない!」
と言って、一人体をくねらせる高雄。
ううむ。予想以上に手強い……色んな意味で。
「愛宕も別に構いませんよ~。そういったことに興味を持つのは、男性なら仕方ないですもんね~。でも、そんなに欲求不満なら、いつでも高雄に言えばよかったのに。高雄、毎晩勝負下着着けて、提督のこと待ってたんですよ~」
と、こちらも菩薩のような寛容さを見せる愛宕。こ、こちらも手強い。
「さあ、提督! いえ、提督なんて堅苦しい呼び方はもうしません! さあ、ご主人様! 早く帰りましょう! 大丈夫、これからご主人様の性欲処理は、全てわたしがしますから! わたしはいつでもウエルカムですよ!」
そう言って、高雄が私の腕を掴んで引き摺っていく。
何か今回は色々と負けた感があるが……
と、とりあえず恒例の愛の教育的指導を……