※この作品はR-18です。

きっかけはわたしの素直じゃないひとこと   作:神納 一哉

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過去にしたらばに書いたものを加筆・修正しています。


きっかけは、わたしの素直じゃないひとこと。

―――きっかけは、わたしの素直じゃないひとことだった。

 

「ちょ、ちょっとっ!?…むぐっ!?」

 

アイツは急に立ち上がると、わたしの前まで歩いてきて両肩を掴み、そのままの勢いでベッドの上にわたしを押し倒して、唇を塞いでくる。

 

キスしてくれたのはわたしが告白した公園以来だ。今思い出しても恥ずかしい。けれど、大切な思い出。

 

ってか、そうじゃなくって。

 

「ぷはっ、いきなり押し倒すってなに考えてるのよアンタ!」

 

「…お前が悪いんだぞ」

 

「なっ!?なんでよ!?ちょ、ちょ、ちょっと!?」

 

アイツの手がわたしのブレザーのボタンを外し、ブラウスのボタンを外していく。

 

突然のことにわたしはただ身体を硬直させて動けなかった。

 

う、嘘でしょ!?

 

「…お前が悪いんだぞ」

 

掠れた声でそう繰り返すと、わたしのブラウスをブレザーごと両側に開いた。アイツの喉が鳴るのが聞こえて、わたしははっと我に返り、両手で胸を抱くようにして隠す。

 

「ちょ、ちょっと、落ち着きなさいよ」

 

「無理」

 

「なんでよっ!?」

 

「お前は、俺のものだ」

 

「んぅっ!?」

 

両手で顔を持たれ、そのまま唇を塞がれたかと思うと、ぬるっとした生暖かいものが口の中に入ってきた。

 

え?これって、舌?

 

「んっ、んっ!んぅっ!」

 

頭がくらくらする。何なのよこれ!?

 

どのくらい口腔内を蹂躙されていたのかはわからない。気が付くとお互いだらしなく唇の端から涎を垂らして、上気した頬で相手を見つめていた。

 

アイツの手がわたしの上半身の服を剥ぎ取る。

 

アイツの手がわたしのスカートのホックを外し、スカートを下ろしていく。

 

「…なんか手馴れてる」

 

「嘘だろ?初めてだぞ、こんなことするの」

 

「じゃあ何でスカートの脱がし方なんて知ってるのよ」

 

「んー、ズボンと変わらないだろ?ホックが腰の横にあるか、へその下にあるかの違いだけで」

 

「そっか」

 

「ああ」

 

こんな状況なのに服の脱ぎ方についての話をしているのが馬鹿らしくなって、お互いに小さく笑いあった。

 

ブラに短パンにニーソックスなんて凄い格好になってるけど、まあ、いいか。

 

「ねえ?なんでこんなことになってるの?そりゃ、恋人だからいつかは、って思ってたけども、急すぎない?」

 

「だから、お前が悪いんだ」

 

わたしが悪い?そういえばさっきもそんなこと言ってたわね。

 

とりあえず整理してみよう。うん。

 

「えーっと、アンタがちっとも構ってくれないから、公園で待ち伏せして捕まえてこの部屋にきたのよね…」

 

――――――

 

「えへへ。お邪魔しまーす」

 

「…今月は上条さん、補習や課題で忙しいって言っといたよな?」

 

「そうだけど、せっかく告白して恋人になったのにさ、会えないなんて寂しいじゃない」

 

「まあ一応、上条さんも休日にデートに行けるように頑張ってるんですけど?」

 

鞄を置き、学ランをハンガーにかけながら肩をすくめる上条を尻目に、美琴は不満げな表情でベッドまで歩いていき、端の方に腰を下ろす。

 

「…そうだけどさ」

 

唇を尖らせて美琴は上目づかいで上条を見た。

 

「アンタ、恋人らしいこと何もしてくれないじゃない」

 

「いや、それは…」

 

「もしかして、さ。ホントにわたしのこと好きなのかな、って考えちゃったりして」

 

頬を染めて俯きながら、美琴は照れ隠しに続ける。

 

「わたしも、アンタより好きな奴ができちゃったりしちゃうかも…なーんて」

 

―――ホントはそんなことありえないんだけどね。

 

――――――

 

「……………ばか」

 

「いきなり馬鹿呼ばわり!?」

 

「違うわよ。今のは自分に言ったの。…そっか。うん。そうなんだ」

 

ヤバイ、胸の奥から笑みがこみ上げてくる。

 

だって、わたしの馬鹿なひとことに、嫉妬してくれたんだもん。

 

「何だよ?」

 

わたしは身体を起こして、アイツに抱きつくと、耳元で囁いた。

 

「居もしない相手に嫉妬してくれてありがとう。心配しなくてもさ、わたしが好きなのは、…当麻だけだから」

 

戒めを解き、当麻の両肩に手を置いて身体を離す。そして当麻の黒い瞳を見つめたまま、そっと唇を重ねた。

 

「好き…。んっ」

 

一瞬だけ唇を離して囁くと、今度はわたしが当麻の口腔内を蹂躙する。

 

「んぅっ、むっ、んっ」

 

当麻の舌がわたしの舌を絡め取る。

 

当麻の身体がわたしの身体に覆い被さる。

 

そして当麻の手が、恐る恐るといった感じでわたしの胸に触れた。

 

「んっ…」

 

当麻の右手がわたしの左胸を撫で、それから左手がわたしの右胸を撫でる。

 

優しい、けど、くすぐったい。

 

「柔らかい、な」

 

「んぁっ、馬鹿ぁ」

 

「…なあ、これ、どう外すんだ?」

 

しばらくして、ブラの上から撫でていた右手でブラの肩紐を軽く引っ張りながら、当麻がわたしの目を覗き込む。

 

「その、背中の方にホックがある、から」

 

脱がせて貰うのってなんか凄い緊張するなあ。なんて思っていたら、当麻は身体を起こし、わたしの両手を引いてわたしの身体も起こさせた。

 

「どうしたの?」

 

「その、さ。自分で外してくれねえか?なんか、破いちまいそうでさ」

 

「じゃあ、当麻もシャツ脱いでよ」

 

「お、おう」

 

当麻が一度ベッドから降りて、Yシャツを脱ぎ始める。わたしはその様子を眺めながら、ニーソックスと短パンを脱いでから丸め、足元に放られていたスカートの上に投げる。

 

下着姿になったわたしを見ていたのか、当麻はYシャツの下に来ていたTシャツを脱ぎ、ズボンのベルトを外してズボンを下ろすと、靴下と一緒に放り投げた。

 

っていうか、これからわたし、当麻の前でブラを取るんだけど、冷静に考えると、かなり恥ずかしい。これ。

 

「あぅ…」

 

ブラのホックに手をかけ、当麻を見る。

 

「あの、さ。電気、消して」

 

「…いまさら、じゃないか?」

 

「そりゃ、そうだけども…」

 

ベッドの上で膝立ちをして背中にあるブラのホックに手をかけている状態でそんなことを言っても、説得力が無いのはわかっている。でも、恥ずかしいものは恥ずかしい。

 

だけど、当麻はさっきからじっとわたしをただ見つめている。

 

「こんなことになるなんてさ、思ってもいなかったから、その、色気の無いやつ着けてるし…」

 

ルームメイトから『お子様向け』と言われた、ライトブルーのチェック柄の上下のセット。フリルやリボンなんてものは付いていない。実用性重視のショーツだ。

 

「いや、可愛い、と、思うぞ」

 

「そ、そっか。じゃなくって、ね。その、恥ずかしいんだけど」

 

胸、自信ないし。

 

「あー、その、だな。正直に言うと、しっかりと見たい」

 

「う…。そう、なんだ」///

 

「ああ」

 

「その、さ、自信ないんだけど」///

 

「俺は、その、良いと思うぞ?なんつーの?スレンダーってやつ?」

 

「馬鹿…」

 

ホックを外して、腕で自分の身体を抱くようにしてブラのカップを押さえる。

 

「…ね、ホック、外した、から」

 

「お、おう?」

 

「…キス、して」

 

当麻はゆっくりとわたしに近づいてきて、それから両手をわたしの肩の上に置いた。

 

「…ん」チュッ

 

「んぅ…ん」チュッ

 

左手を当麻の左手に、右手を当麻の右手に重ね、そのまま肩を滑らせるように導く。当麻の手とわたしの手は、当麻の手の下にあったブラの肩紐と一緒にわたしの肩を滑り落ちていった。

 

「綺麗だ…。美琴のおっぱい」

 

「うぅ…恥ずかしい」///

 

「触って、いい、か?」

 

「いちいち、聞くな」///

 

「悪い」フニ

 

「あっ、…ん」ビクッ

 

当麻の手がわたしの胸を文字通り掴んで動いていた。正直言うと、気持ちよくない。

 

「美琴…」モミモミ

 

「…ごめん、その、痛い」

 

「わ、悪い…」

 

手を離した当麻の胸に手を伸ばし、わたしはそっと胸の中心をなぞるように撫でた。

 

「み、こと!?」ビクッ

 

「…その、さ、こんな感じで、さっきみたいに、優しく、触って」サワサワ

 

「撫でるような、感じ、か?」サワサワ

 

「…んっ。くすぐったい。ゴメン。なんて言うか、その、感じない、みたい。…小さいから、かな」

 

「悪い。俺の触り方が、下手、なのか?」

 

「ううん。けど、ね、なんか、違うの」

 

当麻に優しく触れられて、嬉しいはずなのに、身体が反応しない。

 

「ね。当麻。キスして。それからぎゅってして」

 

「…ああ」チュッ

 

触れるだけの優しいキスだけど、なんか満たされる感じがする。

 

「当麻…。好き」ギュッ

 

「俺も、好きだ。美琴」ギュッ

 

当麻の背中に腕を回して抱きついて身体を後ろに倒す。倒れこんだときにベッドのスプリングが小さく鳴るのを聞いて、自分の身体が強張った。

 

「…あの、さ。わたし、怖いんだと思う」ギュッ

 

「…俺が、か?」ギュッ

 

「当麻が、怖いんじゃなくて、さ」ギュッ

 

真っ直ぐに当麻の瞳を見つめる。

 

「いきなりだったから、その、準備ができてないっていうか、心に身体が追いついてないっていうか、さ」グスッ

 

「な、なんで泣くんですか?」

 

「当麻に、嫌われたく、ない。けど、怖い、から」グスッ

 

「安心しろ、俺はお前を嫌いになったりしないから。…ていうか、悪かった」ギュッ

 

「当麻は、悪くない、よ」

 

「いーや、俺が悪い。俺がお前を怖がらせちまったから、な」ギュッ

 

「わたしが、馬鹿なこと、言ったから。…ごめんなさい」ギュッ

 

「………んー。じゃあ、さ、その、今日はこのくらいにしておく。お前の準備ができてないし、どうせなら一緒に気持ちよくなりたいし」

 

「いい、の?」

 

「ああ。そのかわり…」

 

当麻は悪戯っぽい笑みを浮かべ、ささやいた。

 

「俺のものって証、付けさせてもらうな」

 

「え?………あっ!」ビクッ

 

唇が首筋に押し付けられたかと思うと、そのまま首筋から鎖骨を滑り降りていって左胸の上辺りで止まり、小さな痛みを感じた。

 

「…反対側にも付けて、いいか?」

 

「…………うん。付けたら、ぎゅってして?」

 

「……ちゅっ………、と、これでいいか?」ギュッ

 

「うん。…………あのさ、わたしも、付けていい?」

 

「…ああ」

 

「ありがと。………ちゅっ…む……、えへへ、付いた」

 

当麻の胸につけた証を見ながら、美琴は微笑んだ。

 

「大好き。当麻」

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