「鞠を抱いて……身体、差し出すから……護衛代の代わりにしてください……」
鞠は震える声でそう告げた。
自分は子供だった。
何も知らない子供だった……そう思った。
そして言い聞かせた。
約束は守らないといけないと……
友達は大事にしよう、そして後で裏切ろうが座右の銘の光璃がこの場に居れば、腹を抱えて笑い出すような甘っちょろい理論を、今の鞠にとっては真実の理を自らに言い聞かせた。
「ですって、どうしますか九十郎殿」
「う~む……」
九十郎はしばし考え込む。
九十郎は巨乳好きだが、貧乳相手では勃たないという訳ではない。
鞠は普通にストライクゾーンのスレスレに入るタイプだ。
しかし一緒にバトルドームで遊んだ知り合いを強姦同然に抱く事への罪悪感もある。
旅の間に溜まった性欲は、今まさに貞子相手に発散しようとしている最中だ。
しかしまあ……
「しかしまあ、添え膳喰わぬは男の恥って言うし、
ファースト幼馴染すらドン引きさせるレベルの屑で有名な信玄に売るのもアレだし……」
それらを全部ひっくるめて……九十郎は鞠を抱きたいと思った。
鞠を抱いて、暴発寸前にまで膨らんだ肉棒を衝き入れ、最奥に精を放ちたいと思った。
無責任中出し孕ませセックスがしたいと。
なお、九十郎は未だに気づいていないが、この男のファースト幼馴染は武田信玄である。
「私はいつまで待っても食べなかった癖に、添え膳」
「同僚に下手に手を出して血の雨が降ったら嫌だろ。
こういう気兼ね無く、後腐れ無く抱ける女は貴重だしな。
てな訳で貞子、ちょ~っと良いか?」
「もう、後でこの埋め合わせはしてくださいね九十郎殿、絶対ですよ」
貞子はややぶーたれながらも、九十郎椅子(肉棒つき)から離れる。
九十郎がざばぁっと立ち上がり、破裂寸前にまで膨脹したオスの象徴が鞠の眼前につきつけられる。
「……うっ」
その醜悪な外貌に、思わず息を呑んだ。
悲鳴をあげ、視線を逸らし、背を向けて一目散に逃げだしてしまいそうな気分になった。
「ま~、ま~、そう怖がらずに。
横になって天井のシミでも数えていれば終わりますよ、今川殿」
平らな石を並べただけの堅い床に体重が、背中や後頭部に軽い痛みがくる。
だがそんな小さな痛みや、冷たく硬い感触も、鞠にはどうでも良かった。
男性器をおっ勃てながら、マッチョな大男が近寄って来る。
未だ男を知らぬ身である鞠にとって、それは戦場に向かう事よりも、鬼とチャンバラする事よりも大きく強い恐怖を呼び起こす。
1人の女として、男に組み伏せられ、蹂躙され、犯される事への本能的な恐怖を覚えていた。
「う……うぅ……」
震えて、全身を硬直させ、全てが終わるのを待つ事しかできなかった。
「ま、何だ……俺はこういうシチュエーションも嫌いじゃない」
だがそんな精一杯の抵抗……抵抗とも言えない痩せ我慢を九十郎はセックスを引き立てる調味料程度にしか思わない。
越後を出た日からの禁欲生活と、さっきまでシていた貞子との交わりでスイッチが入った九十郎は、ニタニタと笑いながら鞠の顔をグイッと持ち上げ……その小さな口の中、喉の奥に男根をねじ込んだ。
「おら、しゃぶれよ。 マグロみてえに寝てるだけで終わるなんて考えてんじゃねえぞ」
「ううぅううぅ……はぁっあがっ! んんぅうっ!」
予想外の事態に目を白黒させる鞠。
それを見下ろしながら、嬉々として腰を押し付け、何度も何度も男根を口内で抽送させる九十郎……屑の所業である。
「……やべえ、思ったより興奮するなコレ。
てか一度言ってみたかったんだよな、さっきの台詞」
正真正銘、本物の屑の所業である。
「んふんふずぶっ……んちゅあむっんっ……んんぅっ!」
屑が少女の頭を掴みながら腰を揺さぶり、鞠の口内を容赦無く蹂躙する。
己の快楽だけを求める利己的で自己中心的な自慰行為を続ける。
前の生での友人、長谷河平良か遠山朱金が見たら無言で殴り掛かってくるような、犯罪的な光景である。
「んむずっ! んっずっ! じゅぷっんっ!」
じゅぷり、じゅるりと唾液の音が湯屋に響く。
鞠の喉奥で、九十郎の肉棒が膨らみ、先端部からカウパーが漏れだす。
小柄な少女の顔を掴み、無理矢理フェラチオをさせる……そんな背徳的で蠱惑的なシチュエーションが九十郎を興奮させ、一気に絶頂に高めつつあるのだ。
「ちゅっあむっんむ! ずぶっんぷっんぐっ!」
早く終われ、早く終われ、早く終われ……鞠はそれだけを考え、舌の上を醜悪な肉根が蠢く感触に耐え続けた。
目には涙が溜まっていた。
「イクぞ……イクぞ鞠、口の中で受け止めろ……」
「んっあむっんっんふ……んむんちゅんちゅんぷっ!」
九十郎の腰がさらに強く、乱雑に揺り動かされる。
喉奥に何度も何度も男根が突き入れられ、鞠は呼吸すらできなくなる。
鞠は呼吸ができない苦しみと、性欲処理の道具のように扱われる事への屈辱に耐え、ただただ耐え続ける……
そして……
「んんぐっ! んんんんんーーーっ!!」
鞠の口内で、ビクンッ、ビクンッと肉棒が跳ねた。
口の中一杯に何とも表現しがたい生臭い臭いが広がり、鞠が目を白黒させる。
九十郎が鞠の強制フェラで射精したのだ。
「げぼっ、ごほっ、ごほっ! あうぅ……へ、変な味なの……」
思わず鞠が口の中の白濁液を吐き出し、咳き込んでいる。
「ぷっ、くっ……くくくっ……い、いかん、口元が緩む、笑いが抑えられん……
あの義元の娘が、我を監禁きてきた義元の娘が……ああも無様に……くく……」
鞠が苦しむ様子を、信虎がニヤニヤと笑いながら見物し、酒の肴にしていた。
実に悪趣味である、実に。
だがしかし、悪趣味で下劣で外道であるが故に、彼女は武田信虎なのだ。
「まああれも社会経験という事で。
九十郎殿なら一回満足するまでヤッたら開放してくれるでしょうし……
あれ、冷静になって考えてみたら、後で美空様に物凄く怒られるような……」
「もう遅いさ。 ここまで来たらおとなしく見物するとしよう。
あの面白い見世物を、義元の娘が処女を散らす瞬間をな……
それが孕まされる瞬間の光景であればなお面白いが」
そう言うと信虎は光璃の秘蔵の酒を自分の杯に注ぐ。
信虎と貞子の視線の先では、2人の交合がさらに先に進んでいた。
「や……駄目……!? そんな所、舐めちゃダメなの!」
鞠の脚を大きく開かせ、九十郎が股座の前に蹲り、舌を這わせていた。
「さっきアレ舐めさせたんだから、これでお相子ってね」
九十郎はそんな事を言いながら、鞠のおOんこに口づけをして、吸い付き、舐る。
「ふっはぁっうっ! うあぁああっう!?」
未知の感触に鞠が翻弄される。
今まで男に抱かれた事が無く、自分で自分を慰めた事も無い鞠にとって、自らの膣口やクリトリスを吸われる感触は、ピリピリとした快感は、彼女を混乱させるに十分なものであった。
「うふっはぁっ! ううぅうっ! ああっう……」
少しずつ、少しずる、鞠の膣内に湿り気が増していく。
鞠がそれを愛液だと気づく事も、それを自分の身体が男と交わる準備をしている証だと気づく事も無い。
それに気づくには経験も、知識も少なすぎた。
「あ、あ、はぁああっ! はぁっはぁっ……ううぅ!」
少しずつ、少しずつ、鞠の声が未知の感触に混乱する少女から、発情したメスのものに変わっていく。
「もうちょっと濡れてきたらずぷっとスるかな……」
九十郎がニヤニヤと笑いながら鞠のお豆に人差し指と中指を当て、前後にグニグニと動かして愛撫する。
「あ……ふわっあっあぁあっぁあっ……」
鞠の喘ぎ声が大きくなる。
膣奥から愛液が漏れだす。
そして程良く子宮が蕩け、思考も蕩けてきた頃……
「さて、それじゃあそろそろいただきますと行きますかな」
満足するまで鞠の膣口の味を堪能した九十郎が、立ち上がった。
一度射精し、一度は萎えた肉棒は、愛撫をしている間に回復していた。
今度は鞠の膣内に、鞠の子宮に精を放たんとギンギンに隆起していた。
「うぅ……」
この時、鞠の心に恐怖はあった。
理不尽としか言いようのない境遇に対する怒りや悲しみもあった。
だがしかし……
「ど、どうぞ……なの……」
それでもなお、鞠は恐怖を呑んだ。
手足の震えは止まった、額を伝う汗も止まった。
そして鞠は九十郎の大柄な身体を受け入れるため、自ら両足を開き、秘所を晒した。
「ご、護衛のお礼は……しなくちゃいけないの。
お礼はするって……や、約束したの……」
嫌だなとか、逃げ出したいなとか、そんな感情はある。
それでも鞠は約束したのだ、駿河まで護衛をすれば謝礼を支払うと。
貞子と九十郎は、確かに鞠の護衛をしたのだ。
腹心の部下の思いがけない死によって金子を支払う事ができなくなった以上、その約束を守るためには、娼婦のように身体を差し出し、九十郎を交わるしかない。
鞠は確かに約束をしたのだ、それを怖いだとか、嫌だとか、逃げたいだとか、そんな個人的な感情で約束を一方的に無かった事にはできない。
それはきっと、鞠の意地のようなものだった。
意地と誇りで感情を押し殺したのだ。
「げっへっへっへっ、大人しくしてれば悪いようにはしねえよ……
やべえ、俺今凄え悪役的な台詞を吐いてるな、一度言ってみたかったぞこんな台詞」
九十郎はニタニタと思わず嫌悪感が湧く笑みを浮かべ、仰向けに横たわる鞠の上に覆いかぶさった。
「そしてこういうシチュエーションも実は憧れていた」
例えば前田利家ならば、例えば山形昌景や上杉謙信であれば、九十郎はそれなりに遠慮したし、委縮もした。
だが眼前で怯えて震える少女の名は今川氏真……九十郎にとっては武力1、統率1の雑魚武将、戦国蹴鞠ーガーに過ぎないのだ。
鞠の足と足の間に腰を割り込ませ、勃起した自らのちOを突き付け、宛がう。
つぷり……と、亀頭とワレメが触れ合った。
鞠が顔をしかめ、身体を強張らせる。
「いただきます……とね」
九十郎はそんな鞠を犯し、蹂躙しようと腰を鎮める。
ピッタリと閉じた鞠のワレメがこじ開けられ、ずぷずぷと亀頭を飲み込む……
「ん……うぅ……」
粘膜がこすれ、異物が胎内を押し広げながら進んでくる……そんな未知の感覚に鞠が襲われる。
腹の底から湧き上がる嫌悪感に、鞠は歯を食いしばりながら耐える。
「げっへっへっへっへっ」
その表情を少しでも長く楽しむべく、九十郎はあえてゆっくりゆっくりと腰を突き出し、肉棒をナカに埋めていく。
じきに亀頭が全て肉鞘に隠れ、さらに鞠のハジメテの証、処女膜にまで迫り、そして……
……そして、九十郎が硬直した。
「粉雪一番乗りぃ……て……え……?」
「……え、粉雪?」
九十郎の視線の先に、粉雪が立っていた。
しかも素っ裸の粉雪がだ。
「く、九十郎? 何で九十郎がここに……?」
この場所を知る筈が無い九十郎が居る、そして自分の知らない少女の上に覆いかぶさり、自分の裸をガン見してる……勇将山県昌景といえど、混乱の極みに叩き込まれる。
「いや、信虎が旅の疲れを癒すのに良い場所があるとか言ってだな」
「先代様が!? げぇっ、本当に先代様が居るんだぜ!?」
しかも駿河に追放された筈の先代武田家当主……武田信虎が普通に温泉に入っている。
粉雪の混乱がさらに加速する。
「誰が先代だ誰が、我はアレに当主の座を譲った覚えは無いぞ」
「ああ、いや、その……」
「昔のように御屋形様とは呼んではくれんのか、飯富の妹」
「今のあたいは山県なんだぜ、それに姉ちゃんは……」
「アレに背いて死んだらしいな、話だけは駿河にも届いたぞ。
いや、立派な最後だったよ、流石は我の譜代と褒めてやりたい。
アレのそっ首を叩き落としてくれていればもっと嬉しかったが」
粉雪と信虎が無言で睨み合う……お互いに一糸纏わぬ、寸鉄一つ帯びぬ素っ裸の状況でなければ、今にも斬り合いが始まりかねない程に険悪な空気になりつつあった。
「おい粉雪、さっき変な声が聞こ……聞こえ……て……」
「サルが湯浴みでもしていたでやが……や、やがる……え……」
「あのぅ……何かとても嫌な空気……が……」
そこに何も知らない3人の美女達……場所が場所なので、当然のように全員裸の美女達が湯屋に入ってくる。
「先代様ぁっ!?」
「母上ぇっ!?」
「信虎様ぁっ!?」
そして揃って驚愕の極みに叩き込まれた。
「おう、久しいな馬場、それに次郎」
「久しいなじゃねーでやがるっ!? 一体どうして母上がここに居るでやがるかっ!?」
「我の物だ、我が使って何が悪い」
信虎は全く悪びれる事も無く、湯船に肩までつかり、光璃の秘蔵の酒に口をつける。
「い、いや……それは……」
「しかし今は、御屋形様の物です、先代様」
入ってきた3人の中で一番体格の良い女性……武田四天王筆頭・馬場春日信房が毅然とした態度でそう答えた。
「誰の物だと言った? 教来石の娘」
信虎の目が鋭くなる。
「我が主、武田晴信様の物だと言ったのだ、先代当主」
春日が信虎をキッとにらみつけ、堂々とそう告げる。
それはつまり、信虎に対する宣戦布告に他ならない。
「我はアレに党首の座を譲った覚えは無いぞ」
信虎がギロリと睨み返しながら告げる。
「しかし拙はあの方を武田の当主であると認め、甲斐の主であると認めたのです」
春日は少しも怯まず、真っすぐにの信虎の目を睨み返しながらそう告げる。
甲斐の主はお前ではないと……
「飯富、次郎、貴様らはどうだ?」
信虎が夕霧や春日に矛先を向けた。
「あ、あたいは飯富じゃなくて山県なんだぜ!
御屋形様……我が主君、武田晴信様から直々に賜った名を間違えるんじゃないぜ!」
「ゆ、夕霧は……夕霧も2人と同じ気持ちでやがる。
甲斐には姉上が必要でやがる、姉上でなければ駄目でやがる」
少し言葉をつっかえさせながらも、粉雪と夕霧が信虎に告げる。
武田の当主は信虎ではない、武田晴信であると。
「ならば力尽くで貴様等に甲斐の主が誰であったかを思い出させてやろうか?」
信虎がさらに殺意を強める。
一触即発の空気が湯屋を包む。
信虎は光璃を認めない、粉雪達はあくまでも光璃を甲斐武田家の主と思っている。
話はいつまでもいつまでも平行線だ。
「ああ、くそ、話を聞いていたらしぼんじまったな。
鞠、ちょっともう一回おっ勃たてるからちょっと待ってろ」
そんな中、九十郎はマイペースであった。
そう言うと九十郎は、やや柔らかくなってしまった男根を鞠のナカから引き抜き、軽く指先で扱き始めた。
「ひゃうっ!? いきなり何を出してるんですかこの人は!?」
男性に免疫の無い眼帯の少女が、湯屋に男性が居て、しかも小柄な少女に……今川氏真に覆いかぶさっている事に気づき、ドン引きした。
「九十郎!? ナニやってるんだぜ!?」
いきなりオナニーを始められ、粉雪と眼帯の少女が悲鳴を上げる。
「何って、用心棒代の取り立てだが」
「鞠が九十郎に護衛を頼んで、それでお金が足りないから……」
「そういう訳だから邪魔するなよ。
鞠、ちょっとソコ指で開いてくれ、オナネタにするから」
「わ、分かったの……」
九十郎に言われるがまま、鞠が大きくMじ開脚をして、秘唇を大きく指で開く。
男を迎えるための穴が、艶めかしく開き、ヒクヒクと蠢き、九十郎の自慰行為を加速させる。
「いやこんな所で盛るななんだぜ!」
「何を言っている。
この建物は元々武田の当主が男女で交わるために作ったものだ。
ここで湯浴みをした者は子宝に恵まれ、安産も約束されるという言い伝えがあってな、
確か夕霧を孕んだのもここで……」
「そんな話聞きたくなかったんだぜっ!?」
「そんな話聞きたくなかったでやがるっ!?」
粉雪と夕霧が顔を真っ赤にしながら信虎の言葉を遮り、男性に免疫が無い眼帯の少女がビクンと肩を強張らせ、春日の後ろに隠れてしまう。
「そもそも。さっきから九十郎の下で股開いてる女は誰なんだぜ」
過去に何度も死闘を演じた小島貞興や、どう見ても10年分くらいは成長している虎松が温泉に入っているのを華麗にスルーし、粉雪はこの中で唯一面識の無い鞠に視線を向ける。
自分と同じ貧乳なのに九十郎と結ばれて、自分は一度も抱かれていないのに……そんな微妙に邪な想いもあってか、粉雪の口調にはやや刺があった。
「戦国蹴鞠ーガー」
「うん、その訳の分からない物言いは間違いなく九十郎なんだぜ」
酷い見分け方である。
「そっちこそ知らない顔がいるようだが、誰だ?
武田信げ……晴信の関係者か何かか?」
「ああ、こっちはあたいの同僚で、武田四天王筆頭なんだぜ」
「馬場春日信房だ、君の事は粉雪から聞いている。
なんでも神道無念流なる剛剣の使い手とか」
春日はその豊満な身体を少しも隠さず、むしろ九十郎に見せつけるかのように堂々と立ち、九十郎に自己紹介をした。
「斎藤九十郎だ、よろしくな」
そう言いながら、九十郎は密かに……
『長篠で死ぬコンビか……』
そんな凄く失礼な事を考えた。
あの見事なおっぱいがもうすぐ死ぬとか勿体ねえよなあとか、押し倒してエロい事してえなあとかも思った。
だからと言って身銭を切ったり身体を張ってまで助けようとまでは思わないが、今の所は。
「で、後ろの2人は?」
「ああ、御屋形様のご親類衆の典厩武田信繁だぜ」
「我の娘だよ、比較的性格が良い方のな」
「先代様、その言い方はどうかと思うんだぜ」
「事実であろうが」
信虎の物言いに対し、何を言えば良いのか、どう接すれば良いのか分らず、粉雪は曖昧に笑いながら最後の1人を紹介する事にした。
「もう1人は山本晴幸、ウチで雇ってる密て……」
「粉雪」
うっかり部外者に漏らしては拙い事にまで言及しそうになり、春日が止める。
「……ウチで雇ってる荷物持ちだぜ」
粉雪が盛大に視線を逸らし、冷や汗をかきながらそう告げる。
九十郎程ではないが、粉雪も嘘が苦手は性格である。
「通称は湖衣と申します……よ、よろしくお願いします」
湯屋に置かれていた桶でワレメを隠し、左手で胸を隠しながら、顔を真っ赤にしながら湖衣が自己紹介をする。
本当は頭の中が羞恥心でいっぱいで、今すぐ湯屋から出て、服を着たい気分であったが、生真面目な彼女は夕霧達を残して自分だけ逃げ出す事ができなかった。
「へえ、あの有名な山本勘助か。 よろしくな」
なんて言いながら、九十郎は密かに……
『こっちは川中島で死ぬコンビじゃねえか、縁起悪いな。
俺もうすぐ死ぬんじゃねえの、後でお祓いしておくかな』
そんな非常に失礼な事を考えた。
「ゆ、有名ですか……?」
「ああ、それに俺のファースト幼馴染が気に入ってるんだよ」
「は、はぁ……」
湖衣は九十郎の言っている事の半分も理解できなかったので、とりあえず曖昧に頷いておいた。
「さて、自己紹介が終わった所で……」
粉雪の顔から笑みが消え、やや芝居かかった所作で九十郎の方に向き直る。
「……何をヤッてるんだぜ?」
股間の肉槍をギンギンに隆起させ、先端部約1cmを鞠のワレメに埋めた状態で止まっている、筋肉モリモリマッチョマンの変態に問いただす。
会話をしている間に再び九十郎の九十郎は力を取り戻し、再び鞠の膣内に突入せんと進行中であった。
「ええっと……レイプ?」
この屑は自分が屑だと理解しているタイプの屑である。
プッチ神父よりいくらかマシだが十分すぎる程に屑である。
「言葉の意味は分からないけどやめてやれなんだぜ」
「と言われてもなあ……
しばらくこいつの用心棒やってたんだけど、謝礼金を支払えないって言うんだ。
それなら身体で払ってもらおうかげっへっへっへっへってな具合でだな」
「あたいの時は身体で支払うって言っても受け取らなかったのにか?」
「山県昌景のサインの方が俺的には価値があったからな」
「じゃあ今回もサインで我慢しろなんだぜ」
粉雪はやや苛立ちながら言った。
なんやかんやで九十郎に惹かれているが故に、九十郎が目の前で他の女を抱く姿を見るのは面白く無いのだ。
「ええ~、正直戦国蹴鞠ーガーのサイン貰ってもなぁ……」
この男は今川氏真を何だと思っているのだろうか。
「あたいのサインならどうだ?」
「お前のはもう持ってる、二枚あってもそこまで嬉しくねえし」
九十郎は少し考え込む。
亀頭先端1cmがずぷりと鞠のナカの飲み込まれている現状、九十郎がほんの少し体重をかければ、肉の欲望を満たすことができる。
たぶん今を逃したら、二度と鞠を抱く機会は無いと思った。
だが同時に……
「山本勘助のサインなら考えなくも無いが……」
だが同時に、山本勘助のサインを入手できる機会も今回しかないような気もした。
「分かった、ちょっと待っててくれなんだぜ」
すぐさま粉雪は湯屋の隅っこで縮まっている湖衣の元に走り、なにやらヒソヒソ、ゴニョゴニョを交渉をして……
「わ、分かりました、書きます。
さいんを書きますから、鞠様……じゃない、そこの娘を解放してください」
「へへ、やーりぃ」
なんかそういう事になり、九十郎は某アイドルっぽくガッツポーズした。
お前がやっても可愛くもなんともないぞ。
「という訳で用心棒代はもう良いぞ鞠」
そんなこんなで鞠は解放された。
「え、えっと……助けてくれてありがとうございますなの」
「まあ、気にすんなだぜ、これも何かの縁って事なんだぜ」
九十郎が目の前で他の女を抱くのも嫌だったしな……と、粉雪は鞠に聞こえないような小さな声で呟いた。
「……とりあえず、このまま素っ裸で立ってるのもアレでやがるし、
夕霧達も入浴させてもらうでやがるよ。 母上、隣良いでやがるか?」
「遠慮はいらん、入れ入れ」
「むしろ遠慮すべきなのは母上達の方でやがるよ」
「我の物を使うのに何故遠慮がいる?」
「はぁ……全く、平行線でやがるな」
「違いない、だが風呂場で長々とする話でもなかろう」
「で、やがるな」
夕霧が湯船に入り、信虎の隣に座る。
「飲むか?」
信虎がさっきまで自分が使っていた杯を夕霧に差し出す。
「それ、姉上のお気に入りでやがるな。 勝手に飲んだらしばらく不機嫌になるでやがるよ」
「だから飲んでるんじゃあないか」
「やれやれ、後が怖いでやがる」
そう言うと夕霧は信虎から杯を受け取り、残っていた酒をグイッと呷った。
「どうだ?」
「すっきりとしてて飲みやすいでやがる、それに上品な甘みが……
ああ、コレを奪られたら不機嫌にもなるでやがるな」
「だから飲んでるんだよ」
空になった杯に、信虎が酒を注ぐ。
「まさか九十郎や越後の鬼小島と一緒に風呂に入る事になろうとは思いもしなかったぜ」
「部下を斬られた恨み……なんて話は風呂場でする話ではあるまい」
「お互いに……ですね、馬場殿に山県殿」
そう言うと、粉雪と春日も湯船に入った。
春日も粉雪も貞子も、お互いに戦場での恨みを忘れて、今だけは裸のままで温泉を楽しむ事にした。
「湖衣、隅っこで固まってないで、こっちに来るでやがるよ」
夕霧が未だに湯船に近づこうとしない湖衣に声をかけた。
「だ、だって……男の人がいるんですよ。 それもおOんちんを固くしてる男の人が……」
だが男性に免疫が無い湖衣には、マッチョな大男が入っている風呂に近づく事ができない。
夕霧がいなかったら今すぐ回れ右して帰りたい気分であった。
「全く、混浴なんて珍しくもないというのに」
「怖くないですよ~、むしろ慣れたら可愛いですよ~」
貞子が湯船の中で起立する男根を指で弄びながら湖衣を呼び込もうとする。
湖衣を安心させようとしているのかもしれないが、全くの逆効果である。
「だ、駄目ですよ、無理ですって」
「う~ん、いっそおOんこを被せて隠してしまいましょうか」
「それは絶対に逆効果なんだぜ。 九十郎がソレを萎えさせるねえと駄目だと思うぜ」
「無茶を言うな粉雪。
こんな見事なおっぱいが目の前で揺れているんだ、勃つなという方が無理だ」
九十郎は春日のでっぱいをガン見し、鼻血を垂らしていた。
「春日、少しは隠した方が良いと思うぜ」
「何をだ?」
「それは……えっと……やっぱいいぜ」
春日の羞恥心の無さも問題じゃないかとも思ったが、それを指摘して自覚させるのも説得するのも面倒だし、自分の貧乳っぷりが惨めに思えるだけだと思い、粉雪は考えるのをやめて湯船に沈む。
「え、えっと……お隣、失礼します……」
九十郎を凄く凄ぉ~く警戒しながら、湖衣も湯船に入る。
確執も、恨みも忘れ、皆が温泉の温かみを楽しみ、光璃の秘蔵の酒を盗み呑み……
「体がぽかぽかしてきたぜ」
粉雪がそっと九十郎の肩に寄りかかり、なんやかんやでムラムラしている九十郎が粉雪の腰に手を回す。
「九十郎殿と言ったか、中々に引き締まった、良い身体をしているな」
春日が九十郎の身体を凝視していた。
その肉付きを、唇を、そして男根を……春日は男を知らぬ身であったが故に自分でも気づいていなかったが、発情しつつあった。
「そう言えば屑郎、この温泉のちょっとした怪談話は知っているか?」
そんな雰囲気の中で、さっきまでず~っと黙っていた新戸が口を開いた。
「怪談話? 俺が知る訳ねえだろ」
「水場と幽霊は相性が良いからな。 風呂場という場所は地縛霊が遺りやすい場所だ」
「幽霊が出るでやがるか、それはちょっとばかし興味があるでやがる」
怖いもの知らずの夕霧が興味を示す。
「昔何度抱かれても子供ができず、周りから石女と罵られ、疎まれ、
最後に自殺をした女……この場所にはそんな悲劇的伝説がある」
「良くある話でやがるなあ」
「ここで湯治をすると子宝に恵まれやすいという言い伝えは昔からあったからな。
その言い伝えに縋って、縋って、縋って、望みが絶たれて自害か……哀れな話だ」
全然怖がっていない信虎がもう一度酒を口に運ぶ。
「で、その悲劇的伝説はどうなったんだ、水を被ると女になったり豚になったりするのか?」
らんま1/2の読みすぎである。
「男性だけ、女性だけで入る分には全く問題は無い、
男女混浴でも短い時間ならほぼ問題は起きない……
だが男女で長い時間混浴をすると、死んだ女の妄執、
つまり子を産まなければならないという強迫観念に引きずられ……
「無性に子作りがしたくなる」
……瞬間、空気が凍った。
九十郎の左隣に座り、延々と肉棒を触り続けていた貞子が固まった。
九十郎の右隣に座り、胸の高鳴りを抑えきれず、肩を寄せていた粉雪が固まった。
九十郎の前に座り、自分の胸にやらしい視線を感じつつ、それを遮ろうともせず、それどころか見せつけるかのような姿勢を取り続けていた春日が固まった。
男性が苦手な筈なのに、何故か自分から男が入っている温泉に入り、しかもさっきからずっと男根を凝視し続けていた湖衣が固まった。
湖衣と同じく、九十郎の男根を無意識のうちに凝視し続けていた夕霧が固まった。
今すぐにする話でもないというのに、鞠に護衛代の支払いをしろと言い、しかも払えないなら身体で支払えとまで言った信虎が固まった。
金子の代わりに身体を差し出すという信虎の提案に乗り、九十郎の前で股を開き、あと少しで処女を散らす所であった鞠が固まった。
そして用心棒代だとか何とか言って鞠を押し倒した九十郎が固まった。
全員が全員、多かれ少なかれこう思っていた……ヤりたいと。
そして全員の思考が一致した。
あれ、これってもしかして温泉の影響なんじゃ……と。
「脱出ぅっ!!」
「戦略的撤退でやがるっ!!」
直後、8人の全裸の男女が飛ぶような勢いで湯船から出て、脱衣所へと駆け込んだ。
後に残るのは1人の銀髪の少女……ではなく、紅い髪の鬼であった。
「ふぅ……屑郎と一緒に入浴も悪くないが、
やはり休養をとるなら、この姿でないとな……」
紅い髪の鬼はそんな事を呟き、その場に残されていた光璃の秘蔵の酒を最後の一滴まで一気飲みした。
信虎も、夕霧も気づいていなかったが、酒瓶には小さく『お清め用』と書かれてあった。
彼女が告げたちょっとした怪談話が本当の事なのか、それとも本来の姿でリラックスするための出まかせだったのか……それを知る者は、彼女だけであった。