(注意)原作キャラが凌辱される描写があります。
「全員走れぇっ! いつまたあの声が来るか分からんぞっ!」
信虎の号令と共に、身体が普通に動くようになった剣丞隊や八咫烏隊、第七騎兵団が必死の敗走を開始する。
「長尾の本体は九頭竜川に陣取っている。
もう一刻もしない内に合流できる筈だ、それまで死ぬ気で走れ!
剣丞、お前はしばらく我の近くに居ろ、もう一度さっきの声が来たら、
もう一度お前が我の手を動かして投げさせるのだ!」
「分かった、急ごう」
そして全員が走り出す。
走って、走って、走って……襲い来る鬼達の数が徐々に減っていった。
誰も彼もが、もう大丈夫だ、もう安心だと思っていた。
誰も彼もが、自分達が助かるのだと思っていた。
そして鬱蒼と茂る山林を超え、開けた場所に出た瞬間……
「さあ見せてくれ、本当の愛はどこにある?」
その声は、先程までのテレパシーによる声では無かった。
ハッキリとした、肉声であった。
「(え……?)」
「(ば、馬鹿な……これは……?)」
そしてその声が聞こえた瞬間、あらゆる生物が停止した。
一歩も動けず、指先すら動かせず、声すら出せず……まるで全身が石になったかのように硬直していた。
一切の例外は無かった。
戦国最強の武人、本田忠勝であろうとも。
御家流を投げ返す程度の能力を持つ、武田信虎であろうとも。
そして新田剣丞も、服部半蔵ですらも一切の身動きがとれぬ状態にされていた。
そして完全に硬直した彼女、あるいは彼らが目にした者は、絶世の美女であった。
今まで見て来たあらゆる美男、美女がくすんで見える程の美の完成形がそこにあった。
あらゆる人間の美的感覚を完全に満たす、完璧なる美がそこにあった。
額に2本の角を持つ、絶大なる美を持った鬼子がそこにいた。
それが視界に写った瞬間、あらゆる男性はちOこをギンギンに勃起させていた。
それが視界に写った瞬間、あらゆる女性はおOんこをぐちゅぐちゅに湿らせていた。
それ程までに、その鬼子は美しかった。
例外は一切存在しなかった。
新田剣丞さえも……
「(う……動かん……それにこの御家流、さっきのとは比べ物にならん……
視線すらも動かせん……ま、瞬きすらとは……さっきのが小手調べだったとでも……)」
もう一度投げ返そうと信虎が足掻くも、彼女の腕はぴくりとも動かない。
そして小波も、剣丞も動けなくされてしまっているため、外から無理矢理腕を動かして投げ返す事も不可能だった。
「(ちっ……三千世界も……御家流も使えんか……)」
一葉が一か八かと再度三千世界を使おうとしたが、まるで脳が御家流の使用を拒むかのように、全く能力が発現しない。
眼前を歩く鬼子のあまりの美しさに見とれてしまい、集中がかき乱されていた。
そして硬直する剣丞隊の前を悠然と横切り、鬼子は剣丞の目の前に立つ。
「新田剣丞だな?」
「ぁ……ぁあ……」
剣丞は声を出す事もできなかった。
重苦しいナニカが全身にまとわりつき、拘束されているようであった。
そして気づく、自分の剣が光り輝いている事に。
新戸と相対した時と同じように、激しい反応を示している事に。
剣が訴えているのだ、危険が迫っていると。
「良い剣だな」
「な……に……」
「どうやら、これが私の精神干渉に抵抗しているらしい。
ここまで接近しなければ、動きを止められなかった」
「て、抵抗……だって……?」
「私はてっきり、素で抵抗していたのだと思ったよ。 そこにいる女……
服部半蔵正成と同じように、自力で精神干渉を跳ねのけたのかと思ったよ。
それだけに残念だよ、本当の愛があると思って、すっ飛んで来のだから」
「な……」
何故自分や小波の名を知っているのかと聞こうとした。
だが、既に剣丞は鬼子の精神干渉を受け、口を開く事すら難しくなりつつある。
「教えてくれ剣丞、本当の愛を」
鬼子が発する不可視の念動力が、剣丞のベルトを外し、ズボンと下着を下ろす。
剣丞の男根が露になる。
その場に居合わせた他の男達と同じく、ハチ切れんばかりにおっ勃てていた。
鬼子は立ち尽くす剣丞に抱き着き、駅弁に似た体位になって剣丞の男根を自分のワレメに導いた。
「さあ教えてくれ、本当の愛を」
そしてぬぷりと、いとも容易く剣丞のモノは咥え込まれた。
「ぅ……ぅくっぐぁぅ! くっ」
瞬間、剣丞は射精した。
この世のものとは思えない快楽が剣丞を襲った。
「えぐっはぁっ! ぅくっはぁっ! ぐぁぐぅっ……」
肉ヒダの一本一本が剣丞の肉棒を撫でる度に、剣丞をイッた。
そして金玉がキューっと締まり、情けなく膣内に精液を漏らしていた。
「ううぅはぁっ……ああっうっ! くっはぁっ!」
どくん、どくん、どくんどくんどくんどくんと……射精はいつまでもいつまでも止まらない。
何度も何度も、何度も何度も何度も何度も、数えきれない回数の絶頂が剣丞に来ているのだ。
「おいおい、まだ挿れただけだぞ。 それじゃあ……動いたらどうなるかなあ?」
鬼子がにたぁ~っと笑い、そしてゆっくりと腰を上下に揺り動かし始めた。
「くっうっ! はぁっはぁああっあ! くっうう! ううああぁっ!!」
剣丞はどんどん絶頂する。
何度も何度も絶頂し、鬼子の子宮に精液を流し込む。
接合部から白濁液が漏れ始める。
剣丞が絶頂する度に、射精する度に、剣丞の剣が光を増し、光を増し、光を増し……ミシリと音を立て、表面にひび割れが入った。
「ぐふっはぁっがぁ……ううぅぐふっあ! ぐふっがぁ!」
その瞬間、剣丞が感じる快楽がさらに増した。
射精のペースがさらに増し……射精と同時に、自分の脳髄が抉って削られるような感覚がするようになった。
まるで精液と同時に自分の命そのものを出しているような感覚がした。
「ああ、本当に良い剣じゃないか。
自分が壊れてでも御主人様を守ろうとしているぞ。
ほら……ほらっ! ほらっ! ほらぁっ!!
情けなくないのかぁ!? 無様に射精して、自分を守る剣がどんどん壊れていくぞ!」
鬼子がさらにペースを上げ、腰を前後左右に揺さぶって、膣肉全体を使って剣丞のちOこを扱き、責め立てる。
「うあ、うっ! ううぅあぁ! や、やめ……ぐぅあぁっ!」
びゅるるっ! びゅるるっ! と、何度も何度も剣丞のモノは鬼子のナカに精を放つ。
メキリ! ゴキリ! と音を立て、射精の度に剣丞の剣が破損していく。
「あがっ! ううぅううぅあがっ! ぎゃううぅ!」
剣丞の声が変わる。
命そのものを削られるかのような苦痛と、今まで感じた事のない濃密なセックスの快楽が同時に襲い掛かり、断末魔のような声を挙げていた。
「そら、早くどうにかしないと、死んでしまうぞ。
このまま全部の精をと生を吐き出して、枯れ死んでしまうぞ。
それが嫌なら抵抗しろ! 跳ね除けるんだよ私をっ!!」
鬼子が艶めかしく笑いながら、さらに腰の上下運動を速めた。
剣丞は喘ぎ、射精し……剣に再び皹が入った、どんどんどんどんひび割れが増えた。
「ふっうっ! うああっうっ! ふっ……ああっううぅ!」
そして剣に皹が入る度に、剣丞の射精のペースが速くなり、剣丞が感じる快楽も、命を削られる苦痛も増していった。
「うっ! あ、あぁうっ! うっ! ふっあぁはぁ!」
「どうした……どうしたどうした……本当の愛を見せてくれ、さぁさぁさぁ!
さぁ早く! 早くしないと死ぬぞっ! 死んでしまうぞぉっ!!」
拷問、あるいは処刑としか表現できないセックスは延々と続く。
剣丞の叫びが徐々に弱々しくなり、剣丞の頬はこけ、肌の色が土気色になっていき、
剣丞の剣に走るひび割れは徐々に増えていき、そして……にゅぽんと、剣丞に跨る鬼子が膣コキをやめ、肉棒を引き抜いた。
「おい、分かっているのか? 本当に死ぬぞ、早く本当の愛を見せてくれ」
鬼子が心底不服そうな顔で、剣丞にそう語りかける。
剣丞の剣は今にも粉々に砕け散りそうになっていた。
剣丞は今にも衰弱死しそうな程に蒼褪めていた。
それでもなお剣丞の肉棒だけは雄々しく勃起していた。
一舐めするだけでも多量の精子を発射しそうな程、パンパンに膨れ上がっていた。
あと一度、保っても二度射精すれば、剣も剣丞も終わってしまう事が鬼子には分かった。
この期に及んでも本当の愛を見せてくれない新田剣丞に苛立った。
「それとも……
お前の女達を何人か犯して壊して孕ませて見せれば、少しはやる気が出てくるか?」
ぐにゅりぐにゅりと、鬼子の下腹部の肉が膨れていく。
まるでクレイアニメでも見ているかのように、おOんこのすぐ上の部分の肉が変形し……数秒もしない内に、そこには男性の象徴たる肉の棒が聳え立っていた。
女性の肉体に、男性器が同居するその姿は、まるでミケランジェロのダビデ像のような奇妙な美しさと神々しさがあった。
「な……や、やめろっ!」
剣丞が鬼子に手を伸ばし……
「動クナ、黙ッテ見テイロ」
鬼子の目が妖しく輝いたかと思うと、剣丞は全く身動きがとれなくなってしまった。
まるで全身が石に変わってしまったかと思う程、ピクリとも動けなくなっていた。
「あ……ぐ……」
「その剣はそんな様だ、う近づいて直接催眠能力を叩き込む必要は無い。
動きを止める位は簡単だ……こんな風にな。 さぁて、誰から犯そうか」
鬼子がぺろりと唇を舐め、周囲に倒れ込んでいる女達の品定めを始めた。
剣丞は立ち上がり、戦おうとしたが……全身から力が抜けて、まるで動けなかった。
危機的な状況だというのに、誰もがその姿に目を奪われていた。
そのあまりの美しさに、男達は全員勃起させ、女達は全員ワレメを濡らしていた。
その男根をブチ込まれたらきっと頭がおかしくなってしまうと、その場にいる全員……新田剣丞すらもそう考えてしまった。
「誰でも良いが……うん、こいつにしようか」
鬼子が少し辺りを見回し、比較的近くにいた詩乃に目をつけた。
ついさっき鬼達に凌辱されかけた時に着衣は大きく引き裂かれており、布一枚をスカートのように腰に巻いただけで、下から見ればおOんこが丸出しになっていた。
剣丞の近くにいたのと、犯す前に服を脱がす手間がかからないのでと選んだ、適当な人選である。
「ぁ……や……ゃめ……ろぉ……」
そんな適当な人選であろうとも、剣丞は必至になって詩乃を……愛する妻の1人を守ろうと、必死に手を伸ばそうとした。
剣丞隊の面々も、詩乃を守ろうと声を挙げようとしていた、武器を持とうとしていた。
しかし……誰も指一本動かせなかった、声を出す事すらできない。
「ひ……ぃ……」
詩乃も全く動けなかった。
ぶっちゃけ蘭丸は転子にギリギリで勝てる程度の残念な武力しかないので、詩乃でも逃げる事はできなくもない。
しかし、今は逃げる事も、跳ね除ける事もできなかった。
「これに合った形状は……こうかな?」
先程鬼子の股間に生えてきた肉棒がブルリと震え、ぐにゃりと変形する。
そしてさっきまでより僅かにこじんまりとしたモノになった。
詩乃のナカとピタリとマッチする、詩乃とのセックス専用の男根に創り出したのだ。
「もう喋っても良いぞ、存分に助けを呼ぶと良い。 剣丞が助けてくれるかもしれないぞ。
君が泣き叫ぶ姿を見て、剣丞が本当の愛を見せてくれたなら、私はとても嬉しい」
鬼子がそう言うと、詩乃は自分の喉を包んでいた重苦しいナニカが消えたのが分かった。
喋れる……だけど手足は動かない、詩乃にはそれが分かった。
「け……剣丞様……」
詩乃は助けてと言いたかった。
助けてと叫びたかった。
だけど同時に、分かってしまった……自分はもう助からないと。
目の前の鬼子にちOこをブチ込まれてしまうと。
そうしたらきっと、自分は壊れてしまう、自分はどうにかなってしまうと。
具体的にどうなるかは分からないが、今さっき剣丞がされた事を思い起こせば、絶対にロクな事にならないと確信できた。
助けてと叫んでも、剣丞にはどうする事もできないと……
だから……
「剣丞様……詩乃は……詩乃は貴方に出会えて、幸せでした……」
詩乃はそれだけ言った。
それだけ言って、唇をぎゅう~っと噛みしめた。
助けは呼ぶまい、悲鳴も上げまいと、心に固く誓った。
「ふん、何だそれだけか? つまらない……それでは剣丞もやる気が出ないだろうに」
鬼子はつまらなそうにため息をつくと、そのあまりにも美しすぎる男根を詩乃のワレメに押し当てた。
「さぁ見せてくれ、さぁ教えてくれ、本当の愛はどこにある?」
鬼子が横たわる詩乃の腰をつかみ、挿入が開始される。
ソレが入り口に触れた瞬間、詩乃は凄まじいまでの恐怖と虚脱感に襲われる。
詩乃は自分の脳漿が、まるで砂の城に水でもかけられたかのように、溶けて流れ出していくような感じがしたのだ。
「ひっ! ああっあ、ぐっ!」
詩乃は唇を強く噛む、血が出る程に強く強く噛む。
悲鳴をあげぬように、無様に命乞いを始めないように……剣丞の女として、恥ずかしい死に方だけはしないように。
だが……
「ふわっんんっ! あ……ふわっ……んんっ! ううぅぁ!」
だがしかし、どれだけ口を閉じようとしても、身体が勝手にメスの反応を示してしまう。
ずぷっ、ずぷりっ、と肉の棒が詩乃のナカを進んでいく。
亀頭が子宮に近づくと、それに比例して詩乃の心が溶けていく、矜持が溶けていく、覚悟が溶けていく、魂すらも溶けていく……なにもかもが溶けて流れ落ちていく……
「ふふふ……どうした、もう少しで子宮に届くぞ……」
ずぷん、ずぷんと、鬼子の男根が膣肉を掻き分け、子宮を目指し進んでいく。
既に肉棒は半分以上、詩乃のナカに突き立てられてしまっている。
詩乃の頭が、思考が溶けていく……詩乃の魂もまた、半分以上が溶けてしまっていた。
「あううぅっ! ううぅあんんっ! あっううぅあっ……ぁあ……」
先程、剣丞は生殖器と生殖器が触れ合っただけで絶頂し、何度も何度も絶頂の快感を味あわされた。
しかし詩乃は逆だ。
普段なら100回も1000回も絶頂するであろう快楽に漬けこまれながら、未だ1回たりとも絶頂していない……絶頂できない。
「ふわっぁ……ぁあっううぅ……ううぅんんっ! ううぅ……」
そんな快楽による拷問と共に、詩乃はどんどん溶けていく。
思考や人格が溶けて、消えていく……
「ああそうだ、数でも数えてみようか。 私が一から数を数えよう。
十数えたら子宮にチOコを押し付ける。
私のチOコは凄いぞ、どんな女もコレを押し付けられたら頭が壊れてしまうんだ」
鬼子が自慢げに笑いながらそう告げる。
詩乃の命運はあと10秒だと……
既に詩乃のおOんこは、鬼子のおOんぽを、7割近く飲み込んでいる。
漠然とではあるが、ワレメが肉棒を完全に咥え込み、子宮までずぷりと突き立てられた瞬間、自分は絶頂すると思った。
その瞬間に、自分の全てが飛び散って消えてなくなってしまうだろうと思った。
「い~ち、にぃ~い、さぁ~ん……」
ずぷり、ずぷりと鬼子のチOコが詩乃のナカを掻き分けて進んでいく。
ゆっくりとゆっくりと、詩乃の子宮に亀頭が近づいていく。
「ふっ……くっうぐっ! はぁっううっ! はぁっ!
け、けんす……あぁううぅ!!」
詩乃は心の奥から爆発するように押し寄せる歓喜の波を……おそらくは鬼子の能力によって植え付けられているであろう偽りの歓喜を必死に押し殺す。
歯が砕けそうになる程に奥歯を噛みしめ、その瞬間を……子宮と亀頭が重なる瞬間を、破滅の瞬間を待つ。
「し……の……」
剣丞は動けない、どうする事も出来ない。
動け動け、身体よ動け、動いてくれと何度も何度も念じてみるが、身体はぴくりとも動いてくれなかった。
「なぁ~な、はぁ~ち、きゅ~う……」
「ううぅんんっ! ふわっふわっ! っぁあっぁあっあ……
だ、駄目……駄目えええぇぇぇっ!!」
鬼子のちOこはキツク締まる膣肉を掻き分け、どんどん進んでいく。
詩乃のおOんこが、鬼子のソレをどんどん飲み込んでいく。
8割……9割……そして……そしてついに子宮口に亀頭が……
「……じゅ~う!」
もう駄目かと誰もが諦めかけた時……
『ヤメロ蘭丸ゥッ!!』
剣丞達の頭の中に声が響いてきた。
小波の口伝無量と良く似た感覚……新戸のテレパシーを感受したのだ。
「同類か? 邪魔をするな、私はただ本当の愛を探しているだけだ。
本当の愛があるならば、私の催眠術を簡単に跳ね除ける筈だ」
その声によって、詩乃のナカを蹂躙し、魂を溶かして消し去る作業が中断された。
『ソンナ事デ、本当ノ愛、見ツカラナイ』
「必ず! 必ず跳ね除ける! 本当の愛を持つ者ならば! 必ずだっ!!」
『無茶振リダ! オ前ノ催眠術、耐エラレル奴、人間ジャナイ!
ソンナ人間、居ナイ! 居テタマルカッ!』
「ならばお前が教えてくれ、本当の愛はどこにある?」
『本当ノ愛ハ……ホ、本当ノ愛ハ……』
『本当ノ愛ハ、ジャパリパークニアルッ!!』
新戸からそんなテレパシーが送られてきた。
若干声が裏返っていた。
そしてそのテレパシーを受け取った全員が同じ事を考えた……
「(どこだよ、ジャパリパークって?)」
全員が全員、剣丞も蘭丸も同じ事を考えた。
そして……
「あ、あれ……動ける……?」
そして剣丞達は、自分達が普通に動ける事に、普通に喋れる事に気がついた。
そして同時に、詩乃を犯そうとしていた謎の鬼子が、まるで煙のように消え去っていた事にも気がついた。
「い、いない……一体何故……?」
詩乃は意識を失っていた。
意識を失って倒れていた。
何も無かったかのように、何事も無かったかのように。
「もしかして、ジャパリパークを探しに行ったとか?」
「剣丞様、じゃぱりぱぁくとやらを知っているのですか?」
「いや、全然知らないけど」
ひよ子と剣丞がう~んと考え込む。
実を言うと、剣丞が呟いた言葉が正解である。
蘭丸はジャパリパークを探しに行ったのだ。
なお、ジャパリパークとはけものフレンズという名のゲームやアニメの舞台であり、
架空の場所である。
当然、いくら探そうが見つかる筈が無い。
蘭丸が騙された事に気づいて日ノ本に戻ってくるまで、時間稼ぎができるという寸法である。
「今のは……今のは一体……? あれが鬼子……ですの……?」
「わからない、だけど……」
剣丞は一生分の精液を流し尽くしたかのような虚脱感と……まるで蚊帳のように細かく細かく皹が入り、今にも砕け散りそうになっている剣、そして詩乃の着衣の乱れ、ぐしゅぐしゅに濡れた秘所を見て、今のが夢でも幻でもなく、現実であると確認した。
「わからないけれど……助かったみたいだ」
九頭龍川があった。
河の向こう岸から大勢の人の気配が近づいてくるのが分かった。
毘の一文字旗が……長尾美空景虎の手勢が近づいてきているのが分かった。
剣丞達は助かったのだ。
剣丞達は生き延びたのだ。
それが分かった。
……
…………
………………
「おい糞ニート、それは何の冗談だ?」
一方その頃、九十郎達の間に珍妙な空気が流れていた。
超能力を総動員し、必死になって桐琴を手当していた筈の新戸が、突如として立ち上がり、すしざんまいの広告のようなポーズをとり、現代のモナリザのようななんとも言えない表情と共に、『本当ノ愛ハジャパリパークニアルッ!!』と唐突に叫んだのだ。
それこそ、喉と血管が破けるんじゃないかというような勢いで。
「ね、ねえ新戸ちゃん、大丈夫? 御家流使い過ぎて疲れたの?」
犬子が心配そうに新戸に声をかける。
「じゃぱりぱぁくって何の事っすか? 九十郎は何か知ってたり……」
「いや、わからん」
「本当かよ、何か隠してるんじゃねえのか?」
「どうなるか全然わからん」
分かったらエスパーである。
「き……切ってしまった……できればギリギリまで温存しておきたかった、
対蘭丸用の切り札を切ってしまった……」
すると、すしざんまいポーズで硬直していた新戸が、そう言いながら崩れ落ちた。
「ど、どうしよう……アイツに同じ方法は絶対通じないぞ……
少なくとも他の世界では通じなかったぞ……
なんで……なんでこんなに早く切ったんだオレ……阿呆かオレは……
あいつは後になればなる程、厄介になるタイプなんだぞ……」
そして自分があの蘭丸相手に戦わなければならない事に、しかも有用な札を……1000を超える虎松達が命と引き換え試行錯誤した末、ようやく見つけ出した対策をいきなり使ってしまった事を再度自覚し……泣いた。