第86話にはR-18描写はありません。
第86話URL『https://syosetu.org/novel/105831/64.html』
第88話にはR-18描写はありません。
第88話URL『https://syosetu.org/novel/105831/65.html』
(注)作者の趣味全開です。
「ア、頭、痛イ……」
この日、新戸は地獄のような苦しみを味わっていた。
二日酔いの頭痛と関節痛と吐き気を数百倍にしたような苦しみである。
つい先日、超能力の使い過ぎで本調子でない所で、九十郎の力も借りて蘭丸を撃退したのであるが……その時、最後の気力を振り絞るように発火能力を発現させたため、その反動が来ているのだ。
ぶっちゃけた話、今の新戸は超能力増幅装置を使った時にヨミ様のように死にかけである。
阿片を使えば多少は症状を緩和できるのだが、金ヶ崎の日からずっと使い続きていたため、とうとう備蓄が切れてしまった。
故に今、新戸は地獄のような苦しみを味わっていた。
最早指一本動かすのすら難しい程、消耗しきっていた。
そんな時……苦しむ彼女の目の前に液体が入った小瓶が置かれた。
「コ、コレ……ハ……?」
「ソーマだ、飲め」
その小瓶を新戸に差し出したのは、日ノ本に鬼をばら撒き、武田信虎に呑んだ者を鬼へと変貌させる丸薬を渡し、世に破壊と混乱を招いている人物……吉野の御方と呼ばれる人物であった。
半死半生の新戸がじと~っとした視線を吉野に向ける。
吉野はこの世界を鬼で埋め尽くしたい、新戸はそれを阻止したい……この2人は本来敵同士の関係なのだから。
「ナンノ……ツモリ……ダ……?」
激しい頭痛に苛まれながらも、新戸は吉野をキッと睨み付ける。
「今一度、朕の生き字引となる気はあるか?」
「ナイ」
今にも死にそうな程に弱っている中でもなお、その辺の野良犬に襲われただけでも死にかねない程に弱っている中でもなお、新戸はキッパリと断った。
吉野はその言葉を聞くも、特に驚きもしなかったし、怒りもしなかった。
当然そう返答するだろうと思っていたからだ。
「ならば、これで借り一つだ。 忘れるでないぞ」
吉野は置いた小瓶を取り上げない。
飲みたければ飲めと、その態度で示していた。
「グ……」
新戸は少し考え込む。
吉野の目的を認める訳にはいかない。
だがしかし、今現在、吉野より何倍も厄介な蘭丸がいて、吉野より恐ろしく、強く、巧妙でえげつないオーディンとの戦いも考えなければならない。
蘭丸が負傷しているという、黄金よりも、宝石よりも貴重な時間を、回復を待って寝て過ごすというのは、今後の事を考えるとあまりにも不利だ。
吉野に借りを作るのも問題かもしれないが、蘭丸にフリーに動ける時間を与えるのは危険すぎる。
故に……
「スマン……借リル……」
新戸はやむなく、目の前に差し出された小瓶を手に取り、中の液体を一息に飲み干した。
ソレが喉を潤し、胃を満たすと同時に変化は起きた。
まるで衰弱死寸前の老女のように、あるいは何年も何十年も放置されたミイラのように、ボロボロにしわがれていた肌が戻った。
髪は艶やかに光りだし、腐乱した魚のように濁っていた瞳にも生気が戻る。
二日酔いの苦痛と吐き気を何倍にも何十倍にも増幅させたような、
つい先ほどまで新戸を苦しませ、苛み続けていた不快感が瞬時に消え去った。
新戸には分かった、完全に復調したと、今なら超能力を自由自在に使う事ができると。
「……派手に超能力を使っている割に、反動が出ている様子が無いと思っていたが、
その理由がコレか?」
「なんだ? せっかく恩義を売ってやったというのに礼の一つも言えんのか?」
新戸は一瞬、マウンテン・ティムっぽく質問文に質問文で返すなと言いそうになったが、ギリギリの所で思いとどまる。
無駄に自尊心が高い上にシャレが通じない吉野を煽るような事を言えば、その場でブチ切れて戦闘開始というのもあり得るからだ。
「ア・リ・ガ・ト・ウ」
しばしの葛藤の結果、新戸は物凄く物凄く嫌そうに礼を述べた。
「ふん、それで良いのだ、それで」
そんな嫌そうな礼にも関わらず、吉野は気にした様子も無い。
新戸がこういう礼の言い方をするだろうと既に予想していた。
この2人の関係はこんな感じなのだ、昔からずっと。
「鬼子をあまり軽々しく増やすな」
やや唐突に、新戸は吉野に告げる。
前々から……具体的には、蘭丸が生まれたあの日から、次に会ったら最初にこれを言おうと心に決めていたからだ。
「何故だ?」
「お前が創る鬼よりも、鬼子は強い。
だが鬼子の中にはお前にも、オレにも、手に負えないような難物がいる。
現にだ尊治、お前は蘭丸の手綱を握れてはいない、オレにも蘭丸は倒せない」
吉野はしばし無言になる。
今まで10回以上、鬼と人を交わらせ、鬼子を創っていた。
鬼子は普通の鬼よりも従わせるのに苦労するが、最終的には例外無く吉野の命令に従った。
だがしかし……蘭丸だけは違った。
吉野が何度命令を発しても、どんなに強い念を込めて命令をしても、『そんな事より、本当の愛を探すのが先だ』というテレパシーが送り返されるだけで、いっこうに吉野の命令を遂行しようとしていない。
「どうすれば朕の勅命に従う?」
「レベルが足りていない。 グリーバッチでも手に入れる事だ」
なお、グリーンバッチは初代ポケットモンスターに登場するアイテムであり、世界中を探しても絶対に見つからない。
ジムリーダーを倒せば手に入るかもしれないが、この世界にポケモンジムなんて影も形も無い。
「れべる……地力が足りぬということか?」
吉野はなんとなくではあるが、新戸の言いたい事を理解した。
虎松が唐突に珍妙な外来語を使うのはいつもの事なのだ。
「そういう事だ」
「鬼子の強さは何で決まる?」
「鬼子は母体となった人間の醜い部分、
汚い部分をドロドロに煮詰めて固めたようなものだ。
醜く汚い部分が多い者程、強い鬼子が産まれる。
強い鬼子程、我が強く、他人の命令に従うのを嫌う。
そして母体となった人間の未練や、欲求に行動原理が引っ張られる」
「森可成に醜く、汚い部分があったと」
「心の奥底で本当の愛を求めながら、
その欲求に目を背けながら、人殺しを続けていた。
その手を地で染める度に、自己嫌悪を強めていった。
だから醜く、汚い部分が育っていった」
「他は誰が醜く、汚い?」
そう尋ねられ、新戸はしばし考え込む。
強い鬼子の母体になりうる者に、心当たりはある。
しかし、それを教えたら吉野が次に何を考え、どう行動するかを思うと……
「忠告はしたぞ、軽々しく鬼子を作るな。
お前の手に負えない鬼子は、オレの手にも負えないからな」
そう言って、この話を打ち切った。
心のどこかで、このひねくれ者へそ曲がりは、忠告と真逆の事をしかねないから怖いんだよな~とか考えながら。
本当は殴り倒してでも止めてやりたかったが、今殴りかかっても倒れるのは新戸の方である。
「それともう一つ、さっきのはソーマではないぞ」
「何?」
予想外の言葉を聞き、吉野の眉が吊り上がる。
「ソーマはこんなに透明度が高くは無いし、もっと胃の中がネバつく感じだ」
「……ほう?」
予想外の助言を聞き、吉野の口角が吊り上がる。
こういうちょっとした会話の中で、新戸は10も20もヒントを出す。
それが新戸の生来の癖だと吉野は知っている。
それ故に吉野は新戸が超能力の使い過ぎで瀕死になっている事に気づいた時、秘蔵のソーマ(?)を手に越後まで来たのだ。
「して、これがソーマで無いならば何だと言うのだ? 貴様なら知っていよう」
「ミーミルの泉だな、神界にある知恵と知識の泉の……」
……と、そこまで言った所で新戸が止まる。
「おい、今の話で借りをチャラって事に……」
「なる筈が無かろう。 しかし神界、神界か……
そう容易く踏み込める場所では無いと聞くが、何故そのような物を用意できた……?」
「……エーリカだな?」
丁度自分が思い浮かべた人物の名を言い当てられ、吉野の表情が僅かに強張る。
相手も優れた超能力者であるが故に、心を読む事は出来ないが……それでも新戸には、吉野が動揺した事が理解できた。
「……どこまで知っている?」
「アレは尊治が想像しているような存在じゃないぞ。
お前はアレを物語の語り部、狂言回し、読み手の奴隷と認識し、
その行動原理を自らの計画に充て嵌め、利用しているつもりだろうが……
さて、利用されているのはどちらだろうか?」
「貴様どこまで知っている!?」
吉野が声を荒げ、ついさっきまで瀕死だった新戸に詰め寄る。
しかし新戸は余裕の表情で人差し指を唇にちょんちょんとくっつけ……
「……ここから先は別料金」
そう言って笑った。
……
…………
………………
「それじゃあ、対超能力者特訓夜の部を始めるぞ」
吉野と新戸の密会の翌日の深夜、新戸は小夜叉の寝所にパジャマ姿で潜り込み、おもむろにそう告げた。
「……いや、昼もやっただろ、特訓」
小夜叉があきれ果てた表情でそう呟く。
その日の昼、新戸と小夜叉、綾那、歌夜、そして鞠の、剣丞隊脳筋軍団は日が暮れるまで対超能力者との戦いに備えた特訓をしていた。
これでもかって位に体力が有り余っている連中と一緒になって飛んだり跳ねたりしたため、流石の小夜叉もクタクタに疲れていた。
布団に潜ったら5秒で熟睡できると思える程、疲れ切っていた。
「言っただろ、これは夜の部、昼の部ではできなかった事をヤる」
「……明日じゃ駄目か?」
小夜叉は疲れ切っていた。
立つのも辛い、喋るのもキツい、目を開け続ける事すら苦痛でならない程に疲れていた。
それは日の出から日の入りまでずっと綾那にボコられ続けていた新戸も同じだ。
それ故に、だからこそ……
「安心しろ、小夜叉……」
新戸は意味深な笑みを浮かべながら、その瞳を真紅に輝かせ……パチンッと指を鳴らせた。
「……特訓、寝ナガラ、デキル」
「あ……」
……一瞬にして小夜叉は意識を失い、その場に倒れ伏す。
「さて、と……」
新戸は風邪をひかないように掛け布団を小夜叉にかけると、後を追うようにブッ倒れ、意識を手放した。
深い深い、眠りの底へと……
……
…………
………………
「welcome to ようこそ! オレと小夜叉のエロエロ・チュートリアルダンジョンへ!」
……その日、小夜叉はそんな訳の分からない夢を見た。
「やべぇ……どっからツッコミ入れれば良いのか全然分かんねえ……」
ツッコミレベルが足りず、小夜叉は茫然と立ち尽くす。
美空か夕霧なら瞬時に、かつ的確にツッコミを入れていた。
そこは一瞬で夢だと分かる珍妙な空間であったが、奇妙な現実感を持った夢だった。
肉体という名の咎から解き放たれたフワフワとした解放感がありながら、目で見る物、耳で聞く声に異様な質感があった。
現実であり、現実でない。
夢であり、夢でない。
そんな奇妙な空間に小夜叉はいた。
「目についた所から順番にツッコめ。
ツッコミもまた、超能力者と戦うのに必要な素質だぞ」
まるで魔法陣グルグルのような理論である。
小夜叉はすーはーと息を吸い、息を吐き……肉体から解き放たれているのに、呼吸をしているという奇妙な感覚に少し驚いた。
「……で、ここはどこだ?」
「幻夢界だ。 ホワイトホール一種で、
ブラックホールに吸い込まれたおびただしい物質が原子分解して逆噴射している、
光と熱の渦巻く悪魔の空間。 ここではマドーの魔界獣は4倍にパワーアップする」
新戸はしれっと大嘘をついた。
そのネタが通じるのは宇宙刑事シャリバンを見ていたオッサンだけである。
「そうか、分かった……で、どっからどこまでが嘘だ?」
「ほぼ全部……真面目な話、ここは夢の中の世界だ。
テレパシーの要領で複数の人間の意識を繋ぎ、精神世界の構築する超能力だ。
蘭丸に比べればやや稚拙だが、オレにもこの能力は使える」
「ゆ、夢の中……」
いきなり非常識な事を言われて、小夜叉は絶句する。
しかし、破裂した桐琴の内臓や肉片を繋ぎ、治療した新戸ならそんな非常識な能力があってもおかしくないと思っていしまう。
それに……現実であって現実でない、夢であって夢でない、そんな奇妙な感覚を説明するのに、夢の中程適切な言葉は無いような気もした。
「それじゃあ、夢の中なんて辺鄙な場所に連れてきて、オレに何させようってんだ?」
「さっきも言っただろう、対超能力者用の特訓、夜の部だ」
「昼とは違う事をするのか?」
「その通り、昼に教えた事は覚えているな」
「精神を集中させる時間を与えるなだろ、もう耳にタコだぜ」
超能力者……小夜叉達が『御家流』と呼ぶ能力を使う者には、共通する弱点がある。
それは精神を集中させなければ能力を発現させられない事だ。
それ故に超能力を駆使して戦う者を相手にする場合、常に攻め続け、精神を集中させる時間を与えなければ、意外な程にあっさりと倒せる事が多い。
そして綾那はあっという間にコツを掴み、新戸は練習と称して朝から晩まで綾那にボコられ続ける羽目になったのだ。
綾那と新戸が真正面からで戦った場合、新戸が負ける確率は150%……一度負けて、再戦をせがまれてまた負ける確率が50%である。
「それは超能力者全般に通じる、いわば総論の話だ。
今この場所でスル特訓はいわば各論……森蘭丸に勝つ事に絞った事をヤる」
「森蘭丸……」
その名前は知っている。
金ヶ崎で小夜叉の母・桐琴が鬼に犯されて孕まされた結果産まれた鬼子だと。
小夜叉の目の前で、桐琴の腹が破裂した時に産まれた鬼子だと。
他人の精神を操作する奇妙な超能力を持つ鬼子だと。
そして……
「あの時の森蘭丸……か……」
桐琴が鬼に犯されている光景を思い出し、桐琴が破裂する瞬間を思い出し、小夜叉は背筋が凍った。
「分かったよ、蘭丸を倒すのに必要な事なら、何でもやってやらあ」
恐怖を無理矢理押し殺し、噛み殺しながら小夜叉は強がりを言う。
「良し、それじゃあエロトラップ満載のこのダンジョンに入ってくれ」
そう言うと新戸は唐突に表れた洞窟のような穴を指差した。
「えろとら……何だって?」
「エロトラップだ。 男と女の交わりを疑似体験させて、女性を絶頂させるための罠だ」
小夜叉はしばらくの間、新戸の言った事の意味が分からずに硬直し……、
「……ば、馬っ鹿野郎ぉっ!!
何でオレがそんなトコに入らなきゃならねえんだよっ!!」
理解した瞬間、小夜叉は思い切り叫んで拒絶した。
疑似とはいえ、夢の中とは言え、自分が男と交わる所を想像したら強烈な吐き気がした。
「必要な事だ」
「何がどう必要なんだよっ!!」
「必要なんだっ! 洒落でもっ! 冗談でも無くだっ!!」
「どういう意味だ!? 説明しろっ!」
新戸が小夜叉に掴みかかる。
冗談のような特訓方法だが、新戸は本気で必要な事だと思っている。
吉野に大きな借りを作る事になろうとも、今、ここでヤらなければならない事だと思っていた。
「蘭丸はこれから、日ノ本の有力者を片っ端から洗脳して、下僕にしていく。
久遠も、一葉も、美空も、武田晴信も、北条氏康も洗脳される。
剣丞と剣丞に与する者はそれに抗う、オレも必死に抗うが……
大体の場合、抗いきれずに負ける」
「負ける……」
「ああ負ける、目が合っただけで洗脳して、
際限無く味方を増やし続ける怪物には誰も勝てない」
「そんな……」
俄かには信じられない事だった。
新田剣丞が……小夜叉が惚れた男が負けるなんて事、信じられないし信じたくも無かった。
だがしかし、新戸が洒落や冗談でそんな事を言ったとも思えなかった。
目が真剣だった、真剣そのものだったのだ。
「百歩譲ってそれが本当だとして……それとえろとらっぷに何の関係があるんだよっ!」
「日ノ本の全てを洗脳すると、蘭丸はお前だけを洗脳から解き放ち、
あるゲーム……賭けを持ち掛ける」
「賭けだぁ?」
「サキュバスクエストとエロトラップ・ダンジョンを足して2で割ったような……
つまり、男と女の交わりで勝負する迷宮のような場所を創造する。
今この光景と同じ、夢の世界を構築する能力でだ」
「ここと同じ?」
「ここを抜けて、自分の元に辿り着け。 お前に本当の愛があればそれができる筈だ。
そして見せてくれ、教えてくれ、本当の愛が確かに実在する事を。
そうすれば全ての人を洗脳から解放し、全て元通りにする」
「な……に……」
そして新戸は、別世界の虎松が見た光景をイメージし、テレパシーで小夜叉に伝え始めた。
……
…………
………………
「うおおぉぉっ!!」
小夜叉が力任せに蘭丸を押し倒す。
体格差は殆ど無いこの2人であったが、おしめも取れぬ内に、あの森一家と一緒にヒャッハーと叫びながら戦場を賭け続けた小夜叉と、身体能力は転子にギリギリで勝てる程度でしかない蘭丸では格が違う。
抵抗する事も出来ずに蘭丸は地面に横たわり、その上に小夜叉が跨った。
「こいつが最後の……トドメだぁっ!!」
手コキとフェラの前戯によってガチガチに硬直した蘭丸のチOポが塔のようにそそり立つ。
それを自らのワレメに宛がうと……躊躇無くナカへと飲み込んだ。
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ! と小夜叉が腰を上下に揺さぶり、肉と肉が卑猥にぶつかり合う音がする。
「さあイけよ! イッちまえよ!」
蘭丸によって洗脳され、肉欲を何倍も何十倍も増幅され、男性器と女性器の両方をぶら下げて亡者のように彷徨っていたひよ子を抱いた。
転子を抱いた、詩乃を抱いた、雫を抱いた、鳥と雀を抱いた、一葉と幽を抱いた、双葉を抱いた、綾那と歌夜を抱いた、久遠を抱いた、美空を抱いた、光璃を抱いた、ついでなので金髪クルクルパーマも抱いた。
新田剣丞の仲間は全て蘭丸に洗脳され、この蘭丸の生み出した不思議空間で、肉欲に支配された亡者のようになって小夜叉に襲い掛かって来た。
右も左も分からぬままに押し倒され、犯され、イカされた、何度も何度も。
犯されて、イカされて、犯されて、イカされて、犯されて、イカされた。
それでも小夜叉は心が折れなかった。
ひよ子をイカせ、転子をイカせ、詩乃をイカせ、雫をイカせ、鳥と雀をイカせ、一葉と幽をイカせ、双葉をイカせ、綾那と歌夜をイカせ、久遠をイカせ、美空をイカせ、光璃をイカせ、ついでなので金髪クルクルパーマもイカせて進んだ。
何度も何度も脳髄を走る甘い快楽に流されそうになりながらも、歯を食いしばりながら進み続けた。
そしてかつての仲間のおOんぽを挿入される度に、少しずつ、少しずつ、小夜叉の身体は男を誘う身体になっていった。
小夜叉の膣肉は男を気持ち良くさせるのに向いたものになっていった。
気がつけば小夜叉の膣肉は、いかなる巨根も容易く受け入れ、いかなる肉棒も数ピストンで果てさせる人外の名器になっていた。
「てめぇ自身が言った事だぜ……
この空間では、男をイカせればイカせる程、アソコが磨かれ、名器になるってな」
小夜叉のナカがぎゅうぅっと締まり、蘭丸の肉竿に密着する。
そしてまるで意思を持つかのように波打ち、うねるように締まり、緩み、男のモノを責め立てていた。
「諦めて降参しろ蘭丸! 剣丞達を……剣丞達をさっさと元に戻しやがれぇっ!!」
ぱんっ! ぱんっ! ぱんっ! と何度も何度も亀頭と子宮がぶつかり合う音がする。
蘭丸は小夜叉にされるがままだ。
だがしかし……
「く、くそっ! 何で……何でイカねえんだ! このっ!」
ナカを締め付けながら数回腰を上下に揺さぶれば、大抵の男根は射精してしまった。
やや手ごわい相手であっても、10回もピストンを繰り返せば果てていた。
だがしかし、蘭丸はいつまでたっても平然としていた。
「……残念だよ、姉上」
慌てる様子も無ければ、動揺する様子も無く、快楽に喘ぐ様子は全く無かった。
失望と落胆の視線を小夜叉に向けていた。
「私は嬉しかった、本当に嬉しかった。
姉上が仲間達と交わり、犯し、犯され、快楽を受けながらそれを跳ねのけ、
ここまで辿り着いてくれてとてもとても嬉しかった。
かつて桐琴が夢見て、かつて桐琴が諦めた本当の愛が、
今度こそ今度こそ見つけられると思っていた。 だが……」
小夜叉のナカで、蘭丸の肉棒がぐにゅりと変形を始めた。
どんな女にもそれなりに合い、どんな女もそれなりに気持ち良くさせられる汎用ちOぽではない……小夜叉と交わり、小夜叉に快楽を叩き込み、小夜叉をおちOぽ堕ちさせるための専用ちOぽへと姿を変えた。
そして……
「……私が見たかったものは、膣を締め付ける技術なんかじゃない!」
ずんっ! と、対小夜叉専用ちOぽが子宮口を突き上げた。
「いっ! ぎぃっ!?」
小夜叉は一瞬にして絶頂した。
全身の毛が立ち、背筋がピンと張り、玉のような汗と涎が飛び散った。
一瞬にして小夜叉は理解した、理解してしまった。
格が違うと。
「どうした姉上? まさかたった一回絶頂しただけで諦めるのかい?
違うだろう? 違うだろぉっ!!
姉上はたった一回絶頂した程度じゃ折れないだろう! 負けないだろう!
最後の最後には私に本当の愛を見せてくれるんだろおおおぉぉぉーーーっ!!」
狂気に満ちた蘭丸の叫び。
そして蘭丸は小夜叉との大勢をひっくり返し、正常位の体位にする。
「あ……や、やめ……」
絶頂の余韻の中で、骨の髄にまで染み込むような桁違いの快楽と多幸感に包まれながら、小夜叉は必死に首を振り、やめてくれと懇願する。
「……さあ見せてくれ、本当の愛はどこにある?」
そこから先は蹂躙と言って良いものだった。
「ううぅ……あぁふっううっ! ああっくっくっ! イグ! イグゥッ!!」
唇から血がにじみ出る程に歯を食いしばり、必死になって耐えようとするが、無駄な努力、無駄な抵抗だった。
カリと亀頭が肉ヒダを撫でる度に、小夜叉は何度も何度も絶頂する。
「あんんっ! ……んんっ! ううぅんんっ! んんっ! んんっ!
し、死ぬ……っっあっふわっふわっぁぁううぅ!!」
突いて、イッて、突いて、イッて、突いて、イッて……突いて突いて突いて突いて突いて突いて突いて突いて……
「け、剣丞……ううぅん……んんっ! んんっ! ぁぁあっ! 剣丞ぇっ!!
も、もう……ううぅ……あっんんっ! んんっ! んあっ……んんぅーっ!!」
小夜叉の精神が完全に壊れ、セックスだけを求める狂人に成り果てるまで、ソレは続いた。
人外の快楽を叩き込まれ、精神崩壊を起こす小夜叉を、蘭丸は冷たく冷え切った視線で見つめていた。
「残念だよ、本当に残念だよ、姉上」
蘭丸はため息をつき、さらに激しく腰を揺さぶり、小夜叉をイカせにかかった。
何度も何度も……何度も何度も何度も何度も……
そんな快楽地獄は、そんな狂乱の性交は、小夜叉が発狂し、廃人になるまで続けられた。
「ふ……ふひぃ……ひひひぃ……せ、せっくすぅ……うひゃふぁ……」
涎をたらし、虚ろな視線を宙に漂わせながら、男根を探し求める小夜叉の姿を眺めながら……蘭丸はため息をついた。
「ああ、姉上でも駄目だったのか……だが私は諦めない、諦めてたまるものか。
かつて桐琴が夢見て、かつて桐琴が諦めた本当の愛……
あるはずだ、きっとどこかにある筈なんだ。 私は決して諦めないぞ……」
洗脳され、凌辱され、人外の快楽を叩き込まれ、1人残らずセックス中毒になってしまった日ノ本の英雄達を見限り、蘭丸はいずこかへと去っていった。
その後、指導者を一度に喪失した日ノ本は、更なる混迷に包まれていくのであった……
……
…………
………………
「……おい、何だ今のふざけた光景は?」
数秒の沈黙の後、小夜叉は滝のような汗を流しながらそう呟いた。
「オレの記憶だ、正確には別の世界のオレの記憶だ。
ここと良く似た、こことは違う世界で実際に起きた光景だ」
「訳分かんねえ」
小夜叉がそう吐き捨てる。
しかし、彼女の全身は冷や汗でびしょ濡れだ。
「分からなくても良い、ああなる可能性があるという事だけで良い」
「剣丞があんな訳の分かんねえ子供に負けるってのか?」
「目が合った瞬間に洗脳されるんだ。
オレと剣丞、小波だけはある程度耐えられるが、剣魂を壊されたり、
セックスに持ち込まれたら耐えられない。
そして洗脳されているかどうかはオレか剣魂以外誰にも判別できん。
蘭丸が本気でこっちに勝とうとすれば、オレにはどうする事もできない」
「そんな事が……」
「洗脳で際限無く味方を増やせるのが蘭丸の強みだ。
そして洗脳された世界のオレが偽情報を混ぜてくるから、
オレの能力を使った先読みも効果が薄い。
四方八方から剣丞隊を攻め、分散した味方をどんどん洗脳されれば……
もうどうする事もできない、オレにも、剣丞にもだ」
小夜叉が無言で俯く。
俄かには信じられない話であったし、信じたいとも思えない。
だがしかし、小夜叉が先程見て、感じた光景は余りにもリアルであった。
蘭丸の肉棒をヴァギナに、剣丞の逸物をアナルに突き立てられ、成す術も無くイカされ、何度も何度の絶頂氏、次第次第に快楽に溺れていく自分の姿は……嘘だと言い切るには、あまりにも現実感があった。
肉欲の津波に沈んでいく声も、表情も、瞳も……見ていただけでも発情しそうになる、淫靡な姿であった。。
肉欲に沈み、蕩けていく自分の姿を見て……寒気がした。
「……イヤだ、オレはやらねえ」
気が付けば小夜叉は、そんな事を口にしていた。
逃げの言葉、恐れの言葉、後ろ向きの言葉……どれも良く言えばヒャッハー、悪く言えばヒャッハーな森一家の一員としてあり得ない言葉である。
そんなあり得ない言葉を、小夜叉は生れて初めて口にした。
小夜叉は生れて初めて、恐怖していた。
「……何だと?」
「大体! 何でオレがあんな破廉恥な真似しなきゃならねえんだよ!
あんな真似するまでもなく敵はブッタ斬って殺しゃ良いんだろがっ!!」
「オレだってそうするつもりだ! だが負ける事は十分ありうる!」
「戦う前から負ける準備するとかありえねぇだろ!!」
「言いたい事は分からんでも無いが、とにかくヤれ! 万一に備える事も必要だ!」
「大体コレが有効かどうかだって分かんねえだろがっ!」
「付け焼刃でも何でも、何もシないよりマシだ!
セックスは得意じゃないが、一生懸命教える!」
「とにかく絶対ヤらねえからなオレはぁっ!!」
新戸と小夜叉がエロトラップ・ダンジョン(新戸作)の前でぎゃーぎゃーと喚きたてる。
夢の中だから良かったものの、現実世界でやったら普通に近所迷惑だ。
そうしてしばらくの間、すったもんだの押し問答を続けていると……
「……何?」
「……うん?」
ゾクリと、奇妙な寒気を同時に感じた。
冷たい氷のような異物が脳髄に直接植え込まれたかのような、奇妙な違和感があった。
そしてその違和感が何なのか、新戸は知っていた。
「拙い……拙い、拙いぞこれは! 何時入られた!」
「入られた……? 何の事だ?」
「オレ達の精神世界に入ってこられたんだ!
なんて事だ! 油断した! 拙いぞこれは!」
今まで見た事も無い程に新戸が狼狽えていた。
それ故に小夜叉は、何か非常に危険な事態が迫っている事が理解できた。
そして新戸と小夜叉の目の前で、白い煙のような、霧のような何かが集まり、人のような形状になり……1人の美女の姿に変わった。
「……死ネ!」
直後、新戸が全力の念動力を発現させる。
上級の鬼でも瞬時にバラバラに千切れ飛ぶような強烈な念動力が、美女をあっという間にズタズタに引き裂き……しかし千切れ飛んだ肉片はすぐに煙のようになって消え、数秒もすれば再び集まり、全く無傷の美女の姿に変わっていた。
「やあねえ、出会ってすぐにコレだなんて。 この国の怪異は躾がなってないようね」
そして笑った。
妖艶に、余裕たっぷりに笑った。
何か異常で異質な存在だと、小夜叉には分かった。
「やはり駄目か、逃げろ!」
「逃げろって……ありゃ一体何だ!?」
「後で説明する、今すぐ走れぇっ!! 捕まったらおしまいだぞっ!!」
新戸が小夜叉の手を握り、一目散に逃げ始めた。
周囲の景色がまるでパラパラ漫画のように移り変わる。
西洋風の街並み、小夜叉が良く知る尾張の街並み、城の中、森林の中、川辺に、砂漠……小夜叉と新戸の記憶が走馬灯のように流れ出し、移り変わっていた。
「今のは何だ!? 何で逃げなきゃならねえんだ!?」
「サキュバスだ!」
「さきゅばすだぁ!?」
「さっきも見ただろうが、アレには攻撃が一切効かない!
完全な不意打ちで一撃で殺さない限り、ああやって煙になって逃げられる」
「じゃあどうすりゃ良いんだよ!?」
「このまま逃げる! サキュバスの能力は強力だが、時間制限つきだ。
朝になるまで逃げ続ければやり過ごせる。
本当はサキュバスを絶頂させても逃れられるんだが、オレと小夜叉ではまず無理だ」
「……捕まったらどうなるんだ?」
「強姦される」
「マジかよ!?」
最悪な事を聞かされ、小夜叉が蒼褪める。
「万一犯される事になっても、最後の最後まで希望は捨てるな。
絶頂さえしなければサキュバスはそれ以上手出しできない。
何とかして耐えろ、朝になるまで耐え続けろ。
夢の世界の出来事だから、どんな犯され方をしても現実の世界には何の影響も出ない」
「……絶頂したらどうなるんだ?」
「どこか知らない男の児を孕む。 夢ではない、現実の世界でだ」
「マジかよぉっ!?」
さらにさらに最低最悪な事を聞かされ、小夜叉の足が自然と速まる。
身体能力はスーパースターマン並みの新戸を置き去りにしかねない速度でだ。
「あ……ちょ、ちょっと待って……速すぎ……
あんまり離れると捕まった時に助けられない……」
新戸も必死になって走り、小夜叉に追走しようとするが、2人の距離はどんどん離れていく。
そして……
「あだぁっ!?」
「ぎゃわ!? なのです!」
新戸が小夜叉を見失う前に、何者かが小夜叉と正面衝突し、2人して地面に転がった。
「小夜叉さん!? 小夜叉さんもここに来ていたのですか!?」
新戸と小夜叉が良く知る人物がそこにいた。
本多忠勝・通称綾那と、榊原康政・通称歌夜……昼間一緒に対超能力者用の特訓をしていた2人である。
「お、おめえらもここに……? 一体何で……?」
「何ではこっちの台詞です、ここはどこですか!?」
「私達、普通に眠っていた筈なのに、気がついたらここに……」
小夜叉が思わず振り返る。
新戸が滝のような脂汗を流し、これでもかって程に視線を泳がせていた。
「そ、そう言えば前に、バックドアを仕込んでた……
どうせ後で殺し合いになるだろうから、好きな時に無力化できるように……
拙い、サキュバスにバックドアを逆用された、精神世界に巻き込んでしまった。
いや待てよ、バックドアは確か小波にも仕込んでたから……」
「ば、ばっくどあ……ですか?
良く分かりませんけど、それで巻き込まれたんですか?」
「敵ですか!? 戦なのですか!? 綾那がやっつけてやるです!」
歌夜が状況を把握できず、視線を右に左に泳がせている中、良く分かっていない綾那がその辺で拾った棒切れを手にやる気を見せている中……
「うふふ……可愛らしい獲物が1人、2人、3人、4人……
5人だと思ったのだけど、1人はどこかに隠れているのかしら? まあ良いわ……」
新戸達4人の目の前で白い煙が集まっていき……先程現れた美女の姿になった。
「……さあ、楽しい楽しいセックスタイムよ」
煙がどんどん集まり、人の形になり……100を超える全く同じ外貌の美女集団になって、新戸達4人を取り囲んだ。
全員が全員、人外の美しさを備え、一糸纏わぬ全裸で、股間にはギンギンに勃起した肉棒があった。