※この作品はR-18です。

戦国†恋姫X 犬子と九十郎(エロ回)   作:シベリア!

40 / 68
次の更新日は1月11日(金)の午後9時~午後10時頃になると思います。
次回タイトルは『今明かされる衝撃の真実』になります。

第117話にはエロ回ではありません。
第117話URL『https://syosetu.org/novel/105831/86.html』



犬子と柘榴と一二三と九十郎第118話『再び忘れられる絆』

 

何か妙な胸騒ぎがしていた。

剣丞の脳裏に、警鐘のようなものが鳴っているような気がした。

 

その日、その時、剣丞の目の前にドアップの女性器があった。

 

「(ええっと……俺は確か……

 明日甲斐に向かう事になったから、美空がお別れ会をしてくれるって話になって……)」

 

虚ろな瞳で、朧げな記憶で、剣丞がこれまでの記憶を漁り、省みる。

 

「ん……ちゅば……ちゅば……あむっ……じゅる……」

 

直後、腰が抜けそうな程の快感が股間に迸る。

いわゆるシックスナインの体位で、誰かが自分の肉棒を舐めてしゃぶっているのが分かった。

 

一体誰が……天下一の誑し男の生態からか、そんな些細な事を考えるより早く、剣丞の舌先は目の前の女性のクリトリスに伸びていた。

 

「んっ……あんっ! んんぅあぅ!

 う、上手いじゃないの、流石は私のオットなだけあるわね」

 

「お、夫……?」

 

そう言われて、剣丞は自分に跨る人物が誰かようやく分かる。

つい先日自分の嫁になった長尾美空景虎だと気づいた。

 

だが……

 

「(美空と俺って、こういう事をする関係だったか……?)」

 

何か強烈な違和感のようなものが頭をよぎる。

上手く言語化する事はできないが、連続ドラマの見逃した回で物語が急展開し、何が起きているか分からずに呆けているような感覚が起きる。

 

いや、それよりももっと別の……

 

「何か……何か忘れているような、忘れちゃいけない何かを忘れているような……」

 

何か前にも似たような事があったような気がした。

そして過去に一度、死ぬほど後悔したような気がした。

 

出自不明の鬼を斬り捨てる剣丞の刀が、怪しく、妖しく輝いた。

 

「夫婦でしょう、私達は」

 

「あ、ああ……そうだな……そうだったな……」

 

その言葉がスーっと頭の中へと染み渡る。

異常な状況下であって、異常なまでに素直に頭の中に浸透する。

まるでそうである事が当然であるかのように。

 

確かにそうだと、剣丞は思った。

自分と美空は確かに夫婦だと思った。

 

美空の言葉を聞き、そうだなと頷いた瞬間、剣丞の頭を包む強烈な違和感が消えた。

消えてしまった。

 

「ずっと練習していたのよ、こんな日が来る事を夢見て。

 どう? 気持ち良い? ちゃんとできてるかしら?」

 

美空がパイズリを続けながら、鈴口を舌でチロチロと嬲る。

 

誰のために練習を……剣丞は思わずそう尋ねそうになる。

尋ねそうになったが、股間からもたらされる強烈な快楽がそんな思考を押し流す。

 

「ちゅ、ずむっ……あむ……」

 

剣丞のモノを包む柔らかな感触が上下に動く。

美空の唾液が乳房と竿に潤滑を与え、何とも言えぬ快楽をもたらしていた。

 

「気持ち良いよ、美空」

 

「ふふ、良かった」

 

体勢的に顔は見えないが、美空が嬉しそうに微笑んだのが分かった。

 

そして再び美空が自らの乳房を使い、淫らに、艶めかしく剣丞の肉棒に奉仕をする。

まるで性奴の如く、娼婦の如く剣丞への奉仕を続ける。

 

「ん……くぅ、ああぁ……」

 

剣丞も呆けた頭で、まるで操られるかのように美空の陰唇に舌を這わせて愛撫する。

美空の膣内で愛液が分泌され、ぐしゅぐしゅに蕩けさせていく。

 

そして……

 

「んんっ! で、出る……射精する……ううああぁっ!!」

 

びゅるるっ! びゅるるるっ!! と、勢い良く精液が飛び出した。

 

顔に白濁液がブチ撒けられ、美空はそれを美味しそう、愛おしそうに舐めとった。

 

「ねえ、まだできるわよね?」

 

1度射精したというのに、剣丞の剣丞は全く衰える気配が無い。

美空が掃除をするかのように口に含み、舌先を3度、4度と往復させただけで、すぐにむくむくと勃起した。

 

「ねぇ、もう挿れても良い?」

 

気がつけば美空が騎乗位の姿勢になり、ギンギンに勃起した亀頭を自らのワレメに宛がっていた。

美空があと数cmも姿勢を下げれば、剣丞のちOこが美空のおOんこにずぷりと銜え込まれる……それを想像しただけで、剣丞の亀頭がさらに充血し、さらにさらに硬くなる。

 

「挿れても良いわよね?」

 

美空がぬらぬらと濡れそぼったワレメを亀頭に押し当てながら、

ここでこくりと頷いたら何が起きるのだろうと、剣丞は思う。

 

きっとぐしゅぐしゅに濡れそぼったアソコにちOこが飲み込まれて、キュっと膣肉に絞られてあっという間に子宮に射精を……と、そんな事を考えてしまう。

 

だが……

 

「犬子……」

 

何故か剣丞は犬子の顔を思い浮かべた。

何故か剣丞は犬子の名前を呟いた。

 

それが何故なのか剣丞には分からなかったが、それが何故かを思い出すまで、頷いてはいけないような気がした。

 

「もう、今日は私と貴方の初夜なのよ。 他の女の名前なんて出しちゃ駄目よ」

 

美空が頬を膨らませながらしな垂れかかる。

そんな美空の姿を見て、剣丞はさらに強烈な違和感を覚える。

 

美空は犬子を本当に大事に想っている。

そんな美空が犬子を『他の女』と表現した事など、剣丞が知る限り一度も無かったからだ。

 

剣丞は思う……何かが起きている、思いもよらぬ何かが起きて、それが美空をおかしくさせているのではと。

 

そして出自不明の鬼を斬り捨てる剣丞の刀が、怪しく、妖しく輝いた。

 

「ああ、そうだな……初夜だったな……」

 

剣丞は美空を抱き寄せた。

違和感はあった、胸騒ぎもあった。

だけど今は初夜なのだから、俺と美空は夫婦なのだからと、違和感と胸騒ぎを振り払う。

 

「挿れるよ、美空」

 

「ええ、来て剣丞」

 

目と目を見ながら、唇を重ね、そして膣口に亀頭を宛がった。

ぐちゅり、ぬぷりと少しずつ少しずつ美空のナカに肉棒がハメられていく。

 

「ああ……んぅ! あぁんっ!」

 

どんどん奥へ奥へと剣丞の肉棒が進んでいく。

そしてじきに、美空のハジメテの証、純潔の証……処女膜に先端が触れた。

 

「あ……」

 

剣丞が止まる。

ここを越えたら、本当に後戻りができないような気がした。

朦朧とした意識の中で、剣丞の最後の最後の良心、あるいは自制心が警鐘を鳴らしていた。

 

「本当に……良いのか……?」

 

剣丞が不安そうな表情でそう呟く。

その問いかけは美空に向けられたものであり、どうじに自分自身に向けられたものでもあった。

 

「良いに決まっているじゃない、私達夫婦なのよ」

 

「ああ、そうだな。 そうなんだが……」

 

剣丞がまごついていると、出自不明の鬼を斬り捨てる剣丞の刀が、怪しく、妖しく輝いた。

さっきよりも強く、激しく輝いた。

 

そして次の瞬間……

 

「三・昧・耶・曼荼羅あああぁぁぁーーーっ!!」

 

……美空が爆ぜた。

 

いや、剣丞が爆ぜたかのように感じただけで、美空は爆発してはいない。

彼女の御家流・三昧耶曼荼羅を自らの身体に叩き込んだのだ。

爆弾が破裂したかのような衝撃が部屋中に迸り、布団や調度品を方々に散らかした。

 

そしてぐしゃぐしゃになった部屋の中央で、明らかにいつもと様子が違う美空が佇んでいた。

全身が神々しく輝き、目つきが変わり、纏う空気も変わっていた。

 

「あ……貴女は……?」

 

剣丞(全裸)が恐る恐るそう尋ねる。

 

「我は毘沙門天」

 

美空(こっちも全裸)が剣丞をギロリと睨み、そう返答する。

 

いきなり美空が自分自身に御家流を叩き込んだかと思えば、この返答……剣丞はどうしたものかと狼狽えた。

 

「うぐっ!」

 

次の瞬間、美空(自称毘沙門天)の顔が苦痛に歪む。

美空(自称毘沙門天)の皮膚が裂け、鮮血が床や壁を染める。

まるで不可視の怪物に身体の内側から喰われているかのように、美空の白い肌に傷がどんどん増えていく。

 

「こ、これは一体!?」

 

「な、長くは保たぬ……ふ、防ぐのが精一杯……だ……」

 

傷がどんどん増えていき、美空(自称毘沙門天)が片膝をついた。

 

「し、信じられぬ……じゅ、術者は……我の能力を大幅に上回って……ぐうぅ!」

 

直後、まるで不可視の腕に掴まれたかのように、剣丞と美空(自称毘沙門天)の身体が拘束される。

そして剣丞と美空(自称毘沙門天)は共に自らの性器に指を這わせ、自慰を始めた。

 

「あ、くっ……うぅっ、な、身体が勝手に……」

 

「馬鹿な! 馬鹿な! 我が手玉に取られるなどと……んんっ!

 い、いかん、この身体と繋がっている我にまで、快楽……い、意識が……ああんぅっ!!」

 

あっという間に剣丞のモノがギンギンに勃起し、射精寸前の状態になる。

あっという間に美空(自称)のまOこがぐしゅぐしゅに蕩け、絶頂寸前の状態に夏

 

再び剣丞と美空(自称毘沙門天)の身体が不可視の力を受けて勝手に動き出し、ちOこがワレメに近づいていく……

 

「な、何か……何か手は無いのか……?」

 

「く……いかん……これ以上力を増せば、この身体が保たぬ……だ、だがこのままでは……」

 

剣丞と美空(自称毘沙門天)が必死に抵抗をするが、ちOことワレメの距離はどんどん縮まり、ついに入り口に接してしまう。

 

「うあぁ……は、入ってくるぅ……」

 

ずぷん、ずぷんと、2人の抵抗を嘲笑うかのように美空(自称毘沙門天)のナカ剣丞のモノが挿入される。

ぐしゅぐしゅに蕩けた膣内は抵抗なく剣丞の逸物を受け入れ、どんどん奥へ奥へと突き立てられて、再び美空の処女膜に触れる。

 

「や、やめ……ろぉ……」

 

「ぐ……我の力をもってしても……だ、駄目なのか……」

 

みしり、ぷちり……と剣丞の腰に力が入り、美空の膜に裂け目が入った。

出自不明の鬼を斬り捨てる剣丞の刀が、怪しく、妖しく輝き続ける。

鬼と相対した時と同じ……いや、それ以上に激しい輝きを見せていた。

 

「これかあああぁぁぁーーーっ!!」

 

……剣丞は最後の力を振り絞り、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ不可視の力場を跳ね返した。

 

そしてその一瞬を使い、飛び込むように自らの刀に向かい、近くに落ちていた鞘の中に叩き込む。

鞘によって怪光が完全にではないが遮られ、2人を縛り付ける不可視の力場が弱まった。

しばらくの間はまるで死にぞこないのゴキブリのように、あるいは切れかけの蛍光灯のようにチカチカと輝きを放ち……力尽きたかのように光が止まる。

 

ほぼ同時に、2人を縛る不可視の力場も消えた。

 

「と……止まった……のか……?」

 

剣丞が恐る恐る周囲を見渡す。

周囲はシーンと静まり返っており、耳に入ってくるのは剣丞と美空(自称毘沙門天)の吐息の音だけ……まるで世界からこの部屋だけが切り離されているようだと剣丞は思った。

 

「ルーン魔術……か……しかし、我を手玉に取るなど、一体……」

 

自称毘沙門天がそう呟いたかと思うと、ばたりと倒れ伏した。

時間と共に全身に増えていく切り傷、裂け傷の出血が止まり、全身から放たれていた神々しい輝きもまた止まる。

 

「毘沙門天さん!?」

 

剣丞が慌てて走り寄る。

しかし、毘沙門天からの返事は無く、返ってくるのは気絶した美空の規則正しい寝息ばかりだ。

 

「えっと……用が終わったから帰った……のかな……?」

 

当面の危機は去ったのかと安堵し、剣丞がこれからどうしようかと考えを巡らせる。

 

「確か昨日は、越後最後の夜だからと、

 美空達がお別れ会みたいなのを開いてくれたんだよな。 それで……そうだ思い出した。

 美空が急に『酒飲み勝負だ~』って言い出して、

 2人でわんこ蕎麦みたいにカパカパとお酒を胃袋に流し込んで、気絶したんだ」

 

2人の目の前にタワーの如く積み上がる酒杯を思い出し、剣丞は吐き気を覚えた。

要はこの状況、美空の自業自得である。

 

そんな事を呟く剣丞に対し……突如何者かがその顔面を鷲掴みにした。

 

「け~ん~す~け~く~ん? ど~して私と貴方が、素っ裸で寝室にいるのかしらぁ~?」

 

長尾美空景虎再起動。

いかにも怒っていますという口調でもって、剣丞にアイアンクローを仕掛けていた。

 

「いや、俺は……」

 

「それよりも問題なのは、どうして神降ろしが発現しているのかしらってトコよ!」

 

「神降ろし……?」

 

「私の切り札よ! 何年も修行して編み出した三昧耶曼荼羅のちょっとした応用。

 少しの間だけ、自分の身体に三昧耶曼荼羅で呼び出した毘沙門天を宿らせる能力。

 そして大事な事は、この能力は洗脳や催眠の類を受けた時、

 条件反射のように使えるように訓練していたという事よ」

 

「洗脳に催眠を!?」

 

「とぼけんなぁっ!! 何で私と貴方が裸で二人っきりになってるのよ!?

 しかも何でそんな状況下で洗脳か催眠の能力を使われてんのよ私は!?」

 

「俺は……」

 

全身傷だらけの美空に両肩を掴まれ、前後に揺さぶられる。

無論、剣丞に美空を洗脳したり、催眠にかけたりした自覚は無い。

だがしかし、心当たりはあった。

 

以前、犬子を訳も分からずに抱いてしまった事があった(第74話)。

今、夢現の状態で美空を抱こうとした。

こんな異常事態が2度も続けば、誰だっておかしいと思う。

何者かが何かを仕込んだのだと誰でも疑う。

 

「あの剣……どうやら慈善事業で俺に渡った訳ではないみたいだ」

 

「あの鬼が近づくと光るっている変な剣が?」

 

床に転がる出自不明の剣を見る。

あの剣が妖しく光り輝いた時、自分と美空は夢現な状態で交わろうとしていた。

それが通じないとなると、不可視の力場で無理矢理挿入させようとして、鞘に納めればそれが止まった。

 

誰が?

何の目的で?

剣丞は頭をフル回転させて、それを考える。

 

そして同時に頭をよぎる……

 

「(まさか……久遠もこの剣がおかしくなって……)」

 

自分の最愛の妻の顔が目に浮かぶ。

初めて会った瞬間、笑いかけてくれた瞬間、急によそよそしくなった瞬間、そして……男女の交わりをした瞬間が目に浮かんだ。

 

もしもあの笑顔が洗脳によるものだとしたら。

もしも自分の存在が、彼女の生き様を、あり方を歪めているのだとすれば……

 

「剣丞、色々聞かなきゃいけない事があるけど、後にするわ。

 何かその剣以外で武器は持ってる?」

 

美空からそう声をかけられ、思考が中断する。

全裸のまま枕元に置いてあった愛刀『姫鶴一文字』の鯉口を切る。

 

「……血の臭い!?」

 

やや遅れながらも剣丞が気づく。

この部屋を取り囲む剣呑な気配が複数あると。

どう考えても友好的な来客とは思えない気配……殺意の気配である。

 

自分の剣を抜こうとして……やめる。

さっきあんな事があったばかりだ、今は流石に使う気にならない。

 

「腕に自信は?」

 

「それなりには」

 

剣丞がそう返答する。

なお、剣丞が言う『それなり』とは、楽進以上関羽未満……後漢末期の英雄達の中で比べても一線級と言える実力を言う。

 

「良いわ、追及は後で、今はこの場を切り抜けるわよ」

 

「分かった」

 

剣丞は先日姫野から貰った小太刀(第92話)を引き抜き、美空と背中合わせの姿勢になった。

 

そのまま息を潜めて待つ……待つ……待つ……次の瞬間!

 

「剣丞ぇっ!!」

 

「うおおぉっ!!」

 

襖を突き破る影が2つ、窓を破る影が2つ、そして天井を突き破る影が2つ、合計6つの襲撃者が同時に2人に襲い掛かった。

しかし、美空は九十郎から神道無念流を叩き込まれ、剣丞も後漢末期の英雄達から武術の手ほどきを受けているだけあり、難なく初撃を凌いでみせた。

 

「え……エーリカ!?」

 

襲撃者の顔を見た瞬間、剣丞は思わず唖然とした表情になってしまう。

その人物はかつて京で会い、鬼に立ち向かう戦友として共に過ごした少女……明智十兵衛光秀・通称エーリカであったからだ。

 

「そのエーリカっての、6つ子だったりするのかしら?」

 

「そんな訳が無いだろう! って、え……?」

 

そして残りの襲撃者の顔を見て、さらにさらに混乱する。

 

エーリカ、エーリカ、エーリカ、エーリカ、エーリカ、エーリカ、エーリカ……全く同じ顔の人物が、全く同じ細身の西洋剣を握り、氷のように冷たい視線をこちらに向けていたからだ。

 

「こういうのおそ松さんって言うのでしょう?」

 

「冗談言ってる場合じゃないだろう! 一体何者なんだ!?」

 

「上杉謙信の魂を回収する」

 

「回収する」

 

「ヴァルハラに魂を回収する」

 

「ヴァルハラへ」

 

「英雄の魂をヴァルハラへ」

 

「上杉謙信をヴァルハラへ」

 

6人のエーリカ達が焦点の定まらぬ様子で、独り言のように呟いた。

 

「良く分からないけど、助けを呼んだ方が良さそうね」

 

「できるのか?」

 

「当然、こんなのを常備しているわ」

 

美空が胸の谷間から小さな笛を取り出した。

すぐさま大きく息を吸い、思い切り笛に呼気を通す……が……

 

「……なあ、美空。 全然、何も聞こえないぞ」

 

「あれ? おっかしいわねぇ? もしかして音を消す御家流とか?」

 

6人のエーリカ達が無言で首を横に振った。

 

「別の笛を持ってくるから、それまで待ってくれたりは……」

 

6人のエーリカ達が無言で細身の西洋剣を構え、再度2人に飛び掛かった。

 

「ええい、なら作戦変更よ! 自力で生き残るわよ剣丞!」

 

「備品の整備くらいちゃんとしてくれよっ!!」

 

「生き延びれたら考えとくわよっ!!」

 

美空と剣丞が戦闘に入る。

6人のエーリカ達が繰り出す突きの連打が、どんどん2人を追い詰める。

 

片や身体への負担が大きい神降ろしを使用したが故に、片や慣れない小太刀を使っているが故に、思うように戦えない。

 

いや、それ以上に……

 

「何やってんのよ剣丞! ちゃんと戦いなさい!」

 

「わ……分かってる!」

 

「知り合いに似てるからって怯むんじゃないわよ!」

 

「分かっているっ!!」

 

混乱していた。

自分や美空を洗脳しようとした剣の妖しい光、そして突如として現れた6人のエーリカ達。

頭では戦わなければならないと分かっていても、困惑する心が身体の動きを阻害していた。

 

次第次第に追い詰められる。

死が2人に迫っている。

 

必死の防戦、防戦、防戦、防戦、防戦……そして……

 

「美空様に何すんだぁーーーっ!!」

 

……ざくんっ!! と、エーリカの1人の首が飛んだ。

 

「神道無念流ナメんなぁっ!!」

 

ぐしゃりっ!! と、エーリカの1人の頭蓋骨が真っ向から両断された。

 

犬子と九十郎が美空の寝所へと飛び込んできたのだ。

 

「犬子!? それに九十郎まで!? どうしてここに?」

 

「……言い忘れてたけど、実はさっき吹いた笛、

 犬にしか聞こえない音を出す特別製のふえだったのよ」

 

「今まで黙ってましたけど、実は犬子、犬にしか聞こえない音が聞けます」

 

「御家流使えるようになってから色々便利になったよなこいつ。

 それはそうと美空、剣丞、無事か?」

 

全裸で、全身は傷だらけで、顔と胸には精液がべっとりと付着している美空に対し、九十郎が尋ねる。

 

「剣丞様、まさかとは思いますけど、犬子だけでは飽き足らず美空様まで……」

 

「してないよっ!」

 

ただし、あと一歩の所ではあった。

 

「安心しなさい、処女膜は無事よ」

 

「その辺の話は後で聞け、それより残った4人を片付けるぞ」

 

九十郎が残る4人のエーリカ達に刃を突き付ける。

 

「……ところで犬子、貴女達どうして下半身に何もつけて無いのかしら」

 

美空が愛刀を構えながらそう尋ねる。

言われて剣丞も気がつくが、確かに九十郎は下半身まっ裸で、剣丞のモノより一回り小さなちOこをぷらぷらと露出させていたし、犬子のワレメは丸見えで、しかも精液と愛液の混合液らしきものが内股に付着していた。

 

「青姦してた」

「青姦してました」

 

犬子と九十郎が美空と剣丞に背を向けながらそう答えた。

犬子と九十郎とついでに一二三は、ついさっきまで18歳未満閲覧禁止那な行為をしていたのだ。

 

剣丞は思う……締まらないなと。

 

「……任務達成困難」

 

「離脱」

 

「痕跡を削除する」

 

「目標の脅威レベル修正」

 

何とも締まらない空気を察知した訳ではないだろうが、残る4人のエーリカ達が消え失せる。

美空達の目の前で文字通り煙のように消えてしまった。

同時に、犬子と九十郎に斬殺されたエーリカの亡骸も煙のように消えた。

 

辺りは再びシーンと静まり返った。

しばしの間、再度の襲撃が無いか身構える……

 

4人で背中を合わせながら、無言で佇む。

エーリカ達が破った窓や天井から、冷たい夜風が4人を襲う。

 

「……とりあえず、服を着ない?」

 

しばらくの間そうしていた後、美空がそう提案した。

 

剣丞は思った……本当に締まらないなと。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。