※この作品はR-18です。

戦国†恋姫X 犬子と九十郎(エロ回)   作:シベリア!

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次話、第148話にはR-18描写が無いため、通常版に投稿しています。
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犬子と柘榴と一二三と九十郎第147話『何が始まるんです? 第三次江戸出征だ』

その日、ついに第一次江戸出征が始まった。

 

「いざ出立! 目指すは江戸城!

 目的を達するまで決して戻る事は無いものと心得なさい!」

 

元武田の不穏分子達への対応は雫粉雪コンビに一任し、ごく少数の兵と次期党首たる北条名月景虎に留守居を任せ、残る全ての将兵でもって江戸城へと進軍を開始した。

 

その数は約2万5000。

この時点の美空が動かせるほぼ全戦力だ。

この出征こそが越後長尾家の命運を分ける大一番、その全員が強い決意と共に美空に付き従っていた。

 

そしてその3日後……

 

「前言撤回っ! 春日山城に帰るわよっ!」

 

……美空は江戸城攻略を断念してUターンした。

 

Uターンの理由は体調不良である。

 

忘れている人もいるかもしれないが、武田光璃は現代ニホン生まれ、現代ニホン育ちである。

毎日毎日キチンと煮炊きされた食事を取り、現代ニホンの水準で衛生的な生活をしていた。

 

しかし、戦国時代の衛生状態が現代ニホン程良くない。

ありとあらゆる物を足りなくなり、ありとあらゆる節制をしながらひたすら歩き続けなければならない行軍中は猶更だ。

そして基本頑丈な身体の徳河吉音はともかく、光璃は基本病弱だ。

 

つまり……

 

「ぽんぽん……ぺいん……」

 

……武田光璃、食中毒でリタイア。

 

何度も吐き、何度も下痢便を垂れ流し、水分と栄養分を一気に奪われ、あっという間に痩せ細っていき、ついに美空は総撤退を決めたのだ。

これは現代ニホンの歴史書に書かれた武田信玄の死因が、重病を押して遠征軍に同行した事であるのも無関係では無い。

何せ現状、ポータルの使用方法を理解しているのは光璃一人のため、途中で死なれると作戦の前提条件が根底から覆ってしまうのだ。

 

……なお、光璃がダウンした直接の原因は、一二三がしれっと食事に混ぜた賞味期限的な意味でアウトな食材である事に気付いた者は居なかった。

 

……

 

…………

 

………………

 

「いざ出立! 目指すは江戸城!

 目的を達するまで決して戻る事は無いものと心得なさい!」

 

ついに第二次江戸出征が始まった。

 

「美空、その台詞聞くの二回目だぞ」

 

「今度はマジよ、絶対に戻らないわ! 絶対にっ!」

 

光璃の体調はどうにか回復した。

今度は光璃の口に入る全ての飲食物を九十郎が管理し、調理するという完璧な食中毒対策が採られた。

 

その数は約2万。

第一次出征よりも数が少ないのは、周囲がキナ臭くなってきたため、春日山城等の越後長尾家勢力圏の防御に回す兵を少し増やしたためである。

この出征こそが越後長尾家の命運を分ける大一番、その全員……全員ではないが、それなりの数が強い決意と共に美空に付き従っていた。

 

「前言撤回っ! 春日山城に帰るわよっ!」

 

……3日後、美空は江戸城攻略を断念してUターンした。

 

戦国時代は現代ニホンと比べて娯楽が少ない。

ありとあらゆる物を節制する必要がある行軍中では猶更だ。

そして光璃が戦国時代に持ち込んだ小型デバイスには、現代ニホンの様々な学術書のデータと共に、暇潰し用にと漫画やアニメのデータも入っていた。

 

そして光璃が持ち込んだ漫画『ボ〇ボーボ・ボーボボ』の写本が何故か大量に越軍に出回り、越軍全体が笑い過ぎで行軍どころでは無くなった。

やむなく美空は越軍規律引き締めのため焚書坑儒を実行……当然のように部下達から山のような不満が生じ、嵐のような抗議が噴出した。

ついには味方同士での殺し合いにまで発展しそうな空気になり、美空は江戸城攻略を断念したのだ。

 

……なお、一二三が道中こっそり『ボ〇ボーボ・ボーボボ』の写本を越軍の将兵達に売り捌き、地味ぃ~に小遣い稼ぎをしている事に気付いた者は居なかった。

 

……

 

…………

 

………………

 

「いざ出立! 目指すは江戸城!

 目的を達するまで決して戻る事は無いものと心得なさい!」

 

ついに……ついに? とうとう? とうとう第三次江戸出征が始まってしまった。

三度目の正直という単語はあるものの、現実問題として一回目と二回目が失敗した後で急に成功する例は滅多に無い。

無いが、とにかく第三次江戸出征が始まった。

 

「美空、今回も頓挫したらヤバいぞ。 粉雪からは『真面目にやれ』、

 雫からは『そろそろ抑えるのも限界』って手紙が届いてるんだが」

 

「今度はマジよ、絶対に戻らないわ! 絶対にっ!」

 

「御大将、こんな大騒ぎを二回もやったっすから、

 いくら何でも北条に攻撃目標を知られてるっすよ。

 たぶん途中で軍勢が待ち構えてるっす」

 

「何とかするわよ! 何とかっ!」

 

その数は約1万5000。

二度に渡る遠征失敗に呆れ果て、招集を無視して領地に帰った中小豪族、国人衆が出てしまったからだ。

この出征こそが越後長尾家の命運を分ける大一番、その全員が強い決意と共に美空に付き従って……いるかどうかは正直微妙だが、とりあえず何とか1万5000の将兵はかき集めた。

 

今回は第二次出征と同様、光璃の口に入る食物は全て九十郎が管理及び調理する事で食中毒を防ぎ、さらに参加者全員に『け〇のフレンズ(一期)』上映会に参加させ、続編である『け〇のフレンズ2』を見たければなんとしても江戸城を落城させろと命じる事で士気の低下を防止する作戦である。

 

光璃が持ち込んだ小型デバイスには『け〇のフレンズ(一期)』のデータは入っているが、『け〇のフレンズ2』のデータは無い。

つまり江戸城を攻略し、ポータルによって戦国時代と現代ニホンを繋げる以外『け〇のフレンズ2』を視聴する方法は無いという事だ。

 

余談だが、後日『け〇のフレンズ2』上映会in大江戸学園なる催しが行われ、第1話上映直後に『うん……?』という雰囲気になり、最終話上映直後に暴動が起きた事は今回の作戦と関係があるのではという説がある。

事前に『け〇フレンズ2』の評判を知っていた一二三は一足早く逃げ出しており、暴動の被害を回避していた事も追記しよう。

 

……

 

…………

 

………………

 

時は少し遡り、美空達が江戸城出征の準備に奔走していた頃……

 

「映画の上映会をしよう」

 

真田昌幸・通称一二三が唐突に練兵館に現れる。

 

「一二三、俺ら今忙しいのが分からねぇのか?」

 

「忙しいって具体的には?」

 

「遠征中の光璃の献立考えてんだよ。

 あいつハラ壊しやすい上に舌肥えてるから色々面倒なんだよ」

 

「毎回乾パンとザワークラウトで良いんじゃないかな」

 

「それやったらブチブチ文句言うんだよ。 あいつの性格からして絶対」

 

なお、光璃の舌が肥えた原因の何割かは九十郎の甘やかし過ぎである。

 

「まあ、それはそれとして。

 ザ・ニュー御屋形様の荷物に映写機っていう便利な道具があるって聞いたんだけど。

 映画でも流して結束を促すってのはどうだろう」

 

「映写機か、アレはバッテリー食うから遠征中は使えないぞ」

 

「じゃあ出立前にやれば良い。

 水車を改造した充電器を使えばバッテリーはどうにかできるって」

 

「つってもな、この前はボー〇ボが原因で遠征どころじゃ無くなっただろ」

 

「いや、あれに関しては私も反省してるんだ」

 

衝撃の爆弾発言により、九十郎が数秒硬直した。

 

「……おい一二三、

 どこからともなくボー〇ボの写本が出回りだしたのはてめぇの仕業か?」

 

「あまりにも面白かったから、他の人にも布教したくなった。

 ちょっとは反省してる」

 

「あんな劇物バラ撒いたら戦争の空気じゃ無くなるに決まってんだろっ!

 少しは後先考えろ一二三ぃ!!」

 

九十郎にだけは言われたくあるまい。

 

「それで今度はボー〇ボのアニメをだね……」

 

「却下だ、却下! あのアニメ超中途半端な所で終わるんだぞ!」

 

具体的には裏マルハーゲ四天王のうち2人を倒した直後に終わる。

スポンサー不在の状態で無理してアニメ制作を続行した結果である。

 

「だったら別の映画なり、アニメなりを上映しよう」

 

「あ~……まあ、出す作品を選べば……まあ、問題は無い……無いか? 本当に無いか?」

 

なお、選んだ結果は『け〇のフレンズ』である。

 

「まあ、それはそれとして」

 

「それとして何だ? まだ何かあるのか?」

 

急に話題を180度転換させるのは真田昌幸が良くやる交渉テクニックの一つだ。

九十郎が思わず身構えていた。

 

「エッチしよう」

 

一二三は真顔でそう言い放った。

 

「エッチな事をしよう」

 

一二三は何かの冗談かと思う程の真顔でそう言い放った。

 

「何の意味も無く、何の理由も無く、何の脈絡も無く、何の合理性も無く、

 ぐちゃぐちゃのとろとろになるまでエッチをしよう」

 

「良し分かった、だいたい分かった。 今忙しいから回れ右して帰れ」

 

そしてとりあえず九十郎は一二三を追い出しにかかった。

 

「ええ~? 女の子にここまで言わせておいてヘタレるのかい? いけずだなぁ~」

 

「いけずでも何でも良いから邪魔すんな。 美空から色々やれって言われてるんだ。

 光璃の献立以外にも色々とな」

 

「へぇ、具体的には?」

 

「お前に教えると勝手に取引の材料にされるから言わん」

 

「ヤダナーシンジテヨー」

 

「棒読みにも程があるわっ!!」

 

なお、一二三には湖衣の御家流を事後承諾で取引材料にした前科が何回かある。

 

「ちょっと……ちょっとだけ、真面目な話をするけどね……」

 

……と、ここで一二三の声のトーンが落ちた。

 

「不安……ああ、うん、不安なんだ……上手く説明ができないんだけど……」

 

「俺はお前ほど不安から程遠い存在を見た事が無いよ」

 

「あはは、結構虚勢も混じってるんだよこう見えて」

 

「……かもな」

 

珍しく九十郎が特に茶化したりせずに頷いた。

 

戦国時代に来たばかりの頃であれば、一二三の言葉を謙遜か冗談かと思っただろう。

だがしかし、前田利家が、黒田官兵衛が、上杉謙信が自分と同じ人間で、時に悩み、時に泣き、時に失言し、時に飲み過ぎてゲロまみれになる事を知った今は、九十郎自身も驚く程にすぅっと一二三の弱気な発言を受け入れていた。

 

「どんな不安なんだ?」

 

「……分からない」

 

「どうして不安なんだ?」

 

「……それも分からない」

 

「おいおい、それじゃどうしようもないぞ」

 

「人肌が欲しい……てのは、駄目かな?

 好きになった男の人の肌の温かみを感じて……それで……」

 

「エッチな事か?」

 

「うん……」

 

一二三が九十郎に身体を預け、そっと指と指を絡ませる。

互いの体温と、柔らかさを感じ合う距離だ。

 

「違和感が……うん、違和感があるんだ」

 

「違和感?」

 

「出来の悪い二次創作を見ている気分」

 

「二次創作なんて言葉良く知ってたな?」

 

「ザ・ニュー御屋形様のタブレットに……

 ああ、いや、これは私の心証を悪くするから黙っておこう」

 

「火葬後の心臓マッサージ並みに手遅れだよ」

 

なお、タブレットの顔認証はそっくりさん(薫)でも突破可能だったことも追記しておこう。

 

「自分の言動が自分らしくない」

 

「出来の悪い二次創作みたいに……か?」

 

一二三はどうにも自身が無い様子で小さく頷いた。

 

「気になりだしたのは、

 湖衣が『最高に高めた俺のフィールで、最強の力を手に入れてやるぜ!』て言いだした時」

 

「不動遊星か、漫画版の」

 

「湖衣の台詞にしてはブッ飛んでると言うか……エキセントリックと言うか……」

 

「戦国時代生まれがエキセントリックなんて言ってる時点で今更だと思うぞ」

 

「いや、私もそう思うんだ」

 

「すまん一二三、そろそろ仕事に戻って良いか? さっきも言ったが忙しいんだよ」

 

「ああもう、後生だからもうちょっと優しくしてくれないかな」

 

立ち上がろうとする九十郎に一二三が抱きつく。

女性の感触と匂いがして、九十郎は一瞬鼻の下が伸びそうになった。

 

「2回目にあれ? って思ったのは、『ボー〇ボ』の写本を作って配ってた時。

 いくら私がトンチキな性格だからってあんな事するだろうか?」

 

「お前ならやりかねんと思うぞ、言っちゃ悪いが」

 

一二三は無言でぽかんっと九十郎の頭を叩いた。

 

「真面目に、珍しく真面目に話してるんだから」

 

「いつも真面目に話せ」

 

「鳥に空を飛ぶな、魚に海を泳ぐなと言うようなものだよ、それは」

 

一二三は真顔でそう言い放つ。

九十郎は呆れ顔をすると、無言で仕事に戻り……戻ろうとした所で一二三のインターセプトを喰らって止められた。

 

「前説はもう良いから結論を話せ、結論を」

 

「エッチな事をしよう」

 

「良し分かった、俺が悪かった。 途中の文脈を飛ばさずに説明しようか」

 

「え? 何も飛ばしてないよ」

 

「それならそれでもう少し……もう少しこう……こう、アレだ、ムードとか考えろよ……」

 

そう言って九十郎は、一二三の口車に乗せられて女を抱くモードに入りつつあるのに気づき、軽く死にたくなった。

ここ最近忙しく、犬子も柘榴も抱いていないので性欲が溜まっていた。

 

ただ、このまま性欲に身を任せてエロエロな事をするには、どうしても乗り越えなければならないハードルがある。

 

「ちょっと前に光璃から聞いたんだけどな……お前は真田幸村の母親らしい」

 

「真田……何だって?」

 

「真田幸村、日本一の兵だとか、家康を最も恐れさせたヤツだとか、色々言われてるらしい。

 俺はそこまで詳しくねぇけど……ってお前光璃のタブレット見てるんだよな!?

 何でニホン史より先に『ボー〇ボ』読んでんだっ!?」

 

「日本一ね、それはまた何とも剛毅な異名だ」

 

「聞けよオイ。 まあ良いや……

 んでその日本一は統率92、武勇99、知略82、政治43だとさ」

 

「ちょっと待って、確か武勇99で張益徳並みじゃなかったっけ!?

 私の娘か息子はそんなバケモノに育つのかい!?」

 

想像してたよりも非常識な数値に流石の一二三も驚いた。

 

「んで、統率94、武勇85、知略98、政治83が……」

 

「どのような時代、どのような場所の大英雄であらせられましょうか?」

 

「が……お前だ」

 

「あれれ~、おかしいぞ~? 日本一よりもバケモノがいるぞ~。

 武勇以外全部上で合計値もブッ飛んでるぞ~、知略98なんてど~見ても無いぞ~」

 

「あと知名度は幸村のが上だ。

 俺も光璃に言われるまでお前が有名人って知らなかったしな」

 

「知名度低いくせに能力値はやけに高いね……」

 

「お前についてる異名が確か……」

 

「日本一を超えた宇宙大将軍かな?」

 

侯景の知略なんて精々58程度である。

 

「……武田の目」

 

「あれ~、武田って確か織田に負けて滅ぼされたんだよね?

 負けて滅んだ陣営の目なんて節穴と同義じゃないか。

 二中の火の玉とか三中の病院送りとかの方がまだ強そうだよ」

 

二中の火の玉や三中の病院送りの知略が98もあってたまるか。

 

「江戸の黒豹とか天下御免の向こう傷とか……

 うん? お前もしかしてニホン史より先に『ク〇マティ高校』読んでないか?」

 

「よりにもよって武田の目……それが統率94、武勇85、知略98、政治83……

 こういうのって異名詐欺って言わないかな……」

 

「表裏比興ってのもあるらしいぞ、お前の異名」

 

「ははは、それは卑怯者とか腐れ外道って意味でただの悪口だねえ」

 

「もう一度言うが知名度は幸村のが上だ」

 

「あ、分かった。 幸村って壮絶な死に方した系だね、武蔵坊弁慶みたいな」

 

「だいたい合ってる。 で、前説はこの位にして結論を言うとだな」

 

「正直聞きたくない気もするけど聞こうかな」

 

「真田幸村の母親を避妊もせずに抱きたくない……だ」

 

「えぇ~、ここまでその気にさせておいてそれは無いじゃないか~。

 未来の事はともかく、今の私は既婚でも子持ちでも無いんだよ」

 

「うっかり真田幸村の父親として歴史に名前を残したくない」

 

「私は……私は正直、欲しいかなって思ってる。

 なんやかんやで好きになった人との……ええと……つまり……」

 

一二三は言葉を濁したが、欲しいものがいわゆる『子供』だという事は明らかだった。

九十郎は大きくため息をつくと、一二三をぎゅっと抱き寄せた。

 

「そうだな、一二三。

 お前には何回か助けてもらって、その何倍か何十倍てめぇこの野郎って思って、

 騙された事もおちょくられた事もあって、引っ叩こうとして逃げられた事もあって。

 何故かな……そういうアレコレが楽しいって、俺は思っていたよ」

 

「そっか……そうなんだ……」

 

「それともう一つ、なんやかんやで好きになった人って点は……

 あんまり認めたくないが俺も一緒だよ、一二三」

 

「そうかそうか、何か……何かこう、照れるねぇ」

 

「全くだ、頬が緩む。 大江戸学園じゃ非モテだったんだがな」

 

「織田の天人殿に負けないくらいのハーレムを作ってるんじゃないかい」

 

「ははは、んな馬鹿な。 柘榴だろ、犬子だろ、お前だろ、んで粉雪。

 まだ4人だ、剣丞や秋月程じゃねぇよ」

 

ここで雫の名前が出てこない所が九十郎である。

 

「美空殿とザ・ニュー御屋形様」

 

「その2人、両方剣丞の嫁だよな」

 

九十郎が盛大に視線を泳がせながら呟く。

とはいえ、美空からも光璃からもハッキリ、キッパリと好意を告げられていて、基本男女の機微に疎い九十郎でも流石に彼女達の想いには気づいている。

 

「美空殿もザ・ニュー御屋形様もその辺有耶無耶にする気満々に見えるけど」

 

「そうなんだよなぁ……」

 

九十郎は現実逃避気味に一二三の乳房を揉みしだく。

 

「んんっ……やぁ、他の女性の事を考えながら揉むのはマナー違反じゃないのかい?」

 

「考えたくないからこうしてるんだよ」

 

九十郎が一二三の着物をはだけさせ、床板に押し倒す。

一方はどう見ても武勇85は過大評価な女性で、一方はバッファローマンのような体格の大男だ。

抵抗もできずに身体全体で覆いかぶさられる。

 

「ん……ちゅ……んんぅ……」

 

唇と唇が重なり合う。

心臓の鼓動すら重なり合いそうな密着姿勢。

自然と頬も赤くなり、しっとりと汗が肌を蒸らしていく。

 

「好き、好きだよ九十郎」

 

唇が離れると、一二三は恍惚とした表情で愛を囁く。

九十郎は一瞬、どんな言葉を返そうかと考えて……何も思い浮かばなかったのでもう一度唇を重ねてみせた。

 

「んん……ぷは、情熱的だねぇ」

 

「嫌いだったか?」

 

「ううん、もっと好きになる」

 

九十郎が一二三の胸に吸い付く。

 

「やっ、んんぅっ! ふぁっ、もう、いやらしい人だね……ううぁっ」

 

「先に誘ったのはお前だろうに」

 

「そ、そうだけど……ひあぁ!?」

 

今度は一二三のワレメに手を伸ばす。

 

「ん、ふぅう! ふぁ、んんぅ! ま、前より上手く……ひゃぅ!?」

 

揉んで、摘まんで、擦って、押して……何かする度に可愛らしく喘ぐ一二三の姿を、九十郎は楽しんでいた。

 

「おっと、早くも濡れてきたな」

 

くちゅり、ぐちゅりと、下着越し、袴越しでも分かる位に、アソコから愛液が漏れていた。

 

「キミのお〇んちんだって、こんなに硬くなってるじゃないか」

 

一二三もまた九十郎の股間の逸物に手を伸ばす。

袴越しに球袋を揉みしだき、亀頭の辺りをくりくりと弄ぶと、あっという間に九十郎のモノは臨戦態勢になっていった。

 

「脱がすぞ、一二三」

 

「うん、良いよ」

 

九十郎は慣れた手つきで一二三の袴を脱がせ、下履きを解く。

 

「おやおや、糸引いてら」

 

下履きを脱がせると、むわっとした熱気と湿気を感じた。

その淫靡な光景が、九十郎の原始的な欲求を、男として女を組み伏せ、屈服させたいという欲求を何倍にもした。

 

「できれば避妊……ゴムか何かありゃ良いんだけどな。

 でもここでお預けってもの……いや、ギリギリで外に出せば……」

 

なお、外出しは避妊の方法としては途方も無く不確かなのでお勧めはできない。

 

「あるよ、ゴム。 これだよね?」

 

一二三がぱっと上着の内側から四角形の何かを取り出す。

それは確かに大江戸学園のコンビニにほぼ確実に置いてある現代ニホンの避妊用具『コンドーム』であった。

仮にも学校施設である癖に避妊用具がどこでも買えるのは、大江戸学園の恐ろしい所である。

まあ要するに需要が高いだけなのであるが。

 

「お前、どこでそんなモン手に入れた? 戦国時代にはコンビニはねぇよな?」

 

「そんな『ク〇マティ高校』じゃあるまいし」

 

「やっぱお前ニホン史より先に漫画読んでるな」

 

「これの出所はね、ザ・ニュー御屋形様のお財布に入ってたからくすねてきた」

 

「光璃の奴、こんなモン持ち歩いてたのかよ……」

 

妹のように思っていた少女がしれっと大人の階段を登る準備をしていた事に、九十郎は軽く頭を抱える。

なお、本人的には九十郎との初体験用の物である。

 

「使い方もタブレットに入ってたよ。 お〇んちんに被せるんだよね、確か」

 

「いや勝手に使って……まあ、良いか。 あいつに使う予定は無いだろ」

 

本人的には九十郎との初体験用の物である。

 

「ええ……と……ありゃ、これはどうやって付ければ……」

 

「とりあえず外側はこうやって破る」

 

九十郎がギザギザの部分をぴっと破り、コンドームを包装から出す。

 

「ああ、そうなってたんだ。 流石は未来の世界のひみつ道具、便利だねぇ。

 確か裏表があって、少し膨らんでいる方を外側にして被せて……

 こうやる……のかな……?」

 

一二三が知略98の記憶力で説明書を思い出しながら、おっかなびっくりという様子で勃起ち〇こにゴムを被せる。

ある意味でケーキ入刀準備、ある意味で男と女の共同作業であろうか。

 

ただし、ゴムは盗品である。

 

「良しできた、これで九十郎も共犯だね」

 

「ははは、黙ってりゃ分かりゃしねぇよ」

 

武田信玄の知略(94)を甘く見過ぎである。

 

「……ではでは、添え膳食わぬは何とやらで」

 

「女の方が言う台詞じゃねぇだろ。 挿れるぞ、一二三」

 

「うん……」

 

一二三が九十郎の目の前で両脚を開き、男を受け入れる姿勢になる。

九十郎はごくりと唾を飲み、これから行われる行為への期待から股間のモノがさらにガチガチに剛直するのを感じた。

 

「孕ませてぇ……」

 

九十郎はその時、心の底に沸き上がった欲求を無意識の内に呟いてしまう。

 

「今からでもソレ外すかい? 私は良いけど」

 

それは小さな小さな呟きであったが、一二三はしっかりと聞いていた。

問いかけに対し、九十郎は何秒か迷い……無言のままゴム付きち〇こを突き立てた。

 

「ふぁぅ! んんぅっ……あ~残念、じゃあ楽しもうか」

 

0.01mmのゴム越しに感じる一二三の膣肉の感触は、肉ヒダの熱さは、九十郎の股間のアレを歓喜に震えさせる。

エロ漫画ではゴム無しの方が気持ち良いと書かれているが、九十郎は十分な程、十分過ぎる程の締りと熱気と滑り気を感じていた。

 

「んぅ、あぁっ! ふぁ、ふああぁっ! ああっ!」

 

一二三の口から嬌声が漏れる。

九十郎はピストン運動を止められない。

 

「あんぅっ! んんぅぅっ! あ、あん、あぁっ!!」

 

嬌声が漏れる。

一二三には止められない、九十郎も止まらない。

0.01mmのゴムの隔たりは、既に忘れ去っていた。

 

「一二三……」

 

淫らに喘ぐ女の名を呼ぶ。

汗で滲んだ頬をそっと撫でる。

 

「……そんな不安そうな顔をしなくても良いよ。 私はちゃ~んとここにいるからさ」

 

「お前が不安そうにしてたんだよ」

 

……涙が伝っていた。

 

九十郎に言われるまで気付かなかった、気付けなかったが、一二三は確かに涙を流していた。

一二三の頬を濡らしていたものは、汗だけでは無かったのだ。

 

「あ、あれ……おかしいな……どうして、こんな……」

 

一二三は胸の奥、とてもとても深い所で何かが渦巻いているような気がした。

それが何かはまるで分からなかったが、どうしてかそれが蠢く度に、耐え難い甘みと吐き気がする苦みが同時に胃の腑を焼いているような気がした。

 

「忘れちまえよ全部、今この瞬間だけでもよ。 胸貸す位ならいつでもやってやる」

 

九十郎が一二三を抱き寄せる。

正常位から対面座位になり、汗ばむ身体が密着する。

 

「あはは、何でだろ。 顔がにやけていくよ……」

 

九十郎の無駄に頑健な両腕で身体が支えられている。

お互いの心臓の鼓動を感じる。

ただそれだけで、たったそれだけで、一二三は自分の顔がどこまでもどこまでも緩んでいくのが分かった。

 

「やぁっ、んんぅ! ふぅあぁっ! す、すご……んんぁああっ!!」

 

九十郎の腕に支えられながら、肉槍で下から子宮を衝かれ、一二三は脳髄が痺れるような快感に包まれる。

 

「んんぅ! んんんうぅっ! も、駄目ぇっ! あああんっ!」

 

ずんっ! ずんっ! ずんっ! と、何度も何度も子宮を衝かれる。

その度に一二三の乳房が上下に揺れて、淫らな声が周囲に響く。

 

「やんっ! い、イキそ……ひゃぁっ! んあぁっ! ああんっ!!」

 

ぐちゅりぐちゅりと淫靡な水音がとめどなく溢れる。

一二三と九十郎は徐々に、しかし確実に絶頂へと昇りつめていった。

 

そして……

 

「ふぁああぁぁっんんぅーーーっ!!」

 

一二三が達する。

瞬間、一二三の膣内がぎゅうぅっと収縮し、九十郎のモノを一気に締め上げる。

 

「一二三ぃっ!! うっくぅっ!!」

 

一二三の後を追うかのように九十郎も絶頂した。

びくんっ! びくんっ! と肉棒が跳ねて、一二三の膣内に……いや、薄さ0.01mmのゴム袋の中に勢い良く精子が放たれる。

 

「ふぅ、ふぅ……ふうぅ~」

 

両肩を大きく上下させながら、一二三は絶頂の余韻を味わいつつ息を整える。

 

「な、何かやべぇ勢いで射精たな。 最近忙しくて溜まってたかな……」

 

「そこはお世辞でも良いから私が魅力的だったからって言ってほしかったなぁ」

 

「一二三のアソコは良く締まる名器だったよ」

 

「も、もぅ……」

 

急に恥ずかしくなり、一二三が顔を真っ赤にする。

ぬぷんっ! と九十郎の竿を引き抜く水音が、やけに大きく聞こえた。

 

「うわっ、袋の中に子種が溜まってる。 随分と一杯出したねぇ」

 

「そりゃあ一二三のアソコは……」

 

「こらっ! そんな恥ずかしい事を何度も言うものではないよっ!」

 

一二三が筒状のゴムを結んで出入口を塞ぐ。

ついさっきまで自分の膣内に収まっていたソレを見つめて、自分が淫らに喘いでいた事を思い出し、一二三の頬がもっと赤くなった。

 

「しかし使っちまったな、コンドーム。 次からどうすっかな……」

 

「そりゃあ普通にするしか無いんじゃない?」

 

「普通にヤッたら普通に孕ませるような気がすんだけどな……」

 

「ヤればデキるってのは今も未来も変わらないよねぇ」

 

「だからデキたら困るんだよ、俺は」

 

「私は全然困らない。 むしろ愛しい人との子供なら何人でも欲しいって思ってるけどね。

 まあどうしても抵抗感があるのなら……」

 

「あ、あるのなら?」

 

知略98の助言を欲して九十郎が身を乗り出す。

 

「お尻に挿入れてみるかい?」

 

九十郎の耳元でそっと囁く。

それは古今東西の男性を惹きつける悪魔のウィスパーボイスであった。

であったが……

 

「あ~……尻、尻か……」

 

……九十郎は微妙な表情で視線を泳がせた。

 

「ありゃ、乗ってこないんだ?」

 

「いやな、エロ漫画とかだと割と気楽にヤッてるんだが。

 アレって事前準備しねぇと色々酷い事になるんだよ」

 

「へぇ、そうなんだ? 具体的には?」

 

「ちょっと待ってろ」

 

九十郎が道場の物置から奇妙な物体を持ってくる。

それは先端に小さな穴の開いた細身の棒に、竹筒を加工した水鉄砲がくっついていて、知略98の一二三と言えど一見しただけでは何のための物か分からなかった。

 

「え~っと……それは……?」

 

「ケツの奥に棒を差して、ぬるま湯を直腸に流す道具」

 

「……何のために?」

 

「アナルセックスはな、ヤる前にケツの中の糞を全部洗い流して綺麗にしとかねぇと、

 そこら中糞まみれになるんだよ」

 

「それは……もしかして実体験……?」

 

「言いたかねぇが実体験だ。

 初めてヤッた時はそこら中に犬子のウ〇コが飛び散ってひでぇ事にだな……

 ちょうど今一二三が座ってる辺り、特に掃除が大変だったな」

 

一二三は無言で2~3歩後ずさった。

 

「まあとにかく、事前準備用の道具は作ったが、準備が面倒で正直使ってないんだよ」

 

「ふぅん、良い案だと思ったんだけどなぁ……」

 

なんて事を話していると……突如、ゴゴゴゴゴという異様な空気、異様な圧力が2人にもたらされる。

 

「やはり……犯人は九十郎……」

 

明らかに怒気を孕んだその声が九十郎に届く。

その声の主を、九十郎も一二三もすぐに分かった。

 

「いつの間にかコンドームが無くなったと思って探していた……

 何故か九十郎が使用済みコンドームを持っている……よって犯人は九十郎、QED」

 

その声の主は九十郎にとって同じ日、同じ病院で産まれた幼馴染で、一二三にとっはかつて裏切ってぶっ殺した主君の生まれ変わり……大江戸学園の武田光璃である。

 

「あ、悪い光璃、使っちまった。 まあでもお前使う予定無いだろうし別に良いだろ」

 

九十郎、ノータイムで自白。

その言葉に嘘偽りは無かったが、窃盗の実行犯が一二三である点は綺麗さっぱり抜け落ちている。

その台詞は当然、光璃の怒りという名の火に油を注ぐ結果になった。

 

「斬新な命乞い……どうやら長く苦しみたいと見える……」

 

光璃が自らのサイキック能力……戦国時代の人々が御家流と呼ぶ力を発現させる。

周囲に武田の祖霊を呼び出し、攻撃態勢に入らせた。

 

「おい光璃、ちょっと待て。

 それはちょっとシャレにならんと言うか、本気で死ぬんだが……」

 

咄嗟に知略98に助けを求めようとしたが、一二三も、さっき脱がせた着物も、手作りの浣腸グッズも煙のように消えていた。

 

「げぇっ!? 一二三のヤツ逃げたがった!!」

 

表裏比興と書いてクソヤロウと読む真田昌幸にとってこの程度は容易い事である。

 

「……右の拳で殴るか? 左の拳で殴るか? あててみな」

 

「ひ、ひと思いに……右でやってくれ……」

 

「NO! NO! NO! NO! NO!」

 

「ひ……左……?」

 

「NO! NO! NO! NO! NO!」

 

「流れぶった切ってスマン、

 この流れ最後までやるとオラオラなんだが慈悲とかは無いのか」

 

「NO! NO! NO! NO! NO!」

 

「ですよね~」

 

「オララララオラァッ!! 裁くのは光璃の『スタンド』だッー!!」

 

「ぎゃあああぁぁぁーーーっ!!」

 

斎藤九十郎、光璃にボッコボコにされてリタイヤ。

一応、死なない程度に手加減はされていたのだが、しばらく怪我で寝込んで業務がストップ。

この事件により第三次江戸出征は10日程延期された。

 

……

 

…………

 

………………

 

九十郎は気づいていない。

恐るべき洗脳能力を持つ鬼子・蘭丸によって一二三が洗脳されている事を。

 

一二三も気づいていない。

自分の見た物、聞いた事が残らず蘭丸に筒抜けになっている事にも、知らず知らずの内に蘭丸の手伝いをさせられている事にも。

 

そして一二三は蘭丸の思惑によって江戸遠征を何度も何度も妨害し、その越軍の行動を遅延させていた。

その結果……

 

「……やれやれ、間に合ったね」

 

九十郎は気づいていない。

一二三も気づいていない。

美空も、光璃も、吉音も、誰も気づいていない。

 

一二三の時間稼ぎの結果、蘭丸と、洗脳されて蘭丸の手駒と化した織田の軍勢がすぐそこまで迫っている事に……

 

 

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