※この作品はR-18です。

戦国†恋姫X 犬子と九十郎(エロ回)   作:シベリア!

50 / 68
戦国†恋姫オンラインやってます。
ID「948ffbd7」
気が向いたら戦友申請を送ってもらえますと嬉しいです。

前話、第149話にはR-18描写がありませんので、通常版に投稿しています。
第149話URL「https://syosetu.org/novel/105831/108.html」

次話、第151話にはR-18描写がありませんので、通常版に投稿しています。
第151話URL「https://syosetu.org/novel/105831/109.html」



犬子と柘榴と一二三と九十郎第150話『誓いの言葉』

地獄のような修羅場を掻い潜った吉音と九十郎を待っていたのは、また地獄であった。

 

補給の効かないガソリンは1滴でも無駄にはできないと、クソ重たいサイドカーを、全く舗装のされていない山道、獣道をひたすら押して歩く羽目になったのだ。

 

「重いよ~、暑いよ~、アイス食べたい~」

 

「さっきから五月蠅いぞ吉音、黙って押せ……」

 

「あ~つ~い~、お~も~た~い~、つ~か~れ~た~、お腹へった~」

 

無駄に力だけはある九十郎はともかく、(九十郎に比べれば)小柄な体格で、1人で多数の鬼と切り結び疲労していた吉音は、限界に近い様子だ。

その日は特に日差しが強い事もあり、全身が汗に濡れ、服を着たまま水浴びをしたかのようになっていた。

 

「(こいつは他人の彼女、こいつは他人の彼女、

 うっかり手を出したら秋月が絶対怒鳴り込んでくるぞ……)」

 

一方九十郎は、体力という意味では多少余裕が残っていたが、精神的な余裕は殆ど残っていない。

 

何か他の事を考えねばと必死に頭を働かせていると、念のためにと非常食を積んでいた事を思い出した。

それは何かしらのトラブルで味方と上手く合流できなかった時のために取っておくべき物だが、鬼はもう出てこないし良いだろうと九十郎は短絡的、楽観的に構えて乾パンを出した。

 

「乾パンで良けりゃ積んでるが、食うか?」

 

「食べるっ!!」

 

即答である。

九十郎の提案から僅か1ミリ秒で、吉音は瞳を爛々と輝かせて即答した。

九十郎も大概だが、吉音も吉音であまり後先は考えない性格である。

 

「……あ~ん」

 

吉音が大きく口を開けて九十郎を待つ。

恋人同士とかでやる食べさせあいっこというヤツかもしれない。

 

しれない、が……

 

「はいあ~ん……じゃねぇよっ! 横着すんなてめぇっ!?

 自分で取って自分で食えよっ!!」

 

「え~、あたし両手塞がってるも~ん」

 

「も~んじゃねぇよっ!! 何歳だよお前ぇっ!?」

 

「この作品の登場人物は全員20歳以上です」

 

「ハイ建前大事だねっ!! その前提崩れると作品消されるからねっ!!」

 

余談だが、黒田官兵衛の生年は1546年、森長可は1558年、EXに登場予定の伊達政宗に至っては驚愕の1567年である。

 

さておき、全くこれだから大江戸学園の連中は……と、九十郎は自分も元大江戸学園の学生だった事を盛大に棚に上げながら乾パンを吉音に手渡した。

 

「わぁい乾パン、吉音乾パン大好き」

 

吉音はリスか何かのようにコリコリコリコリと乾パンを齧る。

恋人がいる癖に、恋人でも何でもない男がすぐ傍にいる癖に、無防備にも程がある姿を晒す吉音に対し、九十郎は文句の一つも言いたくなった。

 

「美味しぃ~~~!!」

 

「はいはい、そりゃ良かった」

 

「この黒いのは……胡麻かな?」

 

「黒胡麻と米粉を混ぜて焼いてる。 現状、小麦粉より米粉の方が入手しやすいからな。

 黒胡麻は栄養価の向上と風味付けだ」

 

「う~ま~い~ぞ~~~!!」

 

「さっきも聞いたよ」

 

九十郎は一瞬、ほんの一瞬だけではあるが、今すぐこの場で押し倒して強姦してやろうかと考えてしまう。

後で秋月八雲にボコボコにされるのが怖いので実行には移さないが。

 

「んっ、んむ、んむ、んっ……ぷはぁっ! あ~生き返る~」

 

そんな九十郎の葛藤に、九十郎の邪悪な企みに全く気付く事無く、吉音は竹の水筒を一気に飲み干して満面の笑みを浮かべる。

 

「……って何他人の水飲み干してんだよっ!? 自分の飲めよっ!」

 

「さっきチャンバラしてた時に無くしちゃって」

 

「気づいた時に言えよ、分けてやるからさぁっ!!

 てかお前、コレ間せ……いやもう何でも良いよ……」

 

九十郎は『間接キス』と、言いかけて止まる。

 

汗で濡れ、吉音の豊満な身体のラインがハッキリと視認できた。

出るところは出て、引き締まるところは引き締まって、健康的なエロスを感じさせる極上の身体だった。

この上『間接キス』なんて単語を口にしたら、これ以上徳河吉音を女だという事を意識してしまえば、本気で自分自身の性欲を抑えられなくなりそうだった。

 

九十郎は吉音の底無しの無防備さに驚くと共にいっそ呆れてしまう。

 

「(コイツ今まで良く他の男に襲われなかったな……

 いや素で強いから大概の奴は返り討ちにできるんだろうけど……にしたって……)」

 

徳河吉音を彼女にするという偉業を成し遂げた上、戦国時代に送り出す決断をした秋月八雲に対し、九十郎は尊敬の眼差しを向けたくなった。

 

「……秋月は元気か?」

 

ふと気になって、尋ねた。

吉音含む何人もの美女を恋人にした、イケメンで、好青年で、剣の腕も悪くない、『超』のつくモテ男の事を無性に聞きたくなった。

 

「八雲? うん、元気だよ」

 

吉音はコリコリと乾パンを齧りながら答える。

 

「まだ付き合ってんのか?」

 

「そりゃもう、ラブラブだよ! ラッブラブ!

 まぁ……この前、ま~た彼女増えたみたいなんだけどね……」

 

「あいつは相変わらずだな」

 

吉音と九十郎が苦笑し合う。

 

「何でモテるんだろうな?」

 

「そりゃ世界一カッコ良くて、世界一男らしくて、世界一優しくて、

 ちょっとエッチなお願いも聞いてくれて、お菓子作りも上手くて、それで……」

 

「ああスマン、俺が悪かった。 だいたい分かったからその辺で良い」

 

惚気話が延々と続きそうになったので適当な所でストップをかける。

 

「……で、結局誰選ぶんだろうな、あいつ」

 

そして次の瞬間、九十郎は思い切り地雷を踏んだ。

乾パンを齧っていた吉音の顔が強張り、視線が泳ぎ、ピタッと動きが止まる。

 

戦国時代と違って、現代ニホンは一夫多妻を当然とする社会ではない。

倫理的にも法律的にも重婚はアウトである。

基本無法地帯の大江戸学園内ならまだしも、学園外では……その問題は、吉音達の将来設計に重く重くのしかかっていた。

 

一行にびみょ~な空気が漂った所で、ガサガサと近くの茂みが音を立てて揺れ動く。

図体はでかい癖に基本ヘタレな九十郎がビクッと震えて脇差を抜く。

ガサガサッ! ガサガサガサァッ! と不穏な音が徐々に近づき、大きくなっていく。

 

そして……

 

「……九十郎ぉっ!!」

 

無駄に警戒する九十郎の前に現れたのは前田犬子利家であった。

 

「なんだ犬子か、身構えて損したな」

 

九十郎は心の中で犬子に感謝する。

うっかり地雷を踏んだ話題を回避する口実になりそうだからである。

 

「九十郎会いたかったーっ!!」

 

ぴょーんと犬子が飛び跳ねて九十郎に抱き着く。

背丈の割に豊満な乳房が押し当てられる。

基本巨乳好きの九十郎は早くも鼻の下を伸ばし始めた。

 

「急にいなくなるから心配したんだよっ!

 切り込み役をやるならやるで犬子にも言ってよぉっ!!」

 

「今回は奇策奇襲の類だったんで、口外すんなって言われてたんだよ」

 

いつも九十郎は言うなされた事に限ってお喋りになる悪癖持ちだが、今回は珍しく口を噤んでいた。

とりあえず九十郎は事あるごとに機密を漏らされる美空に土下座して謝るべきである。

 

「それ、もしかして犬子が信用されてないって事……

 うわぁ、犬子美空様からそういう風に思われてたんだ……」

 

「ははは、糞ニートが他人の心を読めるのをもう忘れてんのか?

 剣魂持ちじゃねぇ奴に教えたら読心されかねねぇんだよ」

 

「あ、そっか。 今回、新戸ちゃんが敵に回ってたんだっけ。

 それで新戸ちゃんは? 一緒じゃないの?」

 

「どっか行っちまったよ。

 糞デカい鬼はきっちりブチ殺したから、その内戻って来るとは思うんだけどな」

 

「こう、ガトリング砲でね……ガトガトガトガトッ!! って感じで」

 

「なんだその笑える効果音は?」

 

「九十郎、北海道編読んでなかったっけ? る〇うに剣心の」

 

「読んでねぇ、何だそれ?」

 

「十本刀とか、永倉新八とか、

 帰ってきたガトリング斎とか一緒に世間を騒がす悪党とチャンバラする話?」

 

「俺が死んでる間にそんなのも出たのか……光璃のデバイスに入ってねぇかな?」

 

「う~ん、たぶん入ってると思うけど……」

 

「神道無念流が大活躍とかそういうのはあるのか?」

 

「それは今の所無いね」

 

「が~んだな、出鼻を挫かれた……

 もっと頑張れよ新八、だからてめぇは新八なんだよ……」

 

永倉新八も九十郎にだけは言われたくあるまい。

そんな犬子そっちのけの雑談の中で……

 

「……ねぇ九十郎、その娘誰だっけ?」

 

吉音が真顔でそんな事を聞いてきた。

九十郎は思わず犬子と顔を見合わせる。

 

「犬子、こちら大江戸学園のパーフェクトバカこと徳河吉音さんだ」

 

九十郎はあえて犬子の方に吉音の紹介を始めた。

 

「バカじゃないよっ!?」

 

「お前は今までに取った赤点の回数を覚えているのか?」

 

「10から先は数えていないっ!!」

 

「10以上の数が数えられないバカだ。 あんまり寄るなよ犬子、バカが伝染る」

 

「伝染らないよっ!!」

 

「あ、あはは……ええと、九十郎がいつもお世話になっています。

 直接話をするのは初めてですよね。 お初にお目にかかります、前田犬子利家です」

 

犬子がぺこりと頭を下げる。

 

「あ、はい……えっと、どうも、初めましてです」

 

「聞いて驚け、犬子はあの前田利家だ」

 

「ま、前田利家ぇっ!?」

 

吉音が驚愕の余り全身を強張らせる。

強張らせて、強張らせて……数秒、考え込む。

 

「……前田利家って誰だっけ?」

 

「見たか犬子、これが前田利家すら知らんバカだ。

 日本史に疎い俺ですら知ってるってのにな」

 

「前田利家って意識されるの、あんまり好きじゃないんだけどね」

 

「でも、結構仲良さそうだね。

 九十郎に友達できてないんじゃないかって心配してたんだけど、良かった良かった」

 

「友……達……?」

 

犬子がキョトンとした顔になる。

 

「友達と言うか、嫁だよな」

 

「お嫁さんっ!?」

 

思いもよらぬ発言に、吉音が驚愕した。

 

「嫁って言っても側室だけどね」

 

「側室ぅっ!?」

 

「正妻は柘榴だ」

 

「柘榴ぉっ!? ざく……ええっと……ごめん、誰だっけ?」

 

「柿崎景家だ」

 

「柿崎ぃっ!? かき……ごめん、分かんない」

 

「心配するな、俺も知らん」

 

吉音と九十郎は全国の柿崎景家ファンに土下座して謝るべきである。

 

「あと粉雪が婚約者だ。

 よくある死亡フラグ、この戦いが終わったら結婚するんだをあいつマジでやりやがった」

 

なお、その理屈では九十郎も死亡寸前である。

 

「側室って確か、第二婦人の事だよね……お嫁さんが2人もいるのに婚約者って……」

 

「吉音が側室を知ってる……だと……犬子、明日は槍が降るぞ。

 鉄張りの陣笠を用意しとけ」

 

逆さに吊るせば鍋代わりにできる優れものである。

 

「九十郎、いくら何でも失礼だよ」

 

「ははは、コイツに対する扱いなんてこの程度で十分だよ」

 

「こんなに可愛い娘を側室にするなんて、九十郎はバチ当たりだよ」

 

「ま……そうだな、バチ当たりなのは理解してる」

 

「利家さん……は、良いの?」

 

「あ、犬子って呼んでください。 忌み名呼びは無礼だって言う人もいますから」

 

「えっと……じゃあ犬子は、良いの?」

 

「良いって、何がですか?」

 

「側室……その、九十郎の一番になりたい……とかは……」

 

声のトーンがどんどん落ちていく。

それは吉音にとってどうしても聞きたい事であったが、同時に物凄く物凄く失礼な事を聞いているという自覚もあった。

 

「う~ん、九十郎の一番になりたいって気持ちも無くは無いけど……でも家の格とか、

 官位とか、外交関係とか、色々あるし……それ以上に犬子の場合は……」

 

「場合は……?」

 

「犬子の場合、その辺を下手に突っつくと九十郎に捨てられる可能性があります。

 心底嫌ですけど、犬子は前田利家なので……」

 

「え、捨てられちゃうの!? 九十郎こんな可愛い娘を捨てちゃうの!?」

 

「捨てねぇよ! 人聞きの悪い事を言うな言うなっ!!」

 

「本当に?」

 

吉音が心配そうに念押しをしてくる。

 

「捨てねぇよ」

 

「本当に、本当に?」

 

犬子が便乗して聞いてくる。

 

「しつこいなお前ら、捨てねぇよ」

 

「だって、良かったね犬子ちゃん」

 

コイツしれっと『ちゃん』付けにしたなと思ったが、九十郎は空気を読んでツッコミは避けた。

 

「でも……そっか、捨てられちゃうのが怖いんだ……あたしと、同じなんだ……」

 

吉音が小さく小さく呟いた。

余りにも小さく、か細いその声は、九十郎には届かない。

 

しかし……犬子にはなんとなく分かった。

そのか細い声をハッキリと聞いた訳では無いが、それでも、吉音が何を言おうとしたのか分かったような気がした。

 

「犬子ちゃん! あたし達、友達になろう!」

 

吉音が唐突に犬子の両手をぎゅっと握ってそう叫ぶ。

 

「ええ~……」

 

予想外の発言に犬子は普通に困惑する。

九十郎なら『寝言は寝てから言え』とバッサリ切り捨てるのだろうが、犬子は殺す直前まで敵意は隠す性格のため、九十郎のように切り捨てるのは気が引けた。

 

「あ~……吉音、犬子が困ってるからあんまり強引に行くな。

 友達関係一つ作るにも色々あるんだ、戦国時代は。 裏があったり無かったりな」

 

「裏なんてないし、あたしは大江戸学園の徳河吉音だから良いじゃない」

 

「お前に裏表があったらいっそ驚き……じゃねぇな!

 お前昔偽名使って血筋隠してただろ! 徳田新とか名乗ってただろ!」

 

「それはそれ、これはこれ」

 

「ははは、犬子構う事はねぇケツ引っ叩いて追い返せ」

 

「えっと、それじゃあ……初対面の人を『ちゃん』付けで呼ぶのはどうかと思います」

 

「そ~んな~……」

 

吉音がよよよ……と泣きながら崩れ落ちた。

 

「まあバカは放っておくとしてだ」

 

「放っておかないで~」

 

「良いの九十郎? 一応、形の上だけでも友達になった方が……」

 

「しばらく観察して気が向いたら友達でも何でもなってやれ。

 吉音、うざったいから泣くのはやめろ。

 それと犬子は、普通に話せは邪険にはしないヤツだから、

 友達になりたかったら根気良く話しかけろ」

 

「うん、そうする……犬子ちゃん、これからよろしくね……」

 

どうやら吉音は『ちゃん』付けを撤回する気は無いらしい。

 

「んな事より犬子、後続は近いのか?

 サイドカー押すのもそろそろ飽きてきたんで、とっとと合流したい」

 

「う~んどうだろ……御家流使って全速力で来たから、まだもう少しかかるかも」

 

「俺達の居場所良く分かったな」

 

「匂いで分かったよ。 ガソリンの匂いがする物なんて他に無いでしょ」

 

「じゃあ乾パン食べて待ってようよ」

 

「先に言っとくが、お前を満腹にさせる量は無いからな」

 

「がーんっ!?」

 

「犬子も食べ物は持ってないなぁ……」

 

「ががーんっ!?」

 

吉音は一瞬で元気を無くし、しおしおとその場に崩れ落ちた。

 

「じゃあ仕方ねぇ、サイドカー押してちょっとでも距離詰めるか……

 進路と現在地は美空に送ってるから、その内合流できるだろ」

 

「犬子も手伝うよ」

 

「お、そりゃ助か……ああ、いや……」

 

九十郎が少し考え込む。

股間の肉棒は、さっきより比較的マシな状態であったが、もう一度汗ばむ吉音や犬子の身体を凝視し、吐息の音を聞いたらどうなるかは火を見るよりも明らかだ。

 

サイドカーを押すのを手伝ってもらうのもありがたいが、それよりもいつ剛直するか分からないち〇こをどうこうする方を優先させたいと考え……

 

「犬子、来る途中で鬼とかはいたか?」

 

「全然いなかったけど、どうして?」

 

「じゃあ悪いが一旦戻って一二三を連れて来てくれ。 どうせ近くまで来てるんだろ?」

 

「え? Dげいざーで呼べば良いじゃない。

 小波さんの御家流みたいに、遠くから話ができるんでしょ?」

 

「数が少ねぇから一二三には渡してない。

 光璃か美空に伝言頼めば伝わるとは思うが、それはちょっとな……」

 

九十郎はちょいちょいと犬子に手招きをする。

大声では言い難い事を小声で伝える時のジェスチャーだ。

 

「……美空様には言えない事?」

 

「俺のち〇こがさっきからムラムラしてんだよ。

 吉音が想像以上に無防備で正直キツい。

 なので一二三にサクッと1発か2発抜いてもらう」

 

「ああ、うん。 それは美空様には言えないねぇ……」

 

納得すると同時に微妙に呆れた顔で、犬子は頷く。

殺すか殺されるかの修羅場を切り抜けた直後は、いつもより性欲が強くなる事は犬子も経験している。

 

「分かった、じゃあひとっ走りしてくるから、ちょっと待っててね」

 

そう言うと犬子は自分自身に御家流を使い、犬の姿になってあっという間に走り去っていった。

 

「うわ、びっくり!? あの娘、今変身したよ!」

 

「あれは犬子の御家流だよ」

 

「御家流……何回か話題に出てたけど、何だっけ?」

 

「スタンド能力、人型のヴィジョンが無いタイプの」

 

「ああ成程、完全に理解したよ」

 

身も蓋も無い言い方である。

そして犬子が走り去ってから10秒もしない内に、再び近くの茂みがガサガサガサッ! と音を立てて揺れ動き……

 

「……ちょっと待って九十郎、さっきの話犬子じゃ駄目なの?」

 

「おい馬鹿声が大きい! 吉音に聞かれるだろ!」

 

「九十郎? さっきの話って?」

 

「お前には全然全く関係無い話だよっ!」

 

九十郎は慌てて帰ってきた犬子を抱えて吉音から距離を取る。

 

「犬子も九十郎のお嫁さんなんだからさ、九十郎がその……

 えっちな気分になったなら、ちゃんとしてあげるのがお嫁さんの務めだと思う」

 

「別に一二三でも良いだろ」

 

「あの人は九十郎のお嫁さんじゃないでしょ」

 

「まあ、そりゃそうなんだが。

 あいつはカップ麺感覚でスパッと食い散らかすのに丁度良いんだよ」

 

「それこそ、犬子じゃ駄目なの?」

 

「ははは、前田利家をカップ麺扱いする度胸はねぇよ」

 

真田昌幸をカップ麺感覚でヤリ捨てる男は古今東西九十郎だけである。

埒が明かないと思い、犬子は九十郎の胸倉をぐっと掴むと……力一杯引き寄せながら唇に唇を重ねた。

 

「ひゃぁっ!?」

 

いきなりの状況に吉音が赤面する。

自身がこういう恋人同士の行為をするのは抵抗が無いが、他人がそういう行為をする時は意外と初心である。

 

「うん……ちゅ……んむぅ……」

 

唇の柔らかな感触、舌と舌が絡み合う感触、まじかで感じられる吐息の熱……九十郎の心臓がバクバクと早まる。

 

「ぷはっ!」「ぶはっ!?」

 

犬子と九十郎の唇が離れる。

いきなりの事に混乱する吉音と九十郎。

 

「吉音さん、これから犬子達えっちな事をしてきますのでサイドカーを見ててくださいね」

 

その混乱を犬子は見逃さず、畳みかける。

このまま一気に、有無を言わさずに目的を達する作戦である。

 

「ふえっ!? あ、はい、ごゆっくり……」

 

「ちょ、犬子!? 犬子さん!? 前田さん!? 引っ張らないで!!」

 

そして九十郎がズルズルとそこいらの茂みの奥に引きずられていった。

 

……

 

…………

 

………………

 

「(今、俺の眼前に半裸の前田利家が横たわっている……

 いやこのモノローグ前にもやったぞ。 凄い昔にこういう状況があった気がするな)」

 

茂みの奥に身を隠すと、犬子は躊躇無く衣服を脱ぎ捨てた。

胸に巻いたサラシと、褌以外の全てをだ。

そして巴投げの要領で自身と九十郎の身体を密着させながら横倒しにした。

 

九十郎好みのナイスおっぱいを前に、思わず生唾を呑む。

 

「ねぇ、九十郎。 犬子はさ、九十郎のお嫁さんなんだよね?

 本当に本当に九十郎のお嫁さんで良いんだよね?」

 

犬子の声は震えていた。

犬子の肩も震えていた。

必死に恐怖を押し殺しながらの言葉だと、基本女心に疎い九十郎にも分かった。

 

「前田利家でも……犬子は前田利家だけど、

 それでも犬子は九十郎のお嫁さんで良いんだよね?」

 

九十郎は犬子の頬にそっと手を当てた。

 

「心配すんな犬子。 その辺はもう吹っ切った、もう乗り越えた。

 前田利家って所も含めて、犬子は俺の嫁だ。

 他の誰でも無い、この俺の……斎藤九十郎の嫁にした」

 

九十郎の目に、言葉に迷いは無い。

それは九十郎の確かな言葉、確かな本心からの言葉である。

 

「信じて……良いの……?」

 

「そこは信じろよ、お前はとっくの昔に俺の嫁なんだよ。

 他の誰にも渡しはしない。 特に剣丞みたいなやたらとモテるイケメン野郎にはな」

 

「あはは、それちょっと僻みが入ってない?」

 

「ああ入ってるよ、入ってちゃ悪いか。 それとも、妬んで僻む男は嫌いか?」

 

「あんまり格好良くは無いかな」

 

「がはぁっ」

 

九十郎の精神に100のダメージが入った。

 

「でも、好きだよ九十郎。 時々物凄く格好悪くなるけど、それでも好きだよ九十郎。

 犬子はそんな九十郎が大好きで、本当に大好きで……心の底から愛しています」

 

「お、おう……」

 

真正面からの告白に、九十郎は思わず照れてしまう。

犬子から『好き』の言葉を聞くのはもう何回目かも分からないが、その度に九十郎はしどろもどろになっていた。

 

そして……ふと、気付く。

 

「あの時お前に渡した笄、まだ着けてたんだな」

 

犬子の髪には、かつて元服祝いにと九十郎が買って渡した笄が刺さっていた(第4話)。

信長のお気に入りの茶坊主を叩き斬り、尾張から遁走する原因を作った笄だ(第7話)。

 

「手放せないよ、これは。 これは犬子の宝物だもの」

 

犬子が笄を愛おしそうに撫でる。

 

なお、同時期に壬月から受け取った太刀は三河から越後への蓄電逃亡中に売って路銀に変わっている。

犬子の壬月に対する扱いは、ある意味で九十郎の雫に対する扱いに似ていた。

 

さておき、自分が思い付きで与えた笄を、今でもなお大事に持ち続けている犬子の姿を見て、九十郎は胸の奥から愛おしいという感情が膨らんでいくのが分かった。

 

「可愛いな、犬子」

 

「え、本当? えへへ、嬉しいな」

 

「抱いても良いな、犬子」

 

「そんな事、聞かなくても良いよ。 犬子は九十郎のお嫁さんなんだから」

 

九十郎が胸に巻かれたサラシを指で摘み、ずり下げた。

九十郎好みの張りと弾力のあるおっぱいが、ぷるんと震えて露になる。

 

九十郎は最初に犬子を抱いた日の事を思い出していた。

あの時は成り行きで、性欲に負けて、ノリと勢いで抱いただけで、前田利家を嫁にする決意や覚悟はまるで足りていなかった。

 

だが今は、あの時と同じく非常にムラムラしている点は同じだったが、それ以外の点……前田利家を自らの妻とする意思の強さが大きく大きく異なっていた。

 

「ん……んぅ……んちゅ……」

 

もう一度唇を重ねる。

舌と舌が絡み合い、唾液と唾液が混ざり合う。

 

「ん……ふ、あぁ……んんぅ、気持ち良いよ……」

 

乳房を愛撫する。

指先で乳首をコリコリと撫でまわすと、犬子の口から艶めかしい喘ぎ声が漏れ始める。

 

「ふぁぁあっ! ああんっ! んんあぁう! や、感じちゃ……んんぁあっ!!」

 

股座のワレメを愛撫する。

既に犬子のアソコは愛液で塗れ、褌を薄く透けさせていた。

九十郎の指を簡単に咥え込み、奥をかき混ぜると止めどなく嬌声が響き渡る。

 

そして……

 

「今言う事じゃねぇかも知れねぇけどな……こんな格好、俺以外の男には見せんなよ」

 

九十郎は奥歯をぎゅっと噛み締めて、そう呟いた。

 

「見せないよ。 犬子は九十郎のお嫁さんだもの、他の男には絶対に肌を晒さないよ」

 

犬子は九十郎を安心させようと、その頬に手を添えて、軽く撫でてみた。

 

「他の……他の男には二度と抱かれるな。 もう二度と……」

 

続いて、九十郎はそう呟いた。

 

嫌でも思い出す、オーディンの洗脳魔法によって一時的にではあるが九十郎の事を忘れ、そのまま新田剣丞に抱かれた日の事を(第73話)。

それは犬子にも、九十郎にも特大のトラウマを植え付け、今なお思い出すたびに死にたくなるような、悪夢のような記憶であった。

 

「ごめん、ごめんね九十郎。 本当にごめんなさい。

 もう何回謝ったかも分からないけど、何回謝っても足りない気がする。

 犬子は……約束する、犬子はもう二度と、九十郎以外の男を受け入れたりしないって。

 絶対に、絶対に……絶対に誓うよ、犬子はもうずっと九十郎だけの物だって」

 

そんな犬子の謝罪と誓いの言葉を聞くと……九十郎はギンギンになった肉棒で一気に犬子のお〇んこを刺し貫いた。

 

「んんっ! あ、挿入ってる……」

 

「すまん犬子、不安にさせた。 俺は一生かけてお前を守る。

 お前は一生俺の物だ、犬子。 それともう一つ……愛してる、犬子」

 

九十郎もまた、犬子に誓いの言葉を囁いた。

『愛してる、犬子』そんな陳腐で、ありきたりな愛の言葉が、犬子の心臓を跳ね上げて、思わず飛び上がりたくなる程に幸せな気持ちにさせる。

 

「好きぃ! 大好きぃっ!! んああんぅ! ふぁあっ!

 愛してる、愛してるよ九十郎! 犬子も九十郎が好きで好きでたまらないよっ!!」

 

九十郎の肉棒がズン! ズンッ!! と犬子の子宮を揺らしている。

犬子は何度も何度も愛を叫び、愛を誓いながら喘ぎ声を漏らす。

 

「ああっ、んんぅ、ふああぁっ! 駄目、いつもより気持ち良くて……はあぁぅっ!」

 

犬子の膣内がぎゅうぅっと締まる。

肉ヒダが九十郎の亀頭や竿に絡みつき、ぐちゅりぐちゅりと淫靡な音と共に絶頂の快楽に誘っていく。

 

「あ、あぅあぁっ! んんっ、んあぁぁあっ! ふあうんっ! 九十郎、九十郎ぉっ!!」

 

犬子も九十郎と共に絶頂へと昂っていく。

肉棒が最奥に叩き込まれる度に、その小柄な体がビクンと跳ねて、全身に汗が噴き出して、口からはだらしなく涎が出ていた。

 

そして……

 

「犬子射精すぞ! 膣内に射精すぞっ!」

 

もう限界が近いと悟り、九十郎が最後のスパートに入る。

ピストン運動がさらに大きく、激しくなり、犬子の脳髄に巨大な快感を叩き込む。

 

「んんぐぅ! い、いぐ、いっちゃ……犬子いっちゃうよぉっ!!

 んああぅあああっ!! だめ、ああぁぁっ!!」

 

犬子の全身がピーンと伸びる。

両脚が伸び切り、膣内の収縮も限界になる。

 

そしてその直後……びゅるるっ! びゅるるるるっ!! と犬子の子宮に濃厚で濃密な子種が流し込まれた。

 

……

 

…………

 

………………

 

「急に移動が止まったから心配になって全速力で駆けつけてみたら……

 何で犬子と野外でサカってるのよアンタはぁっ!?」

 

美空の怒声と言うか、罵声が九十郎に向けられる。

 

あの後、抜かずの二回戦をシている途中で美空が到着し、野獣のような乱暴で濃厚なセックスをしている姿を思い切り見られたためだ。

 

「悪い悪い、何かこう……ムラムラしてな」

 

「犬子は九十郎のお嫁さんなので、

 九十郎がむらむらした時にエッチな事をするのもお勤めの一つです」

 

「もう二度と心配してあげないんだから! 残党に襲われてるんじゃないかって、

 もしかして死んでるんじゃないかって本気で心配した私が間抜けだったわ!」

 

犬子と九十郎が申し訳程度の言い訳をするも、美空の不機嫌はそう簡単には直りそうもない。

一方吉音は……

 

「す……凄かった……九十郎って、あんな激しいプレイするんだ……」

 

吉音はサイドカーそっちのけで覗き見を行い、見事に赤面していた。

幸いな、放置されたサイドカーは特に壊されたり持ち去られたりしなかったが、一歩間違えれば貴重かつ危険なガソリンエンジンとミニガンを奪われていた事は言うまでもない。

 

「とにかく、今日の戦でも結構な死傷者、行方不明者が出ているわ。

 一旦この場で体勢を立て直して、江戸城に向かいましょう。

 新戸は何処? 今後の動き方を相談したいのだけれども」

 

「知らん、デカい鬼を射殺したらどっか行った」

 

「はぁっ!? アンタ何しに先行したのよ!? 虎の子のミニガンまで使わせたのに!」

 

美空が九十郎に掴みかかる。

このまま殴り殺すんじゃないかと思う程の勢いである。

 

しかし、結論から言えばこの時の美空の怒りは有耶無耶になる。

何故ならば……

 

「御大将、珍しいお客様っすよ」

 

「は? こんな所に誰が来たのよ? 何の用事?」

 

「小波と姫野っす。 何か今すぐ御大将に伝えないといけねー事があるって言ってるっす」

 

「小波と、姫野……?」

 

服部半蔵正成、それに風魔小太郎……どちらも先日(第145話)越後から逃げ出した新田剣丞を愛する女であり、凄腕の忍者である。

現在、新田剣丞とは未来兵器の取り扱いで敵対一歩手前の状態にある事を考えれば、小波も姫野も限りなく敵に近い立ち位置になる。

 

その2人が急に越軍の本陣を訪ねてきて、『今すぐ伝えないといけない事がある』と言い出したのだ。

美空の頭は少なからず驚愕し、混乱する。

 

「……一応、会いましょう。 ただし暗殺とか自爆とか狙われると怖いから、

 こっちは護衛をつけるし、武器もあらかじめ奪ってからにしなさい」

 

「武器は渡せねーって言ってきたらどうするっす?」

 

「そりゃ叩き出すしかないでしょう」

 

美空がそう指示を出すと……意外な事に、小波も姫野も武装解除に応じ、美空達の元へやってきた。

その身体は全身傷だらけで、顔もやつれ、疲労の色が濃い様子だった。

まるで今までずっと死線を彷徨っていたかのように。

 

そして美空達の前にでるや否や、小波は……

 

「ご主人様を……新田剣丞様を、助けてください!」

 

……地面に額をこすりつけ、美空にそう懇願をした。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。