追伸
戦国†恋姫オンラインやってます。
ID「948ffbd7」
気が向いたら戦友申請を送ってもらえますと嬉しいです。
注・原作キャラが洗脳、凌辱される描写があります。
……ソレは、美空や九十郎が事前に予想していたよりもずっとずっと早く始まった。
「あ……んんぅ! ま、まだまだぁ……」
直江景綱・通称秋子が豊満な乳房をゆさゆさと大きくたわませて喘ぐ。
男性経験はあまり豊富ではない方だが、それでも腰をしならせ、膣肉を締めて精一杯の抵抗を続けていた。
「くっ……ふぅ、ふうぅ……んんぅっ!!」
甘粕景持・通称松葉はズコズコと膣奥をノックされ、その度に甘い声が周囲に漏れる。
いや、秋子と松葉だけではない。
越軍の中枢、越軍の指揮命令の要たる本陣は男女問わず異性を交わっていた。
突如として現れた織田の将兵達によって犯されていた。
「あぁんんぅ! あぁ! ああぁっ!!」
「こ、この……んんぅ! くぅ……っんんぁああっ!!」
秋子が喘ぐ、松葉も喘ぐ。
しかし、2人共見知らぬ男とのセックス自体を拒んではいない。
既に蘭丸の能力によって常識を書き換えられ、戦闘=セックスと思い込んでいるからだ。
そして織田の軍兵が越軍本陣に雪崩れ込んで来たタイミングは、美空や九十郎の予想よりも早かった。
「そらどうした? 威勢の割には大した腰つきではないのだな」
織田久遠信長が秋子達の護衛の1人とセックスをしている。
その表情は快楽に染まったものではなく、余裕があった。
「ふぅっ!! はぁあっ! んんぅ!? い、今のは少し……だがなっ!!」
久遠の子宮口が逸物に吸い付き、愛液に塗れた膣肉が丹念に竿を挟み、絞る。
護衛の男が目を白黒させる。
今にも絶頂し、膣内で射精しそうになるが、ケツに力を籠めてギリギリで耐えた。
久遠は織田信長だ。
そろそろ忘れている読者もいるかもしれないが、織田信長なのだ。
ギリギリ越軍に発見されない人数、ギリギリ発見されない距離を潜み、蘭丸が広域洗脳を行うタイミングを見計らって越軍本陣へ突入する程度の知能と能力はある。
軍事教本に載せられる程に綺麗な奇襲が決まり、越軍の指揮命令系統は一気に混乱した。
「ああぁうあぁっ!! こ、こんな……」
「こんな事が……くうっ! うあぁぁっ!?」
そして今、蘭丸暗殺を狙い単身突撃を敢行した美空に代わり総指揮を任された秋子が、本陣周りの精鋭部隊の隊長である松葉が、2人揃って織田の兵隊とセックスをしている。
セックスをしながら想定外の手強さに驚き戸惑っていた。
越軍本陣に詰めていた者達は、男女問わず織田の奇襲部隊と戦い……いや、書き換えられた常識に従ってセックスをして、ごく短時間で次々とイカされていった。
最初こそ本陣周りの越軍の方が多数だったのだが、1人イカされ、10人イカされ、100人イカされ、凄まじい勢いで数を減らしていった。
それに対し、絶頂して降伏した織田軍は未だに数十名程度。
今では越軍1人に対し、織田の将兵が20~30人もいるという状況だ。
「ま、負けな……いぃっ! んんあぁっ! あぁあっ!!」
秋子は何度も何度もイカされそうになるのを、奥歯を噛み締めて耐えていた。
「く、この……ふぁっ! ああんんっ!!」
松葉もまた、ここが崩れれば越軍がまともに動けなくなると、使命感と強固な自制心をもって快楽の拷問を堪えていた。
「ぐ、うぅ……うおぉっ! し、締まるぅ!?」
そんな中、久遠がぎゅうぅっと自身の膣内を締め上げる。
久遠を抱く男が目を白目を剥き……
「だ、駄目だ……うあぁっ!!」
びゅるるっ!! びゅるるるっ!! と久遠の膣奥に射精した。
「……我の勝ちだな?」
「うぅ……ぐ、うぅ……わ、分かった、降伏する」
久遠が男に跨ったまま勝ち誇る。
膣内射精したというだけで大人しく降伏するのは、蘭丸によって植え付けられた偽りの常識のためだ。
周囲を見れば、織田軍と越軍の戦いはほぼ終わり、未だにセックスを続けているのは秋子と松葉と他数名程度になっていた。
「……あまり時間をかけたくない。 例の手を使え」
久遠はその鋭い眼光で秋子達を睨み、冷徹にそう命じた。
「はっ!」
織田の男達が頷く。
直後、秋子と松葉を抱いていた男達がぐっと腰に力を籠めて立ち上がる。
秋子を、松葉を抱きかかえて、いわゆる駅弁の体位になったのだ。
「く……これは……?」
一瞬たりとも男根を引き抜く事無く、まるで手品のように体位を変えるその手際に対し、秋子も松葉も驚愕する。
しかし、2人がさらにならに衝撃を受けるのはその直後だ。
「これぞ我らの必勝の戦法、必勝の陣形。 とくと味わって貰おう」
「な、何を……!?」
秋子と松葉の後ろに別の男が回り込む。
腰の所に手を回すと、ギンギンにいきり立った男根を……それぞれの菊門に宛がった。
「く、やめ……」
「まさか!? は、離れなさい!」
男達の意図を察した2人が、必死に腰を左右に振って挿入を防ごうとする。
だがしかし、2人共お〇んこに剛直を挿入され、駅弁スタイルで前後から抱き抱えられている状態だ。
そんな状態でできる抵抗なんてたかが知れている。
「んんああぁぁ!?」
「く……うんんぅ!?」
じきに秋子の、松葉の直腸に肉棒が差し込まれた。
別の女を抱いた時に愛液がつき、それが潤滑油の代わりになったためか、無理矢理な挿入行為であったが2人の女達に痛みは少ない。
それどころか、脳髄を犯されたかのような鋭い快楽が2人を襲っていた。
「では……参る!」
秋子を犯す2人が呼吸を合わせる。
松葉を犯す2人もまた、アイコンタクトと共にピストン運動を開始する。
それはここまでのセックスとは別次元の衝撃、別次元の快楽であった。
「あぁっ! あぁっ!! あぁああぁっ!! も、もう……」
「ふぁあっ! ひあぁっ!! い、いぐぅ……んんぅうっ!!」
秋子が、松葉が、だらしなく涎を垂れ流しながら喘ぎ声を叫ぶ。
最早普段の慎みは頭の中から消え失せていた。
子宮をズンッ!! と衝かれたと思えば、直腸をズンッ!! と衝かれる。
まるで餅つきか何かのように、前後にズンズンと、ズシンズシンとタイミング良く衝かれ続ける。
自らの胎内で肉棒と肉棒がぶつかり合い、擦れ合うかのような未知の感覚に、秋子も松葉も翻弄され、抵抗不可能なまま全身が昂っていく。
それは人数的に優位な時、または手強い相手をイカせる時のために連取させた切り札。
対象を確実にイカせる必勝の戦法。
あの森蘭丸の特訓によって会得した織田軍の切り札である。
その切り札の効果は覿面……
「ふああぁぁあああうううぅっ!!!」
秋子がイッた。
「んんううぅぅうんんあぁっ!!」
松葉もまた、後を追うかのようにイッた。
2穴挿しの状態になってから、ものの1分も経たずに2人は絶頂に達したのだ。
そして……
「私……直江秋子景綱は、貴方様に降伏いたします。
本日より貴方様の妻となり、生涯をかけてお仕えします」
「甘粕松葉景持……降伏する。 戦場の作法に従い、貴方の妻となる」
秋子と松葉は全裸のまま、地べたの上で土下座をした。
……
…………
………………
「……秋子がヤられたようね」
「ククク……奴は四天王の中でも最弱」
「いや四天王なんていないわよ、武田じゃあるまいし」
越軍の劣勢を、美空と光璃はしっかりと把握していた。
何人かに通信機能付きのデバイス(D・ゲイザー型)を配ってあり、状況が急変した場合は相互に報告するよう厳命してあったのだ。
「想像以上に素早い、想定以上に手際が良い。 流石は織田信長、やる時はやる」
「今川義元を討ったという話、誤報でもまぐれでも無かったという事か」
「まさに疾こと風の如く、徐なること林の如く、侵掠すること火の如く、
動かざること山の如く、知り難きこと陰の如く、動くこと雷霆の如し……
古の名将・孫武であってもこうも鮮やかな進撃はできない」
「しかし問題は、こっちが蘭丸をどうにかするまでポータルを守り切れるかどうかね」
「あちらが孫子兵法の風林火山でもって攻めるのであれば、
こちらはプリンス・カメハメの風林火山でもって対抗するのみ」
「それ、要するに何事も暴力で解決するのが一番だって事?」
「やはり暴力、暴力は全てを解決する」
つまりは力技である。
「戦国に生まれ、戦国に生きて早32年」
「光璃達が真の邪悪か、今分かる」
「私達の武器は……」
「マカロフ!」
「長ドスッ!!」
「殺意!」「殺意ぃっ!!」
「お楽しみは……」
「これからだ!」「これからだぁっ!!」
美空と光璃がガッチリと腕を組む。
ついこの間まで血で血を洗うような抗争を繰り広げていた2人とはとても思えない所業である。
「何かこう……ついて行けないと言うか、ついて行きたく無いのです」
一方、本多忠勝はそんな2人の世界にドン引き気味であった。
ここに来るまでに何度か織田軍の雑兵達を蹴散らしてきたが、その度に剣を握る手から痛みを感じた。
それは昨晩木彫りの仏像を作っていた際、うっかり手を滑らせて怪我したためだ(第151話)。
その指の傷の痛みを、綾那には何故か神仏からのメッセージのように感じていた。
これ以上人殺しを続けてはいけない、これ以上人殺しの手伝いをしてはいけない、これ以上人殺しに手を貸してはいけないと訴えられているかのように思えた。
そして気が付けば、小手の内側で血が滲んでいた。
敵の返り血に塗れる事は幾度もあったが、自分の血を見るのはこれが初めての事だ。
俄かには信じられない事だが、彼女はこれまで怪我一つ、鼻血一つ無く生きてきたのだ。
「貴様ら、そこで何をしている!?」
「その軍装、越軍だな!?」
……と、そこで複数名の男達が美空達の前に立ちふさがる。
常識外れの速度でカッ飛ばしている九十郎達と違い、普通の手段……要するに騎馬で移動しているが故に、敵に追いつかれたり回り込まれたりする事がある。
「越軍総大将、長尾美空景虎とはこの私よ! 勝負なさい!」
美空がそう叫ぶ。
男達が相互に顔を見合わせて、瞳を輝かせる。
「おお、手柄首だ!」
「その態度、潔し! いざ尋常に勝負よ!」
織田軍の男達が次々と馬から降り、先を争うかのように衣服を脱いでいく。
それは戦闘=セックスという常識に照らせば非常に真っ当な行動であるが……洗脳の影響を受けていない者にとっては非合理極まりない行為だ。
「……死んでしまえ」
パァン! パァン! と乾いた破裂音がする。
それは光璃が手にした拳銃が火を噴き、鉛玉を吐き出し、織田軍の男達を射殺した音だ。
マカロフPM……1951年にロシア軍で制式採用された自動拳銃。
多少旧式化している銃であるが、非合法組織から入手がしやすいという利点がある。
9x18mmマカロフ弾が数名の男達の眉間や顔面を貫き、周囲に鮮血と脳漿がブチ撒けられた。
他の男達が一瞬あっけにとられる。
「お、おのれ狼藉者めぇっ!」
男達が慌てて武器を構え始める。
だがしかし、戦闘=セックスを常識とする彼らが持っている獲物は護身用の小太刀、脇差の類であり、盾も兜も鎧も無い。
戦国時代の常識……戦闘=殺し合いという常識に照らせば、あり得ない挙動である。
「死にたくなければどきなさいっ!」
美空は軍馬を全速で疾走させる。
立ち塞がる男達とすれ違う一瞬、愛刀・姫鶴一文字がギラリと煌めき、生首がぽーんと宙に舞った。
アッパラパー共(戦国時代視点)が相手であろうとも、美空は少しも手を抜かない。
人数的には敵の方が圧倒的なので、少しでも手を抜いたら普通に負けるからだ。
「てやあぁっ!!」
綾那も借り物の軍馬に活を入れ、少し先を走る美空と光璃に追随させる。
そして名槍・蜻蛉切……ではなく、開戦前日に九十郎から受け取った剣魂で織田の兵卒達をブン殴った。
「ぐはぁっ!」
「どわぁっ!!」
綾那が武器を振るう度に、織田の兵卒達が情けなく吹っ飛んでいく。
しかし、それで絶命した者は1人もいない。
剣魂は対神話生物用の兵器であるが、それと同時に大江戸学園における学生同士の喧嘩にも使われる代物だ。
刃引きをして斬れないようにしているだけでなく、最新のナノマシン技術によってインパクトの瞬間微妙に変形し、衝撃を分散させる機能も備えている。
本多忠勝の腕力であっても、剣魂で1~2発ブン殴った程度で人間は死なない。
……死なないからこそ、殺せないからこそ、綾那は蜻蛉切ではなく剣魂で殴ったのだ。
光璃はマカロフPMで、美空は姫鶴一文字で織田の将兵を次々と射殺、斬殺しながら前へ前へと進んでいく。
パァン! パァン! と火薬音がする度に、美空が白刃を煌めかせる度に、命が喪われていく。
蘭丸に洗脳され、訳も知らされずに戦いに参加している被害者の命が……
「(やっぱり、そう簡単には割り切れないのですよ……)」
名槍・蜻蛉切は持ってきている。
立ち塞がる有象無象を切り捨てる事は容易いし、その方が効率的だ。
だがしかし、だがそれでも、綾那はできるだけ殺さぬよう、できるだけ傷つけないよう気遣いながら戦い、先行する美空と光璃を追いかけていた。
「(拙いわね……三昧耶曼荼羅を自分自身に叩き込む『神降ろし』。
あくまで洗脳や催眠に抵抗するための非常手段……長くは保たない……)」
先行する美空は徐々に焦りの表情を見せつつあった。
D・ゲイザー型のデバイスから送られてくる位置情報から、自分達と九十郎の位置がどんどん離れているのが分かった。
軍馬とサイドカーの速度、持久力の差もあるが、道中で遭遇した邪魔者の数も違い、美空達は九十郎と比べて遅い進軍しかできていない。
そして美空の神降ろしは、太く短く放つ御家流を細く短く使い続けるようなもの。
外部からの洗脳・催眠を一時的に拒絶し続けられる時間はそう長くは無いのだ。
「また外した……」
光璃の表情も険しかった。
「(現代ニホンで拳銃の訓練はしてきた。
しかし、全速で走る馬の上で銃を撃った事は無い……
勝手が違い過ぎる、さっきから何度も何度も的を外している。
このままでは……九十郎に追いつく前に銃弾が尽きる)」
マカロフPMからカチッ、カチッ、と弾切れを示す乾いた金属音がした。
マカロフの装弾数は8+1発、8発撃つ度にマガジンを交換しなければ射撃を続けられない。
光璃は腰の小物入れから予備のマガジンを引っ張り出すと、素早く交換……
「……しまった!?」
……交換に失敗した。
全力疾走中する馬の上で自動拳銃のマガジン交換した経験も無ければ、練習もしていない。
その風と振動によって、銃弾入りのマガジンを落としてしまったのだ。
「拾うのは……無理。 仕方ない、切り替える」
やむを得ず光璃は別のマガジンを取り出し、今度はしっかりと入れ替えに成功する。
装弾自体はできたのだが、残り少ない銃弾がさらに少なくなってしまった。
「止まれ狼藉者ぉっ!!」
「これ以上は進ませんぞっ!!」
直後、織田の兵卒達が美空と光璃の前に立ちはだかった。
訓練された軍馬と言えど生き物であり、ずっと全力で走り続ける事は不可能だ。
長い距離を走る間に、ヘバって速度を落としていた。
そして彼女達を止めようとする男達は、最初の頃と違って目の前で服を脱ぐような隙は晒さず、ちゃんと槍や弓矢で武装していた。
「……邪魔をするな」
パァン! パァン! と火薬音。
銃弾が逸れる、逸れる、逸れる……
「……ぐあっ!?」
……4発目でようやく胴体に当てる事ができた。
馬も疲労しているが、光璃自身も戦いによって疲弊し、集中力が落ちていた。
最初の頃と比べて、命中率が明らかに悪い。
「(弾が……銃弾が尽きる……)」
光璃もまた、時間と共に焦りの表情が見えつつあった。
……
…………
………………
「秋子がヤられたみてーっすね」
「ククク……奴は四天王の中でも最弱」
「いや四天王なんていねーっすよ、武田じゃあるまいし」
ポータル防衛部隊の中に、犬子と柘榴の姿があった。
美空の事前の指示によって、越軍の二重・三重の防御陣が組まれ。その手厚さは本陣よりも上であった。
指揮系統の要たる本陣の守りをそっちのけにしてでもポータルを守ろうというその布陣は、戦国時代の常識に照らせば不合理極まりないものである。
しかし、ポータルを守り抜き、現代ニホンからオーバースペック極まりない武器を入手しようという目的に照らせば、非常に合理的な布陣であった。
「……で、本当に救援に行かなくて良いの?」
「御大将の指示を忘れたっすか。 ポータルの防衛が最優先っすよ」
「それはそうだけど……」
柘榴に渡されたD・ゲイザー型のデバイスから送られてくる戦況は、余りにも一方的で、余りにも劣勢極まりないものばかりだ。
ポータルを奪われればこの遠征の目的が達成できなくなるという事は理解しているが、このまま見殺しにしても良いのだろうかという感情は捨てきれない。
「それよりも犬子、織田の兵隊は弱卒だって話、本当っすか?」
「え? そりゃ昔から弱い弱いって言われるけど」
「本陣周りを固めてた連中は厳選に厳選を重ね、松葉が自ら鍛え上げた精鋭っす。
他国人から弱卒と嘲笑われる連中相手に、
こうも一方的に敗れるなんてありえるっすか?」
「どうだろ、久遠様だし、やりかねないんじゃない」
「どーっすかね、この謎を解かないと負ける……そんな気がしてならねーっす」
犬子がうーんと唸るが、柘榴の疑問に対する答えは特に思い浮かばない。
常識を書き換えられ、戦闘=セックスが当然の事と思っている2人には、弱卒と言うのが槍や弓矢での殺し合いでは弱いという意味だとは思いもしない。
「それなら昨日貰った袋、開けない? 犬子達じゃいくら考えても分かんないかもだし、
ここは一つ今孔明様の知恵を借りようよ」
「戦闘が始まってから開けろって……いや、もう始まってる扱いでも良いっすか」
「そうそう、開けよう」
詩乃から預かった秘策の入った袋(第156話)を前に、柘榴が数秒考え込み……
「……まあ、この状況なら早すぎとは言われねーっすかね」
……結局、犬子に言われるまま孔明袋を開ける事にした。
「何が出るかな? 何が出るかな?」
「はしゃぐんじゃねーっすよ」
「いや、犬子ちょっとこういうシチュエーションに憧れてて」
そして袋の中から出てきた紙片に視線を落とすと……2人揃ってぎょっとした。
「……読めないね」
「……柘榴にも読めねーっす」
2人して顔を見合わせて、もう一度紙片を凝視する。
「何これ、字? 記号? それとも絵なのかなぁ?」
「いずれにせよ、こんなのは見覚えがねーっすよ」
「どういう意図なんだと思う?」
「いや、サッパリっす。 とはいえ作戦指示書っすから、
敵に奪われても問題無いように暗号を書いたって事はありうるっすけど」
「そういうのって、事前に暗号の解き方教えておくよね、普通は」
「犬子、何か知らねーっすか?」
「全然、柘榴は?」
柘榴は無言で首を横に振った。
「ど、どうしよっか?
作戦の指示が読めなかったので負けましたじゃ、格好悪いにも程があるよ」
「格好悪さを気にする以前に、御大将に殺されるっすね」
犬子と柘榴が頭を抱えだした。
こんな事なら受け取らなければ良かった、開けなければ良かったとすら思えてしまう。
「いや……待った、柘榴に策があるっすよ」
「え、策!? 柘榴どうしたの? 何か悪い物でも食べた?
もしかしてだけど、逃げるんだよォーーー!! とか言わないよね?」
「言わねーっすよ! 足は使うっすけど」
「え、走るの?」
「その通り、この策には犬子の足の速さが鍵になるっす」
「勿論! 走れば勝てるならいくらでも走るよ!
息が続く限り走るから何でも言って!」
「いや、そこまで走る必要はねーっす」
「え、じゃあどこに走るの?」
「そりゃ決まってるっす。
その辺に書いた本人が居る筈っすから、 探して策の内容を聞いてくるっす」
「さっきの手紙のご用事なあにって? それはそれで格好悪いなぁ……
匂いを辿るから、紙貸して」
「頼んだっすよ、犬子」
「はいはい、ちょっと待っててね」
犬子は御家流を発現させ、自らの肉体を犬に変化させる。
自身の肉体と、噛みついた相手を犬に変えるのが彼女の持つ能力だ。
かつて九十郎に捨てられる恐怖と不安で発現した能力だったが、今は完全に制御下に置いている(第56話)。
そして犬に変わった犬子は詩乃紙片をクンクンと嗅ぐと、バビュン!! と勢い良く飛び出し……
「……連れて来たよ!」
「連れてこられました」
……すぐに戻って来た、詩乃を連れて。
「いや連れて来る必要はねーっすよ。 この紙の意図だけ聞いてくりゃ良いっす」
「あれ、そうだっけ?」
「おや、そうだったのですか?」
なお、犬子の御家流は人並み外れた速度で移動できるが、使用中は知能まで犬と同程度になるのが弱点である。
「まあ良いっす。 貰った暗号が解けずに困ってるっす。
申し訳ねーっすけど、直接内容を教えてほしいっす」
「……暗号は、使っていません」
詩乃はそう答え、犬子も柘榴も首を傾げた。
「えっと、じゃあ……コレって何て書いてあるの? ちょっと読めなくて」
「私にも読めません」
詩乃はキッパリと断言した。
「……何を書いたっすか?」
「覚えていません」
詩乃がまた断言する。
犬子と柘榴はまた頭を抱えてしまう。
「ごめん……犬子、何が起きてるのか理解できないんだけど」
「何で書いた本人が何も分からねーっすか!?」
「柘榴さん、貴女は先ほどこう言っていたそうですね……弱卒と嘲笑われる織田の兵が、
越軍の精鋭を圧倒できるのはおかしいと」
「犬子から聞いたっすか?」
「うん、道すがら話したけど……駄目だった?」
「まあ別に良いっすけど、それよりそれとこれとがどう関係するっすか?」
「織田軍が越軍を圧倒した理由、私が自分で書いた策を読めず、思い出せもしない理由。
おそらくその2つは繋がっています」
「繋がって……?」
「森蘭丸が他人を洗脳する能力を持っている事は知っていますね?」
「ええ、まあ」
「犬子も柘榴も直接の被害者っすからね」
犬子にとっても柘榴にとってもあまり思い出したくない記憶である(第77話)。
「だとすれば、既に私達は3人共洗脳され、頭の中を弄られているのでしょう。
おそらく私は、蘭丸の洗脳と矛盾する何かを書いた。
だから紙が読めない、書いた内容も思い出せない。 そして……」
「織田が越軍に勝てる絡繰りもそこにあるって事っすか……」
「待って……待って、待ってよ!!
犬子達、頭がおかしくなってるって!? そんな感覚全然無いよ!?」
「他に自分で書いた策が読めない、覚えてもいない理由に心当たりでも?
まさかとは思いますが、
この竹中半兵衛が昨日書いた策の内容を忘れる程度の知能だと言いたいのですか?」
「もし柘榴達が、本陣を固めてた味方と同じ洗脳を受けているとすれば……
負けるっすね、このままでは」
「ど、どうしよう……」
「何か違和感はありませんか?
自分のこれまでの人生、これまでの常識と異なる何かを見ていませんか?
聞いていませんか? それに気づけなければ……」
そうして3人が互いに顔を見合わせた時……
「敵襲だぁっ!! 織田軍が来るぞぉっ!!」
どこかからそんな声が聞こえて来た。
それから間もなく歓声が聞こえて、おそらく織田の軍兵であろう全裸の男女達が越軍に駆け寄ってくるのが見えた。
「……どうやら、悠長に話し合いをする時間はねぇみてーっすね」
「応戦しなきゃ……だけど、まだ謎は解けてない……」
「戦いながら考える! それしかねーっす!」
「仕方無い、か……分かったよ柘榴、犬子も腹を括るよ。 詩乃さんはどこかに隠れてて」
「いえ、微力ですが私も手を貸します」
「……危険だよ」
「承知の上です」
犬子と詩乃が頷き合う。
そして……
「犬子! 詩乃! ここで織田軍を食い止めるっすよ!」
「時間を稼げば、きっと美空様や九十郎が何とかしてくれる!」
「森蘭丸の能力……何が正しいか、何が誤りか、それを知る手掛かりは後ろには無い。
今は恐れずに、前へ前へと進むしかありません!」
織田の将兵達が越軍に突撃する。
犬子が、柘榴が、そして詩乃が、まるでストリップショーでも始めたかのように衣服を脱ぎ捨て、一糸纏わぬ裸体となった。
……
…………
………………
「うぐ、ふうぅ、うげえぇぇ……き、気分が悪い……」
その頃、森蘭丸はグロッキー状態であった。
鬼子は人間のサイキッカーよりも何倍も、何十倍も強力な超能力を行使できる。
しかし、鬼子である蘭丸であってもなお、越軍と近隣住民1万以上を一気に洗脳するのは強烈な負担と消耗を生じさせていた。
「うぷっ、吐きそう……頭痛も酷い……悪寒もする……」
剣丞に肩を借りながら、のろのろと織田軍の本陣に向かって歩いていた。
「なあ、そんなに辛いのなら少し休んでいた方が良いんじゃないか?」
「だ、駄目だ……今は少しでも早く、少しでも遠くに離れるんだ……」
心配する剣丞をよそに、蘭丸は休憩を拒絶する。
蘭丸は洗脳のついでに、一二三、湖衣、夕霧、そして織田軍の将兵の何人かを自身の目となり、耳となるよう調整している。
テレパシー能力のちょっとした応用で対象が見たもの、聞いたことがリアルタイムで共有されるのだ。
それ故に蘭丸は知っている、吉音と九十郎がサイドカーをカッ飛ばしてこっちに向かってきている事を。
美空、光璃、そして綾那の3人もまた、自分達を殺すために一直線に向かってきている事も分かっている。
美空達3人に対しては、軍馬というこの時代での常識的な速度で進行しているため、織田軍の配置を変えて迎撃させる事が十分可能だ。
しかし、サイドカーという非常識な手段、非常識な速度で突っ込んでくる九十郎達は、どんなに急がせても迎撃できない事も分かっていた。
「織田軍の本隊から離れて行動したのは失敗だったな……」
……将棋の穴熊囲いのように引きこもるべきだったと後から悔やんだが、ももう遅い。
剣魂に超能力の痕跡を検知する機能がある事は、一二三や夕霧には知らされず、それ故に蘭丸も知らなかった。
織田の本隊から離れた場所から広域洗脳能力を発現させれば、それだけで敵は自分を見失うだろうという予測は見事に外した。
剣丞を含めた必要最小限の護衛は連れて来ているが、それはあくまでも『必要最小限』である。
一歩間違えれば吉音と九十郎の2人に蹴散らされかねない人数しかいなかった。
「剣丞、テレパシーで近くの部隊をこっちに呼び寄せた。
だけど合流できるまでまだ少し時間がかかる。
だから少しでも本体に近づかないと……」
……そう、蘭丸が告げた時だ。
「追いついたあああぁぁぁーーーっ!!」
ガソリンエンジンの爆音轟かせ、吉音と九十郎を乗せたサイドカーが剣丞達の前に現れた。
「よくやった俺の愛車ぁ! ガス欠寸前だってのに良く最後まで走りぬいた!
感動したぁっ!!」
バッファローマンのような体格の大男が、軽く涙を滲ませながら自身の愛車をぺしぺしと叩く。
「そして……やれやれ、間に合ったぜ。 あたしの顔、見忘れ……いや、初対面だった」
桃髪の少女がサイドカーから降り、剣魂を抜いた。