※この作品はR-18です。

戦国†恋姫X 犬子と九十郎(エロ回)   作:シベリア!

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第30話はエロ回ではありません。
第30話URL『https://novel.syosetu.org/105831/26.html』

第32話はエロ回ではありません。
第32話URL『https://novel.syosetu.org/105831/27.html』



犬子と柘榴と九十郎第31話『初体験のやり直し』

「あ、頭痛ぇ……」

 

徐々に白み始める東の空を見ながら、九十郎はそう呟いた。

 

「朝か……今は何時なんだ? スマホも目覚まし時計も無いってのは不便だよな全く。

 と、とにかく起きて、光璃を叩き起こして朝飯食わして……じゃねえや。

 柘榴が来る前に今日の稽古の準備をしなくては……」

 

まだ完全に覚醒しきっていないためか、九十郎は前の生……大江戸学園の学生、斎藤九十郎だった頃の日課をこなそうとしてしまう。

 

「うぐぅ、吐き気もする……完全に二日酔いじゃねーか。

 昨日、昨日は確か……そうだ、牛が丸々一頭手に入ったから、

 久々にローストビーフとヨークシャー・プディングを作ったんだった。

 俺と柘榴と犬子だけじゃ食いきれなさそうだったんで、貞子とか沙綾とか呼んで……

 呼んでもいねーのに虎松と愛菜のクソガキコンビも来て、ついでに空も来て、

 あれよあれよという間に大宴会になって……

 そんで、美空が夜な夜な塩だけで一人酒を飲んでるって聞いて、

 寿命縮めるからつまみ作って届けようぜって話になって……

 全員で春日山城に突撃したんだっけな……」

 

一人静かに飲んでいた美空の下に、酔っ払い軍団がゲラゲラ笑いながら雪崩れ込んでいく光景はまるでコントのようであった。

そんな珍騒動を目撃した秋子、松葉、そして名月のぽか~んとした表情は後々までの語り草になる。

 

「そしてその後は……その後は……ええと、何か喚いてた秋子を殴り倒して、

 松葉を取り押さえて酒を流し込んで……全員で酒をしこたま飲んで……

 駄目だ、そこから先の事が思い出せん……」

 

傍迷惑な男である。

 

ゲラゲラと笑いながら春日山城攻略作戦を練った沙綾、ポン刀片手に真っ先に切り込んでいった柘榴と貞子、ローストビーフで補給したカロリーを催眠術や念動力によって無駄に浪費した虎松、ぷんすかと怒る秋子の後頭部に酒瓶を叩きつけて気絶させた愛菜、嫌がる松葉を取り押さえた犬子、堂島の龍が如く暴飲の極みを披露した空……ある意味では全員が共犯者であったが、一番悪いのは後先考えずにアルコール度数の高い酒を全員に飲ませまくった九十郎である。

 

「犬子……起きろ……」

 

頭痛に耐えながら、九十郎は隣の布団に手を伸ばす。

布団の中をモゾモゾと弄り、女性の柔らかな膨らみを探り当てる。

 

「犬子~、起きろ~、起きないとセクハラするぞ~」

 

そう言いながら九十郎は隣で寝る女性のおっぱいを揉みしだく。

基本的に巨乳好きの九十郎が、朝の目覚ましという名目で犬子にセクハラをするのは恒例行事になりつつある。

乳でも尻でも脇腹でも頬でも、柔らかな肌をふにふにと揉んだり摘まんだりして楽しむのだ。

 

セクハラの勢いで犬子の方も興が乗り、そのまま……という事になる確率は、大体半々程度といった所である。

 

「うん? なんだ……いつもと感触が違うような……?

 いつもはこう、ぽよんって感じなんだが、今日はふにっというか、むにっというか……

 肌の触り心地も少し違うような……」

 

九十郎が違和感を覚えた。

前田利家の胸の感触や肌の触り心地を解説できるのは、世界広しといえどこいつくらいである。

 

「んんっ……ぁん……」

 

隣の布団から声が漏れる。

さわさわ、むにむにと女体を揉みしだく指に呼応するかのように。

 

「あれ? 犬子の声ってこんなんだったか?

 もっとこう……弦巻マキっぽい声だったような……」

 

九十郎の違和感が、疑念が、さらに大きく強くなる。

そして同時に、猛烈に嫌な予感がしてくる。

 

「わ、犬子……だよな……」

 

恐る恐る、九十郎は布団をめくる。

女体を覆い隠す布っきれが外れ……直後、九十郎は血の気が引いた。

 

「さ……寒……もうちょっと寝かせてほしいっす……」

 

九十郎の予想通り、そこには全裸の女性が横たわっていた。

九十郎の予想と違い、セクハラの相手は犬子ではなかった……柘榴だった。

犬子の姿は影も形も無かった。

 

「何……だと……」

 

思わず黒崎一護のような顔芸を披露したが、状況は全く改善しない、好転しない。

九十郎の脳裏で、危険を知らせる半鐘がガンガンと音を鳴らしていた。

ズキズキと痛む頭が、二日酔いの気怠さが、九十郎を肉体的にも精神的にも追い詰める。

 

「(どうする? どうするんだ俺? 今すぐ逃げ……

 駄目だ、苦労して手に入れた心置きなく神道無念流ができる環境が無くなる。

 いや待て、慌てるな、まだ柘榴が全裸で寝ていただけだ。

 単に柘榴が酔いつぶれて、服を脱ぎ捨てた上で爆睡していただけって可能性もある)」

 

そう思い、自分の衣服の状態を確認する。

見事なまでに素っ裸だ、朝勃ちでギンギンに隆起する男根も見えた。

謎のぬめっとした液体が、陰毛を濡らしているのを九十郎は全力で見逃した。

 

部屋を見回す……自分と柘榴以外誰も居ない。

服や下着が乱雑に脱ぎ散らかされていたが、それは間違いなく昨日柘榴と九十郎が着ていた物だ。

 

もう一度確認したが、柘榴も全裸であった。

いっそ清々しいまでに全裸で、なんとも艶めかしい肢体を晒していた。

一糸纏わぬ姿でぐーすかと寝息を立てていた……結構幸せそうに。

 

そして気づく、髪の毛が少し固まっている事を、イカのような栗のような独特の異臭がする事を……まるでそう、顔射して一晩経ったかのように。

 

「待て、あわてるな、これは孔明の罠だ」

 

思わず横山光輝の漫画のような顔芸を披露したが、状況はむしろ悪化している。

そもそもこの時代に諸葛孔明は存在しないし、わざわざ九十郎を罠に嵌める動機も無い。

 

九十郎はもう一度深く深く昨晩の記憶を辿り始めた。

微かに……本当に微かな記憶ではあったが、この部屋で女を抱いたような気がした。

男根を胸で愛撫させ、額目掛けて射精して、その後は……

 

「……挿れた、よな? そしてちょっと血が出て……布団に……」

 

九十郎が滝のように冷や汗を流しながら、そっと柘榴の身体をずらす。

記憶の通りの場所に紅い染み……昨晩、1人の女が純潔を喪った証拠品が存在した。

 

「えーりんえーりん助けてえーりん」

 

思わず八意永琳に助けを求めたが、当然のように永琳は助けに来ない。

そもそも八意永琳は、昔光璃や九十郎がやっていた弾幕系シューティングゲームの登場人物であるので、どれだけ大声で何回呼ぼうが来る筈も無い。

 

九十郎が頭を抱えていると、

気持ちよさそうに寝息を立てていた柘榴がうっすらと目を開けた。

 

「あ……れ……九十郎……すか? 何で柘榴の屋敷に九十郎が……?

 あれ、ここって……柘榴の屋敷じゃないような……?」

 

「ここは練兵館だよ。 何でお前が練兵館で寝てるんだ」

 

「何でって……ええと……昨日は……」

 

柘榴がう~んう~んと頭を捻り……

 

「酔いつぶれた九十郎を抱えて……練兵館に行って……

 布団を出したら急に帰るのが面倒になって、横になって……」

 

そこまで思い出した所で、柘榴の顔がどんどん青褪めていく。

 

「ふ、服……脱いだような……胸を揉まれて、胸で九十郎のアレを挟んで……」

 

九十郎も一緒になって青褪めた。

おぼろげに覚えていた光景が、柘榴の記憶と一致してしまっていた。

 

そして柘榴が布団に落ちた紅い染みに気がついた。

 

「九十郎と、シちゃった……すか?」

 

恐る恐るといった様子で、九十郎に尋ねてくる、。

 

「ああ、たぶんな……いや、個人的には何かの間違いであって欲しいとか思ってるが、

 主君を強姦して打ち首獄門とか勘弁してくれとか思っているが」

 

「打ち首にはしないっすよ」

 

とりあえず生命の危機は無いと判断し、ようやく九十郎は幾分か……まだ完全にではないが、パニック状態から脱する。

 

「で……柘榴はどの辺まで覚えているんだ?」

 

そしてまず状況の把握から始める事にした。

 

「九十郎と……九十郎のおちOちん、胸で挟んだような記憶はあるっすね。

 後は……キスっていうのもしたっす、それは覚えてるっす」

 

「その後は? その……アレだ、挿れたり、出したり……」

 

「うぅ~ん……そぉっすねぇ……?」

 

柘榴が腕を組み、首を傾げる。

何度も何度も唸り、眉間に皺を寄せ……

 

「……全然覚えてねえっすね」

 

「じゃあ証拠不十分で無罪って事にしようぜ」

 

「そんな訳にはいかないっすよ! もっとこう……乙女の純潔を奪ったんだから……

 たぶんっすけど奪ったのだから、責任は取ってほしいっす」

 

「打ち首獄門って言ったら俺は逃げるぞ」

 

「しないっすよ」

 

「磔刑」

 

「それもしないっす」

 

「火刑」

 

「しないっす」

 

「切腹」

 

「九十郎を殺すような事には絶対しないっすから!!」

 

疑り深い男である。

 

「だったら指詰めろとか……」

 

「しつこいっすよ!」

 

本当に疑り深い男である。

九十郎は考え無しである割に、案外ビビリでヘタレなのだ。

 

「あんまりしつこい男は嫌われるっすよ、九十郎」

 

「心配するな、お前に言われるまでもなく俺は非モテだよ」

 

九十郎がモテ始めたらこの世の終わりである。

 

「そうっすか? そりゃあ確かに美形っていう感じじゃないっすけど……」

 

そう言いながら、柘榴は九十郎の顔に手を添えて、じぃ~っと見つめる。

 

九十郎はマッチョのブ男である。

現代ニホンでも、戦国時代でも、美形と言われるような容貌していない。

少なくとも秋月八雲や、新田剣丞と比べれば……いや、比べようとする事自体が失礼なレベルのブ男である。

歌夜や秋子が生理的嫌悪感を抱くレベルのブ男である。

 

「正直、顔は好みじゃないっす」

 

柘榴が真顔で言い放った。

 

「ははは、分かっちゃいたけど地味に抉るなコンニャロウメ」

 

「でも性格は好みって感じがするっすよ。

 何と言えば良いのか……ノリが良いって言うか、馬が合うって言うのか」

 

「性格ね……まあ、何だ。 俺も柘榴の性格は好ましいって思っているぞ。

 柘榴といると心置きなく神道無念流ができるしな」

 

「自転車超便利っす! あと簿記も! おビール様とローストビーフ美味かったっす!!」

 

「ははは、喜んでもらえて何よりだ、後でドライゼ銃も作ってやるよ」

 

「期待してるっす」

 

しれっと1841年採用の未来の名銃を押し付けようとした。

しかし、柘榴も九十郎も未来の銃だと気づいてない。

 

「まあ良い、処罰無しならこっちとしても文句は無い。

 道場の片づけは俺がやっておくとして……とりあえず朝の鍛錬でもやっていくか?」

 

「正直、頭が痛いから動きたくないっすけど」

 

「なら先に朝食でも食うか。 今残ってる物で、二日酔いに効くヤツを作ってくるよ」

 

「柘榴の御飯は大盛りで頼むっす!」

 

「諦めろ、ウチはパン食派だ。 どうしても食いたいってんならアルファ米になるぞ」

 

「干し飯っすか……アレあんまり好きじゃないっすけど」

 

「ならトーストと目玉焼きで良いな、すぐに作るから顔と手を洗ってこい」

 

「はいっす」

 

素っ裸の柘榴が乱雑に脱ぎ散らかされた着物をひょいひょいと拾い上げ、寝室から出ていこうとして……襖の前で、立ち止まる。

 

「どうした柘榴? 何かあったのか?」

 

「さっき、九十郎を処罰しないって言ったかもっすけど。

 あれ……撤回しても良いっすか?」

 

「良し分かった、逃げ支度するから半日待て」

 

「いやだから殺しはしねえっすよ」

 

「じゃあ何だ!? 腕一本か!? 足一本か!?

 カイジみてえに指四本切り落とす気か!?

 それともいつかのAKBみてえに丸坊主か!?」

 

この男は戦国時代の人間にカイジやAKBが通じるとでも思っているのであろうか。

 

「違うっすよ! 初体験のやり直しがしたいっす!」

 

「は? 初体験だ……? 初体験って何の?」

 

「コレのやり直しっす!」

 

そう言いながら、柘榴は布団を指差す……正確に言うならば、布団を染めた紅い雫を。

 

「えっと……挿れたり、出したりの?」

 

柘榴がコクコクと頷いた。

 

「……正気かよ」

 

だから貴様は九十郎なのだ。

 

「柘榴も女っすよ、初めてに多少は夢とか幻想とか抱いてるっす。

 だから……何か悔しいし、釈然としないっす。

 全然全く覚えてなくて、思い出せなくて、気がついたら全部終わってたなんて」

 

「俺もあんまり覚えてないんだよな……挿入した記憶は微かにあるんだが……」

 

だがしかし九十郎には、どんなシチュエーションで挿れたのかをどうしても思い出せない。

 

「だからもう一回やり直すっす」

 

「妊娠したらどうする気だ?」

 

「一回スるのも二回スるのも変わらないっすよ」

 

「分からなくもないがな……」

 

「万一孕んでも、どうにかするっすよ。 駄目……っすか?」

 

「む……」

 

九十郎は迷った。

 

もしもこの台詞を言ったのが前田利家だったなら、山県昌景だったなら、あるいは上杉謙信だったなら、九十郎は即座に断っていた。

寝言は寝て言えとか、エイプリルフールはまだ先だとか、外に井戸があるから頭を冷やしてこいとか言って話を打ち切っていた。

場合によっては、歴史上の偉人をそんな軽い理由で抱けるかと叫んで逃げ出していた。

 

しかし、九十郎にとって柘榴は歴史上の偉人ではない。

九十郎にとって柘榴は柿崎景家ではない。

九十郎にとって柘榴は、どこまでいっても『ただの柘榴』なのだ。

外見も、性格も、おっぱいの色艶形状も非常に好ましいと思っているただの女なのだ。

 

だから……

 

「……今夜、仕事が終わったら一人で練兵館まで来い。

 犬子は適当に理由をつけて外泊させておく」

 

……だから九十郎は、添え前蹴り返すのもアレだよなとか何とか考えて、深く考えずに柘榴の申し出を受け入れた。

 

迷いは無かったとは言えないが、少なかった。

少なくとも、前田利家を抱いた日に比べれば。

 

……

 

…………

 

………………

 

一日があっという間に過ぎた。

少なくとも柘榴と九十郎はそう感じていた。

 

朝起きて、朝食を摂り、軽く鍛錬をして、柘榴は出仕し、九十郎は道場で何人かいる柘榴以外の弟子達の相手をして……後で分かった事だが、犬子は気絶するまで酒を飲み、春日山城の廊下で酒瓶を抱えて寝ていたそうだ。

公務が終わった頃、犬子と柘榴と、図々しく飯をタカリに来た虎松や美空、空と愛菜のために食事を用意して、夕食後犬子、美空、柘榴と鍛錬をして、日が暮れた頃に美空を邸宅に帰し、犬子に空と愛菜を送り届けさせて、虎松はケツを蹴っ飛ばして追い出して……

 

そして……

 

「美空様、送って来たっすよ~」

 

美空と共に練兵館を発った柘榴が戻ってくる。

網傘を深々と被り、防寒用の蓑を纏い……まるで人目を避けているかのように。

 

「犬子はクソガキコンビと一緒にお空ハウスでお泊り、これで今夜は邪魔者無しと」

 

お空ハウスって表現を使うと、何だか地霊殿みたいだなぁ……なんてどうでも良い事を考えながら、九十郎は柘榴を寝室に連れて行く。

 

柘榴のようなナイスバディを抱けるのだと、九十郎は内心ウキウキしていた。

九十郎とて、人並に……というか、人並以上の性欲がある男性なのだ。

 

寝室には既に、犬子と柘榴が仕事をしている間に洗濯され、昨晩の情事の痕跡が奇麗に洗い落とされた布団が敷かれている。

お日様の匂いがする、真っ白の布団に柘榴を押し倒す。

 

「な、何だか……こうやって顔を突き合わせていると、緊張してくるっすね」

 

「心配するな、リラックスして天井の染みでも数えていれば良いさ。

 経験者の俺が優しくリードするからな」

 

ただし、九十郎の経験はオンリー犬子だ(粉雪の件はノーカン)。

 

「九十郎は今、どんな事を考えてるっすか?」

 

「こんな美女をタダでヤれるなんてラッキーだぜ、

 げっへっへっへっへ……とか考えているぞ」

 

正直な男である。

だから貴様は九十郎なのだ。

 

「九十郎が女性にモテない理由、分かったような気がするっす。

 九十郎が好きになるのは、相当なゲテモノ好きだけっすね」

 

そう言うと柘榴は、苦笑しながら自分に覆いかぶさる九十郎の顔に手を添え……唇と唇を触れ合わせた。

 

「最初はキスからっすよね……

 昨晩の事は良く覚えてないっすけど、そこは覚えてるっすよ」

 

そしてはにかんだ。

柘榴も九十郎も、顔が真っ赤になっていくのが分かった。

 

「……今のは結構破壊力があったな、ちょっとドキっとしたぞ」

 

「ええ~ちょっとっすか、柘榴結構勇気出したっすよ」

 

「ははは、俺を本気でドキリとさせたいならネコ耳カチューシャでも着けて来るんだな」

 

「ネコ耳、好きなんっすか?」

 

「神道無念流と巨乳の次くらいには好きなかな」

 

性癖の歪んだ男である。

柘榴と九十郎が苦笑しながら顔を近づけ、もう一度唇を合わせた。

 

「……キスの次はどうするっすか?」

 

「色々あるんだが……次はディープキスってのはどうだ」

 

「ディープっすか? なんか蠱惑的な響きっすね」

 

再度2人の唇が重なる。

ついばむような軽く短いものでない……長く、そして深く深く唇を押し付け合い、腔内で舌と舌が絡み合わせていた。

 

「ちゅ……んむぅ……んんっ……」

 

まるで舌先に乗せた飴玉のように、自分の心が溶けていくかのように思えた。

男性の舌が、唾液が、甘いと感じていた。

雰囲気に酔ってしまっていた。

 

「なんか良いっすね、こういうの」

 

「ははは、良くなるのはこっからだよ」

 

九十郎が手馴れた手つきで柘榴の服を脱がせる。

露わになった胸部に舌を這わせる。

乳首をチロチロと舐め、軽く噛み、吸って……巨乳好きの九十郎は内心歓喜する。

 

「あ、うっ! はぁっ……くっはぁっはぁ」

 

未知の感触に、未知の感覚に柘榴が驚き、戸惑う。

今まであまり意識していなかった感情が、そこにはあった。

自分が女である事を、自分が男に求められている事を、自分が発情しつつある事を、自覚しつつあった。

 

「下に参りま~すっとね」

 

柘榴の寝間着を完全に剥ぎ取り、ぱんつも脱がせる。

 

「うわぁ……か、完全に真っ裸になっちまったっすね……ちょっと、恥ずかしいっす」

 

「昨晩もマッパっだっただろうに」

 

「そ、そこは忘れてほしいっす! ほら、今はやり直し中っすよ、昨晩は忘れるっす!」

 

「ははは、なら今日は忘れられないようにしないとな」

 

そして今度は、柘榴の下の口に舌を這わせる。

 

「ふっうっ! ううぅはぁ……か、身体中にキスするっすね……」

 

身体の芯が痺れるような感覚に、柘榴が目を白黒させていた。

 

「基本は大事だろ、どんな分野でも」

 

「キスは基本っすか、覚えておくっす」

 

「後はそうだな、こういうのとか……」

 

舌の次は、指を這わせる。

クリトリスを中心に、マッサージでもするかのように撫でまわす。

 

「……ぁあっっんんっ! んあっ!」

 

柘榴の顔が紅潮していく。

性欲が刺激され、身体が熱く燃え、発情していく。

男が欲しい、男と交わりたいという原始的な情欲が昂っていく。

 

「っぁううぅっ……ふわっあ!」

 

「可愛らしい声を出すじゃないか。 エロい露が出てきてるぞ」

 

「エロい露っすか……?」

 

「愛液って言うんだ、気分が乗って来た時にココから出てくる」

 

「ああ、これ愛液って言うっすか。 下着がくっついて気色悪くなるんすよね」

 

「愛液が出てない時に無理矢理挿れると、肉が擦れてお互い痛い」

 

「そ、そうなんっすか……じゃあ柘榴、その……まぐわう準備、できたって事っすね」

 

「そうだな……」

 

ひくひくと充血するワレメを、唾液に濡れた胸を眺めながら、九十郎は自らの逸物を扱く。

自分が柘榴を抱く光景を想像し、自らを鼓舞し、発情させる。

 

むくり、むくりと、九十郎の男根が臨戦態勢になる。

 

「二回目になるっすけど、柘榴にとっては初めてっすから、その……」

 

「優しくだな、まあ任せておけ」

 

げっへっへっへっへっと鼻の下を伸ばし、下品で厭らしく笑いながら、九十郎は柘榴の両足をがばぁっと大きく開く。

ギンギンに勃起し、ドクドクと脈打つ肉棒が、柘榴の秘所に宛がわれる。

 

女を抱きたい、女を犯したい、男根を子宮に叩きつけ、射精して、孕ませたい……そんな男の原始的な欲求を柘榴は感じ取った。

自分の心臓が高鳴っていくのが分かった。

 

不思議と恐怖や不安は薄らいでいた……その代わりにあるのは期待と、歓喜だった。

 

「挿れるぞ……」

 

ちょっとウキウキした気分で、九十郎は亀頭をワレメに押し当て、力を籠めて腰を沈めていく。

柘榴の肉ヒダを掻き分けながら、ずぷずぷとカリが、竿が飲み込まれていく。

 

そして……ぶちっ! と、亀頭が何かを引き千切るような感触がした。

 

「い……つぅ……」

 

同時に、柘榴の顔が僅かに歪む。

 

「んん~?」

 

九十郎はその感触の正体に気づくのに、そう時間はかからなかった。

九十郎の経験はオンリー犬子であったが、犬子を抱いた時の事は大体覚えている。

処女膜を突き破り、引き裂いた時の感触も覚えている。

 

九十郎が注意深く接合部……柘榴の外ビラに指を添わせると、指先に血が付いた。

もしかしてコレ、破瓜の血ってヤツなんじゃ……九十郎がそう考えるまで、時間はかからなかった。

 

「一晩で膜が再生……なんてオチは無いよな、流石に。

 てことは……アレ? もしかして昨日抱いた女って柘榴じゃなかったのか!?」

 

「そ、それは……正直、挿れた時の事は覚えてないっすけど……」

 

「柘榴、昨晩俺をこっちに運んだって言ってたよな。 1人で運んだのか?」

 

「いや、2人で。 九十郎、身体大きくて重かった……か……ら……」

 

柘榴と九十郎が冷や汗を流しながら、同じ結論に達する。

昨晩九十郎が柘榴を抱いたのは、ただの勘違いだったのでは……と。

 

「おいどうするんだ? 今度こそ上司強姦した罪で打ち首獄門か!?」

 

「落ち着くっす、こういう時どうしたら良いかは美空様から教わってるっす」

 

柘榴が真面目な顔でそう告げる。

どんなに恰好良い台詞であろうとも、全裸で股座にちOこが半挿入されている状態で言っては説得力が無い。

 

「ど、どうするつもりだ……?」

 

しかし九十郎はそれに縋った。

 

「ノリと勢いに身を任せるっす!」

 

柘榴はそう告げた。

なんとなく……柘榴自身にも理由は説明できないが、なんとなくこのままお終いというのが嫌だったからだ。

 

「一瞬でもお前に頼ろうとした俺が間抜けだったよ」

 

そんな事を言ってはいるが九十郎もノリと勢いで突っ走るタイプだ、

昨日の乱痴気騒ぎなんかは特に。

 

「と、とりあえず一旦抜くぞ。 それで……」

 

「駄目っす! ここまで来てお預けなんて酷いっすよ!」

 

「いやだが、マジで妊娠したらどうする気だ!?」

 

「柘榴がどうにかするっすよ」

 

そう言うと柘榴は、両足で九十郎の胴体を挟み込み、両腕で九十郎の肩を掴み、ぐいっと自分に引き寄せる。

 

軽い痛みと共に、半挿入状態だった肉棒が完全に膣肉に包まれる……

 

「3秒ルールとか……流石に無理だよなこりゃあ……」

 

「今更何言ってるっすか。 初体験のやり直しが本物の初体験になっただけっすよ」

 

「それはそうなんだが……ええいくそ、こうなりゃヤケだコンチキショウ!」

 

そして柘榴に続き、九十郎もノリと勢いに身を任せた。

まるで叩きつけるかのように乱暴に、乱雑に腰を振り、鐘つきのように亀頭をぶつけ、自らの性欲を満足させようとする。

 

「いぎっ! い……ぅづ……ちょっと九十郎! 痛いっすよ!」

 

「初体験は痛いものだ! 諦めろ!」

 

「酷いっすよ~」

 

無駄に鍛えられたパワーによって、容赦無く処女の内部が蹂躙される。

初体験故の緊張が内部を固くし、男根を拒むように抵抗する。

それが逆に、九十郎の性感を高めている。

 

「柘榴、もうちょっと力を抜いた方が良いと思うぞ。

 股間に力を入れてると、もっと痛くなると言うか……」

 

そのまま最後まで乱暴に、独りよがりに終わるかと思われたが、九十郎は止まった。

 

九十郎は一応、女性を抱いた経験があった。

そして相手はただの柘榴……前田利家でもなければ、山県昌景でもなかった。

だから九十郎には精神的に余裕があった。

訳も分からず、痛みを堪えようとして頑なになっていた柘榴に気づいたのだ。

 

「力を……抜く……? こ、こんな感じっすか?」

 

まるで天日干しにされるイカか何かの様に、柘榴は全身をぐだ~っと弛緩させてみる。

 

「ああそんな感じだ、今度はゆっくり動くぞ……」

 

「は、はいっす」

 

今度は乱雑に……ではなく、気遣うようにゆっくりと九十郎の腰が上下に動く。

 

「……ふっうっ! ……ぐっ!」

 

痛みはあった、血も出ていた。

だけど先程までよりも何倍も楽になった。

 

「九十郎、気持ち良いっすか……?」

 

「ああ、ギチギチと締め上げてくるみたいで、正直想像以上に良い感じだよ」

 

「そ、そうっすか……」

 

九十郎に具合の良さを褒められると、柘榴は何故か、膣内から感じる痛みが少し軽くなったような気がした。

 

「もうちょっと強く動いても良いっすよ」

 

「大丈夫かよ?」

 

「初体験は痛いものっすよね?」

 

九十郎の身体の下で、柘榴がにかっと笑った。

 

「まあ、それはそうだが……」

 

九十郎が腰を上げ、腰を落とす。

ずしん! と柘榴の下腹部に、膣内に、子宮に衝撃が走る。

痛みは想像以上に少なかった、いやむしろ……

 

「んんっ! ぁううぅあ!」

 

徐々にではあるが、女の声が出るようになっていた。

下腹部から漣のように、セックスの快楽が押し寄せてきていた。

 

「あっああっ! ふわっふわあぁっ!」

 

脳裏がビリビリと痺れていくように感じた。

女の本能が呼び覚まされていくように感じた。

自分が昂っていくのが分かった。

 

「ぁあっっんんっ! んんっ! っあふわっ!」

 

はしたない声が次から次へと溢れ出た。

ふと自分の下腹部を見ると、エロい雫も溢れているのが分かった。

 

「ざ、柘榴……あんんっ!

 九十郎に女にされてるっす……ぁあっんんっ! ぁああっっ!」

 

「いっそこのまま俺の女になってみるか」

 

九十郎はそう告げた。

本人的には半分冗談で言った言葉だ。

 

だがしかし、かつて光璃が『み、耳が孕む……』と表現し、徳河吉音が『目を閉じて、声だけ聴いていればイケメンかも』と表現した、九十郎ボイスの破壊力はかなり凶悪だった。

まあ、光璃も吉音も『顔は残念』と口を揃えて付け加えるのだが。

 

何にせよ、柘榴には悪魔の囁きにすら聞こえた。

 

「柘榴……九十郎の女になっても良いっすか……?」

 

「俺的には大歓迎だな。 柘榴はあれだ……一緒にいて気が休まる」

 

犬子が近くにいると地味に緊張するんだよな、未だに……流石に口には出さなかったが、九十郎は割と酷い事を考えていた。

 

「本気にするっすよ、九十郎……」

 

柘榴は小さく呟いた。

声が小さすぎて九十郎の耳には届かなかったが。

 

「あ……んんっ! ぁあっんんっ! あっあ!」

 

獣のような嬌声が練兵館に響く。

痛みはもう全然気にならなくなっていた。

全身全霊で九十郎を……九十郎とのセックスを感じていた。

 

「ぁあっふわっあんんっ! っぁんんっ! ぁあっ!」

 

自分の心が塗りつぶされてく感覚、九十郎の女にされていく感覚……それが柘榴にとって、何よりも心地良かった。

 

「柘榴、もうすぐ出すぞ……」

 

そんな声が聞こえた瞬間、柘榴は反射的に九十郎に抱き着いた。

何かを考える余裕は無かった、本能的な行動だった。

柘榴の本能が、女の本能が、九十郎の精液を子宮に浴びたいと訴えていた。

 

そして……

 

「ぁあっううぅぁあっんんっ!」

 

自慰をしている時、時々行きつく絶頂の感覚……それが柘榴を貫いた。

全身がビクンビクンと痙攣し、膣内がギュウウっと収縮し……

 

「……くっ、あうぁあっ!!」

 

九十郎の呻き声と共に、子宮に精液が放出された。

 

「ほ、本気に……本気にしちまうっすよ……」

 

自分の股座から漏れ出る白濁液を見下ろしながら、柘榴がそう呟いた。

柘榴は今、本気で九十郎の女になってしまおうかと考えていた。

 

……

 

…………

 

………………

 

柘榴を抱いた日から数日後。

九十郎は硝酸の大量調達の準備のため、トンテンカンと金槌を振るい、何やらドーム状の物体を作成していた。

 

「結局、布団に付いてた血痕は何だったんだろうな。

 誰かが鼻血でも……いやだが、ちOこ挿れて血が垂れてた記憶はあるしなぁ……」

 

手は全く止めず、そんな事をぶつくさと呟きながら。

 

「九十郎殿、何を作っておられるのですか?」

 

「貞子か、見りゃ分かんだろ圧力釜だよ」

 

「圧力……」

 

「硝酸カリウムを作るのに使うんだよ。

 それより貞子、今日はビールと弟子入り賭けての試合はできんぞ。

 この間の大宴会で1滴残らず飲み干したからな。

 新しいビールは今醸造してる最中だから、もうしばらく待ってろ」

 

「ええ~」

 

「ええ~じゃねえよ、後先考えずにバカスカ呑みまくりやがって、

 後始末とか秋子からの説教とか、諸々大変だったんだぞ」

 

後先考えずに酒を呑ませまくったのは九十郎なので、割と自業自得である。

 

「とはいえ、御蔭でちょっとした役得もあったけどな」

 

九十郎は柘榴との一晩を思い出し、ニヤニヤと下品に笑う……

 

「そうですか、役得ですか……」

 

「思う存分神道無念流はできるし、良い女を抱けるしで、

 越後に来てから良い事ばっかりが起きるな」

 

すると小悪魔のように妖艶に笑いながら、九十郎の耳元にそっと口を寄せ……

 

「……また、シましょうね」

 

貞子がそう呟いた。

 

……瞬間、九十郎の表情が凍り付いた。

 

九十郎はしばしの間、ぽか~んと間の抜けた顔を晒し、立ち去る貞子を見送る。

最初の数秒は、何の事か分からなかった。

賭け試合の事か、大宴会の事か、それとも……僅かに覚えている、男と女の交合かと。

 

そう思い至った次の瞬間……

 

「お前かーいっ!!」

 

そう叫んだ。

 

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