※この作品はR-18です。

夢姫伝説   作:Mr,J

9 / 21
第8話

「こんにちは。刑事課課長のヨシナガと言います。こちらは新米のクロダ君です」

 

「ようこそ、お待ちしておりました」

 

ヨシナガと言う男性は、見た目50代後半位の男性だった。クロダはま20代を過ぎたばかりの男性であった。

 

タナカは2人に客間用のソファーに座る様勧める。2人の刑事に一連の流れに付いてタナカは、詳しく説明をする。若手の見習い刑事は、ペンを持ってメモ帳に内容をメモ書きする。

 

話が終わると、刑事課長は「ふ...む」と、目を閉じて…しばらく考え込む。

 

「話を聞いて、君はどう思ったかね?クロダ君...」

 

「そうですね。一連の流れからして言える事は、あえて我々が首を突っ込む程の重要性は、感じられませんね...気になる事と言えば、逃げ出したアンドロイドの性能が、どの程度なのかが不明なところですね。それで我々警察が協力するかが問われます。しかし...協力するとなると、マスコミも嗅ぎつけて来ます。その辺の覚悟はしておいた方が宜しいかもしれません」

 

「確かにアンドロイドがどの程度の性能なのかは重要な点であるな。我々の警察署にも、お宅のアンドロイドが事務の受付をしているが、そんなに優れた機能を持て余しているとは思えないですな...」

 

「ふむ...性能ね...。基本的なアンドロイドのシステム基本スペックは、CPUナノシステムコンピューター高性能半導体チップ最大10ペタバイト(1ペタは10の15乗、つまり千兆の位)、藍色ホログラム発光レーザーを搭載、瞬時に100層までのデータ信号を読み取る事が可能。約1秒間に最大で1垓(垓は京の4乗である。つまり10の20乗)までの計算処理速度を行う事が可能...などと言っても、直ぐには分からないでしょう?」

 

刑事の2人は、何を言われたか分からずにポカンとしていた。

丁度その頃、来客者用に紅茶を持って来たメイド用のアンドロイドが来た。

タナカは、彼女を見て

「丁度良い...ユミよ、君の性能を彼等に見せて上げなさい」

 

「かしこまりました。では...すみませんがWBを、貸して下さい」

 

ユミと言う名のアンドロイドは、ヨシナガからWBを受け取ると立体パネルを開き、画像項目をスラスラと、ページ項目を捲って行くと。

 

「ありがとうございます。ヨシナガ様、WBをお返しします。大体の事は分かりました」

 

「え?今ので分かったの?」

 

「はい。最近、右腕をケガなされましたね。現在も治療中のようですね」

 

「その通りだ、この間犯人との格闘で、右腕を痛めたのだ」

驚いたヨシナガは右腕の袖を捲って包帯を見せる。

 

「あと…今年、お孫さんが生まれましたね。非番の日は夫婦で温泉に行く事が楽しみですね」

 

「当たっている、その通りだ!」

 

「クロダ様は、今度御結婚なさるのですね。おめでとうございます」

 

「あ...はい、ありがとうございます。そこまでわかったの?」

 

「あなたは、警察官になる前はセールスマンをしていました。取り引き先の会社で奥さんになられる方と知り合い、そのまま交際をしたのですね」

 

「正解です。凄いですね」

 

「凄いなアンドロイドは。警察署にいるのも、こんな事が可能ですか?」

 

「我が社の物なら、大体基本スペックは同じですから可能です。彼女の様に細い身体でも、アンドロイドの持つ出力は最高出力は1000kwで、軽く貴方達を投げ飛ばす事が出来ます。ちなみにアリサは、この数倍の性能を持ち合わせています。今、彼女が貴方達の経歴を読み取るまでに、数分程掛かりましたが...アリサは、その上の数十秒単位で、何千人ものデータを読み取ってしまう程でしょう」

 

「恐ろしいですね」

クロダが呟いた。

 

「そう...恐ろしい程です。もしも悪用されたら、間違いなく世界を恐怖に貶め入れてしまう可能性があります」

 

「なるほど...で、我々の協力は、如何程にすればよいのですか?」

 

「アリサの捕獲の援護を頼みたいと、思います」

 

「分かりました。しかし...集団での行動は目立ちますので、小規模でもかまいませんか?」

 

「そうですね。現状逃亡している様には思えないので、目立たない程度に行動して戴ければ幸いです」

 

「分かりました...では、署に伝えておきます。クロダ君、良いかな?」

 

「はい。報告をしておきます」

クロダは、そう言って部屋を出て行く。

 

「ところで、話は変わりますが...お宅の製品は、どの程度まで使えますかな?」

 

ヨシナガがニヤ付いた感じの眼差しで、タナカを見る。

 

「ほぼ...生身の女性と区別されない程に仕上げています」 

「あちらも...ですか?」

 

「ええ...もちろん、女性の物と...さほど変わりはありません」

 

「私は、長い事今の妻と一途にして行きましたが、最近妻も年を取って、うまく夜の相手がして頂けなくてね。腰の辺りが少し寂しくてね、そちらの若いラブドールを少し貸して頂けると嬉しいですがね」

 

「それならば、どうぞこちらへ」

タナカは、席を立ちヨシナガを連れて、部屋を出て行く。

 

2人は、製造工場へと向かう。そこには数十体のアンドロイドがガラス製の培養液の中に入って眠っている状態で置かれている。

 

「我が社のアンドロイドは、全てオーダーメイドであり受注生産で製造されてます。その為…同じ顔、同じ体は、一体もありません。ただし...ラブドールに関しては別課題です。年齢は若く10代後半~20代前半である事が必須条件であります。顔立ちは整っていて、美しいスタイルである事が、多く求められます。その為、似たルックスが多いです」 

 

タナカは、工場の奥の扉を開けさせてヨシナガを奥へと連れて行く。奥の室内は、ピンク色のライトに照らされた室内だった。薄気味悪い感じがした。何処からか「ウフフ...」と、女性の笑い声が聞こえた。

 

「我が社の全てのラブドールは、こちらで製造しております。非公式である為、あまり公にはされていませんが。これらも全てオーダーメイドで製造されている物ばかりであります。我々の間では、彼女達をルナシリーズと呼びます。その中でも特に最高品質である物をルナ・リスファーシリーズと呼んでいます」

 

タナカが進む先には、女性用アンドロイドが、ガラス製のパネルの中に、閉じ込められていて、白い衣服に身を纏い、眠っている状態で保管されていた。

 

見方を1つ間違えれば、全てが仏さんにも見えかねない感じがした。

「当初の目的は、こちらがメインで販売されていたのですよね?」

ヨシナガが眠っているアンドロイドを見ながら言う。

 

「よくご存知で...そうです。本来は、こちらを主点に製造販売していました。しかし...あまりにも人間に似すぎると、口うるさい御婆さんや、政治家達による批判を受ける的になり、公式での販売を避ける事態へと発展して行ったのです。ラブドールを購入した人達からは、生身の人間を相手にするよりもずっと感度が良くて気持ち良いとの言葉が後を絶ちません。それが反って彼等アンドロイドの居場所を狭める行為となって行くのです。販売を開始してわずか10年程の間に、ラブドールの販売は毎年の様に様々な制限が課せられています。今では...この子達による人権法さえ出ている程です。完全な人間でないのに...購入者にはアンドロイド条件として、1人の者が購入出来るアンドロイドは1体のみ...と言う決まりが既に発生しています。以前は裕福な方が軽く10体程購入して行ったのに...現在では制限が課せられて困っています」

 

「大半の流れは知っていましたが、国内の政治団体が、そこまでややこしくしていたのは、始めて聞きました。ある家庭では遺産相続をアンドロイドにしてしまったとの噂話を聞いた事がありましたが...国内の法が既に人権レベルとして取り扱っているとなると、下手に利用するのさえ難しくなりますね」

 

「最近では、男性購入者達が、あらかじめ年齢の低いアンドロイドを選び数年かけて、発育させてラブドールにする方法を選ぶ方が多いのです」

 

「成長するのですか?アンドロイドが?」

 

「子供型アンドロイドには、あらかじめ発育システムが搭載されているのです。月単位~年に1回、培養液に入れて自分好みの成長を楽しませるサービスを行っています」

 

ヨシナガは唖然とした。人間に近い機能を持ち合わせていると言っても、発育機能があると言う事は、それはもう...人間とほぼ同じ事であると確信した。

 

「良ければ、どれか一体を、お相手に使わせますが?」

「基本システムやスタイル等は、同じ何ですよね?」

 

「ええ...先程のメイド用から、こちらに眠っている物まで、ほぼ全て同じであります。膣の機能は、平均女性に基づき、濡れ具合も全て女性の感度を参考によって作られていますので、男性器が入って摩擦する感度は、かなりの物だとの評価を得ています。ちなみにアリサにも、ラブドールとしての機能が添え付けられています。彼女には我々としては、初の子宮としての機能を搭載させてあります」

 

「ここにいるアンドロイド達とは違う...と言う事ですか?」

 

「ええ...、つまり彼女には月経があるのです。血液を持たないアンドロイドですから、生理の時は粘膜の様な物が出ます。やり方によっては子を宿す事が可能だと思われます」

 

「アンドロイドが、人間の子を生むって言う事ですか?」

 

「多分...そうなると思います。実際まだ分かりませんが、可能性としては十分考えられます」

 

ヨシナガは、眠っているアンドロイド達をみて、限り無い可能性を秘めた少女姿の人形に、わずかながら興奮を抱いていた。

 

「こんなに沢山いては、どれが良いか迷いますね」

 

「お好みでどうぞ」

 

ヨシナガが選んだのは、とりわけ可愛い顔立ちの女性だった。

「この子にします。あのアイドルのレナちゃんに似ている」

 

「なかなか良い物を選びますね。注文でレナに似た子を、作ってくれとの要望があり、我が社でも、製造に随分時間の掛かった物でもあります」

 

タナカはWBを使い、工場設備の要員を呼び、眠っているアンドロイドを起こすように呼びかける。

 

「でも...良いのですか?お客様に提供する物を勝手に使わせてもらって?」

 

「車でも、テストドライバーがいるでしょう?我が社も、あらかじめ製品を出荷させる前には、女性器や、男性器の機能を確認する為に感度のチェックとかをこまめに行います。もちろん使用した後は培養液に入れて未使用前の状態へと戻します。そうしてお客様の所へと出荷します。しかし...性器のチェックは、最初はうちの社員がしていましたが、だんだん嫌気がしてきて、最近はバイトなどを雇う様になって来ているのです。それでも足りない位で困っているのです」  

 

工場で働いている従業員達が来て、ガラス製のパネルに入ったアンドロイドを取り出す。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。