- 亜希菜視点 -
ゴソゴソと私の脚を何かが這い廻る感触で目を覚ます。
私は真っ暗な無意識の世界から引きづり出される様に現実に戻された。
いや、現実じゃない。夢の世界だ。
とてつもなく、いやらしい悪夢…。
意識が徐々に戻ってくると蒸し暑さと全身のだるさ、それと股間に残る快感の名残が蘇ってきた。
意識を失う前と変わらず、手は背後でキツく縛られ自由は効かなかった。
身に付けているのはパンティーだけで…、いや、それも脱がされ全裸になっていた。
さっきの脚を這い回る感触は、下着を脱がされてるものだった。
チューチューと何かを吸う音が耳に届く。
目を開けると孝典くんの姿をした悪魔が私の汚れたパンティーをすすっていた。
「やっ…やめてよ! 何してんのっ変態!」
私は驚きと恥ずかしさで思わず叫ぶ。
「アッキーのオシッコ、美味しいよ。もっとたっぷり飲ませてよ」
私は絶句した。
さっき気を失う前、私はこらえきれずに失禁してしまった。
それだけでも恥ずかしくて死にそうなのに、彼は私が気を失っている間にパンティーを剥ぎ取ってそれをすすっていたのだ。
私は今、夢の中でいやらしい悪魔にオモチャにされている。
こんな夢を見だしたのはここ最近だ。
これまでこんなにも異様な夢は見たことが無かった。
どんなに夢が覚めるように願っても逃げられない事はこれまでの経験で分かっていた。
彼は夢の中では魔法使いの様に不思議な力を操り全てをコントロールしていて、彼が許可しなければこの夢から逃れることができなかった。
孝典くんの姿をしているけど、悪魔のような行いは本人とは違うと感じた。
彼はこんな粘着質ではなく、もっと薄っぺらい感じた。
孝典くんは女たらしで性格に問題はあるけど、ここまで酷い事はしないと思う。
なぜクラスメートの孝典くんの姿なのか理由はわからないけど、彼が私にしてきたことは卑劣で陰惨でいやらしかった。
彼は今回、おかしな器具を使って私をいたぶっている。
たぶん電気マッサージ機だと思う。
意図せず飛ばされたネットの通販サイトでみたことがあった。
マッサージ機とは名ばかりの大人のオモチャのサイトにあった。
彼はそれを私の股間に執拗にあて続けた。
マッサージ機をあてられると身悶えして気が狂いそうになり、何も考えられなくなってしまう。
身体中に電気が走ってるみたいに、疼くような快感が全身を駆け巡る。
そのうち頭の中が真っ白になってカミナリが落ちたような感じで気を失ってしまうのだ。
それが何回も繰り返され、私は本当に死んでしまうと思った。
夢にしてはあまりにも生々しく、現実味がありすぎた。
これがただの夢でないことは、もう分かっている。
何か起きているのか、いつまで続くのか分からないが、私は夢を操れる『特異な存在』に目を付けられてしまったのだ。
彼はまだ私のパンティーを口に含んでた。
まるで食べ物であるかのように咀嚼した後、水分を逃さないようにチューチュー吸い上げながら口から引っ張りだす。
私にはその行為におぞましさしか感じられなかった。全く理解できず、異星人でも見るような目でそれを見ていた。
「アッキーにも食べさせてあげるよ」
彼はそう言うと、手に持ったパンティーを私の口に押し付けてきた。
絶対にヤダッ!
口を真一文字に固く閉じ、顔を左右に振って激しく抵抗する。
なぜ私の口に入れようとするのか、彼の行為が本当に理解できない。
突然、股間から振動とともに体中に電撃が走った。
「アッ、アアアーッ!」
思わず叫び声をあげてしまった。
彼がマッサージ機を使ったのだ。
爆発するような快感の疼きが股間から全身に走る。
「やめてっ、やめっウグッ!」
不意に口の中にパンティーが押し込まれ、オシッコの匂いとしょっぱい味が広がった。
「ウッ、ウッーー!」
口から引っ張りだすこともできず、息がつまる。
彼はマッサージ機のスイッチを切り満足そうに私を見下ろした。
「アッキー、やっと食べてくれた。自分のオシッコと僕の唾液の味はどう? おいしいでしょ?」
にやにや顔を近づけて彼はいう。
悔しくて涙が噴き出す。
この世界に呼び出されてひどいことをされるのは分かっていたから、なす術が無いのなら、感情のスイッチを切っておこうと思っていたのに…。
あまりにも人格を無視した仕打ち、いたぶられる理不尽さと恥ずかしさで、私はボロボロと涙を流し声を上げて泣いてしまった。
そんな私の感情にはおかまいなく、彼は私の足元に移動し両足をもって大きく開く。
露になった私の性器がぱっくり開いて恥ずかしい。
抵抗しようにも体の力がはいらない。
あの注射のせいだ。
そんな気はぜんぜんないのに、熱く濡れていた。
「アッキーのオシッコの味が忘れられないんだ。もっと味あわせてよ」
彼はそう言うと私の性器を舐めだした。
「ウッー、ウッ!」
思わず声がもれた。
口の中のパンティーのせいでくぐもった声にしかならない。
ねっとりとヌメる生き物が私の割れ目を這い回る。
マッサージ機の突き刺さる感覚とは違って、絡みつくような予測できない快感が襲ってくる。
こんな悪魔にはぜったいに屈しない!
おぞましい! 感じたくない!
あられもない姿にされ嬲られている、その悔しさを思いつつ必死に耐えていたが、彼の舌の動きが大きくなり、クリトリスをピチャピチャと舐めまわされると反抗心より生理的な欲望に流されそうになる。
舌先が割れ目に差し込まれ、奥へ奥へと入り込んできて、さらに奥を求めピクピクと蠢ている。
体は正直で、私の中で暴れまわる別の生き物がもっと動きやすいようにと、大量の愛液が溢れ出していた。
彼の舌がそれを掬い上げ飲み込んでいた。
「アッキーのジュースが止まらないよ。ずっと湧き出てくる」
彼がうれしそうに股の間から顔を上げいう。
私は泣きながら顔を背けることしかできなかった。
彼は私の大事な部分を散々舐めまわした後、私を膝の上で赤ん坊でも抱えるように横抱きにした。
右腕に私の頭を乗せ、左手を股間に伸ばすと、性器に指を挿し入れてきた。
びくりと反応し、体がのけぞる。
掌で割れ目を押し開き、中指と薬指を奥の方まで挿し込んで私の中で掻き回している。
クチュ…クチュクチュ…ヌチャ……。
部屋に卑猥な淫音と私の呻き声が響いていた。
舌先と違って動きが激しく、予測できない突然の快感が何度も襲ってくる。
その度に全身をガクガクと身震いさせていた。
彼は間近で私の反応を見ながら指の位置や動きを変える。
不意に指が私の中からいなくなり太ももを這っていたかと思うと、突然奥の一番感じやすい部分を刺激されたり、クリトリスを執拗にいじくり回されたり、明らかに私の反応を見ながら楽しんでいるようだった。
私はまるで楽器のように声を上げ、体を硬直させ、彼のなすがままだ。
頭を抱え込んでいるもう一方の手は胸をまさぐっている。
乳房を揉みしだかれ、ときどき顔を下げ乳首を強く吸われ、痛みと快感の混ざった刺激が身体を走る。
やがて口に押し込まれていたパンティーを引き抜き、キスもしてきた。
私は顔を背けてわずかな抵抗をしたが、頭を抱え込まれ舌先を捻じ込まれる。
大きく口をあけ、舌を絡ませてくる。彼の唾液が流れ込んできた。
全身を絶え間なく刺激され、私はもうなす術がなかった。
何も考えられなくて、ただひたすら波のように襲ってくる快感を受け止める。
彼の手の動きが一段と激しくなり、股間に挿さった指が愛液を弾き飛ばした。乳房を揉みしだかれ、口の中では舌先を吸い上げられている。
快感が高まって今までで最高の波がきた。
彼が激しく動かしていた指を引き抜いたとき、何かが弾けたように頭の中が真っ白になり、全身がカミナリに打たれたみたいに痙攣した。
私は意識を失う。
ほんの少しのあいだ意識を失っていた。朦朧としていて頭がはっきりしない。
まだ快感の余韻が全身にのこっている。
私は床に寝かされていた。
不意に足元から声が聞こえた。
「そろそろフィニッシュだ。さあ、アッキー、入れてあげるからね」
彼が股の間にひざ立ちで立っている。
その股間に太く大きなペニスがそそり立っていた。
あんなのが私の中にはいるの?!
過去に2回、夢の中で犯されたけど、実物をまともに見るのは初めてだ。
長さが20センチ近くもあり、太さも私の手首くらいある。
あれが私の中に入るなんて信じられなかった。
彼はビンに入った透明な液体を私に振りかけてきた。
肌の上を液が滴り、それを手の平で全身に引き伸ばす。
ヌルヌルしていた。ローションだと思う。
乳房にマッサージするように念入りに塗りたくっている。ヌメりの中で乳首をいじくり回され、思わず感じてしまい声がでてしまった。
下半身にも床に滴るくらいふりかけ、太腿から股間にかけ念入りに塗り広げている。太腿の内側に指を這わせられるとゾクゾクした快感が走った。
最後に性器にも塗りこんできて、クリトリスをさんざん刺激された。
「ああぁっ! うんっ!」
体がのけぞり大きく声がでてしまう。
割れ目に指を這わせなから、いやらしく言ってくる。
「もうアッキーのアソコ、グチョグチョになってるよ」
うつむいて顔を隠す。
それは私もわかっていた。
全身に塗りたくられた液体のせいか、皮膚の感覚が敏感になっている。
身体中を撫で回され性器が熱く疼くようで、愛液が染み出してきているのがわかった。
さっきのローションにまた変な薬品が入っていたんだと思う。
「よし、そろそろいいかな」
彼は肉の棒を手でしごきながら私の足を開き、擦り寄ってきた。
「いや! やめてっ! 近づかないでっ!」
体は熱く潤んでいて快感をほしがっていたが、それでも彼に犯されるのは嫌だった。
私の気持ちに関係なく、M字に足を開き彼はそそり立った大きなペニスを割れ目にあてがっていた。
狙いを定めるとゆっくりと挿入してくる。
舌先や指とは全く感触の違う、太く逞しい別の生き物が私の中に入り込んでくる。
めりめりと引き裂かれるような痛みがあったが、それ以上の圧倒的な快感が私を襲った。
全身に電気が走り抜け、思わず体がのけぞる。
もっと…奥まで…!
無意識に腰を浮かせ誘うような動きをしてしまう。
それに応えるように彼は腰を突き出した。
圧倒的な快感が全身に響き渡る。
ああっ、気持ちいい…! 嫌なのに…!
私は喘ぎ声を上げながら彼のペニスを奥深く迎え入れていた。
初めての時は痛みと恐怖しかなかったが、今では快感を感じてしまう。
「ああ……アッキー、すごい…締め付けだ! 吸い付かれてるみたいだ…」
彼は喘ぎながらつぶやく。
私の体の奥から溢れでた愛液が二人の陰毛を濡らす。
前に犯された時よりも格段に気持ちよかった。
私は中に入り込んで来たこの生き物を逃さないように、お腹に力を入れて締め付けた。
私はもう自制心を無くしていた。
もっと奥に、もっと強く、もっとかき回して欲しい。
そう思ってしまった。
きっと薬のせいだ。
彼は私に挿し込んだまま覆い被さり、乳房を揉みキスをしてくる。
背後に回され縛り上げられた腕が痛かったが、彼のディープキスに夢中で応えた。
互いの陰毛がジョリジョリとこすれるほど密着している。
身動きするたびにペニスが擦れ、快感に変わり、性器が彼のペニス締め上げた。
彼が体を起こすと乳首の先からローションが糸を引いた。
彼は腰を大きく前後に動かし始めた。
すごい快感の波が襲ってきて大きく声を上げてしまう。
「アアッ、アアーッッッ」
私は我を忘れて快感に酔いしれた。
もっと…もっと…やって!
何度も突き上げられ、こねくり回された。
体をよじり嬌声をあげ、快楽に溺れ続ける。
その間、彼は上体を起こし、腰を激しく動かしながら私を見ていた。
淫靡な笑みを浮かべ、私が顔を歪め髪を振り乱しながら声をあげるのを楽しんでいるようだ。
時々身を屈めては乳首を舐めまわし、両手で乳房を揉みしだいたかと思うと、今度は喉の奥まで届くようなディープキスをしてくる。
股間を密着させてグルグルと回し、陰毛が絡み合う感触を楽しんでいる。
腰の動きが速くなり、性器から伝わる喜びが全身を駆け巡る。
私は彼の腰の動きに合わせ、なすがままに喘ぎ声を上げ続けた。
もう…イッちゃう…!
荒ぶった彼のペニスが私の意識を奪い去る直前に、不意にそれが引き抜かれた。
突然、私の中にいた喜びを与えてくれる生き物がいなくなる。
全身を駆け巡っていた快感が急激に途絶える。
もう少しで絶頂に達するはずだった快楽が急速にしぼみ、喪失感で私の体が悶える。
いやっ、もう少しなの! やめないで!
私は恨めしげに彼を見つめてしまった。
ニヤニヤと笑いながら私を見つめている。
「僕のチンチン気持ちいい?」
「………」
私は答えることができない。
「アッキー、入れて欲しいんでしょ?」
彼はそう言いながらペニスを掴み、その先端を割れ目に沿って這わせた。
私は目を閉じピクピクと体を震わせるが、さっきまでの圧倒的な快感にはほど遠かった。
彼は焦らすように下腹部の周りを亀頭でなぞり続けた。
ああ、早く入れて! もっときて…!
心の声が叫ぶ。
ペニスの先端がするりと割れ目に滑り込む。
「あっ、ああん!」
思わず声を上げる。
またすぐに引き抜かれる。
私は焦らされ、切なく声を上げる。
奥まで入れて欲しい!
さっきみたいに奥まで!
理性は完全に吹き飛んでいた。
私は早く入れて欲しくて、腰を下げペニスに押し付けた。
先端が少し中に入ったと思ったらすかさず彼は腰を引き、ペニスは抜けてしまった。私はもどかしくてたまらなくなる。
「入れて欲しい?」
いやらしい笑みを浮かべ彼が聞いてくる。
私はこくりと頷いてしまう。
こんな奴にもて遊ばれてはダメ!
心の声が叫ぶが、それはあまりにも小さかった。
「マンコに入れて欲しいの?」
彼は私の性器に亀頭を擦り付けながら、わざと中心を外し、外しながら近ずいてくる。
私は切なくコクコクとうなづいた。
「なら、マンコにチンポを入れてくださいって言って」
彼は私に酷い命令をする。
割れ目の中心に亀頭をあて、今にも挿入しそうな体勢だ。
私はそのまま入れて欲しくて、たまらなくなり、彼の言うとおりにする。
「……入れて…ください」
私は辛うじてつぶやく。
普段なら絶対に言えないが、薬品で高まっている圧倒的な性欲に抗えない。
「え? よく聞こえない。もっと大きな声で言わないと」
彼は意地悪く問い返す。
「…入れてください」
「何を?」
「…チンチン…」
「どこに?」
「…私の中に…」
「よくわからないな。これは何?」
そう言って割れ目に指を突き立てる。
「あッ、アアッー」
思わず声が上がる。
少しだけペニスが押し込まれる。
「ここは何?」
私は快感に声を高ぶらせて言う。
「マ…マンコ!」
こんなはしたない言葉を口にするなんて…。
私は自分の口から卑猥な単語が吐き出された事が信じられなかった。
「どうして欲しいのか最初から言ってごらん」
それでも私は意を決して言う。
「私の…マンコに……チンチンを入れて下さい」
そう言った途端、体の奥深くまでペニスが挿し込まれた。
「よく言えたね。ご褒美だ!」
彼はそう言い、太く怒張した肉棒が私をつらぬく。
私は叫び声をあげる。
彼は容赦なく何度も私を突き上げた。
愛液が大量に溢れ出しビチャビチャと音を立てる。
乳房が激しく上下に揺れる。
ジェットコースターに乗っているかのように激しく突き動かされ、快感が絶頂へと高まっていく。
彼は息を詰め私を突き続けた。
私の腕が縛られていなかったら、彼にしがみついていただろう。
「アッキー…、気持ちいい?」
彼は腰を激しく動かしながら聞いてきた。
「…うんっ! 気持ち……いいの!」
私は喘ぎながら思わず答えていた。
腰の動きがさらに激しくなる。
股間から伝わる快感が電撃のように全身に響き渡る。
「アッキー…、いきそうだ。中と外どっちがいい?」
最初は何を言っているのかわからなかったが、精液を何処に出すか聞かれていることに気づいた。
「アッ…外に! 中は…やめて!」
突き動かされながらとっさに答えた。
夢だということ忘れ妊娠を恐れた。
私がそう答えても、彼はそのまま激しく突き上げてくる。
私も限界ですぐにでもイキそうだ。
「アッキー! やっぱり中に出すよ!」
彼はそう叫ぶと私の中に放出した。
熱い液体がお腹の奥に流れ込んでくる。
彼の裏切りに驚愕し叫ぶ。
「イヤッー、やめて!! お願い、抜いて! …妊娠しちゃう!」
ペニスを抜こうとしたが、後手に縛られているため腰を引くことしかできない。
彼はそんな私を逃すまいと両肩を抱え込み、股間を密着させ奥深くペニスを挿し込んだ。
それは脈を打ちながら私の中にドクドクと精液を吐き出し続ける。
絶望に打ちひしがれ、いやいやと首を振りながらまた泣き出す。
私は悲しくて泣き続けた。
薄暗い部屋に私の嗚咽だけが響いている。
犯されたとはいえ、一次的にでも彼を欲しがり迎え入れてしまったことが悔しかった。
彼のさっきの仕打ちを思い返し、悲しみが怒りに変わりはじめていた。
私にしがみついていた彼が身を起こし、ゆっくりとペニスを引き抜く。
性器からどろりと精液が溢れ出し、床にこぼれ落ちた。
「アッキー、気持ち良かったでしょ。大丈夫、夢の中だから妊娠しないよ」
その言葉が私の怒りに拍車をかけた。
最初から騙すつもりだったのだ。
私は心底頭にきていたが、頭は冷たく冴えわたっていた。
「…腕が痛いの。お願い、縄をほどいてくれる?」
弱々しくお願いする。
「ああ、ごめんね。今ほどくから」
そう言って彼は縄を解きはじめた。
途中、乳房を揉んだり首スジにキスしていたが私は感じる振りをしてやり過ごす。
性感より怒りが強かった。
なぜか性交が終わってから、体のだるさや素肌の過敏な感覚も無くなっている。
さっきまでの性欲が嘘のようだ。
彼の魔法が解けたのだろうか?
縄が完全に外れ、ようやく体の自由を取り戻す。
私は彼に一矢報いたかった。
彼は私を引き起こしてくれると、少し身を引き、私の表情を探っていた。
私は彼を上目遣いで見た後、はにかみながらいう。
「孝典くん、すごく気持ち良かった」
あえて孝典くんの名前で呼びかけた。
そしてとびっきりの笑顔を作り両腕を広げて彼に言う。
「お願い、もっと抱いて!」
彼は息を飲んで、目を丸くして驚いている。
「アッキー、いいね! 何度でもいけるよ! もっとやろう!」
彼は勢い込んで私に抱きつこうとした。
私は腕を引くと、渾身の力を込めて、その顔面に拳を思いっきり叩き込む。
グシャリという音とともに拳が鼻にめり込み、彼は鼻血を撒き散らしながら吹き飛んだ。
ゴンという音とともに盛大に壁に頭をぶつけると、そのまま白目をむいている。
鼻からダラダラと血が流れていた。
私の手もすごく痛かった。
手を振りながら痛みに顔をしかめていると、その手が透き通って見える。
ふと見ると体全体が消えかかっている。
彼が気絶したせいだ。
ようやく悪夢から解放される。
反撃が成功し、少しはスッキリした。
消える直前、彼を見て私は息を飲んだ。
孝典くんじゃない!?
私は夢の世界を脱出した。